すずらん (列車)
テンプレート:列車名 すずらんとは、北海道旅客鉄道(JR北海道)が室蘭駅 - 札幌駅間を室蘭本線・千歳線・函館本線経由で運行する特別急行列車(エル特急)。室蘭 - 東室蘭間は各駅に停車し、この区間は普通列車として運行されている。
目次
運行概況
函館 - 札幌間を結ぶ特急「北斗」・「スーパー北斗」と東室蘭 - 札幌間で運行経路が重複するが、本列車は「北斗」系統を補完して道央・道南地区の都市間輸送に重点を置いた性格となっており、「北斗」系統と比較して停車駅が多くなっている。
室蘭駅 - 東室蘭間は普通列車扱いとなり、各駅に停車する。これは、本列車のルーツであり、1992年まで同区間で運転されていた急行「ちとせ」・特急「ライラック」の運転系統を踏襲したものである。
定期列車は1日5往復が運行されており、東室蘭 - 札幌間を最高速度120km/h[1]、約1時間半で結ぶ。
停車駅
(室蘭駅 - 母恋駅 - 御崎駅 - 輪西駅 - 東室蘭駅) - 鷲別駅 - 幌別駅 - 登別駅 - 白老駅 - 苫小牧駅 - 沼ノ端駅 - 南千歳駅 - 千歳駅 - 新札幌駅 - 札幌駅
使用車両・編成
テンプレート:Hokkaido Limited Electric Multiple-Unit 2007 札幌運転所に所属する785系電車および789系電車(1000番台)(1000番台)の2系列が区別なく共通運用されている。いずれも5両編成で、4号車が指定席「uシート」、その他の4両は自由席となる。
なお、側面行先表示器の表示は、LED式の789系電車の場合、室蘭発は終着まで「L特急すずらん」の表示。一方、札幌発は東室蘭駅まで「L特急すずらん」、東室蘭駅で「普通 全車自由席」の表示に変わる。字幕式の785系電車では始発から終着まで「L特急すずらん」の表示で、行先駅名表示の下に「東室蘭-室蘭間普通」の表示である。
- 過去の使用車両については下記「#運行系統の沿革」を参照。
臨時列車の設定
臨時列車として、土・日・祝日の夜に札幌駅発の「すずらん」82号が設定されている。
室蘭駅に近い室蘭市入江運動公園陸上競技場でJリーグ・コンサドーレ札幌の試合が行われるのに合わせ、「すずらん」に準ずる運行形態で、臨時列車「コンサドーレ号」が運行される場合がある[2][3]。 テンプレート:-
沿革
列車名の沿革
- 1956年(昭和31年)11月19日:函館駅 - 札幌駅を函館本線・千歳線・室蘭本線で結ぶ客車急行列車として「すずらん」が設定される。
- 1960年(昭和35年)4月1日:「すずらん」一等車2両を含むキハ55系気動車による編成に変更。運転時分は、蒸気機関車牽引の客車列車時代に比べ、約1時間の短縮となる。
- 1961年(昭和36年)10月1日:「すずらん」の二等車をキハ22形気動車に置き換える。
- 1968年(昭和43年)10月1日:このときのダイヤ改正に伴い「すずらん」6往復へと増便。
- 1980年(昭和55年)10月1日:「すずらん」定期列車の運転を終了。臨時列車のみとなったが、夜行列車については運転期間を繁忙期に限りながらも夜行快速「ミッドナイト」が運転開始される1988年まで存続した。
- 1992年(平成4年)7月1日:「すずらん」室蘭駅 - 札幌駅のエル特急として名称復活。以下は「運行系統の沿革」を参照。
運行系統の沿革
ここでは、室蘭駅 - 札幌駅の系統を含め、室蘭本線・千歳線を経由する列車で函館駅までの直通がないものを述べる。なお、函館駅までの直通系統については「北斗」の項目を、循環急行「いぶり」(札幌駅 - 伊達紋別駅 - (胆振線) - 倶知安駅 - 札幌駅)は胆振線を参照されたい。
- 1950年(昭和25年)10月1日:室蘭駅 - 札幌駅間を運行する準急列車が設定される。この列車には翌1951年に「エルム」の名称が与えられる。
- 1953年(昭和28年)5月16日:虻田 - 札幌間に準急列車が運行開始。後の準急「たるまえ」の前身に相当する。
- 1956年(昭和31年)11月19日:「エルム」に長万部駅発着編成を連結。なお、長万部駅 - 東室蘭駅間は普通列車として運行された。
- 1958年(昭和33年)10月1日:虻田駅(現在の洞爺駅) - 小樽駅に臨時準急列車「たるまえ」新設。
- 1959年(昭和34年)
- 1960年(昭和35年)4月22日:札幌駅 - 様似駅間を運行する準急列車として「日高」(ひだか)運転開始。
- 1961年(昭和36年)10月1日:このときのダイヤ改正に伴い、以下のように変更する。
- 1965年(昭和40年)10月1日:豊浦駅・洞爺駅 - 札幌駅間に準急列車として「とうや」新設。
- 1966年(昭和41年)
- 1972年(昭和47年)3月15日:「とうや」を「ちとせ」に統合。また、「えりも」下り3号・上り1号の静内駅 - 様似駅間を普通列車に格下げ。
- 1980年(昭和55年)10月1日:室蘭駅 - 白石駅間電化完成および千歳空港駅(現在の南千歳駅)新設に伴うダイヤ改正により、室蘭駅 - 札幌駅 - 旭川駅に781系電車による電車エル特急「ライラック」を新設。
- 1982年(昭和57年)11月15日:「ライラック」、「ちとせ」、「えりも」新札幌駅停車。
- 1985年(昭和60年)3月14日:「ライラック」東室蘭駅 - 室蘭駅間、普通列車に格下げ。
- 1986年(昭和61年)
- 1990年(平成2年)9月1日:「ちとせ」を「ライラック」に統合。「ちとせ」廃止。
- JR Hokkaido kiha183series N Suzuran.jpg
キハ183系特急形気動車の代走 すずらん (1992年 長都駅付近にて)
- 1994年(平成6年)3月1日:「スーパー北斗」運転開始により「北斗」系統を8往復から11往復に増発。これに伴い「すずらん」5往復に減便。
- 2000年(平成12年)
- 2004年(平成16年)3月13日:「すずらん」全車禁煙化[4]。
- 2007年(平成19年)10月1日:「すずらん」全列車を785系電車に置き換え、札幌駅 - 南千歳駅間の最高速度を130km/hに引き上げ[5]。また、「すずらん」全列車が沼ノ端駅に停車。
- 2010年(平成22年)12月4日:10号の運転時刻を繰り上げる。同時に土休日やイベント開催時に運行される臨時列車1便(82号・改正前のすずらん10号の時間帯)が増発される[6]。「スーパーカムイ」などで見られる789系1000番台が臨時列車として運用される。
- 2012年(平成24年)10月27日:「すずらん」1号の運転時刻を繰り下げる[7]。
- 2013年(平成25年)11月1日:ダイヤ修正により以下のように変更[1][8]。
- 2014年(平成26年)
列車愛称の由来
五十音順による
- 「エルム」:ニレ科の植物の総称。
- 「えりも」:襟裳岬から。
- 「すずらん」:北海道に多く見られる花のスズランから。
- 「たるまえ」:通過地付近にある樽前山から
- 「ちとせ」:通過地である千歳市・千歳線にちなむ。
- 「洞爺」・「とうや」:洞爺湖から。
- 「日高」(ひだか):日高支庁・日高本線から。
脚注
注釈
出典
関連項目
外部リンク
- L特急すずらん(785系・789系) 車両の紹介 - 北海道旅客鉄道
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