輪西駅
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
輪西駅(わにしえき)は、北海道室蘭市仲町にある北海道旅客鉄道(JR北海道)室蘭本線の駅である。駅番号はM33。電報略号はワニ。
北海道炭礦鉄道輪西製鉄所(現新日鐵住金室蘭製鐵所)のお膝元の駅として賑わいを見せていたが、今は静かな無人駅となっている。
駅構造
相対式ホーム2面2線を有する複線区間の地上駅。転轍機を持たない棒線駅となっている。互いのホームは両ホーム中央部分を結んだ跨線橋で連絡している[1]。当駅自体は上記施設のみであるが、かつて駅裏(北側)には御崎駅から分岐した専用線が伸びて来ていた。
無人駅となっている。有人駅時代の開業時からの駅舎が残り[2]、構内の東側(室蘭方面に向かって左側)に位置しホーム東側に接している。駅舎内にトイレを有する[2]。またかつては駅舎内に売店も存在していた(1993年(平成5年)時点では営業中であった[1])。
駅名の由来
当駅の所在地近辺の地名より。地名はアイヌ語の「コイカ・クシュ・ハル・ウシ」(南の食料川)の下半分に由来するという説がある[2]。別説として「ワンウシュ」(椀の縁(のような所))に由来するという説もある[3]。
利用状況
駅周辺
- 国道36号(室蘭新道)
- 室蘭警察署輪西交番
- 室蘭輪西南郵便局
- 室蘭信用金庫輪西支店
- 伊達信用金庫東町支店輪西出張所
- 新日鐵住金室蘭製鐵所
- 室蘭市立大沢小学校
- 室蘭市立鶴ケ崎中学校
- 昭和シェル石油旭公園
- 道南バス「輪西駅前」停留所
- 道南バス・北海道中央バス「新日鉄住金前」停留所
歴史
旧・輪西駅は当初、初代・室蘭駅として開設された(詳細は室蘭駅参照)。その後海岸町の市街地へ室蘭駅が新設され、当該駅は輪西駅と改名した。 1919年(大正8年)頃から1922年(大正11年)頃にかけての工事で、輪西製鉄所の拡張計画に基づき、海岸側から山側に線路が移設されたが[5]、旧・輪西駅は現・東室蘭駅の場所へ移転し、当駅が出来るまでこの地から一旦駅が無くなった。製鉄所の発展に伴って山側にできた新市街地も大きくなり、昭和2年に住民から簡易駅開設の請願が出された[6]。
- 1928年(昭和3年)9月10日 - 国有鉄道室蘭本線の輪西駅として開業。旅客・荷物取扱い。同時に輪西駅(現・東室蘭駅)は東輪西駅に改称。
- 1980年(昭和55年)5月15日 - 荷物取扱い廃止。
- 1984年(昭和59年)4月1日 - 無人(簡易委託)化。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化によりJR北海道に継承。
- 1994年(平成6年) - 簡易委託廃止、完全無人化。
隣の駅
脚注
関連項目
外部リンク
- 室蘭市中央図書館デジタル資料館より
- ↑ 1.0 1.1 1.2 書籍『JR・私鉄全線各駅停車1 北海道630駅』(小学館、1993年6月発行)85ページより。
- ↑ 2.0 2.1 2.2 書籍『北海道鉄道駅大図鑑』(著:本久公洋、北海道新聞社、2008年8月発行)129ページより。
- ↑ 書籍『ミニブックシリーズ 北海道駅名』(発行出版社、発行年月日不明(1980年代))14ページより。
- ↑ 書籍『国鉄全線各駅停車1 北海道690駅』(小学館、1983年7月発行)79ページより。
- ↑ 大正10年及び大正12年の室蘭港地図(北海道大学北方関係資料総合目録)、この地図の変遷から大正11年頃に線路が移転したと見られる。室蘭市史 昭和16年発行では大正8年度の道路移転の記事に付随して線路移転工事に言及しているが、詳細な記述はない。また室蘭製鉄所50年史 昭和33年発行 では大正9年9月と大正11年8月の2つの記述がある。一方で輪西駅の移転自体は鉄道省統計資料のキロ程変更から大正9年に移転したことは明白(北海道鉄道百年史 上巻の大正9年11月6日イタンキへ移転の記事が該当)。以上から大正8年頃から工事が開始され、その間に駅の移転があり、大正11年に線路移転が完了したと見られる。
- ↑ 国立公文書館 デジタルアーカイブ 「室蘭市輪西新市街地ニ簡易乗降場設置ノ件」。