火曜サスペンス劇場

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テンプレート:基礎情報 テレビ番組 テンプレート:Sidebar with collapsible lists火曜サスペンス劇場』(かようサスペンスげきじょう)は、1981年9月29日から2005年9月27日に掛けて、日本テレビで毎週火曜日に放送されていた長時間ドラマ番組枠。いわゆる2時間ドラマである。通称『火サス』。

なお、放送枠が終了した現在でも、一部の地上波局やBS日テレ(BSデジタル)、日テレプラス(CS)などで再放送が行われている。

概要

原則として21:00 - 22:54[1]JST)に毎週1話完結(極稀に前後編形式の作品もある)のサスペンスドラマを放送していた番組タイトルの通り、サスペンスドラマ専門の番組ではあった。初期にはサスペンス以外にホラー系の作品も放送していた。

第1回放送は、島田陽子主演の「球形の荒野」(松本清張原作)。1980年代は、松本清張作品などの日本の推理作家や海外ミステリーなどを原作として、ベテランのスタッフが映像化する重厚な作品が多く、全盛期には視聴率もしばしば25%を超える人気を誇った。日本テレビにとっては、1980年に放映の始まったよみうりテレビ制作の『木曜ゴールデンドラマ』に次ぐ2時間ドラマ枠であり、1988年からはさらに『水曜グランドロマン』を設けるなど、日本テレビ系列では2時間ドラマ枠が多くなったが、『火曜サスペンス劇場』はその中核であり、最も息の長い枠となった。1990年代以降は、主に50歳代から60歳代の女性を視聴者に絞り定番シリーズを放送する安定路線が敷かれた。

この番組の開始によって、『木曜ゴールデンドラマ』が、毎回、読売テレビの制作に変更された(それまでは、日本テレビと読売テレビが交互に制作していた)。ただし、札幌テレビ放送テレビ岩手福岡放送といった系列局が制作することがあったり、系列局の地元の“お国自慢”などに絡んだ作品が制作されたりすることもあった。

1981年の放送開始から24年間に渡って放送され一時期は視聴率が20%を超えることもあったが、21世紀に入ってからは視聴率低下に歯止めがかからず、2005年9月27日の放送をもって放送を終了した。なお、最終回の放送内容は火サス最多出演俳優の水谷豊主演の「事件記者・三上雄太III 逃走援助」で、放送時刻は19時からの3時間特番により1時間遅い22時00分 - 23時54分であった。

後継番組枠は『火曜ドラマゴールド』(2006年10月31日 - 2007年3月27日)のちに『DRAMA COMPLEX』(2005年11月1日 - 2006年10月17日)。これらの番組枠を含め『火曜サスペンス劇場』より継続して副音声による解説放送(作品によりステレオ放送の場合もある)と字幕放送も行われていた。

放送終了から5年を迎える2010年9月27日、平日昼の情報番組DON!』の「きょうは何の日」のコーナーで、「『火曜サスペンス劇場』が終了した日」として、当番組が取り上げられ、船越英一郎のインタビューや、最多出演俳優(1位は水谷豊)・女優(1位は浜木綿子)、犯人役として出演した最多俳優(女優)(藤真利子)などを放送した。

なお提供スポンサーは第1回放送「球形の荒野」の時点では、21時台が前身の『プロハンター』までのものが、22時台が同じく前身の『三年待った女』までのものがそれぞれ、そのまま引き継がれる形となったが、その翌週(1981年10月6日放送分)の第2回放送「消えたタンカー」ではこれが逆となった(以後、1週間ごとにこのパターンを繰り返した)。

また、大林宣彦神代辰巳鈴木清順ら劇場映画で名声を博している旬の監督たちを起用して演出家主導の意欲作を撮らせる試みもしばしば行われた。これも、ある程度型にはめた内容が求められる二時間ドラマとしては異例である。

歴代スタッフ

企画

チーフプロデューサー、総括責任者(EDやチーフディレクターが担当することもある)

  • 山本時雄(開始当初 - 1986年3月頃まで)チーフプロデューサー
  • 小坂敬(開始当初 - 1992年6月まで)チーフプロデューサー(担当当初)→EP(担当終期)
  • 長富忠裕(1992年7月 - 1999年7月まで)チーフプロデューサー(担当当初)→ED(担当終期)
  • 酒井浩至(1999年8月 - 2005年6月まで)チーフディレクター(担当当初)→ED(担当終期)

プロデューサー

プロデューサーは番組発足後約1年間は長富忠裕山口剛加賀義二高橋靖二小杉義夫伊藤祥二(作品によってディレクターも兼任)の各人が中心となってローテーションを組み、そこに時折清水欣也が参加する形だった。特に山口、高橋、加賀の3人はこの『火曜サスペンス劇場』の大元となったドラマシリーズである『火曜日の女シリーズ』時代からチーフ・プロデューサーの小坂敬の元で活躍しており、ミステリー・ファンとしても筋金入りとして知られていた。1982年以降はシリーズ初期よりディレクターとして参加している日本テレビのベテランディレクターである野末和夫嶋村正敏、そして、下請け子会社に転出した川原康彦が加わった。後年は、退社した元チーフプロデューサーの加藤教夫やプロデューサーの山口剛がプロデュースすることもあった。最終期には、チーフプロデューサーの服部比佐夫も多くプロデューサーとして携わった。また、系列の中京テレビやテレビ岩手が日本テレビともに制作することもあった。

チーフプロデューサー(1998より表示)

当時、企画欄に表示されているチーフプロデューサーを中心としたプロデュースチームは編成局の所属であったため、連ドラ総括の編成局チーフプロデューサーが表示されていた。おそらく実制作への関与は少ないと思われる。

制作

日本テレビ

音楽

オープニングテーマ

オープニングテーマは番組冒頭で使用され、オープニングテーマの最後の部分は各期の主題歌のサビ部分に接続されていた。ただし、2005年の放送(8代目オープニング)からは番組冒頭ではオープニングテーマのみとなり主題歌のサビ部分へは接続しなくなった。

  1. 「夢のセレナードミッドナイトクライシス」(1981年9月29日 - 1983年4月26日) - 副題「火曜サスペンス劇場オープニングテーマ'81」
    米映画『ファイナル・カウントダウン』のBGMが原曲。原曲の主旋律等が若干構成し直されていたり、
    二代目以降にも流用されるイントロ部分を補作しているため、編曲者の木森敏之が共同作曲者としてクレジットされることもある。
    JASRACの作品データベースでは木森敏之単独の作曲の作品とされている。
  2. 「火曜サスペンス劇場フラッシュバックテーマ」(1983年5月3日 - 1989年5月30日)
    • 作曲・編曲:木森敏之
  3. 「火曜サスペンス劇場フラッシュバックテーマ」(1989年6月6日 - 2005年9月27日) - 二代目のアレンジ
    • 作曲:木森敏之[2]
    一部の音色を変えるなど、少し不思議なオープニングテーマになっている。音調はホ短調である。

オープニングの音楽は、他局のバラエティ番組(本家の日テレやその音楽の使用が頻繁にみられるフジテレビ)などでもサスペンスタッチの内容のものにはその代名詞として必ずと言って良い程使われている。吉本新喜劇でもよく使われている。『笑点』の大喜利では林家たい平が、殺人事件ネタ(主に、からおじいさん(大抵は、桂歌丸)を突き落すというネタが多い)をする際に歌いだすことがある。特にフジテレビのホンマでっか!?TVのコーナーには冒頭の音楽に「ヤバーイーヤーバーイー」のアイキャッチが追加されている。 尚、2009年11月25日にテレビ朝日で放送された『シルシルミシル』内のコーナー「すぐ調べる課」内で「鼻のしたにあるミゾは何?」を放送した際、サスペンスとは関係無いにも関わらず、BGMに当番組のオープニングテーマ(と初期のエンディングデーマ「聖母たちのララバイ」のサビ)が使われた。映画『嫌われ松子の一生』でも主人公のテレビドラマ的な妄想場面として音楽ごと用いられ、その場面だけのために片平なぎさ、本田博太郎、田中要次が出演するという豪華リスペクトとなっている。

主題歌

主題歌(テーマ曲)はオープニング及びエンディングで使用され、オープニングではオープニングテーマの最後の部分にサビ部分を接続する形で用いられていたが、2005年の放送(8代目オープニング)からは番組冒頭ではオープニングテーマのみとなり主題歌のサビ部分へは接続しなくなった。2時間ドラマでは最初に歌手を使ったテーマ曲を作った事でも知られている。

最初の主題歌「聖母(マドンナ)たちのララバイ」は、番組のエンディングだけで使用する目的で製作され1コーラス分の長さしか録音されておらず、レコード化の予定もなかった。だが視聴者の要望が多く番組内で使用されているマスターテープを元にカセットに録音した物を製作し、一般応募による視聴者抽選プレゼントにした処、10万通を超える応募はがきが殺到した。それを受け、1982年5月21日に歌唱者の岩崎宏美が当時所属していたビクター音楽産業から正式なレコードとして発売され大ヒット。1982年日本歌謡大賞に輝いた。その後も岩崎は主題歌を通算6曲歌い、1986年10月21日に当枠で放送された『誰かが見ている』でドラマ初出演(主演)も果たしている。

歴代主題歌

# 歌手 主題歌 期間 作詞者 作曲者 編曲者
1 岩崎宏美 聖母たちのララバイ 1981年9月29日 - 1983年4月26日 山川啓介 木森敏之
ジョン・スコット
木森敏之
2 家路 1983年5月3日 - 1984年6月26日 木森敏之
3 1984年7月3日 - 1985年6月25日
4 25時の愛の歌 1985年7月2日 - 1986年9月30日
5 夜のてのひら 1986年10月7日 - 1987年11月24日 来生えつこ 筒美京平 武部聡志
6 杉山清貴 風のLONELY WAY 1987年12月1日 - 1988年12月20日 田口俊 杉山清貴 林哲司
7 柏原芳恵 化石の森 1988年12月27日 - 1989年5月30日 荒木とよひさ 筒美京平 武部聡志
8 竹内まりや シングル・アゲイン 1989年6月6日 - 1990年9月18日 竹内まりや 山下達郎
9 告白 1990年9月25日 - 1991年10月1日
10 真璃子 あなたの海になりたい 1991年10月8日 - 1992年9月22日 山口岩男 船山基紀
11 益田宏美 愛という名の勇気 1992年10月13日 - 1993年9月28日 大津あきら 安部恭弘 萩田光男
12 中村彩花 遥かな時を越えて 1993年10月12日 - 1994年3月29日 小田佳奈子 川島だりあ 池田大介
13 白井貴子 名前のない愛でもいい 1994年4月12日 - 1995年1月31日 秋元康 白井貴子 十川知司
白井貴子
14 沢田知可子 Day by day 1995年2月7日 - 1996年3月26日 沢田知可子 小野沢篤
ストリングス・アレンジ:服部克久
15 高橋真梨子 ごめんね… 1996年4月2日 - 1997年5月27日 高橋真梨子 水島康宏 十川知司
16 石井明美 バラード 1997年6月3日 - 1998年4月7日 ジョー・リノイエ ジョー・リノイエ
鈴川真樹
ストリングス・アレンジ:島健 with ジョー・リノイエ
17 酒井法子 横顔 1998年4月14日 - 1998年9月22日 辛島美登里 十川知司
18 PARADISE LOST 体温 1998年10月13日 - 1999年4月27日 康珍化 梶原秀剛 鈴木雅也
ストリングス・アレンジ:井上鑑
19 中村雅俊 哀しい人 1999年5月4日 - 2000年3月14日 山田ひろし 都志見隆 十川知司
20 高橋真梨子 幸せのかたち 2000年4月4日 - 2000年9月26日 高橋真梨子 住吉中 十川知司
21 工藤静香 深紅の花 2000年10月3日 - 2001年10月16日 橘朋実 YOSHIKI
22 ANRI Tears in Crystal 2001年10月23日 - 2002年5月28日 吉元由美 ANRI Jochem van der Saag
23 安全地帯 出逢い 2002年6月4日 - 2003年12月9日 松井五郎
玉置浩二
玉置浩二
安藤さと子
安全地帯
星勝
24 一青窈 ハナミズキ 2004年1月6日 - 2004年12月14日 一青窈 マシコタツロウ 武部聡志
25 中村雅俊 空蝉 2005年1月11日 - 2005年5月31日 河野伸
26 森山直太朗 小さな恋の夕間暮れ 2005年6月7日 - 2005年9月27日 森山直太朗
御徒町凧
渡辺善太郎

放送形態

タイトルロゴ

『火曜サスペンス劇場』のタイトルロゴはゴナ斜体。オープニングタイトルバック冒頭やアイキャッチの部分で使われた。

オープニング

番組冒頭でオープニングテーマ(フラッシュバックテーマ)に合わせて『火曜サスペンス劇場』のタイトルロゴを表示した後、ストーリー全体のカット構成が入る。そして、BGMがフラッシュバックテーマから主題歌へとつながる部分で改めてタイトルロゴを表示する(ただし、8代目のオープニングはフラッシュバックテーマから主題歌への接続がなく、タイトルロゴは番組冒頭でのみ表示)。

3代目までのオープニングではフイルム撮影の作品はフイルム方式のオープニング・提供ベース→エンドタイトルで,ビテオ撮影の作品はビデオ方式のオープニング・提供ベース→エンドタイトルというそれぞれに対応した映像であった。4代目以降のオープニングではフイルム撮影の作品・ビデオ撮影の作品ともビデオ方式のオープニング・提供ベース→エンドタイトルのみとなっている。

『火曜サスペンス劇場』のタイトルロゴが改めて表示され主題歌に入る部分以後については各期で異なり、初代から2代目のオープニングではCGのみ(提供スポンサー表示部分のみ)で、その放送回のタイトル名(サブタイトルなど)は主要スタッフ(脚本・音楽・監督等)の表示とともに本編中の冒頭で表示されていた。その後、3代目から7代目のオープニングでは、タイトルロゴを表示した後にその放送回の主演俳優、その放送回のタイトル名(シリーズ名、シリーズ番号、サブタイトルなど)を曲に合わせて順に表示された。提供スポンサーの表示はオープニングCGの最後の部分に表示していたが(BS日テレでの再放送では提供スポンサー表示がないときは右下にタイトルロゴを入れている)、7代目の中期以降は基本的にオープニングの最後にドラマのハイライトシーンのみで構成される部分を改めて繋げそれに被せる形へと変更された。各回のタイトル名についてはシンプルな白抜きの文字で表示されることが多いが、警視庁鑑識班シリーズのように多色の独自ロゴを使用しているシリーズもある。

歴代オープニングタイトルバック
期間 CG BGM
1 1981年9月29日
  - 1983年4月26日
暗い背景にオーロラや赤いマス目をモチーフ。
タイトルロゴは白色。
初代「夢のセレナードミッドナイトクライシス」
オープニングの主題歌部分(「聖母たちのララバイ」)は原曲ではなく
アレンジBGMを使用(エンディングのみ原曲を使用)。
2 1983年5月3日
  - 1984年6月26日
複数の光線の組み合わせをモチーフ。
タイトルロゴは白色。
2代目(「火曜サスペンス劇場フラッシュバックテーマ」)
「フラッシュバックテーマ」から主題歌サビ部分に接続。
3 1984年7月3日
  - 1986年9月30日
水面とレーザー光線をモチーフ。
タイトルロゴは白色。
4 1986年10月7日
  - 1989年9月26日
青紫の渦と白色の破片をモチーフ。
この4代目から3DCG制作のタイトルバックとなった。
タイトルロゴはオレンジ色。
2代目「火曜サスペンス劇場フラッシュバックテーマ」
3代目「火曜サスペンス劇場フラッシュバックテーマ」[備考 1]
いずれも「フラッシュバックテーマ」から主題歌サビ部分に接続。
5 1989年10月3日
  - 1992年9月22日
青色や赤色などの炎をモチーフ。
タイトルロゴは白色。
3代目「火曜サスペンス劇場フラッシュバックテーマ」
10周年記念時の作品放送時は(主題歌は告白)専用の接続音があった。
1991年10月8日から1992年9月22日までのオープニングは主題歌に接続後5秒短縮されて1:40秒になった。
「フラッシュバックテーマ」から主題歌サビ部分に接続。
6 1992年10月13日
  - 1999年4月27日
ズームアウトしていく瞳に、赤い爆発が映り込み、タイトルロゴが前面にせり出して、波状だった表面がガラスのように割れていく動画。
タイトルロゴは金色。
3代目「火曜サスペンス劇場フラッシュバックテーマ」
1998年10月13日から1999年4月27日までのオープニングは主題歌に接続後15秒短縮されて1:25秒になった。
「フラッシュバックテーマ」から主題歌サビ部分に接続。
7 1999年5月4日
 - 2004年12月14日
時計の文字盤や水中に射し込む光や氷の破片をモチーフにした動画。
タイトルロゴは赤色。
3代目「火曜サスペンス劇場フラッシュバックテーマ」
2003年10月からオープニングでの提供表示部分でオープニング映像からドラマのハイライト映像(音声有)に切り替わる。主演・タイトルの表示タイミングが固定時間になる。
8 2005年1月11日
  - 2005年9月27日
白色のバラに炎が付き蝶と蜘蛛が出現する動画。 3代目「火曜サスペンス劇場フラッシュバックテーマ」
「フラッシュバックテーマ」のみで主題歌サビ部分・提供への接続なし。
  1. 1989年6月より主題歌が竹内まりや「シングル・アゲイン」になったと同時に「フラッシュバックテーマ」が2代目から3代目になったがオープニングの4代目CGは1989年9月まで使用。

アイキャッチ

CM前には必ずアイキャッチを入れていた。映像はオープニングタイトルバックに対応したものが各期で用いられた。BGMの曲名は「火曜サスペンス劇場アイキャッチ」(作曲・木森敏之)。いずれも「サスペンス調」の映像・音楽であり、特に音楽は今でもサスペンス調を醸し出す音楽として使われることがよくある。予告なしにCMに入る傾向が多い最近のテレビ番組に於いては、わかりやすく良心的といえる措置であったといえる。

権利切れ作品を放送している一部系列外局ではこのアイキャッチを入れないところもある(例:瀬戸内海放送テレビ朝日系列)では、アイキャッチ直前に右上に自局ロゴを出してCM入りする)。また、広島テレビ放送が『土曜ドラマスペシャル』等のタイトルで定期的に再放送していた頃は、音楽のみそのまま流し、画面をブルーバックまたは静止画CGに番組名を入れたものに差し替えていた。

エンディング

初期作品では、主題歌の楽曲名を先頭で表示した後、出演者・スタッフの順に表示したが、必ずしもロール形式とは限らなかった。

1986年10月以降、エンディングは主題歌を流しながら原則としてロール形式で表示し、最初に制作局(通常、「日本テレビ」)、キャスト、スタッフの順に流し、最後に制作会社を表示していた。最初に制作局(基本的には「日本テレビ」)を表示し最後に制作会社を表示するという点は、制作会社に制作を委託したアニメ・ドラマ作品には、日テレ自体は「制作」クレジットに連名で載せない、あるいは別扱いとするという、日テレの方針のためとみられる(例:東映制作の場合、「制作 日本テレビ(日テレ)」 - 「製作著作 東映株式会社」となる(ただし、自社制作の場合など一部の作品は除く))。また、ほとんどの作品は文字列を横に配して下から上へとエンディングロールを流す形態をとっていた。なお、日テレ以外の地上波局で再放送する場合は「制作 日本テレビ」のテロップをはずしている。

副音声・字幕放送

副音声では、視覚障害者のために「アイパートナー」と称される解説担当者(石丸博也)による場面解説を民放ドラマでは初めて1983年4月(紺野美沙子主演、「突然の明日」)より放送していた[3]。このアイパートナーは、主人公などの心理描写や細かい情景も言葉で行われ、単独のラジオ番組としても成立しうる程のものだった。視覚障害者のみならず、家事などで一時画面から離れざるを得ない主婦などにとっても声だけで内容を追うことが出来るため、好評だった。「かぶり(=首)を振る」「回想・・・(回想シーンの描写)・・・回想終わる」など、独特の言い回しが多い。

副音声のオープニング(オープニングタイトルバックの部分)では、まず、『火曜サスペンス劇場』のタイトルコールがあり(オープニングのタイトルコールは時差放送の局においてもそのまま放送)、続いて放映する作品のタイトル、あらすじ、主演・原作・脚本・監督の名前が紹介されていた。また、エンディングでは主題歌にのせて「主なキャスト・・・(それぞれの役名と配役)・・・そのほかの皆さんでした。」と主要キャストの紹介がなされ、最後に「この番組の案内役・アイパートナーは、私、石丸博也でした。」の言葉で終わっていた。

この試みはのちに「水曜グランドロマン」など他の単発2時間ドラマでも実施されるようになり、現在も「金曜ロードSHOW!」などの枠で単発ドラマが放送される場合や、日本映画(アニメの一部除く)で解説放送を行う回がある。

以上の副音声とともに聴覚障害者のための字幕放送も行っていた。

生放送

この番組は、全編生放送で行われた事が一度だけある。タイトルは「たったひとりのあなたのために」(1985年12月24日放送、出演:岸本加世子松村雄基刀根麻理子)である。本放送以降、くまもと県民テレビでの再放送の予定が新聞に掲載されたことがあるが、実際には放送されず、他の作品が放送された。

次回予告

本編終了後には次回予告が放送されていた。BGMは「フラッシュバックテーマ」。ナレーション音声はあらすじの説明で最後に「火曜サスペンス劇場。(次回のタイトル)。ヨル9時03分ご期待ください。」とコメントする(VTRでは同時に「○月○日ヨル9時03分 ご期待ください。」と表示)。なお、次回予告は「火曜サスペンス劇場 制作だより」として放映されていた時期がある(BGMは主題歌を編曲したもの)。

事前ミニ番組

火曜サスペンスクイズ

1998年10月から2005年3月まで(21時03分 - 22時54分枠時代)、直前の21時00分 - 21時03分には事前番組として作品のごく一部にあたるクイズに答えると3万円分の商品券が当たるという『火曜サスペンスクイズ』が放送されていた(ナレーションは来宮良子STVytvは、同様の内容で独自のクイズを出題していた時期がある。)。クイズの問題は、ドラマ中のシーンに関するもので、犯人、事件の手掛かり、地名などを当てさせるものだった。どの場面に関するものか分からないため、正解しようとすると必然的に最初から最後まで見ることになるため、番組の最後に出演者が「答えはこの後すぐ」のコールを行っていた。ここでも副音声では応募のあて先を読み上げるなど違う音声が流れていたが、インターネットでのエントリーも可能だった。

今夜のサスペンス

1998年9月以前はスタジオから日本テレビの女性アナが内容のさわりを紹介する『今夜のサスペンス』が放送されていた。なお一部の地方のNNN系列局はニュースや天気予報などのに差し替えていた。

シリーズ作品

テンプレート:See 以下、五十音順

火曜サスペンス劇場シリーズ作品放映時期
1982 1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005
名無しの探偵シリーズ[6]
女検事・霞夕子 新・女検事
霞夕子
女検事霞夕子 検事霞夕子
監察医・室生亜季子
弁護士・高林鮎子
六月の花嫁 6月の花嫁
浅見光彦ミステリー 朝日奈周平
ミステリー
地方記者・立花陽介 事件記者
三上雄太
弁護士・朝日岳之助
小京都ミステリー
フルムーン
旅情ミステリー
四季の旅情
ミステリー
山岳ミステリー
わが町
刑事鬼貫八郎
盲人探偵・松永礼太郎
九門法律相談所
取調室
検事霧島三郎
犯罪心理分析官
当番弁護士
警部補・佃次郎
警視庁
鑑識課
警視庁鑑識班
身辺警護
軽井沢ミステリー
1982 1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005

放送局

基本的に日本テレビ系列で放送されていたが、一部の放送局では番組編成上の都合で他の曜日に放送していたため、『土曜サスペンス劇場』などの異なるタイトルで放送されていた(詳細については備考を参照)。

放送対象地域 放送局 系列 放送曜日・放送時間 備考
関東広域圏 日本テレビ(NTV) 日本テレビ系列 火曜
21時00分 - 22時54分
番組制作局
北海道 札幌テレビ(STV)
青森県 青森放送(RAB) [注 1]
岩手県 テレビ岩手(TVI)
宮城県 ミヤギテレビ(mm34→MMT)
秋田県 秋田放送(ABS)
山形県 山形放送(YBC) [注 2]
福島県 福島中央テレビ(FCT)
山梨県 山梨放送(YBS)
新潟県 テレビ新潟(TNN→TeNY)
長野県 テレビ信州(TSB)
静岡県 静岡第一テレビ(SDT)
中京広域圏 中京テレビ(CTV)
富山県 北日本放送(KNB)
石川県 テレビ金沢(KTK) [注 3]
福井県 福井放送(FBC) 日本テレビ系列
テレビ朝日系列
近畿広域圏 よみうりテレビ(YTV → ytv) 日本テレビ系列
鳥取県島根県 日本海テレビ(NKT)
広島県 広島テレビ(HTV)
山口県 山口放送(KRY) [注 4]
徳島県 四国放送(JRT)
香川県岡山県 西日本放送(RNC)
愛媛県 南海放送(RNB) [注 5]
高知県 高知放送(RKC)
福岡県 福岡放送(FBS)
長崎県 長崎国際テレビ(NIB) [注 6]
熊本県 熊本県民テレビ(KKT) [注 7]
鹿児島県 鹿児島讀賣テレビ(KYT) [注 8][注 9]
大分県 テレビ大分(TOS) 日本テレビ系列
フジテレビ系列
土曜
12時00分 - 13時54分
(遅れネット)
[注 10]
宮崎県 テレビ宮崎(UMK) 日本テレビ系列
フジテレビ系列
テレビ朝日系列
土曜深夜
(詳細不明・遅れネット)
[注 11][注 12]
沖縄県 沖縄テレビ(OTV) フジテレビ系列 土曜
12時00分 - 13時54分
(4日遅れ)
[注 13]

番組終了時までに離脱した元ネット局

放送対象地域 放送局 系列 番組名 放送時間 放送期間 備考
石川県 北陸放送(MRO) TBS系列 MROサタデー劇場 土曜 12時00分 - 13時54分 1981年10月3日 - 1990年3月31日 [注 3]
長崎県 テレビ長崎(KTN) 日本テレビ系列[注 14]
フジテレビ系列
火曜サスペンス劇場(2分割した前編)
土曜サスペンス劇場(2分割した後編)
火曜 22時00分 - 22時54分
土曜 15時00分 - 15時54分
1981年10月6日 - 1990年9月29日 [注 6]
熊本県 熊本放送(RKK) TBS系列 サスペンス劇場 不詳 不詳 - 1982年3月 [注 7]
鹿児島県 鹿児島テレビ(KTS) 日本テレビ系列[注 15]
フジテレビ系列
火曜サスペンス劇場
(前編・後編に分け1時間枠で放送)
火曜 22時00分 - 22時54分 1981年10月6日 - 1982年9月28日 [注 8]
日曜サスペンス劇場 日曜 21時00分 - 22時54分 1982年10月3日 - 1985年3月31日
金曜サスペンス劇場 金曜 23時55分 - 25時49分 1990年4月6日 - 1992年3月27日
南日本放送(MBC) TBS系列 木曜サスペンス劇場 木曜 24時54分 - 26時48分 1992年4月2日 - 1992年9月24日 [注 9]
MBCサスペンス劇場 金曜 24時54分 - 26時48分 1992年10月2日 - 1994年3月25日

再放送枠など

放送対象地域 放送局 系列 番組名 放送曜日・放送時間 備考
衛星放送 BS日テレ 日本テレビ系列 スペシャルセレクション 水-金曜 18時00分 - 19時54分 [注 16][注 17][注 18]
サタデースペシャル 土曜 19時00分 - 20時54分
サスペンス名作選(土曜) 土曜 12時00分 - 13時52分
サスペンス名作選(日曜) 日曜 12時00分 - 13時52分
日テレプラス 日本テレビ系列
日本テレビスカパーチャンネル
火曜サスペンス劇場セレクション 月-金曜 13時30分 - 15時20分ほか
チャンネルNECO
ファミリー劇場
チャンネル銀河
ホームドラマチャンネル
AXNミステリー
不定時 [注 19]

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パチンコ

2013年5月にタイヨーエレックよりCR火曜サスペンス劇場が全国のパチンコ店に導入された。内容は『小京都ミステリーシリーズ』がモチーフとなっている。

脚注

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関連項目

外部リンク

テンプレート:前後番組

テンプレート:日本テレビのテレビドラマ
  1. 最終回時点における通常編成時のもの。番組開始当初は21:02 - 22:54だったが、2005年4月に21:00からの当番組関連ミニ枠の終了時刻繰り下げ・後の廃枠による開始時刻の変更。また、1986年4月以降の後続のスポーツニュース(1994年4月以降は『NNNきょうの出来事』)の開始時刻の変動による終了時刻の変更がそれぞれ幾度となく行われた。
  2. 木森逝去後に製作されたため編曲者は不詳。
  3. 初期のモノラル作品、札幌テレビ放送の道央圏以外の地域、CS★日テレ、BS日テレを除く。日テレプラスも当初は行われていなかったが、現在は一部の作品で行われている。地上波の再放送でも行わない事がある。
  4. 「DVD-BOX I」のサービストラックより。
  5. 主人公の服装(特に白いエナメル靴)が原作とあまりに懸け離れている事に原作者から抗議を受けたという話があるが、白いエナメル靴事件は、足音の効果音によって誤解を招いただけで、実際には白いスニーカーを履いていたというのが真相。また、それがシリーズ終了の原因になったとは説明されておらず、むしろ、映画でシリーズ化する計画があったため打ち切ることになったと説明している(DVD-BOXⅠのサービストラックに収録)。また、DVD化にあたって原作者自身が、水谷豊は作者の持つ浅見光彦のイメージとは違っていたとハッキリコメントしているが、このミスマッチが成功の要因だろうとも述べている。しかし、水谷豊が演じるということを喜んだとも述べている(DVD-BOXⅡのサービストラックに収録)
  6. 1984年から1986年及び1991年は放映されていない。


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