輪西駅

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輪西駅(わにしえき)は、北海道室蘭市仲町にある北海道旅客鉄道(JR北海道)室蘭本線である。駅番号M33電報略号ワニ

北海道炭礦鉄道輪西製鉄所(現新日鐵住金室蘭製鐵所)のお膝元の駅として賑わいを見せていたが、今は静かな無人駅となっている。

駅構造

相対式ホーム2面2線を有する複線区間の地上駅転轍機を持たない棒線駅となっている。互いのホームは両ホーム中央部分を結んだ跨線橋で連絡している[1]。当駅自体は上記施設のみであるが、かつて駅裏(北側)には御崎駅から分岐した専用線が伸びて来ていた。

無人駅となっている。有人駅時代の開業時からの駅舎が残り[2]、構内の東側(室蘭方面に向かって左側)に位置しホーム東側に接している。駅舎内にトイレを有する[2]。またかつては駅舎内に売店も存在していた(1993年(平成5年)時点では営業中であった[1])。

駅名の由来

当駅の所在地近辺の地名より。地名はアイヌ語の「コイカ・クシュ・ハル・ウシ」(南の食料川)の下半分に由来するという説がある[2]。別説として「ワンウシュ」(椀の縁(のような所))に由来するという説もある[3]

利用状況

  • 1981年度(昭和56年度)の1日乗降客数は532人[4]
  • 1992年度(平成4年)の1日乗降客数は294人[1]

駅周辺

歴史

ファイル:Wanishi eki.jpg
1976年の輪西駅と周囲約750m範囲。左が室蘭方面。駅裏(上側)は輪西製鉄所発祥の地だが、この写真の頃は工場は上方写真外の埋立地へ移転していて別会社の敷地となっている。線路が移転する前はこの敷地の左上近くに見える駐車場付近に旧・輪西駅(初代室蘭駅)が置かれていた。国土交通省 国土画像情報(カラー空中写真)を基に作成

旧・輪西駅は当初、初代・室蘭駅として開設された(詳細は室蘭駅参照)。その後海岸町の市街地へ室蘭駅が新設され、当該駅は輪西駅と改名した。 1919年(大正8年)頃から1922年(大正11年)頃にかけての工事で、輪西製鉄所の拡張計画に基づき、海岸側から山側に線路が移設されたが[5]、旧・輪西駅は現・東室蘭駅の場所へ移転し、当駅が出来るまでこの地から一旦駅が無くなった。製鉄所の発展に伴って山側にできた新市街地も大きくなり、昭和2年に住民から簡易駅開設の請願が出された[6]

隣の駅

北海道旅客鉄道
室蘭本線
東室蘭駅 (H32) - 輪西駅 (M33) - 御崎駅 (M34)

脚注

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関連項目

外部リンク

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  1. 1.0 1.1 1.2 書籍『JR・私鉄全線各駅停車1 北海道630駅』(小学館1993年6月発行)85ページより。
  2. 2.0 2.1 2.2 書籍『北海道鉄道駅大図鑑』(著:本久公洋、北海道新聞社2008年8月発行)129ページより。
  3. 書籍『ミニブックシリーズ 北海道駅名』(発行出版社、発行年月日不明(1980年代))14ページより。
  4. 書籍『国鉄全線各駅停車1 北海道690駅』(小学館1983年7月発行)79ページより。
  5. 大正10年及び大正12年の室蘭港地図(北海道大学北方関係資料総合目録)、この地図の変遷から大正11年頃に線路が移転したと見られる。室蘭市史 昭和16年発行では大正8年度の道路移転の記事に付随して線路移転工事に言及しているが、詳細な記述はない。また室蘭製鉄所50年史 昭和33年発行 では大正9年9月と大正11年8月の2つの記述がある。一方で輪西駅の移転自体は鉄道省統計資料のキロ程変更から大正9年に移転したことは明白(北海道鉄道百年史 上巻の大正9年11月6日イタンキへ移転の記事が該当)。以上から大正8年頃から工事が開始され、その間に駅の移転があり、大正11年に線路移転が完了したと見られる。
  6. 国立公文書館 デジタルアーカイブ 「室蘭市輪西新市街地ニ簡易乗降場設置ノ件」