運賃
テンプレート:国際化 テンプレート:出典の明記 運賃(うんちん)とは、交通機関(運輸会社など)との運送契約に基づき、旅客や貨物の運送の対価として、交通機関に支払う金銭のこと。運賃は、鉄道では旅客営業規則、それ以外では運送約款その他に基づき算出される。
このほか、到達時分や設備など、サービスの違いにより、別途料金(特別急行券など)が発生する場合がある。
鉄道の旅客運賃は、一般的に普通列車一般車両の自由席を利用する運送のための対価をいい、急行列車や特別車両などを利用するために支払う料金と区別される。なお、名古屋市や大阪市など、地下鉄やバスを運営する日本の地方公営企業の中には運賃を料金と称している事業者もある[1][2]。
鉄道(旅客)
概説
鉄道の運賃は、駅間ごとに定められた営業キロの総和に応じて決められるのが一般的である。これ以外の方式としては
- 乗車1回あたりの運賃のみを定める(均一運賃、均一制運賃などと呼ぶ)。
- 区間ごとに特段の運賃を定める(いわゆる三角表方式)。
- 路線をブロックに分割し、その利用するブロック数で運賃を定める(区間制と呼ばれる)。
といったものがある。
営業キロに応じて運賃を定める場合でも、どのように運賃と営業キロを対応させるかによって2つのタイプに大分できる。
- 1つは、運賃が初乗り区間付近を除き営業キロにほぼ比例する形で運賃を定めるもので、対キロ制と呼ばれる。
- もう1つは、初乗り運賃を定め、これにキロ数にほぼ比例した運賃を加算していくもので、対キロ区間制と呼ばれる。
また、一部区間において営業キロをそのまま利用せず、営業キロより割り増しされたキロ数を適用した上で運賃を計算する場合がある。詳細は「営業キロ」の項を参照のこと。
2社にまたがる場合で、双方の運賃をそのまま合算すると距離の割に運賃が高くなる場合に乗り継ぎ割引を適用した連絡乗車券が発売されることもある。
遠距離逓減制
鉄道の運賃は多くの場合、長距離で利用するほど「運賃÷利用キロ数」が低くなるように設定されている。これを遠距離逓減制(えんきょりていげんせい)と言う。
対キロ制運賃の場合、キロ数に比例して定められる運賃を全区間において同一にせず、一定のキロ数を越えた分については低い運賃を比例させるといった方法が取られる。
対キロ区間制運賃の場合はそもそも制度上「運賃÷利用キロ数」は低くなっていく(「運賃=一定額+(距離比例額×キロ数)」であるため、これをキロ数で割ると「運賃÷利用キロ数=(一定額÷利用キロ数)+距離比例額」となる)。
遠距離逓減制のため、同一区間を乗車する場合においては、切符は2枚に分かれているよりも1枚になっていた方が安くなる場合が多い(「途中下車」も参照)。しかし、運賃計算制度の構造上2枚に分けた方が運賃が安くなる場合もある。
子供・障害者の運賃およびIC運賃
子供の運賃
子供(概ね小学生まで)の運賃は、大人の半額の運賃となっている場合が多い。
JRグループでは以下のようになっており、私鉄でも概ね同一である。
- 大人 - 12歳以上。ただし12歳の小学生は小児。
- 小児(こども) - 6歳以上12歳未満。ただし小学校未入学の6歳は幼児。小児運賃が必要。
- 幼児 - 1歳以上6歳未満。大人または小児に同伴される場合、大人・小児1人につき幼児2人まで無料で、3人以上の場合は超過人数分の小児運賃が必要。幼児が大人・小児の同伴なしで乗車するときは小児運賃が必要。1人で普通車・グリーン車の座席指定席や寝台を利用するときは小児運賃・料金が必要。
- 乳児 - 1歳未満。無料。ただし1人で普通車・グリーン車の座席指定席や寝台を利用するときは小児運賃・料金が必要。
障害者割引運賃
障害者(身体障害者手帳および療育手帳所持者)やその介護者に対しては運賃を大人運賃の5割引とすることがある。適用の可否は、第1種/第2種の別、乗車距離(100キロを超えるか否か)などにより、事業者によって違いがある。
ICカードは障害者割引運賃では利用できない場合が多い。後述するIC運賃を導入した事業者においては、出場時に自動改札機にタッチせずに手帳とICカードを係員に提示し、係員がIC運賃を基準とした割引運賃を引くという処理を行うようにしたことで、障害者割引運賃でのICカードの利用が可能となった。また、一部の事業者では、手帳所持者に対して自動改札機で使用できる(障害者割引運賃を引き去る)障害者用ICカードを発行している。
IC運賃
Suica、PASMOなどのICカードで入出場する場合に限り適用される運賃。入出場ともに同じICカードを使い、カード読取機(自動改札機に併設されたカード読取機を含む)を利用することが条件となる。自社のICカードだけでなく、相互利用カードを利用する場合にも適用される。
2014年4月1日の消費税率改定に対応した運賃改定の際に、東日本旅客鉄道(JR東日本)や首都圏の多くの鉄道事業者が導入した。
通常の運賃は10円単位であるが、IC運賃は事業者によっては1円単位となっている。きっぷで入出場する際の運賃より安い場合が多いが、区間によっては高い場合もある。
理論上最長距離のIC運賃はいわき駅 - 松本駅間の利用で7,344円である。距離は450.2km。
運賃計算における特例
通常の運賃計算のルールを適用すると利用実態にそぐわない場合などに、以下のような特例を設けて対処されることがある。
通過連絡運賃
他社線を挟んで2区間に分割された1社の路線を利用する場合に、その2区間のキロ数を通して計算すること。2区間に分割されることによって運賃が急増することを抑えるものである。詳細は連絡運輸#通過連絡運輸を参照。
分岐駅通過の特例
運賃計算の特例ではなく、乗車券の効力の特例であるが、分岐駅を通過する列車に乗車して分岐する他線区に乗り換えをするとき、途中下車しないことを条件に、最寄りの停車駅と分岐駅間の区間外乗車を認める制度のこと。乗り継ぐ前の列車か乗り継いだ後の列車の少なくとも一方がその分岐駅に停車せず通過することが条件である。
特定の分岐区間に対する区間外乗車
分岐駅を経由する列車に乗車して分岐する他線区に乗り換えをするとき、途中下車しないことを条件に、その近傍の指定した駅と分岐駅の間の区間外乗車を認める制度のことである。上記の「分岐駅通過の特例」と異なり、乗り継ぐ前の列車と乗り継いだ後の列車のどちらも分岐駅に停車する場合であっても適用される。
特定の列車による折り返し区間外乗車
特急列車など、途中で折り返して一部の区間を重複して運行する列車に乗車する場合、途中下車しないことを条件に、その重複する区間のキロ数を含めないで運賃・料金を計算する制度のことである。
経路特定区間
テンプレート:See also ある区間に対して複数の経路が存在する場合、旅客営業規則等に定められた区間についてはいずれの経路を通る場合でも短い方の経路によって計算を行うもの。乗客はいずれの経路を通ってもよく、途中下車の条件を満たす乗車券の場合はいずれの経路途上でも途中下車が可能。詳細は該当項目を参照。似た制度として、列車を限って短い経路で計算する列車特定区間、複数のルートのどちらかで計算された乗車券で別のルートを経由できる選択乗車がある。
磁気式プリペイドカード利用時の運賃計算
改札口を通過可能な磁気式プリペイドカード導入各社(関西のスルッとKANSAI、関東のパスネットなど)ではカードで入場した場合には途中で改札口を通過しない限り、もっとも安い経路の運賃が適用される。
加算運賃
加算運賃(かさんうんちん)とは、鉄道会社が特に定めた区間に対して特定額だけ加算される運賃である。
このような区間が設定される理由として、路線建設時の減価償却及び維持に莫大な費用がかかるというものがある。また大規模改良工事に際して完成後に便宜を受ける利用者から運賃を前取りする、「特定都市鉄道整備促進特別措置法」(昭和61年法律42号、通称「特々法」)に定める特定都市鉄道整備積立金制度にもとづく加算制度もある(現在、この制度による加算適用区間はない)。
- 加算運賃の設定例
カッコ内は記載の全区間を通しで利用した場合の加算運賃(大人運賃)。
- *印は、利用区間によっては加算運賃の減額等の措置があるもの。
- #印は、加算運賃が対キロで設定されている区間・会社(他は乗車区間に対して設定)。
- JR各社
- 千歳線:新千歳空港駅 - 南千歳駅(140円)
- 関西空港線:全線(220円*)
- 本四備讃線(瀬戸大橋線):児島駅 - 宇多津駅(100円*)
- 宮崎空港線:全線(120円)
- 京成電鉄
- 本線:京成成田駅 - 成田空港駅(140円*)
- 東成田線:全線(70円)
- 京浜急行電鉄
- 空港線:天空橋駅 - 羽田空港国内線ターミナル駅(170円*)
- 京王電鉄
- 相模原線:京王多摩川駅 - 橋本駅(80円#)
- 相模鉄道
- いずみ野線:全線(70円# 一部二重加算)
- 名古屋鉄道
- 豊田線:全線(60円#)
- 空港線:全線(80円)
- 知多新線:全線(70円#)
- 羽島線:全線(30円)
- 近畿日本鉄道
- 詳細は近畿日本鉄道の運賃を参照。(#)
- 京阪電気鉄道
- 鴨東線:全線(60円)
- 中之島線:大江橋駅 - 中之島駅(60円)
- 南海電気鉄道
- 空港線:全線(230円*)
- 泉北高速鉄道
- 泉北高速鉄道線:光明池駅 - 和泉中央駅(20円)
- 阪神電気鉄道
- 阪神なんば線 : 西九条駅 - 大阪難波駅(90円*)
特定区間運賃
特定区間運賃(とくていくかんうんちん)とは、鉄道事業者が特に定めた区間(主に、競合する他社並行路線が存在する区間)に対して、キロ数で出される運賃よりも安く設定された運賃のことである。
特定区間運賃は「○○駅〜○○駅間は○○円」というように設定されている。特定運賃区間内にある任意の2駅間を利用する場合で、乗降する区間の正規運賃が、計算上特定区間運賃より高くなった場合でも、特定区間運賃が採用される。
2014年4月1日現在の特定区間運賃の一覧は以下のとおり。()内はICカード利用時の運賃である。
会社 | 区間 | 営業距離 | 正規運賃 | 特定区間運賃 |
---|---|---|---|---|
JR東日本[3] | 東京駅 - 西船橋駅 | 20.6km | 390円(388円) | 310円(302円) |
上野駅 - 成田駅 | 66.4km | 1,140円(1,144円) | 920円(918円) | |
新宿駅 - 高尾駅 | 42.8km | 720円(712円) | 550円(550円) | |
新宿駅 - 八王子駅 | 37.1km | 640円(637円) | 480円(474円) | |
渋谷駅 - 吉祥寺駅 | 15.6km | 310円(302円) | 220円(216円) | |
渋谷駅 - 桜木町駅 | 31.2km | 550円(550円) | 470円(464円) | |
渋谷駅 - 横浜駅 | 29.2km | 470円(464円) | 390円(388円) | |
新橋駅 - 久里浜駅 | 68.5km | 1,080円(1,080円) | 920円(918円) | |
新橋駅 - 田浦駅 | 58.4km | 920円(918円) | 800円(799円) | |
浜松町駅 - 横須賀駅 | 59.3km | 920円(918円) | 800円(799円) | |
品川駅 - 逗子駅 | 58.4km | 920円(918円) | 800円(799円) | |
品川駅 - 横浜駅 | 22.0km | 390円(388円) | 290円(288円) | |
横浜駅 - 田浦駅 | 31.5km | 550円(550円) | 470円(464円) | |
横浜駅 - 逗子駅 | 26.1km | 470円(464円) | 340円(340円) | |
JR東海[4] | 名古屋駅 - 岡崎駅 | 40.1km | 760円 | 620円 |
名古屋駅 - 安城駅 | 32.3km | 580円 | 470円 | |
名古屋駅 - 金山駅 | 3.3km | 190円 | 170円 | |
金山駅 - 尾張一宮駅 | 20.4km | 410円 | 370円 | |
名古屋駅 - 尾張一宮駅 | 17.1km | 320円 | 300円 | |
名古屋駅 - 岐阜駅 | 30.3km | 580円 | 470円 | |
金山駅 - 岐阜駅 | 33.6km | 570円 | 540円 | |
枇杷島駅 - 岐阜駅 | 26.3km | 500円 | 430円 | |
名古屋駅 - 桑名駅 | 23.8km | 410円 | 350円 | |
名古屋駅 - 四日市駅 | 37.2km | 670円 | 470円 | |
JR西日本[5] | 大阪駅 - 京都駅 | 42.8km | 710円 | 560円 |
大阪駅 - 高槻駅 | 21.2km | 390円 | 260円 | |
大阪駅・北新地駅 - 神戸駅 | 33.1km | 550円 | 410円 | |
大阪駅・北新地駅 - 宝塚駅 | 24.5km | 410円 | 330円 | |
茨木駅 - 神戸駅 | 47.7km | 800円 | 710円 | |
高槻駅 - 神戸駅 | 54.3km | 920円 | 810円 | |
京都駅 - 神戸駅 | 75.9km | 1,240円 | 1,080円 | |
京都駅 - 城陽駅 | 20.2km | 410円 | 360円 | |
京都駅 - 新田駅 | 18.1km | 320円 | 290円 | |
京都駅 - 奈良駅 | 41.7km | 760円 | 710円 | |
JR難波駅 - 奈良駅 | 41.0km | 710円 | 560円 | |
天王寺駅 - 奈良駅 | 37.5km | 640円 | 470円 | |
天王寺駅 - 和歌山駅 | 61.3km | 1,080円 | 860円 | |
京成電鉄[6] | 八広駅 - 菅野駅 | 10.1km | 260円(258円) | 190円(185円) |
八広駅 - 谷津駅 | 20.1km | 370円(370円) | 320円(319円) | |
八広駅 - ユーカリが丘駅 | 35.1km | 540円(535円) | 490円(483円) | |
空港第2ビル駅 - (成田空港線経由) - 成田空港駅 | 1.0km | 210円(206円) | 150円(144円) | |
京成幕張本郷駅 - 千葉中央駅 | 10.8km | 260円(258円) | 230円(226円) | |
新京成電鉄 | 北習志野駅 - 京成津田沼駅 | 5.5km | 180円(174円) | 170円(165円) |
京急電鉄 | 品川駅 - 横浜駅 | 22.2km | 310円(308円) | 300円(298円) |
品川駅 - 京急川崎駅 | 11.8km | 240円(237円) | 230円(227円) | |
京急川崎駅 - 横浜駅 | 10.4km | 240円(237円) | 230円(227円) | |
名古屋鉄道 | 金山駅 - 名鉄一宮駅 | 22.0km | 450円 | 440円 |
名鉄名古屋駅 - 名鉄一宮駅 | 18.4km | 400円 | 370円 | |
名鉄一宮駅 - 名鉄岐阜駅 | 13.4km | 350円 | 300円 | |
新木曽川駅 - 名鉄岐阜駅 | 8.6km | 300円 | 240円 | |
阪神電気鉄道 | 神戸三宮駅 - 元町駅 | 0.9km | 140円 | 130円 |
広島電鉄 | 広電五日市駅 - 広電廿日市駅 | 3.3km | 140円(130円[7]) | 120円(110円[7]) |
複数の事業者が線路を共用する場合も、特定運賃が設定されることがある。その区間は以下のとおりである。
共用路線 | 対象区間 | 特定運賃 |
---|---|---|
京成成田空港線・北総鉄道北総線 | 京成高砂駅 - 印旛日本医大駅 | 北総鉄道#運賃を参照 |
JR常磐緩行線・東京メトロ千代田線 | 北千住駅 - 綾瀬駅 | 140円(133円) |
東京メトロ南北線・都営地下鉄三田線 | 目黒駅 - 白金高輪駅 | 170円(165円) |
JR七尾線・のと鉄道七尾線 | 七尾駅 - 和倉温泉駅 | 190円 |
JR関西空港線・南海空港線 | 関西空港駅 - りんくうタウン駅 | 370円 |
JR伯備線・井原鉄道井原線 | 総社駅 - 清音駅 | 190円 |
さらに、前述のように本四備讃線(瀬戸大橋線)児島駅とそれ以南の周辺の駅での相互乗車においても特定区間運賃が定められている。これは本四備讃線の児島駅 - 宇多津駅間には加算運賃が適用されており、距離に対して運賃が高くなりすぎることへの救済措置である。
このような加算運賃が適用されている場合も、距離に対して運賃が高くなりすぎることへの救済措置として、特定運賃が設定されることがある。その区間は以下のとおりである。
会社 | 区間 | 営業距離 | 正規運賃 | 特定区間運賃 |
---|---|---|---|---|
JR西日本・JR四国 | 上の町駅 - 宇多津駅 | 21.3km | 550円 | 520円 |
上の町駅 - 丸亀駅 | 23.9km | 550円 | 520円 | |
JR四国 | 児島駅 - 宇多津駅 | 18.1km | 460円 | 430円 |
児島駅 - 坂出駅 | 22.7km | 550円 | 520円 | |
児島駅 - 多度津駅 | 24.9km | 550円 | 520円 | |
京成電鉄[6] | 京成成田駅 - 成田空港駅 | 8.1km | 330円(325円) | 260円(258円) |
空港第2ビル駅 - (本線経由) - 成田空港駅 | 1.0km | 210円(203円) | 150円(144円) | |
京急電鉄 | 京急蒲田駅 - 羽田空港国際線ターミナル駅 | 4.5km | 330円(324円) | 300円(294円) |
大鳥居駅 - 羽田空港国際線ターミナル駅 | 2.6km | 310円(303円) | 290円(283円) | |
京急蒲田駅 - 羽田空港国内線ターミナル駅 | 6.5km | 370円(365円) | 340円(335円) | |
糀谷駅 - 羽田空港国内線ターミナル駅 | 5.6km | 330円(324円) | 310円(304円) |
JR各社
JR各社の場合、基本的には、各社ごとの乗車するキロ数(営業キロ、換算キロ、擬制キロの3種類。小数点切り上げ)を計算し、キロ数から運賃表に当てはめて算出することができる(後述のような例外あり)。
JR発足時には旧国鉄が残した旅客営業規則(略して「旅規」という)をそのまま引き継ぎ、以下のように運賃改訂を実施している。
- 1989年4月1日 - 消費税導入による
- 1996年1月10日 - JR北海道・JR四国・JR九州(いわゆる三島会社)の運賃改定
- 1997年4月1日 - 消費税率3%→5%への改定による
- 2014年4月1日 - 消費税率5%→8%への改定による。JR東日本はICカード使用時のIC運賃を新規導入
当初は全国一律の運賃体系であったが、1996年1月10日の三島会社運賃改定で全国一律の形態が崩れている。また2014年4月1日の消費税率改定時にJR東日本はきっぷ・定期券の新運賃についてはJR東海・JR西日本の新運賃と揃えているが、ICカード利用時にはきっぷ・定期券の運賃と異なるIC運賃を新規に導入し、二重運賃となっている。
JRの旅客運賃・料金の種類
- 旅客運賃
- 普通旅客運賃
- 片道普通旅客運賃
- 往復普通旅客運賃
- 連続普通旅客運賃
- 定期旅客運賃
- 通勤定期旅客運賃
- 通学定期旅客運賃
- 特殊定期旅客運賃
- 特別車両定期旅客運賃
- 特殊均一定期旅客運賃
- 回数旅客運賃
- 普通回数旅客運賃
- 一般普通回数旅客運賃
- 特別車両普通回数旅客運賃
- 普通回数旅客運賃
- 団体旅客運賃
- 貸切旅客運賃
- 普通旅客運賃
- ここまでが狭義の鉄道旅客運賃。
- 急行料金
- 特別急行料金
- 指定席特急料金
- 立席特急料金
- 自由席特急料金
- 特定特急料金
- 普通急行料金
- 特別急行料金
- 特別車両料金
- 特別車両料金(A)
- 特別車両料金(B)
- 寝台料金
- A寝台料金
- B寝台料金
- コンパートメント料金
- 座席指定料金
JRの旅客運賃計算法
- 発着区間がJR北海道・東日本・東海・西日本(本州三社)の場合
- 発着区間がJR四国・九州の場合
- 幹線 - 乗車区間の営業キロ数に応じた運賃。
- JR四国の瀬戸大橋線にまたがる区間 - 加算運賃。一部の区間は特定運賃。
- 地方交通線 - 乗車区間の擬制キロ数に応じた運賃。
- 幹線と地方交通線を連続して乗車 - 乗車区間の幹線区間の営業キロ数と地方交通線区間の擬制キロ数を足し合わせたキロ数(運賃計算キロ)に応じた運賃。
- 発着区間がJR東日本・東海・西日本(本州三社)とJR北海道・JR四国・JR九州(三島会社)にまたがる場合 - 乗車全区間の営業キロ・運賃計算キロに応じた本州三社の運賃体系に基づく運賃と、三島会社の乗車区間の営業キロ・運賃計算キロに応じた加算額との合計。
- JR北海道内の乗車区間が地方交通線のみの場合 - JR北海道の乗車区間の営業キロ数に応じた地方交通線の加算額を加算。
- JR北海道内の乗車区間に幹線が含まれる場合およびJR四国・JR九州 - 各社の乗車区間の営業キロ・運賃計算キロに応じた加算額を加算。
- 特定の区間に対する運賃割引・割増
- 往復割引運賃 - 片道のJR線営業キロ数が600キロを超える区間の往復乗車券を購入する場合、往路・復路の運賃がそれぞれ1割引になる[1]。
- 学生割引運賃 - JRから指定を受けた中学・高校・大学・専修・各種学校の学生・生徒が、学校が発行する「学生・生徒旅客運賃割引証」を窓口ヘ提出して、JR線営業キロ数が100キロを超える区間の乗車券を購入する場合、運賃が2割引になる。往復割引との重複適用も可[2]。
航空(旅客)
国内線と国際線で運賃形態が異なる。 テンプレート:Main 航空運送の分野では、搭乗する人の年齢や搭乗する目的など、鉄道などの運賃に比べ多くの多彩な割引運賃を設定している。 以下に大手航空会社の国内線での一例を掲げるが、これ以外にも、離島割引や法人向け割引、国際線乗り継ぎ割引なども設定されている。
形態 | 特徴 | JALでの名称 | ANAでの名称 |
---|---|---|---|
普通運賃 | 満12歳以上の人に適用される通常運賃 | 大人普通運賃 | 片道運賃、プレミアム運賃 |
普通運賃 | 満3 - 11歳の人に適用される通常運賃 | 小児普通運賃 | 小児運賃、プレミアム小児運賃 |
同一路線限定運賃 | 満12歳以上で、同一路線を単純往復する場合の割引運賃 | 往復割引 | 往復運賃 |
同一路線限定運賃 | 満12歳以上で、東京 - 大阪間を7日間以内に単純往復する場合の割引運賃 | シャトル往復割引 | シャトル往復運賃 |
同一路線限定運賃 | 各航空会社の提携カードで決済し、同一路線を2回搭乗する場合の割引運賃 | JALビジネスきっぷ | ビジネスきっぷ |
事前購入型特定便限定運賃 | 搭乗日の3日前(一部路線・タイプは前日)までに予約・購入すると割引になる運賃 | 特便割引1(ワン)-タイプA・B・C、特便割引3(スリー)-タイプA・B・C | 特割A/B/C、プレミアム特割A/B |
事前購入型特定便限定運賃 | 搭乗日の28日前までに予約・購入すると割引になる運賃 | 先得割引-タイプA・B | 旅割A/B |
事前購入型特定便限定運賃 | 搭乗日の45日前までに予約・購入すると割引になる運賃 | スーパー先得 | スーパー旅割 |
対象者限定運賃 | 株主優待券の利用で割引になる運賃 | 株主優待割引(大人・小児) | 株主優待割引運賃(大人・小児)、プレミアム株主優待割引運賃(大人・小児) |
対象者限定運賃 | 割引対象者本人と一部の介護人に適用される割引運賃 | 身体障がい者割引 | 身体障がい者割引運賃、プレミアム身体障がい者割引運賃 |
対象者限定運賃 | 家族の介護のために搭乗する場合に割引になる運賃 | 介護帰省割引 | 介護割引 |
対象者限定運賃 | 各航空会社の会員を含む2 - 4名様のグループで同一便に搭乗し、同一区間を往復する場合の割引運賃 | おともdeマイル割引 | いっしょにマイル割 |
当日限定運賃 | 満65歳以上で、当日空席がある場合に搭乗手続きができる割引運賃 | 当日シルバー割引 | シニア空割 |
当日限定運賃 | 満12歳以上22歳未満で、当日空席がある場合に搭乗手続きができる割引運賃 | スカイメイト | スカイメイト割引 |
乗継割引運賃 | 指定された同一日中の便の組み合わせを一括予約・購入すると割引になる運賃 | 特別乗継割引 | 特定便乗継割引 |
乗継割引運賃 | 指定された同一日中の便の組み合わせを搭乗日の7日前までに一括予約・購入すると割引になる運賃 | 乗継割引7(セブン) | 乗継特割 |
乗継割引運賃 | 指定された同一日中の便の組み合わせを搭乗日の28日前までに一括予約・購入すると割引になる運賃 | 乗継割引28 | 乗継旅割 |
鉄道・航空以外(旅客)
タクシーは、初乗り運賃と、走行距離と乗車時間に応じて加算される運賃によって料金が算出される。日本のタクシーの基本的な運賃制度については、日本のタクシー#タクシーの運賃を参照。
他の交通機関では、鉄道旅客運賃で主流の乗車キロ数から算出される方式ではなく、路線の区間ごとに運賃が決められている(いわゆる三角表方式)ことが多い。一部路線バスやコミュニティバスでは均一料金の場合もある。鉄道と同様に子供運賃や障害者割引運賃が設定されている場合が多く、首都圏では鉄道と同様のIC運賃を導入している事業者もある。
貸し切りバスについては、基本的には時間と走行距離をもとに算出されるといわれている。
貨物運賃(国内)
基本的には、重量や大きさと運送距離によって算出される。
貨物運賃(貿易)
基本的には、重量や大きさと運送距離によって算出される点は国内と変わらないが、コンテナ輸送の場合では、積地・揚地の荷動き量(コンテナの多少)に左右され、主要港間の運賃が地方港に比べて安くなる傾向がある。
脚注
- ↑ 高速電車乗車料条例 - 名古屋市例規類集
- ↑ 大阪市高速鉄道及び中量軌道乗車料条例 - 大阪市例規集
- ↑ テンプレート:PDFlink - 東日本旅客鉄道
- ↑ テンプレート:PDFlink - 東海旅客鉄道
- ↑ テンプレート:PDFlink - 西日本旅客鉄道
- ↑ 6.0 6.1 テンプレート:PDFlink - 京成電鉄
- ↑ 7.0 7.1 ()内はPASPY利用時の運賃である。ICOCA利用時は現金と同額となる。