西遊記

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西遊記の登場人物を描いた絵画(頤和園

西遊記』(さいゆうき、テンプレート:Zh2)は、中国16世紀の時代に大成した伝奇小説で、唐僧・三蔵法師が白馬・玉龍に乗って三神仙(神通力を持った仙人)、孫悟空猪八戒沙悟浄を供に従え、幾多の苦難を乗り越え天竺へ取経を目指す物語。全100回で中国四大奇書に数えられる。 テンプレート:要出典範囲 著者は、『淮安府史』(天啓年間成立)に、呉承恩1504年頃 - 1582年頃、江蘇省出身)の著書として「西遊記」という書名が記述されていることから、彼が作者であると20世紀の中国では定説化していたが、後述のように批判的な説が存在し、明確な結論は出ていない。詳しくは後述。

概要

の時代にインドへ渡り仏教経典を持ち帰った玄奘三蔵の長年の旅を記した地誌『大唐西域記』を基に、道教仏教の天界に仙界、神やや妖怪や仙人など、虚実が入り乱れる一大伝奇小説であり、物語の縦軸に玄奘三蔵の波乱の人生を、横軸に無敵の仙猿・孫悟空の活躍を置き、玄奘三蔵一行が天竺を目指し取経を果たすまでを描いている。

『西遊記』には人間の登場人物として玄奘三蔵や唐の太宗皇帝など実在の人物が顔を並べるが、書かれている内容は完全にフィクションであり、史実とは一致しない。また、『西遊記』を映像化・舞台化する場合には主要な登場人物が男性のみとなってしまうことから、演出上、中心人物の一人である三蔵法師役には男性ではなく女性があてられることもある。

成立

唐三蔵西天取経伝説

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敦煌の洞窟に残された9世紀頃の壁画

現実の玄奘三蔵の取経の旅は西暦629年から645年に行われた。その事績が仏教徒の間で伝説化し神聖視された痕跡が各地に残されている。

敦煌莫高窟から発見された絹本、紙本の絵画及び壁画(9世紀から11世紀半ば)には、経巻を背負い虎を伴った徒歩の行脚僧の描かれたものがあり、伝説化した玄奘とする説がある。これらの中には宝勝如来を上隅に描き入れているものがあり、「寳勝如來一軀」と書き入れられたものもあることからこの取経者は宝勝如来に保護され、また宝勝如来と同一視されたと推定される。

莫高窟東方約 100 km の楡林窟、その更に東方約 30 km の東千仏洞の水月観音図、普賢変図(12世紀後半、西夏末)に含まれる玄奘取経図に描かれた玄奘は猴(マカカ属のサル)と馬を伴っており、また張世南『游宦紀聞』(1228)所収の張聖者の詩(北宋末から南宋初、12世紀前半と推定される)には「幾生三藏往西天」「苦海波中猴行復」「沈毛江上馬馳前」の字句が見え、12世紀には玄奘の取経伝説には猴と馬が取り込まれていたことが分かる。1237年に建立された福建省泉州の開元寺の仁壽塔(西塔)第四層南面には「梁武帝」に向き合って経文を捧げる「唐三藏」、東北面には刀を手にした猴行者と金箍棒を手にした「東海火龍太子」の浮き彫りがあり、それぞれ「」内の文字が銘文にある(猴行者は銘文無し)。

西遊記の成立

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金陵世德堂版西遊記

宋代には原型となる説話「大唐三蔵取經詩話」(三蔵が猴行者[1]を連れ取経の旅をする)が存在していた。西遊記でいま残っている最古のものは元代の西遊記の逸話を収録したとみられる朝鮮の書『朴通事諺解』(1677年)によるものである。写本科挙を目指す書生たちが息抜きに作成していったと思われ、書き写されるたびに詩文・薀蓄が追加され、拡張され、また、戯曲雑劇「西遊雑劇」として好んで上演された。

明代には多数の西遊記版本があった。代表的なものは『西遊記傳』(楊至和本)、『唐三藏西遊傳』(朱鼎臣本)など三種のうちその最も膨らんだ姿が、万暦20年(1592年金陵世徳堂の刊行した『新刻出像官板大字西遊記』(作者名なし 通称は世徳堂本)である。

明末期になると、蘇州刊本『李卓吾先生批評西遊記』があり、内閣文庫に収蔵されているが、むろん李卓吾の名は他の小説本と同様に、刊行元が価値をつけるために勝手に付けられたものである。本文は世徳堂本とほぼ同じである。

この版での全訳が、中野美代子訳 『西遊記』(岩波文庫全10巻)[2]

これら(繁本版はが多数入っているので)は分量が多すぎたとみられ、清代には商業ベースを考慮したダイジェスト(簡本)が『西遊証道書』(康熙初年 その序には作者を長春真人丘処機(丘長春)とされてしまい、以降は、清代の西遊記の作者とみなされた)をはじめ、多くの版が刊行されたが、それらの内容を比較するとそれぞれ一長一短であるが、最もバランスよく整理されているのが、やや大部の簡本で康熙33年(1694年)刊行の『西遊真詮』である。この版での訳書が、太田辰夫・鳥居久靖訳 『西遊記』(平凡社[3]である。

原作者の謎

前述のとおり、清代には、作者は長春真人丘処機(丘長春)と信じられており、ティモシー・リチャード[4]による初の英訳本(上海・1919年刊行)においても作者名は丘長春とされていた。

呉承恩作者説は、魯迅『中国小説史略』(1924年、訳書は平凡社東洋文庫全2巻)や「中国小説的歴史的変遷」などで提唱したもので、比較的新しい説である。それ以降、呉承恩が作者として扱われることが多いが、証拠はない。

日本では太田辰夫や中野美代子が、研究によりこの説を否定[5]しており、『世界文学事典』(集英社)でも、「小説『西遊記』の版本に、呉承恩の名前や別号を記したものがないため、呉承恩の『西遊記』が、小説の西天取経物語を指すのか、あるいはその戯曲、あるいは全く別の紀行文を指すのか、現在まだ定説はない」、「(呉承恩は西遊記の)最大限改編者であり得ても、<作者>ではない」と書かれている。日本訳では、現行の太田・鳥居訳の平凡社版でも、中野美代子訳の岩波文庫版でも原作者名は記載されていないが、君島久子校訂[6]し、瀬川康男と共訳版『西遊記』(改訂版・福音館文庫全3巻、2004年)など、呉承恩作と記載されている出版物も少なくなく、呉承恩作者説は未だ一般に広く流布している。21世紀に入った今日まで、西遊記の作者が誰なのかは決定的な確説は出ていない。

主要登場キャラクター

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西游真詮 图像6 孫行者(孫悟空)
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西游真詮 图像7 猪八戒
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西游真詮 图像8 沙僧(沙悟浄)
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西游真詮 图像5 唐僧(三蔵法師)
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“悟空”は仙術の師匠・須菩提祖師からもらった法号であるため、「実名敬避俗」(参照)に準じ“孫行者”と呼ばれる。孫悟空の孫は猿の昔の呼び方である「猢猻」から来ている(“猻”の獣偏を取った“孫”を名前に取り入れた)。
はじめの通称はテンプレート:ルビ、天界時の自称はテンプレート:ルビ
西域より帰還の後、未来世に成仏して闘戦勝仏となることを釈迦如来より約束される(これを記別という)。
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“八戒”は「実名敬避俗」に準じた通称であり、観音菩薩からもらった法号は“テンプレート:ルビ”。天界から地上へと落とされた際、人間に転生するはずが、うっかり雌豚の胎内に入ってしまったため、容姿が豚となってしまう。
天界時の官職はテンプレート:ルビ
西域より帰還の後、未来世にテンプレート:ルビとなることを釈迦如来より約束される。
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“悟浄”は観音菩薩からもらった法号であるため、「実名敬避俗」に準じ“沙和尚”と呼ばれる。悟空と八戒との間を取り持つ役。中国では顔色が黒い気味の悪い男と表現される。天界から流沙河に追放され、そこで人を襲う妖怪となった。流沙河は名前の通り河のように流れる流砂を表していたが、水の流れる河と誤解されている。そのため日本では“河童の妖怪”とされている。
天界時の官職はテンプレート:ルビ
西域より帰還の後、未来世にテンプレート:ルビとなることを釈迦如来より約束され、天界の池に住まうことを許される。
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俗名は陳江流[7]。三蔵法師は尊称、法名はテンプレート:ルビ。この人物には実在のモデルがいるが、劇中の内容は史実とは全く異なる。
生まれる前に父を殺され[8]、母を奪われて、生まれてすぐに川に流されるが、金山寺[9]で拾われずっとそこで育てられる。観音菩薩の命を受けて天竺へと取経の旅へ遣わされる。その際、太宗皇帝と義兄弟となった。
前世で天界にいた時は釈迦の第二の弟子、テンプレート:ルビであったが、仏法を信じないため下界に落とされた。
西域より帰還の後、未来にテンプレート:ルビという仏に成る記別を釈迦如来より与えられる。
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西海龍王敖閏の第3太子であり三蔵が乗っている馬に化身している。女性に化けて立ち回ったこともある。
西域より帰還の後、未来世にテンプレート:ルビ、またの名を天竜八部衆になると釈迦如来より約束される。
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字は鎮山太保。双叉領の猟師。孫悟空に出会う前の三蔵法師に会って虎狼より守ったので、孫悟空の兄貴分にあたるが、五行山から解放すると別れた。
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西方の霊山大雷音寺に住み、天帝の依頼で孫悟空を退治した。天界で暴れ、強者こそが尊いとして天帝に位を譲れという孫悟空を痛罵し、その力を見せてみよと挑発した。如来の右の手のひらから飛び出せるか賭けをすることになり、悟空はテンプレート:ルビで飛び去るが、はたして最果ての天の柱は如来の指であった。まやかしの術だと抗弁する悟空を手で打ち据え、押さえつけて、五行山に閉じ込めて封印してしまう。
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鳩摩羅什による訳語、観世音菩薩がの二代目皇帝李世民の名”世”から避諱により唐時代の中国では観音菩薩。玄奘三蔵の訳では観自在菩薩。悟空が逃げないように、老婆の姿になって三蔵に緊箍児(僧頭巾)と、緊箍呪(定心真言)を教えた。
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天界軍を指揮する托塔李天王の息子。火尖槍と風火二輪を使う。『封神演義』では主役級のキャラクター。
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天界をおさめる神である玉帝の妹の息子。悟空が天界に対して反乱を起こした際に悟空を捕えることに成功する。『封神演義』では楊戩。哪吒と並んで主役級のキャラクター。
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牛の妖仙であり孫悟空の義兄弟。
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牛魔王の妻。日本では種族名のテンプレート:ルビの名で呼ばれることが多い。火焔山の炎を消すことができる芭蕉扇を持つ。
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牛魔王と羅刹女の息子。聖嬰大王と号する。牛魔王繋がりで孫悟空から見て甥ということになるが、紅孩児本人は甥呼ばわり(中国では人を馬鹿にする際に、相手を甥、姪と呼ぶことがある)されることを嫌う。三昧眞火と呼ばれる術を使い、一度は悟空を敗退せしめたが、観世音菩薩に調伏され、弟子となる。
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正体は太上老君の金炉の童子。銀角の兄。母に九尾の狐がいる。
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正体は太上老君の銀炉の童子。移山倒海の術で悟空をおしつぶそうとするが、失敗する。

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内容

大鬧天宮 (だいどうてんぐう:dà nào tiān gōng)

テンプレート:ルビテンプレート:ルビテンプレート:ルビの仙石から天地の霊気をまとった石猿が誕生する。猿はとてつもない度胸の持ち主で、山奥の滝壺にて洞天福地テンプレート:ルビを発見した功により、花果山の周辺の猿を従えて王となり、美猴王と名乗る。ある時、美猴王はこの世の森羅万象について考えていくうち、生きとし生ける物の生死に悲観し、不老不死を願うようになり、西牛貨洲霊台方寸山まで仙術を身につけに行く。師匠・須菩提祖師から孫悟空という法名を授かり、七十二般の術を身につけるがまだ満たされず、とうとう四海竜王の竜宮ひいては天界にまで殴り込みに行き、天界を統べる玉帝よりテンプレート:ルビの位を授かる。当初悟空は弼馬温の実態も知らず喜んでいたが、後に弼馬温が只の馬飼いと知るや否やたちまち激怒し、自ら斉天大聖と名乗り、哪太子や顕聖二郎真君相手に天界で大暴れする。西王母の蟠桃を食らい、太上老君の金丹を平らげ、罰として八卦炉に入れられるも、悟空は「銅筋鐵骨 火眼金睛」の不死身の体となって生きのび飛び出した。ついには釈迦如来と「俺は地の果てまでも飛んでいってみせる」と賭けをする。地の果てらしき場所に立っていた5本の柱に到達したしるしとして悟空は一筆書き、柱に小便を引っかけて得意となって戻ってくるものの、実は釈迦の両手のなかをぐるりと周回しただけであった。釈迦が示した手に自分の署名を見て呆然とした悟空はその場を逃げようとしたものの、あっという間に五行山の下敷きにされてしまった。

三蔵が取経に出るまで

悟空が五行山の下敷きにされてから五百年の時が流れた。時は唐代、太宗の御世であった。太宗は一時病のために死んで地獄を巡ったが、冥土の高官たちの目こぼしにより再び現世によみがえった。やがて太宗が閻魔の言い付け通りに水陸大会を催し、その時後に取経の僧に選ばれる玄奘を見出す。所変わって天界では観世音菩薩が弟子・恵岸とともに下界へ降り立ち、悟空を含む諸々の罪人達にある取り引きをした。天界にて罪を犯していたのは悟空だけではなかった。その罪人たちとは、天の川の水軍を統べる天蓬元帥であったが月の女神・嫦娥をたぶらかしたために天界を追われ、妖仙と化して深山にて暴れていた猪八戒、天界の軍人であった捲簾大将が天界の宝である玻璃の器を壊して天界を追われ流沙河にて人を食らう妖仙となった沙悟浄、そして父竜王の竜宮で宝珠を焼き死罪を言い渡されその間中空に逆さ吊りにされて苦しんでいた西海竜王敖閨の子・玉龍である。観音はめいめいにいつか現れる取経の僧とともに天竺へ参り、贖罪を果たすことを約束させる。功によっては彼らを仏にしてもいいということを条件に…。その取経の僧こそが、あらゆる経典を学び、人徳に優れ、多くの人々から聖僧と敬われていた玄奘三蔵であった。彼もまたかつて釈迦の二番弟子(金蝉子)であったのにもかかわらず、釈迦の説法を侮ったために罰として下界に転生させられていた。やがて貞観13年9月3日(639年)、三蔵は太宗と菩薩の命で天竺へ行くことを決意し、菩薩から教えられた、自分に従うことになる弟子たちを探して旅立ったのだった。最初に三蔵は五行山で悟空を助け出し、続いて鷹愁澗で玉龍を導き、さらに高老荘で八戒を、最後に流沙河で悟浄を弟子にした。

旅の途中での妖仙との戦い

贖罪の旅をする三蔵一行は天界が用意した八十一の難と対峙する。三蔵のテンプレート:ルビが黒熊怪に奪われる、三蔵が黄風大王にさらわれる、太上老君(老子)の炉の番人の金角・銀角大王と戦う、牛魔王の子・紅孩児と争う、観世音菩薩が飼っていた金魚が逃げ出した霊感大王と戦う、太上老君の乗用牛の獨角兕大王と戦う、西梁女人国という女だらけの国で心ならずも三蔵と八戒が子を孕む(無論後に堕胎した)、三蔵が釈迦如来を刺したサソリの精に誘惑される、火焔山で悟空が紅孩児の母・羅刹女に芭蕉扇で吹き飛ばされる、その夫にして紅孩児の父・牛魔王と対決する、朱紫国で観世音菩薩の乗用金毛毛孔の賽太歳大王と戦う、獅駝嶺で文殊菩薩の乗用去勢獅子の一大王・普賢菩薩乗用黄牙白の二大王・大鵬金翅鵰の三大王と戦う、小子城で寿星(南極星)の乗用の鹿である比丘国国丈と対決する、鎮海寺でテンプレート:ルビを兄と慕う地湧夫人(正体はネズミ)と戦う…など、あまたの苦難が一行を待っていた。

西天取経

旅の終盤、とうとう天竺にたどり着いた一行。底のない渡し舟で川を渡る。そのとき、上流から三蔵の抜け殻である死体が流れてきて、三蔵は凡体を脱することができたと喜ぶ。その後釈迦と謁見、経典を授かるもそれは無字の経典だった。新たに字のある経典を授かるが、旅の日数と経典の数が八つ合わないため、一行は雲に乗せられて8日間のうちに東土から西天へ帰ってくるように命じられる。観世音菩薩が三蔵の災難簿を見るとあと一難足りないとある。そこで雲から落とされる一行。通天河に落ちた後、経典を乾かすが紙が岩にくっつき、1字はがれてしまう。長安に戻って太宗皇帝と謁見する一行。経典を渡し、雁塔寺に納めると八大金剛が現れて一行を連れ去っていった。その後西天にて釈迦に称賛の言葉をかけられ、ついに五人は罪を許され、三蔵はテンプレート:ルビ、悟空はテンプレート:ルビ、八戒はテンプレート:ルビ、悟浄はテンプレート:ルビ、玉龍はテンプレート:ルビとなる。悟空の頭からはいつの間にか緊箍の輪が消えていた。

派生作品

小説

映画(アニメ以外)

ドラマ

ドラマ版の配役の推移

放送開始年月 孫悟空 三蔵法師 猪八戒 沙悟浄 玉龍(白馬)
1978年10月 堺正章 夏目雅子 西田敏行 岸部四郎 (なし)
1979年11月 左とん平 藤村俊二
1993年 本木雅弘 宮沢りえ 河原さぶ 嶋田久作 (なし)
1994年4月 唐沢寿明 牧瀬里穂 小倉久寛 柄本明 柳沢慎吾
2006年1月 香取慎吾 深津絵里 伊藤淳史 内村光良 (なし)

人形劇

人形劇版の配役の推移

放送開始年月 孫悟空 三蔵法師 猪八戒 沙悟浄 玉龍(白馬) その他主要キャスト
1977年 志村けん いかりや長介 高木ブー 仲本工事 すわしんじ
※現:すわ親治
カトウ:加藤茶
2013年 大泉洋 森崎博之 音尾琢真 戸次重幸 安田顕 お釈迦様三宅裕司

舞台

漫画

アニメ

絵本

  • 東遊記(絵:原ゆたか
  • 絵本西遊記(太田大八・画 / 周鋭・編 / 中由美子・訳)
  • 西遊記(唐亜明・文 / 于大武・画)

ゲーム

楽曲

西遊記の影響を受けた作品

  • キャプテンウルトラ(1966年、東映) - キャプテンの部下、「ジョー」と「ハック」は、それぞれ「沙悟浄」と「猪八戒」がモデルとされる。
  • バビル2世 - 劇中キャラ「三つのしもべ」は、西遊記を元にしたと作者の横山光輝が語った。
  • 宇宙戦艦ヤマト - 荒廃した地球(唐)を救う装置(経典)を長い旅を克服して取りに行くというコンセプトは西遊記を元ネタとしている。
  • T・Pぼん - 西遊記を元にした「白竜のほえる山」というエピソードがある。
  • 日曜はダメよ - 劇中劇という形で「西遊記」を行う。ほかにもドラマ中の節々に、西遊記に影響されているといえる箇所が多々見受けられる。
  • 忍者戦隊カクレンジャー - カクレンジャーの5人(サスケ・鶴姫・サイゾウ・セイカイ・ジライヤ)の性格は、西遊記の登場人物がモデルとされる。
  • 巡回診療魔 - 主要な登場人物4名(姉御探偵・猿田悟空・猪瀬八戒・斜五条)は西遊記をベースにしている。
  • ドラゴンボール - 序盤のストーリーおよび登場人物・道具のごく一部は、西遊記が元になっている。
  • 中華大仙(アーケード・ファミリーコンピュータ・PCエンジン他:タイトー) - Wiiのリメイク版の「マイケル」は孫悟空そのものの風貌になっている。
  • ロックマンメガワールドメガドライブ) - オリジナルステージのボスが、悟空、八戒、悟浄をモチーフにしている。
  • ワールドヒーローズ(アーケード・ネオジオ他:ADK) - シリーズ最終作『パーフェクト』に孫悟空が使用キャラクターで登場する。
  • MARVEL VS. CAPCOM 2 NEW AGE OF HEROES(アーケード・ドリームキャスト他:カプコン) - 登場キャラクターの「ソンソン」が初代『ソンソン』の主人公の孫娘。
  • ガイアマスター(PlayStation:カプコン) - 隠しキャラクターに孫悟空が登場する。
  • アイシールド21 - 作中に登場するチーム「神龍寺ナーガ」の斉天正行・河藤三平・八浄戒・釜田玄奘は、西遊記の主人公達をモデルにしている。
  • 無双OROCHI 魔王再臨無双OROCHI Z(PlayStation 2・PlayStation 3:コーエー) - 『無双OROCHI 魔王再臨』では悟空のみ登場するが、三蔵法師ではなく平清盛によって助けられるという該当作独自の設定。『無双OROCHI Z』では仙界から三蔵法師も登場するが、完全に女性となっている。
  • カップヌードル中華シリーズ(1998年、日清食品) - 各商品のCMに、西遊記一行らしき4人組が登場。
  • ウィルコムCM「だれにでも西遊記」(2013年-) - 悟空は高田純次、三蔵法師は佐々木希、沙悟浄は設楽統、猪八戒は日村勇紀

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

参考文献

  • 中野美代子『西遊記の秘密 タオと煉丹術のシンボリズム』 岩波現代文庫 2003年、ISBN 4006020708
  • 中野美代子『西遊記 トリック・ワールド探訪』 岩波新書 2000年 ISBN 400430666-3
  • 中野訳 『西遊記』岩波文庫 巻末解説が第10巻ほか数巻にある。
  • 太田辰夫『西遊記の研究』 研文出版、1984年 ISBN 4-86163-0401

研究文献

  • 磯部彰 『「西遊記」形成史の研究』 創文社東洋学叢書 1993年(平成5年)、ISBN 4-423-19241-1
  • 磯部彰『「西遊記」資料の研究』 東北大学出版会 2007年(平成19年)、ISBN 4-86163-040-1
  • 磯部彰『「西遊記」受容史の研究』 多賀出版 1995年(平成7年)、大著

外部リンク

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  1. テンプレート:ルビ行者
  2. ※岩波文庫の旧訳は、小野忍訳(第1~3巻、1977-80年)で、小野が急逝したことで中野が引き継ぎ、第4~10巻を十数年かけ訳・刊行した。現行版は、再度全巻を改訳・新訳し2005年に刊行。
  3. 平凡社版『西遊記』は、初訳は1960年に〈中国古典文学全集 13・14〉で、改訳され「中国古典文学大系 31・32」、「奇書シリーズ」(上下)が、1989-90年には選書版で「コンパクト版奇書シリーズ」(全7巻)が刊行した。
  4. 1845年-1919年。イギリスの宣教師で、中国古典を多数英訳した。(Timothy Richard
  5. なお中野は、作者複数説を唱えている
  6. 児童向けの訳本だが、『金陵世德堂版 西遊記』を定本に、清代での6種の版本に基づき、君島久子が校訂した。
  7. 姓は陳であるが、江流は幼名であり、成人する前に出家したからか玄奘のの記述はない。あるいは史実と同じく褘が諱で、陳褘という姓名か
  8. ただし父・陳光蕋は生前にコイとなった竜王を助けたおかげで、死後蘇る
  9. 南京の近くを流れる鎮江の西北、金山にある実在の寺
  10. 10.0 10.1 テンプレート:Cite book