トリノオリンピック
テンプレート:告知 テンプレート:オリンピックインフォメーション トリノオリンピックは、2006年2月10日から2月26日にかけてイタリア・トリノで開催された。冬季オリンピックとしては第20回の記念大会で、テーマは、Passion lives here.(情熱はここに息づく)。
目次
大会開催までの経緯
1999年6月、韓国・ソウルで行われた第109回IOC総会で決定した。イタリアでのオリンピック開催は、コルティーナ・ダンペッツォ(1956年冬季)、ローマ(1960年・夏季)に次ぐ3度目。イタリアでの冬季オリンピック開催は50年ぶり。
都市 | 国 | 1回目 |
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トリノ | テンプレート:Flagicon イタリア | 53 |
シオン | テンプレート:SUI | 36 |
ヘルシンキ | テンプレート:Flagicon フィンランド | - |
クラーゲンフルト | テンプレート:Flagicon オーストリア | - |
ポプラト | テンプレート:SLO | - |
ザコパネ | テンプレート:Flagicon ポーランド | - |
競技会場
トリノ市内にある屋内競技場の他に、ピエモンテ州のスーザ渓谷(Valle di Susa)にあるいくつかの会場に分かれて開催される。
- トリノ市内
- スタディオ・オリンピコ・ディ・トリノ(27000人収容) - 開閉会式
- オーヴァル・リンゴット(8500人収容) - スピードスケート
- パラベラ(6600人収容) - フィギュアスケート、ショートトラック
- パラスポーツ・オリンピコ(8500人収容)、トリノ・エスポジツィオーニ - アイスホッケー
- バルドネッキア(Bardonecchia):スノーボード
- ピネローロ(Pinerolo):ピネローロ・パラギアッチョ - カーリング
- プラジェラート(Pragelato):スキージャンプ、クロスカントリー、ノルディック複合
- セストリエーレ(Sestriere):男子アルペン
- サウゼ・ドゥルクス(Sauze d'Oulx):フリースタイル・スキー
- チェザーナ、サン・シカリオ(Cesana - San Sicario):バイアスロン、女子アルペン、ボブスレー、リュージュ、スケルトン
大会マスコット
ネーヴェ(Neve)とグリッツ(Gliz) - モチーフはネーヴェが雪、グリッツが氷。 ネーヴェは丸頭で赤い丸みのある体の「女の子」で、グリッツは角張った頭と空色の体の「男の子」。
ハイライト
総メダル数1位はドイツの29(金11銀12銅6)、以下2位アメリカ25(金9銀9銅7)、3位カナダ24(金7銀10銅7)。
金メダル数ではオーストリアが9獲得しアメリカと並び2位、次いでロシアの8。
日本人選手の活躍
日本勢は前回のソルトレイクシティ大会に続く不振で、113人という大選手団を送り込みながら、メダルはフィギュアスケート、荒川静香の金メダル1個だけにとどまった。1976年のインスブルック大会以来のメダルゼロという不名誉は免れたが、長野大会以降2大会のメダリストは長野での代表のみであり世代交代が一向に進んでいない現実が顕著に示され各国・地域のメダル獲得数順位も18位と言う結果となった。
1984年サラエボ大会の北沢欣浩以来6大会連続でメダルを獲得していたスピードスケートはメダル獲得ならず、男子で及川佑、女子で岡崎朋美がそれぞれ500mで4位に入ったのが最高だった。長野、ソルトレイクシティの両大会のメダリストである清水宏保は18位に終わった。
スノーボードは直前のワールドカップでの好成績から、メダル独占という声もあったが、エックスゲームズや賞金マッチ等を主戦場とし、ワールドカップに積極的に参加していなかったトッププロが多数参加したオリンピックでは思うような成績が残せず、予選落ちが続出する結果となった。また國母和宏や村上史行などハーフパイプ選手らが選手村の壁を破るなど[1]生活態度の悪さも問題視された。 バイアスロンは最高成績選手でも50位台、お家芸といわれたジャンプも団体で6位入賞止まりであった。 一方で、1992年アルベールビル大会のノルディック複合団体以来4大会連続でメダルを獲得していたスキー陣(アルペン・ノルディック・フリースタイル)はメダルには届かなかったものの、皆川賢太郎と湯浅直樹がアルペンスキー男子回転で4位と7位に入り、1956年コルティナダンペッツォ大会での猪谷千春(現IOC副会長)の銀メダル以来50年ぶりのアルペン種目での入賞(複数入賞は史上初)を果たした。また、ノルディックスキー距離女子団体スプリントで夏見円と福田修子のコンビが、日本の女子距離種目としては初となる8位入賞、日本女子カーリング代表「チーム青森」など大会前の低評価を覆し健闘したケースも目立った。
開会式
トリノオリンピックの開会式は先に述べたようにスタディオ・オリンピコで開かれた。ステージには以前よりも大きなオリンピックマークがついていた。開会式のテーマは「情熱の火花」。
開会式には様々なルネサンスからバロックロココ、さらに未来派などを題材にした劇やアトラクション、巨大な聖書などが登場し、有名バンドなどの演奏もあった。
イタリアの国旗掲揚に際し、9歳の少女エレオノラ・ヴェネッチーがたった一人でフィールド中央に立ち、国歌「マメリの賛歌」の1節目を独唱し喝采を浴びた。
また、地元イタリアのフェラーリのF1マシンを、当時フェラーリに在籍していたトリノ出身のF1ドライバールカ・バドエルがステージ上で走らせるという演出もあった。聖火は点火されたのち、会場内を円周を次々と進み、最後に聖火台にともった。聖火台から遠隔された点火台は予想外のことである。点火台の後ろにはオーケストラ団が並んでいて有名バンドに続き、演奏した。
各国の選手入場BGMには、古今東西のダンスミュージックを中心として数多くの楽曲をDJが繋ぎBGMとして流された。「Walkie Talkie」を始めとした地元イタリアのマーク・ファリーナ楽曲を中心に、「I believe in miracle」「My fire」「YOUNG MAN (Y.M.C.A.)」「君の瞳に恋してる」などが使用された。
開会式のフィナーレは世界三大テノールのひとりであるルチアーノ・パヴァロッティが登場し、「トゥーランドット」の「誰も寝てはならぬ」を歌った。
閉会式
閉会式は2月27日午後8時(CET)からスタディオ・オリンピコで行われた。テーマは「謝肉祭」。 閉会式直後にストリーキングの女が乱入したが、すぐに取り押さえられ、観客の視線はステージに集中していた為大事にはならなかった。
まず、クロスカントリースキー男子50Kmフリーの表彰式を行い、地元イタリアのジョルジョ・ディチェンタ選手の金メダル獲得に会場は歓喜に包まれた。
アトラクションでは、イタリア伝統の謝肉祭をイメージし、大道芸人による華やかなショーを展開した。とくに、風圧を利用した、スタントマンが空中を浮遊するアトラクションは観客を驚嘆させた。さらに各国選手団が、音楽にのって入場し、観覧席につくと、「フニクリ・フニクラ」の楽しい音楽にあわせて、客席からウェーブが巻き起こった。また、観客には予め、紙の仮面が配布され仮面舞踏会を意識した演出もされた。
その後、ギリシャ国旗・次回開催国カナダの国旗が掲揚され、途中、大会組織委員会のカステラーニ会長の挨拶の最中に男が乱入したが、すぐに係員に取り押さえられ事なきを得た。この男は29歳のスペイン人で、ボランティアの赤いジャンパーに似た服装をしていたがこれを脱いで乱入した。調べによると「イタリア人にあいさつをしたかっただけ」と話したという。
予定通り、ジャック・ロゲIOC会長が閉会を宣言した。オリンピック旗がトリノ市長からバンクーバー市長に引き継がれた。アヴリル・ラヴィーンがライブパフォーマンスをし、少年・少女によるヴェルディのオペラ「ナブッコ」の中の「行け、わが思いよ、黄金の翼にのって」が合唱されたのち、オリンピック旗が降納され、17日間わたって燃え続けた聖火を納火した。閉会後はリッキー・マーティンのライブコンサートなどが催され、「祭りの後」に花を添えた。
その他
- 2月24日の男子カーリング3位決定戦のアメリカ対イギリスの試合中に、耳に洗濯バサミをつけて、局部をニワトリのような人形で隠した全裸の男が運営するウェブサイトの宣伝を目的に乱入し、警官に取り押さえられるといった事件もあった。
実施競技と日程表
各競技の詳細については、それぞれの競技のリンク先を参照のこと。
日付 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | |
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開・閉会式 | • | • | ||||||||||||||||
スキー | アルペンスキー | • | • | • | • | • | • | • | • | • | • | |||||||
クロスカントリースキー | • | • | • | • | • | • | • | • | • | • | ||||||||
スキージャンプ | • | • | • | • | • | |||||||||||||
ノルディック複合 | • | • | • | |||||||||||||||
フリースタイルスキー | • | • | • | • | • | • | ||||||||||||
スノーボード | • | • | • | • | • | • | ||||||||||||
スケート | スピードスケート | • | • | • | • | • | • | • | • | • | • | • | • | |||||
フィギュアスケート | • | • | • | • | • | • | • | • | • | • | ||||||||
ショートトラックスピードスケート | • | • | • | • | • | |||||||||||||
アイスホッケー | • | • | • | • | • | • | • | • | • | • | • | • | • | • | • | |||
ボブスレー | ボブスレー | • | • | • | • | • | • | |||||||||||
スケルトン | • | • | ||||||||||||||||
バイアスロン | • | • | • | • | • | • | • | • | ||||||||||
カーリング | • | • | • | • | • | • | • | • | • | • | • | • | ||||||
リュージュ | • | • | • | • | • |
各国・地域のメダル獲得数
1 | テンプレート:FlagIOC | 11 | 12 | 6 | 29 |
2 | テンプレート:FlagIOC | 9 | 9 | 7 | 25 |
3 | テンプレート:FlagIOC | 9 | 7 | 7 | 23 |
4 | テンプレート:FlagIOC | 8 | 6 | 8 | 22 |
5 | テンプレート:FlagIOC | 7 | 10 | 7 | 24 |
6 | テンプレート:FlagIOC | 7 | 2 | 5 | 14 |
7 | テンプレート:FlagIOC | 6 | 3 | 2 | 11 |
8 | テンプレート:FlagIOC | 5 | 4 | 5 | 14 |
9 | テンプレート:FlagIOC(開催国) | 5 | 0 | 6 | 11 |
10 | テンプレート:FlagIOC | 3 | 2 | 4 | 9 |
テンプレート:FlagIOC | 3 | 2 | 4 | 9 |
主なメダリスト
- テンプレート:Gold1 金メダル
- 荒川静香(日本、フィギュアスケート女子シングル)
- 安賢洙(韓国、ショートトラックスピードスケート男子1000m、男子1500m、男子5000mリレー)
- ベンヤミン・ライヒ(オーストリア、アルペンスキー男子回転、大回転)
- チェーティル・アンドレ・オーモット(ノルウェー、アルペンスキー男子スーパー大回転)
- カナダ(カーリング男子)
- ヤニツァ・コステリッチ(クロアチア、アルペンスキー女子複合)
- スウェーデン(カーリング女子)
- アニヤ・パーション(スウェーデン、アルペンスキー女子回転)
- エフゲニー・プルシェンコ(ロシア、フィギュアスケート男子シングル)
- ショーン・ホワイト(アメリカ、スノーボード男子ハーフパイプ)
- テンプレート:Silver2 銀メダル
- フローデ・エスティル(ノルウェー、クロスカントリースキー男子30kmパシュート)
- ヤニツァ・コステリッチ(クロアチア、アルペンスキースーパー大回転)
- ヘルマン・マイヤー(オーストリア、アルペンスキー男子スーパー大回転)
- サーシャ・コーエン(アメリカ、フィギュアスケート女子シングル)
- テンプレート:Bronze3 銅メダル
- トビー・ドーソン(アメリカ、フリースタイルスキー男子モーグル)
- アニヤ・パーション(スウェーデン、アルペンスキー女子滑降、女子複合)
- ヘルマン・マイヤー(オーストリア、アルペンスキー男子大回転)
- イリーナ・スルツカヤ(ロシア、フィギュアスケート女子シングル)
テレビ放送
- カーリング以外の種目の中継はすべて16:9サイズのハイビジョン映像およびPALワイド映像で制作され全世界の放送局に向け配信された。カーリングのみ4:3映像であった。
- イタリアではRAIにより放送されたが、開会式はRai Dueで放送された。アメリカはNBC、カナダはCBC、ドイツはARD、イギリスはBBC、フランスはフランス・テレビジョンでそれぞれ独占放送された。
- 日本国内の放送ではNHKは総合テレビ、BS1、BSハイビジョン、ラジオ第1放送(ラジオの中継ではNHKのみ)で放送された。また、ごくわずかながら通常スポーツ中継の編成がないBS2でも「おはよう日本」の同時放送時間帯の枠内でフィギュアスケートの模様を地上波と同時に生中継された。
- 民放各局では地上波・BSとは異なる時間で放送され、地上波・BSでの同時放送が行われたのはTBSテレビ(TBS)系・BS-i、テレビ朝日(EX)系・BS朝日、フジテレビ(CX)系・BSフジの一部の時間帯にとどまった。
その他
- オリンピックの開催されたトリノでは例年と比較して降雪量が少なく、開催前には雪不足が懸念され基本的に人工雪によりゲレンデのコース整備が進められた。(ただ開催直前になり降雪があった)
- この大会の聖火トーチは、トリノにあるデザイン工房、ピニンファリーナに当時デザイン部長として在籍していた(現在は独立)、日本人の奥山清行らの手によってデザインされた。
- トリノオリンピックのメダルはイタリアのシンボルのひとつであるピアッツァ(広場)を表現した穴の開いた円形デザインが採用された。重量は約450gで1026枚作られた。
- トリノオリンピックの公式テーマソングには、クラウディオ・バリョーニの「バ」(Va・イタリア語で、GO(ゴー)という意味)が、使われた。
関連項目
テンプレート:Sister テンプレート:Wikinewscat
脚注
外部リンク
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