ジャパンコンソーシアム
ジャパンコンソーシアム(英語:Japan Consortium)は、オリンピック、FIFAワールドカップにおいて、日本の放送機関である日本放送協会(NHK)と民間放送(民放)各社がその枠組みを超えて共同制作する放送機構のこと。NHKと日本民間放送連盟加盟社で構成されており、一部の後発局やコミュニティ放送は参加していない。通常J-WAVEをネットしているコミュニティ放送局でも、中継の間は別番組に差し替えている。なお五輪時の映像はオリンピック放送機構(OBS)が配信する。略称は英称の頭文字から「JC」とされており、以下本文では必要に応じてカタカナ表記と略称を併用する。
目次
設立の背景
1952年のヘルシンキオリンピックなど、以前から夏季オリンピックはNHKと民間放送が共同中継していたが、1980年のモスクワ大会ではテレビ朝日が単独で放映権を獲得した[1]ことが波紋を呼んだ。これをきっかけに放映権料の互助負担と過度な値上がりの抑制を目的として[2]、1976年に「ジャパンプール」を創設してNHKと民間放送が系列の枠組みを超えて日本国内における夏季オリンピックの中継放映(放送)権を獲得した。
その後1998年の長野大会から冬季オリンピック、2002年の日韓大会からFIFAワールドカップもそれまでのNHKによる独占中継からジャパンコンソーシアムによる共同放送へ移行した。この背景には現地のスタッフ不足を補完する目的のほか、近年の放映権料高騰がある。しかし、1984年のサラエボオリンピック(冬季)以降、世界的に放映権料は増加の一途をたどり[3]、2010・2012年の2大会分の放送権買い上げの交渉の際にジャパンコンソーシアムのメンバーから「『買わない』という選択肢もあるのではないか」という意見もあったという[4]。
なお、ラジオの冬季オリンピック中継は前述の長野大会を除き現在もNHKが独占中継[5]しており、実況もすべてNHKのアナウンサーが担当している。テレビ中継とは異なり各競技ごとの解説者を置かない場合もあり、この場合はアナウンサーが競技の解説も兼務する。2006年のトリノオリンピックでは、一部テレビの実況音源を2次利用していた。放送は東京のラジオセンター131スタジオと現地を直接結んで行われる。
NHKラジオ第1放送でのFIFAワールドカップ中継はジャパンコンソーシアムの中継を受けず、NHKが独自に制作・放送している。東京の131スタジオで現地の国際映像を見ながら、(いわゆるオフチューブ形式で)アナウンサーと解説者が実況する。
放映権料
有料放送権は含まず。2010年以降は、テレビ放送権の他にインターネット・携帯電話への配信権も含む。
季節 | 開催年 | 大会 | 放映権料 | 取得者 |
---|---|---|---|---|
夏季 | 1960年 | ローマオリンピック | 5万ドル(1800万円) | NHK |
1964年 | 東京オリンピック | 50万ドル(1.8億円) | ||
1968年 | メキシコシティオリンピック | 60万ドル(2.2億円) | ||
1972年 | ミュンヘンオリンピック | 105万ドル(3.8億円) | ||
1976年 | モントリオールオリンピック | 130万ドル(3.9億円) | ジャパンプール | |
1980年 | モスクワオリンピック | 850万ドル(18.7億円) | テレビ朝日 | |
1984年 | ロサンゼルスオリンピック | 1850万ドル(46.3億円) | ジャパンプール | |
1988年 | ソウルオリンピック | 5000万ドル(77.5億円) | ||
1992年 | バルセロナオリンピック | 5750万ドル(88億円) | ジャパンコンソーシアム | |
1996年 | アトランタオリンピック | 9950万ドル(104.5億円) | ||
冬季 | 1998年 | 長野オリンピック | 3700万ドル(39億円)[7] | |
夏季 | 2000年 | シドニーオリンピック | 1億3500万ドル(142.7億円) | |
冬季 | 2002年 | ソルトレイクシティオリンピック | 49億4000万円[8] | |
夏季 | 2004年 | アテネオリンピック | 1億5500万ドル(170.5億円) | |
冬季 | 2006年 | トリノオリンピック | 45億3000万円[8] | |
夏季 | 2008年 | 北京オリンピック | 1億8000万ドル(198億円) | |
冬季 | 2010年 | バンクーバーオリンピック | 325億円(日本円建て) | |
夏季 | 2012年 | ロンドンオリンピック | ||
冬季 | 2014年 | ソチオリンピック | 360億円(日本円建て)[9] | |
夏季 | 2016年 | リオデジャネイロオリンピック | ||
冬季 | 2018年 | 平昌オリンピック | 660億円(日本円建て)[10] | |
夏季 | 2020年 | 東京オリンピック | ||
冬季 | 2022年 | 開催地未定 | 440億円(日本円建て)[10] | |
夏季 | 2024年 | 開催地未定 |
- 備考
- オリンピックの放映権は、国際オリンピック委員会からジャパンコンソーシアムが冬季・夏季の2大会ごとに直接購入している。かつては2000年のシドニーオリンピックから2008年の北京オリンピックまでの冬季オリンピックを含む5大会分を一括で購入しており、5億4550万ドル(当時のレートで約650億円)であった。
- なお放映権料の負担割合は、1976年のモントリオールオリンピックではNHKが86.7%、日本民間放送連盟が13.3%で、1988年のソウルオリンピック・1992年のバルセロナオリンピックではNHKが80%、日本民間放送連盟が20%[11]。また2004年のアテネオリンピックではNHKが75%、日本民間放送連盟が25%であった。しかし一連のNHKの不祥事を理由としたNHK受信料不払い世帯の増加による減収と、以前からNHKの負担割合が大きすぎるのではないかとの議論があったことから、2006年のトリノオリンピック以降はNHKが70%、日本民間放送連盟が30%となっている。
開催年 | 大会 | 放映権料(日本円換算) | 取得者 |
---|---|---|---|
1974年 | 西ドイツ大会 | 940万円 | 東京12チャンネル(現・テレビ東京) |
1990年 | イタリア大会 | 6億円 | NHK |
1994年 | アメリカ大会 | ||
1998年 | フランス大会 | ||
2002年 | 日韓大会 | 65億円 | ジャパンコンソーシアム |
2006年 | ドイツ大会 | 160億円 | |
2010年 | 南アフリカ大会 | 200億円 | |
2014年 | ブラジル大会 | 400億円 |
ワールドカップを含む国際サッカー連盟主催試合の放送権は、電通がアジア地域向けの放映権(テレビ・ラジオ・ブロードバンド・インターネット・携帯電話)を2007年から2014年まで購入しているため[12]、同社から購入している。
中継の体制
同じように「ジャパンコンソーシアム」を結成した場合でも、オリンピック中継とFIFAワールドカップ中継では中継の体制が大きく異なる。
オリンピック中継
オリンピックのような総合競技大会では、実況を担当するアナウンサーには各競技に対する一定以上の知識が要求されることもあって、アナウンサーの割り当てに際してはNHKと民放各局から派遣されたアナウンサーがそれまでの実況経験等を勘案して系列の枠組みに関係なく担当する競技を割り当てている。一方で各競技の放送は、種目ごとの偏りを防ぐために種目別ではなく放送日時ごとに割り当てているため、所属する系列とは異なる放送局のアナウンサーが実況する場合も多い。このこともあり番組フォーマットや言葉遣いの統一ルールがあったり、実況を担当する各アナウンサーの所属放送局は一切出さないことになっている[13]。
これにより民放が放送する中継でNHKのアナウンサーが実況したり、NHKが放送する中継で民放のアナウンサーが実況するケースもあるため、特に日本選手が出場している競技では絶叫スタイルで放送することの多い民放アナウンサーによる放送内容に対して、NHKや放送倫理・番組向上機構(BPO)に苦情が寄せられることも少なくない。一例として、日本テレビとNHK(BS1)が放送した2000年のシドニー五輪サッカー中継では日本の初戦で日本テレビアナウンサー(当時)の船越雅史が実況を担当したが、日本が得点を挙げた際に繰り返し絶叫したことから、日本テレビのみならずNHKにも多数の苦情が殺到する事態に発展した。この事態を重く見たNHKは再放送の際、本来差し替えないはずの実況と解説者を差し替える措置を、日本テレビ以外の民放が関連ニュースを報道する際に実況部分を入れない措置を取った。
なお、一部のスポーツ中継では副音声を使用して実況なしの中継や別音声で放送する場合もある[14]が、オリンピック中継では実施していない。ただし、テレビで中継されない競技のネット配信では実況・解説が一切入っていない。これはオリンピック放送機構制作の国際映像をそのまま使用しているため。
独立局13局も日本民間放送連盟の一員であることから、ジャパンコンソーシアムに加盟している。これらの放送局では、原則としてキー局と同じ時間帯に並立放送を行い(CMもスポンサードネット扱いで放送)、キー局のうち1枠または2枠を選択して放送している。どのキー局をネットするかについては特に定まっておらず、放送時間や制作を担当する放送局との兼ね合いからその都度決定される。
ただし、2008年の北京オリンピックは近畿地区(KBS京都・サンテレビ・びわ湖放送・奈良テレビ放送・テレビ和歌山)のみ朝日放送の全国高校野球選手権大会中継をリレー中継しているため、準々決勝以降の放送日へ移動している。これは平日と日曜日は11:40から14:10まで高校野球中継を中断し、テレビ朝日制作番組や各局の自社制作番組を優先放送しているため(土曜は11:45から12:00の「ANNニュース」が中断されるのみ)。
2002年(ソルトレイクシティオリンピック)以降、オリンピック中継はBSデジタル放送でも放送しているが、2010年(バンクーバーオリンピック)以降、日本民間放送連盟に加盟している地上波民放系BS5局では地上波の放送後に撮って出し方式で遅れ放送している。
2008年(北京オリンピック)以降は、テレビで放送されない競技をライブストリーミングで無料配信するようになり、多くの競技がリアルタイムで視聴可能となった(前述のとおり実況音声は一切入らず、現地音声のみ)。
民放ラジオでは2008年の北京オリンピックまで一部の競技[15]で全局同時実況中継を実施していたが、2012年のロンドンオリンピックでは全局同時実況中継がなくなり、実況中継の放送は各局の判断(任意ネット)となった。そのため、ロンドンオリンピックは実況中継は在京局中心の放送となり、多くの放送局では全局へ配信される民放ラジオ統一番組[16]を除き放送しなくなった[17]。
なおNHKにおいてのラジオ中継は、夏季大会はテレビと同じく現地に派遣されたNHK・民放のアナウンサー・解説者の連合チームで担当しているが、冬季はNHK独自の放送となっており、アナウンサー、解説者はJCとは別に派遣されたラジオ専従のスタッフが担当する。
FIFAワールドカップ中継
2002年日韓大会以降のFIFAワールドカップ中継では、前もって試合ごとに中継する系列が割り当てられており、映像は各局とも国際映像を使用するが、実況・解説は地上波で担当する系列局が派遣したアナウンサー・解説者が行っている[18]。また、各局がダイジェスト番組を放送する場合も実況の差し替えは行わず、中継時のアナウンスをそのまま使用するのが基本となっている[19]。また、ニュースなどで実況映像を使用する場合、中継時の実況音声[20]を使うか、実況の差し替えを行うかは、各放送局の判断にまかされている。
オリンピック中継における放送局ごとの中継分担は原則としてNHKと民放の話し合いのみで決めるが、FIFAワールドカップ中継ではまずNHKと民放の話し合いで分担を決めた後、民放ではキー局がくじ引きで決められた順番に希望する試合を選択する[21]。
なお、2002年の民放によるFIFAワールドカップ中継は一部を除き地上波と系列BS局が同時放送(但し、出演者は異なる)していたが、2006年大会以降は地上波での放送後に系列BS局が時差放送している。
ラジオ放送については民放はテレビとは異なり全局共通の内容であるが、NHKはJCの実況は使わず解説部分をオフチューブで現地の映像を見ながら東京のスタジオで差し替えている。
協賛スポンサー・クロスネットなどの扱い
民放各局は、JC共通の協賛スポンサーが時間ごとに割り当てて番組提供を行う。一部の地方局などクロスネット局では、原則としてその時間に主として放送しているネット局の中継を放送するが、系列の違う後番組を考慮して中継しない場合もある。
またFIFAワールドカップで日本が出場する試合、夏季オリンピックで女子マラソンを民放が放映する場合[22]は、系列局の存在しない地域向けに系列の枠を超えて生中継することが通例となっている。そのため、広域圏を除き、民放が1局しかない四国放送とサガテレビでは、FIFAワールドカップで民放が放送する日本戦や女子マラソンはすべて放送している。
なお、中継では一部の例外を除き60秒以上のスポンサードであるため協賛社読み上げが行われるが、深夜・早朝に行われる10分程度のハイライト番組(一部のスポーツニュース・情報番組への内包コーナー扱いも含む)についてもJC共通協賛社が日に3-4社程度(一部パーティシペーションで協賛表示なしのスポンサー有り)提供されているが、これらは30秒スポンサーで「ご覧のスポンサー」扱いとなる。
加盟している放送局
テレビ
- NHK
- 主に総合・BS1[23]で放送。教育テレビ(現・Eテレ)でも総合テレビとのリレー放送を行う場合がある。
- 日本テレビ系列(NNN・NNS)加盟各局
- テレビ朝日系列(ANN)加盟各局
- TBS系列(JNN)加盟各局
- テレビ東京系列(TXN)加盟各局
- フジテレビ系列(FNN・FNS)加盟各局
- 全国独立放送協議会加盟局
- WOWOW(FIFAワールドカップのみ参加)
- mmbi(NOTTV、2012年夏季五輪以降)[24]
WOWOWは、かつては有料放送権を取得して有料放送を行っていた事もあったが、現在はジャパンコンソーシアムとしてノースクランブルで放送。デジタル放送ではノースクランブル(無料)放送のみ。アナログ放送(スカパー!の再送信を含む)は別番組に差し替え。BS11は2010年4月に、ブロードキャスト・サテライト・ディズニーとJ SPORTSは2012年5月に日本民間放送連盟へ準会員として加盟したが、現在のところJCには参加していない。
ラジオ
- NHK
- JRN加盟各局
- TBSラジオなど
- NRN加盟各局
- JFN加盟各局
- TOKYO FMなど
- JFL加盟各局
- J-WAVEなど
- MegaNet加盟各局
- InterFMなど
- 独立ラジオ放送局
- ラジオNIKKEI(原則として不参加)
ミュージックバードは民放連に加盟しているが、有料会員制放送であることに加え、一般受信機で聴くことができないため、JCに加わることはできない。なお、母体のTOKYO FMとJFN系列局が参加している。
オリンピックにおける担当アナウンサー
テンプレート:節stub 所属の放送局は、いずれも当時のもの。
夏季
シドニーオリンピック(2000年)
- テレビ中継担当
アテネオリンピック(2004年)
- テレビ中継担当
北京オリンピック(2008年)
- テレビ中継担当
- NHK - 石川洋、伊藤慶太、岩佐英治、内山俊哉、工藤三郎、近藤敏之、竹林宏、冨坂和男、野地俊二、松野靖彦、道谷眞平
- 日本テレビ - 鈴木健、平川健太郎
- TBS - 戸崎貴広、初田啓介
- フジテレビ - 竹下陽平、長坂哲夫
- テレビ朝日 - 森下桂吉、中山貴雄
- テレビ東京 - 植草朋樹
- ラジオ中継担当
- 男女マラソン中継では、ジャパンコンソーシアムにアナウンサーを派遣していなかった毎日放送から、同局のオリンピック関連番組取材で北京に滞在していた上泉雄一を急遽中間地点のリポーターに起用した。他競技との兼ね合いで中継に必要なアナウンサーが足りなくなったことによる特例措置で、上泉自身も十数年前にスポーツ実況の担当から退いていた。
- テンプレート:See also
ロンドンオリンピック(2012年)
2012年6月7日のNHK会長記者会見で、JC担当アナウンサーとしてテレビがNHK10名・民放10名(在京キー局1社につき2名ずつ)、ラジオはNHK4名・民放4名が派遣されることが発表された[27]。
- テレビ中継担当
- 上記のほか、NHK BS1で放送される一部競技・試合(サッカーなど)では東京のスタジオで国際映像を見ながら実況を行う「カラ出張形式」での放送もあるが、こちらはJC担当アナウンサーとは別のアナウンサー(主にNHK BS1の東京スタジオキャスター担当)が起用されるため記載しない。
- ラジオ中継担当
冬季
冬季オリンピックにおけるラジオ中継はNHKによる独占放送のため、担当アナウンサーを記載しない(長野大会は除く)。
長野オリンピック(1998年)
- テレビ中継担当
ソルトレイクシティオリンピック(2002年)
- テレビ中継担当
トリノオリンピック(2006年)
- テレビ中継担当
バンクーバーオリンピック(2010年)
- テレビ中継担当
ソチオリンピック(2014年)
- テレビ中継担当[29][30]
- 上記のほか、NHK BS1で放送される一部競技・試合(アイスホッケーなど)では東京のスタジオで国際映像を見ながら実況を行う「カラ出張形式」での放送もあるが、こちらはJC担当アナウンサーとは別のアナウンサー(主にNHK BS1の東京スタジオキャスター担当)が起用されるため記載しない。
FIFAワールドカップにおける担当局・アナウンサー
テレビ中継に関して、特記なきものは地上波による中継を基準とする。
NHKにおけるラジオ中継はNHKが独自に放送するため、本項目では担当アナウンサーを記載しない。また2014年のブラジル大会ではJCとしての派遣アナが担当して現地で実況を収録する試合のほか、BS1独自に、東京のスタジオでのオフチューブでの実況を担当するアナウンサーもいるが、これも省略する。
アナウンサーの所属放送局は、いずれも当時のもの。
日韓大会(2002年)
この年の日韓大会からJCによる共同放送に移行。
- ラジオ実況中継
- 民間放送はTBSラジオを制作本部とし、グループリーグの日本戦3試合及び決勝戦を全101社で放送した。TBSラジオはそれらも含めて計17試合放送し、その他各局で適宜放送。なお、MegaNet加盟の外国語FM放送4社は英語放送を実施。
- なお、NHKは独自にアナウンサー・解説者を派遣しており、JCの中継を受けていない。
- テレビ中継
- 注目度の高い日本戦はグループリーグ第1戦の対ベルギー戦がNHK、第2戦の対ロシア戦と第3戦の対チュニジア戦が民放に割り当てられ、日本テレビ・TBS・フジテレビ・テレビ朝日の在京キー局4局[21]による抽選を行った。その結果、本抽選で1番くじを引き当てたフジテレビがロシア戦を、2番くじを引いたテレビ朝日がチュニジア戦を中継した。この大会で日本は決勝トーナメントに進み、1回戦の対トルコ戦はNHKが中継した。
- 実況担当は対ベルギー戦が栗田晴行、対ロシア戦が長坂哲夫、対チュニジア戦が角澤照治、対トルコ戦が野地俊二。
- 民放での日本戦中継に関しては、系列局のない地域を含めた全国で放送が見られるように特例で系列外中継が認められ、ロシア戦はFNN系列28局の他山梨放送・四国放送(以上NNN系列)と青森テレビ・テレビ山口(以上JNN系列)、チュニジア戦はANN系列フルネット24局の他、クロスネット局である福井放送・テレビ宮崎、及び他系列の北日本放送・山梨放送・四国放送・高知放送(以上NNN系列)、山陰放送(JNN系列)、サガテレビ(FNN系列)で放送された。
- また中継に付随して、民放各系列局の持ち回りで毎日1時間程度、「ワールドカップデイリー/ウィークリーハイライト」が放映された。
ドイツ大会(2006年)
ドイツ大会でも前回大会のフォーマットを踏襲している。
- ラジオ実況中継
- 民間放送はTBSラジオを制作本部とし、日本戦3試合を日本民間放送連盟加盟の全AM局47社とラジオNIKKEI、FM局53社のうち49社が放送した[31]。
- なお、この年もNHKは東京のスタジオで国際映像を見ながら独自の実況・解説を行い、JCの中継を受けていない。
- テレビ中継
- 日本代表のグループリーグは第1戦の対オーストラリア戦と第3戦の対ブラジル戦をNHKが、第2戦の対クロアチア戦を民放が担当。日本テレビ・TBS・フジテレビ・テレビ朝日の4局がくじ引きによる抽選を行い、本抽選で1番くじを引き当てたテレビ朝日が中継を担当した[32]。
- 実況担当は対オーストラリア戦が栗田晴行、対クロアチア戦が角澤照治、対ブラジル戦が野地俊二。
- この大会でも前回同様の配慮が取られ、第2戦はANN系フルネット24局の他、ANNを含むクロスネット局である福井放送・テレビ宮崎に加え系列外の山梨放送・北日本放送・四国放送・高知放送・山陰放送・サガテレビで放送された。
- また、この大会は決勝戦が地上波では民放で放送され、フジテレビ系列で放送された(実況担当は青嶋達也)。
- テレビ中継担当アナウンサー
- NHK - 野地俊二、栗田晴行
- テレビ朝日 - 角澤照治
- フジテレビ - 青嶋達也
- 記事内で判明している分のみ。
- テレビ中継担当アナウンサー
南アフリカ大会(2010年)
南アフリカ大会でも前回大会のフォーマットを踏襲した。
- ラジオ実況中継
- 民間放送はニッポン放送を制作本部とし、グループリーグの日本戦3試合を日本民間放送連盟加盟のAM局47社のうち41社とFM局53社のうち34社の計75社が放送した[33]。決勝トーナメント1回戦は元々「日本代表が勝ち進んだ場合には、在京5社のほか希望する全国のラジオ社で実況中継を行う予定」としていたこともあり、中継参加はAM局23社、FM局17社に留まった。
- 実況担当は対カメルーン戦が長谷川太(文化放送)、対オランダ戦が煙山光紀(ニッポン放送)、対デンマーク戦・対パラグアイ戦が清水大輔(TBSラジオ)。またナビゲーターとしてニッポン放送の新保友映・増田みのりが出演した。
- NHKは前2大会同様JCの中継を受けず、ラジオ第1放送で国際映像を見ながら独自中継した。なお、決勝戦はラジオ第1放送が参議院議員選挙開票速報番組を放送したためFM放送にて実況中継を行った。
- なお、一部のラジオ局で試験的に実施している地上デジタル音声放送やIPサイマルラジオ「radiko」では、放送権の関係で放送・配信を行わない[34][35]。
- テレビ中継
- ジャパンコンソーシアムは全64試合中44試合の放映権を獲得(残り20試合はJC非加盟のスカパー!による単独放送)。NHKと民放に各22試合ずつが割り当てられた。
- NHKでは原則として地上波の総合テレビで生放送するが、7月11日投開票の第22回参議院議員通常選挙と日程が重なったため総合テレビで政見放送や開票速報の放送時間を確保する必要から、6月28日の決勝トーナメント1回戦「オランダ対スロバキア」と7月2日の準々決勝「オランダ対ブラジル」(以上いずれも前半のみ)、7月12日(7月11日深夜)の決勝戦「オランダ対スペイン」(試合全編)は教育テレビにて放送を行った。また、7月3日(7月2日深夜)の準々決勝「ウルグアイ対ガーナ」は放送時間が延びたため、6時以降は教育テレビでリレー放送された。
- 日本代表のグループリーグは第1戦の対カメルーン戦がNHKに、第2戦の対オランダ戦と第3戦の対デンマーク戦が民放に割り当てられた。
- 2009年12月14日、民放連で中継権に関する会議が行われ、中継料の負担割合(系列局の数による)により日本テレビ・TBS・フジテレビが5試合、テレビ朝日が4試合、テレビ東京が3試合の生放送を行うことが決まった。その後テレビ東京を除く4局で中継カードを選ぶ順番を決めるくじ引きが行われ、1番くじを引いたテレビ朝日が対オランダ戦を、2番くじを引いた日本テレビが対デンマーク戦を放送する事を決定。これによりテレビ朝日は3回連続、日本テレビは初めて日本戦を放送した[36]。この大会で日本は決勝トーナメントに進み、TBSが決勝トーナメント1回戦の対パラグアイ戦を放送することになった[36]。TBSは先述の放映権会議でフジテレビに次ぐ4番くじだったが、フジテレビがグループリーグ屈指の好カードである「ブラジル対ポルトガル」を選択したため、TBSは日本のグループリーグ突破時に日本戦となる可能性のある「グループE・2位対グループF・1位」の本カードを選択していた。TBSはこの試合がワールドカップ本大会で初の日本戦中継となった[37]。
- 日本戦の実況担当は対カメルーン戦が野地俊二[38]、対オランダ戦が進藤潤耶、対デンマーク戦が鈴木健、対パラグアイ戦が土井敏之。
- この大会でも前回同様の配慮が取られ、第2戦はANN系フルネット24局の他、ANNを含むクロスネット局である福井放送・テレビ宮崎に加え系列外の山梨放送・北日本放送・山陰放送・四国放送・高知放送・サガテレビで生放送。第3戦はNNN系フルネット27局の他、クロスネット局の福井放送、テレビ大分、テレビ宮崎に加え系列外のサガテレビ、沖縄テレビで生放送した。決勝トーナメント1回戦はJNN系フルネット28局の他、系列外の秋田放送・福井放送・四国放送・サガテレビで生放送した。
- 独立UHF局にも日本戦以外のカードから1-2試合割り当てられるが、2010年4月に民放連に加盟したBS11では放送されなかった(ニュース映像のみ使用可能)。また、その他の民放BSは全て録画放送となった。
ブラジル大会(2014年)
2014年のブラジル大会でも前3大会と同様の体制となった。NHK・民放とも詳細な放送計画は2014年5月15日に発表された。
- ラジオ中継
- 民間放送は文化放送を制作本部とし、日本戦の全試合(決勝トーナメント進出時を含む)を73局が参加して同時放送する。ただし、放送しない試合がある局が存在するため、1回の同時放送は最大65局にとどまる[40]。また、日本戦以外は決勝戦のみを放送する。
- 実況担当は対コートジボワール戦が煙山光紀(ニッポン放送)、対ギリシャ戦が長谷川太(文化放送)、対コロンビア戦が新タ悦男(TBSラジオ)。ナビゲーターとして文化放送の高橋将市が出演。
- NHKはこれまで同様JCの中継を受けず、日本戦を中心に国際映像を見ながら独自中継する。FM放送で8試合以上、ラジオ第1放送で3試合放送[41]。
- インターネットの再配信についてradiko.jpおよびNHKネットラジオ らじる★らじるにおいては配信を行うが、エリアフリー放送であるradiko.jpプレミアム、ドコデモFM、LISMO WAVEでの配信は行われない。
- テレビ中継
- スカパー! が中継料の高騰を理由に単独放映権の獲得を断念したことから、本大会は全64試合をJCで中継することになり[42]、NHK地上波と民放で32試合ずつ中継する[43]。NHK地上波では総合テレビ(一部はEテレとのリレー放送)で32試合を生中継する[44]。
- 日本代表のグループリーグは第1戦の対コートジボワール戦がNHKに、第2戦の対ギリシャ戦と第3戦の対コロンビア戦が民放に割り当てられた。
- 2013年12月18日、東京都内で中継権に関する会議が行われ、日本テレビ・TBS・フジテレビが各7試合、テレビ朝日が6試合、テレビ東京が5試合生中継を行うことが決まった。併せて中継カードを決める抽選が行われ、日本テレビが1番くじを引き当ててギリシャ戦の放映権を獲得。テレビ朝日が2番くじを引き当ててコロンビア戦の放映権を獲得した。日本テレビは2大会、テレビ朝日は4大会連続でW杯日本戦の中継を行う[45]。
- 日本戦の実況担当は、対コートジボワール戦が内山俊哉、対ギリシャ戦が田辺研一郎、対コロンビア戦が吉野真治。なお、内山俊哉は決勝戦(ドイツ対アルゼンチン)の実況も担当する。
- その他の試合では、決勝戦はNHKが[43][44]、開幕戦と3位決定戦はフジテレビが中継する[46]。
- この大会でも前回同様の配慮が取られ、第2戦はNNN系フルネット27局の他、クロスネット局の福井放送、テレビ大分、テレビ宮崎に加え系列外のサガテレビ、沖縄テレビで生放送され、第3戦はANN系フルネット24局の他、ANNを含むクロスネット局である福井放送・テレビ宮崎に加え系列外の山梨放送・北日本放送・山陰放送・四国放送・高知放送・サガテレビで生放送される。
- BSデジタル放送では、NHKがBS1で日本時間夕方から夜間にかけて全64試合を録画中継(日本対ギリシャ戦のみ生中継、一部時差放送を含む)を行う。一部の試合は東京で解説部分をオフチューブ収録したものを放送する[44]。民放BS局は、地上波キー局系列の5局とWOWOW(WOWOWライブ)で16試合を録画中継する。WOWOWの担当試合(2試合)も無料放送とする[47]。
排他性
テンプレート:独自研究 ジャパンコンソーシアムはNHKと民放連加盟各社で構成されているため、NHK以外の放送事業者は、民放連に加入していなければ、オリンピックやサッカーワールドカップを一切放送できない(活動停止処分を受けていても、民放連から除名・退会がない限り放送は可能)。
また、これとは別にテンプレート:要出典範囲、今後JCとして放送権獲得が決まっている2012年のロンドンオリンピックやワールドカップ南アフリカ大会での民間放送枠の大幅な増加の可能性もある。なお、2007年12月に、BS11・TwellVが新たにBSデジタル新局として開局したが、両局とも北京オリンピックの放送は一切行われなかった。これは、TwellVは民放連に加盟しないことを表明し、BS11デジタルは加盟申請をするも承認を得ることができなかったためである[53]。なお、BS11では2010年4月1日に民放連に加入が承認された[54][55]。また、2012年5月1日にはブロードキャスト・サテライト・ディズニー、J SPORTS、マルチメディア放送のmmbiも民放連に加盟した。
さらに、NHKでもオリンピックやサッカーワールドカップを放送できるのは原則、日本国内向けの放送に限られ、海外向けのテレビ国際放送(NHKワールドTV/NHKワールド・プレミアム)では他国の独占放送権を持っている放送事業者への配慮と放送権上の制約からニュースとしての放送も含め一切放送ができない。そのため、国際放送向けには同時放送の場合は静止画のかぶせ放送で対応をとるが、オリンピックの場合は災害・地震などの重大なニュースがない限り、ほぼすべてのニュース番組が時差放送となるため、国際放送向けに独自のハイライト番組を編成し、その中で一定時間内の条件付で競技映像が放送される(オープニングの映像フォーマットは国内向け放送と同じ)。一方、サッカーワールドカップはオリンピックに比べて時差放送されるニュース番組は少なく、通常通り国内同時放送を行った上でかぶせ放送の対応をとることがほとんどであるが、日本代表が出場する試合に限り、試合終了から一定時間内の条件付でニュース番組内での試合映像の放送が可能となっている。また、ラジオ国際放送であるNHKワールド・ラジオ日本でもオリンピックやサッカーワールドカップの放送は一切できないが、こちらは開催期間中でも、ニュース番組の国内同時放送は通常通り行われ、ニュースとしての中継音源もそのまま放送される(ただし、2008年北京オリンピックと2010年バンクーバーオリンピックではニュース番組の同時放送のほか、競技の模様もすべての時間ではないが、日本語放送を行う一部の時間帯で同時放送された)。
また民放連加盟局の系列であってもCSテレビ(スカパー!等)のTBSニュースバード、朝日ニュースター(テレビ朝日直営は2012年4月から)、フジテレビTWO(2012年3月でニュース番組の時差放送を打ち切り)などで放送されるニュース系統の番組において、オリンピックやサッカーワールドカップの中継映像は著作権管理の問題上放送されず、当該項目のものは自主差し替え、あるいは音声のみはそのまま放送して、映像だけを「著作権の都合上映像はお送りできません」という表示に変更する場合もある(過去には差し替えなしでそのまま放送されたケースもある。現在は民放連加盟局直営のCS放送ではそのまま放送されるケースが多い)。
1999年には、日本テレビ系列の静岡第一テレビがCM間引き問題を起こした一件により民放連から除名されたが、翌年、シドニーオリンピックの開幕を直前に控え、条件付きながら民放連復帰を果たした。これは、静岡県の民放テレビ局が4局あるため、除名処分を継続しても残り3局がネットワークの拘束により振替放送ができず、このままでは、日本テレビが放送権を獲得した競技が静岡県で見られなくなる事態が懸念されたからである。
また、2007年4月19日には、フジテレビ系列の関西テレビが放送番組の内容捏造問題を起こした一件から、(前述した静岡第一テレビに次いで)民放連通算2例目の除名処分となった。これにより、近畿広域圏でフジテレビが放送権を獲得した競技が見られないという事態が懸念されていたが、前述の静岡第一テレビの民放連復帰の件と同様、番組編成などの理由で独立UHF放送局を含む他の関西地区の放送局がフジテレビ制作の北京オリンピック中継を振替放送するのは難しいことから、関西の民放連加盟全18局は関西テレビの民放連一時復帰を提案した[56]。そして約1年後の2008年4月17日、民放連は緊急理事会で関西テレビの条件付き再入会を認める事を決定し、関西地方でのフジテレビ制作の北京オリンピック中継が見られなくなる事態が回避された[57][58]。なお、北京オリンピック期間中における関西テレビの民放連除名継続(JCの活動資格停止継続)にあたっては、当初、以下のことなどから、前述の静岡のような懸念材料はないとの見解が大勢であった。
近畿広域圏には、各府県に府県域の会社があり、そのうち大阪府のテレビ大阪はテレビ東京系列であるが、隣接府県の独立UHF放送局4局[59]で大阪府全域を完全にカバーすることができる。また、近畿広域圏についても、前述4局(サンテレビ、KBS京都、奈良テレビ、テレビ和歌山)とびわ湖放送(放送区域:滋賀県)で完全にカバーすることができるということ。各社に割り当てられる分担金[60]の追加負担についても、関西テレビのキー局であるフジテレビや(関西テレビを含めた)在阪4局等が独立UHF局5局(場合によってはテレビ大阪を含めて6局)分の追加負担を補助することで対応可能であること。サンテレビやKBS京都などでは、阪神タイガース戦中継などを度々行っているが、期間中の阪神戦放映権を関西テレビに譲渡することで、中継時間を確保することが可能であること。
2012年のロンドンオリンピックでは民放AM・FMの同時ネットの生中継が廃止され、これによりオリンピック中継を行わない放送局が相次いでいる。そのため地域によってはNHKラジオ第一しか放送されない地域も多い。サッカーについては在京局を中心に放送されているが、それでもネットする局が少ない状況である[61]。ロンドンオリンピックの場合、民放連では開催前の7月前半に朝9時〜正午前と午後〜夕方に各局ごとにミニ番組を2本、大会期間中毎日朝7時台・朝8時台・夕方5時台(日によっては夕方4時台もしくは夕方6時台にずれる局もあり)でそれぞれ各局ごとにミニ番組を3本制作しているが、これしかネットしていない局も多い[62]。