解説放送
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解説放送(かいせつほうそう)は、主に視覚障害者向けにテレビジョンの音声多重放送を使って場面の解説を放送するテレビ番組のことである。
目次
概要
1983年に日本で初めて、日本テレビ放送網「火曜サスペンス劇場」で試験的に開始。1990年にNHKでも総合テレビの「連続テレビ小説」から、段階を追って開始された。アナログ放送末期は、前述の番組以外では主に視覚障害者や身体障害者を取り上げた番組に特化していたが、2000年に衛星放送で始まったデジタルテレビ放送では、これまで技術的に不可能であったステレオ音声での2重音声放送が可能となったことや、バリアフリー推進の観点から、ドラマやトーク番組を中心にデジタル放送のみでの解説放送を開始する番組が増えた。ほぼすべてが収録番組で実施されるが、NHKのパラリンピック放送では生放送で解説放送(「リアルタイム解説放送」)が実施される。
現在実施されている主要番組
- 以下に挙げる番組以外でも視覚障害者・身体障害者を題材にした番組などで解説放送を加える場合がある。
日本放送協会(NHK)
総合テレビ・衛星放送(衛星第2放送・衛星ハイビジョン放送→BSプレミアム)
- 連続テレビ小説(『凛凛と』より(デジタル放送は「オードリー」[1]の途中より)、衛星ハイビジョン、デジタル衛星第2テレビ、デジタル総合テレビはステレオ2音声での放送 2011年度からのダイジェスト版の放送には解説放送がない)
- ドラマ新銀河(1996年-1999年度)
- NHK大河ドラマ(『葵 徳川三代』[1]の途中より、ステレオ2音声で、衛星ハイビジョン、デジタル衛星第2テレビ、デジタル総合テレビのみ)
- ドラマ10(2011年度より デジタル総合のみ)
- よる★ドラ
- 木曜時代劇(前身の金曜・土曜時代劇も含む) デジタル総合のみ)
- BS時代劇(デジタルBSプレミアムのみ)
- 土曜ドラマ(デジタル総合のみ。一部の視覚障害者を扱った作品はアナログもモノラル副音声で解説放送をした)
- 課外授業 ようこそ先輩(デジタル放送はステレオ2音声での放送)
- ためしてガッテン(デジタル放送のみでステレオ2音声での放送)
- 鶴瓶の家族に乾杯(2011年4月より。ステレオ2音声での放送)
▽上記の番組ともNHKワールド・プレミアム(海外向けテレビ番組配信)を除く
教育テレビ
▽上記の番組ともNHKワールド・プレミアム(海外向けテレビ番組配信)を除く
民間放送
日本テレビ系列
- 24時間テレビスペシャルドラマ(年1回=初日・土曜日の21時台から2時間程度。モノラル二重音声)
- それいけ!アンパンマン(2008年4月4日放送の第933回より実施。ステレオ2音声。レギュラーアニメ番組初の解説放送番組)
- 笑点(2009年10月4日放送の第2184回より実施。ステレオ2音声)
- 金曜ロードSHOW!(2013年夏ジブリ特集以降より実施。スペシャルドラマ・邦画のみ)
- 遠くへ行きたい(ytv制作、不定期。ステレオ2音声。ytv同時ネット局と先行ネットの日本テレビのみ実施。当初は日本テレビのみ実施)
- 名探偵コナン(2013年12月28日放送のデジタルリマスター版『雪山山荘殺人事件』より実施。デジタルリマスター版の放送回のみ)
テレビ朝日系列
- 徹子の部屋(不定期。地上波ならびにBS朝日ではステレオ2音声。過去に放送された回の再放送を行うテレ朝チャンネルと朝日ニュースターではモノラル二重音声。初放送は加山雄三をゲストに迎えた2008年7月7日。民放BS初の解説放送番組)
- 土曜ワイド劇場(月3回程度。当初はABC制作分のみ月1回実施していたが、2010年10月よりテレビ朝日制作分も月2回実施するようになった。ステレオ2音声。初放送は2009年7月18日放送の「天才刑事・野呂盆六4」)
- 劇的5ch!・劇的空間→ゴゴワイド・相棒セレクション(ステレオ2音声。ドラマの再放送枠で上記の土曜ワイド劇場のほか連続ドラマにおいて本放送時には無かった解説を新規追加)
- 新婚さんいらっしゃい!(ABC制作、2013年4月7日より実施)
TBS系列
- 月曜ゴールデン(不定期。デジタル放送のみ実施。ステレオ2音声。但しワンセグでは行われない。ドラマ作品のみ実施)初放送は2008年4月28日放送の「世直し公務員 ザ・公証人7」
- アゲイン!!(制作局であるMBSのみ実施)
テレビ東京系列
- スペシャル!傑作選(地上デジタル放送ではステレオ2音声。『土曜スペシャル』の再放送枠。本放送時には無かった解説を新規追加。不定期に実施)
- 日曜ミステリー(「水曜ミステリー9」「女と愛とミステリー」の再放送。毎回実施されるわけではない。テレビ愛知テンプレート:要検証範囲の同様の枠でも実施)
- ゴルフ中継(2013年8月17日・8月18日)
- その他、テレビ東京では特別番組における日本映画作品の放送において、音声多重放送での解説を実施している場合がある。
フジテレビ系列
- ライオンのごきげんよう(地上デジタル放送ではステレオ2音声。2008年12月4日〜2009年1月30日、2011年4月7日〜。2009年2月から一旦終了し全曜日ステレオ放送になったが、2011年4月より木・金曜日のみ解説を再開し、2012年4月より水曜日も実施、月・火曜日はステレオ放送だったが、2013年7月1日より全曜日を実施。しかし同年10月より月・木・金曜日の実施、2014年4月からは木・金曜日実施となった)
- 金曜プレステージ(ステレオ2音声。ドラマ作品のみ実施。土曜プレミアムとの連動ドラマ作品である場合は土曜日も解説放送が行われる場合もある。ドラマであっても解説が無い場合=ステレオ放送のみもある)
- ちびまる子ちゃん(ステレオ2音声。2014年4月6日より実施、以前も2009年9月20日放送で実施)
- サザエさん(ステレオ2音声。2014年4月6日より実施)
過去に放送された番組
- 「ドラマ新銀河」(NHK総合 2002年-2006年放送の夜の連続ドラマ=よるドラでは行っていない)
- 「盲導犬クイールの一生」(NHK総合 月曜ドラマ)
- 「北京パラリンピック」(NHK教育 デジタル放送は開会式の生中継のみステレオ2音声でそれ以外はすべてモノラル二重音声 総合テレビの再放送でも実施。ロンドンパラリンピックでも同様に実施された。(アナログ・デジタルともすべてモノラル二重音声))
- 「食彩浪漫」(NHK総合 デジタル放送はステレオ2音声での放送)
- 「中学生日記」(NHK教育 ドラマ形式のみ トーク・ドキュメンタリー形式、および特集企画で生放送となる場合は行われない場合があった。地上デジタル放送ではステレオ2音声。)
- 「水曜グランドロマン」(日本テレビ系)
- 「火曜サスペンス劇場」→「ドラマ・コンプレックス」→「火曜ドラマゴールド」(日本テレビ デジタル放送はステレオ2音声 作品により解説放送がないもの=その場合はアナログ放送でもステレオ放送あり)
- 「おふくろシリーズ」(フジテレビ系 金曜エンタテイメント 浜木綿子主演 年1回程度。字幕放送は文字多重放送ではなく、放送されたVTRそのものに台詞がテロップで表示された)
- 「仔犬のワルツ」(日本テレビ系 土曜ドラマ 同局の50周年記念作品)
- 「ゴゴドラ」→「ドラばらっ!」(日本テレビ 地上デジタル放送ではステレオ2音声。連続ドラマ再放送枠。一部作品で本放送時には無かった解説を新規追加。)
- 「ハッピー 愛と感動の物語」(テレビ東京系 2部に渡って放送された)
- 「水曜ミステリー9」(テレビ東京系 第1期は開始時期不明。第2期は2012年度から不定期で実施。実施有無は作品によって異なる)
- 「必殺仕事人2010」(朝日放送・テレビ朝日系 地上デジタル放送ではステレオ2音声。必殺シリーズ初の解説放送)
- 「ロンドンオリンピック・開会式」(日本テレビ系 オリンピック放送初の解説放送。別時刻放送のBS日テレは実施なし)
- 「パナソニック ドラマシアター」(TBS系 デジタル放送のみ実施。ステレオ2音声。但しワンセグでは行われない)2011年3月21日放送の『水戸黄門 第42部』最終回より開始。
など。
現在使用中の「解説放送」テロップ
- NHK:「解説放送(副音声)」(地上波・BS共通)
- 日本テレビ:「[多]ただいま、目の不自由な方にも副音声でお楽しみいただけます。(文章は各番組で表示が異なるが基本的にこの形式で表示)」(2012年3月までは同時・時差ネットを問わず各局別で出していたが、2012年4月以降は同時ネットのみ制作局出しの表示となっている)
- TBS:「(かきかけ)」(デジタル放送のみ実施・表示)
- フジテレビ:長方形枠で「字幕/解説放送」として表示
- テレビ朝日:長方形枠で右上に「(ひよこの絵入り)解説放送」もしくは画面上に「解説放送 この番組は、副音声で目の不自由な方に向けた放送をしております。」(解説放送はひよこの絵入り長方形枠)と表示
- テレビ東京:「副 解説放送」(副は四角で囲んでいる。ハイカラ風な書体デザインはTXN各局共通だが、表示はデータ放送・ステレオ2音声の2か国語放送「DUAL STEREO」と同様各局別で出している)
- EPG(電子番組表)、2012年2月以後の一部の新聞、雑誌「ステラ」(NHKサービスセンター)などでは解説放送が行われる番組には「[解]」のマークを入れて、通常の(各種「ステレオ放送」という意味ではない)音声多重放送([多])とは区別している。
- 新聞の番組表では、2時間ドラマの一部では出演者の紹介の末尾に「[多]目の不自由な方のための場面解説」と表示する番組があった。
視覚障害者向けではない解説放送
- NHKテレビの多重音声では、能・狂言の番組で行うことがあり、ラグビー・アメフトのスポーツ中継では、ルールの解説を行うことがある。
- スポーツ番組・ニュース番組などで、解説を放送する場合がある。(副音声ではない)