ピエモンテ州
テンプレート:基礎情報 行政区画 ピエモンテ州(テンプレート:Lang-it)は、イタリア共和国北西部に位置する州。州都はトリノ。
目次
名称
標準イタリア語以外の言語では以下の名称を持つ。
地理
位置・広がり
アルプス山脈南西麓に広がる州である。州都トリノは、ジェノヴァの西北約124km、ミラノの西南西約126km、ニースの北北東約156km、ジュネーヴの南東約174km、首都ローマの西北約522kmに位置する。
隣接する州およびそれに相当する行政区画は以下の通り。CHEはスイス領、FRAはフランス領を示す。
- ヴァレー州 (CHE) - 北
- ティチーノ州 (CHE) - 北東
- ロンバルディア州 - 東
- エミリア=ロマーニャ州 - 南東
- リグーリア州 - 南
- プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域圏 (FRA) - 南西
- ローヌ=アルプ地域圏 (FRA) - 西
- ヴァッレ・ダオスタ州 - 北西
主要な都市
人口5万人以上のコムーネは以下の通り。人口は2012年1月1日現在[1]。
- トリノ (トリノ県) - 869,312人
- ノヴァーラ (ノヴァーラ県) - 101,739人
- アレッサンドリア (アレッサンドリア県) - 89,493人
- アスティ (アスティ県) - 73,863人
- モンカリエーリ (トリノ県) - 55,657人
- クーネオ (クーネオ県) - 54,980人
約90万人の人口を擁するトリノは、イタリア全国では第4位、イタリア北西部ではミラノに次ぐ人口を擁する大都市である。 テンプレート:Gallery
歴史
古代
古代にはケルト・テンプレート:仮リンク系の諸部族、たとえばサラッシ族テンプレート:Enlink、タウリニ族テンプレート:Enlinkが定住した。スーザなどは、ローマ人以前に起源を有する都市がある。
紀元前220年頃、先住の民はローマ人に征服されてその支配下に入った。ローマ人は、アウグスタ・タウリノルム(現在のトリノ)やエポレディア(現在のイヴレーア)などいくつかの植民都市を建設した。州の大部分は属州ガリア・キサルピナに属していたが、1世紀にイタリア本土に編入された。セグシウムを中心とする山間部は属州アルペス・コッティアエ(首府:セグシウム、現在のスーザ)が置かれた。
中世・近世
西ローマ帝国が崩壊すると、5世紀にはブルグント族やゴート族、6世紀には東ローマ帝国やランゴバルド人の侵攻を繰り返し受け、773年にはフランク人に占拠された。
9世紀から10世紀にかけての時期には、神聖ローマ帝国の一部であるイタリア王国の版図であったが、いくつもの侯国・国家に分かれていった。1046年、サヴォワ地方のシャンベリに拠点を置くサヴォイア家(サヴォイア伯国)のオッドーネは、スーザ女伯テンプレート:仮リンクとの婚姻によりトリノ辺境伯領テンプレート:Enlinkを手中におさめ、ピエモンテに勢力を拡大した。この時期にはほかの地域は独立した状態にあり、アスティやアレッサンドリアは有力なコムーネ(都市国家)であり、サルッツォ侯国やモンフェッラート侯国といった諸国もあった。
サヴォイア伯国は1416年に公爵(サヴォイア公)に昇った。1516年、エマヌエーレ・フィリベルトはサヴォイア公国の首都をトリノに移した。1720年、サヴォイア家はサルデーニャの王位を獲得し、サヴォイア公国はサルデーニャ王国となった。トリノは、西ヨーロッパの主要な首都の一つとなった。
近代
フランス革命が勃発すると、この地にもその影響は及んだ。フランスの衛星共和国として、アルバ共和国(1796年)、テンプレート:仮リンク、テンプレート:仮リンク が建国された。1802年にはピエモンテはフランス共和国に編入された。ナポレオン没落後のウィーン会議の結果、サルデーニャ王国はピエモンテの支配を回復、さらに旧ジェノヴァ共和国領(現在のリグリア州)を併合した。
サルデーニャ王国主導によるイタリア統一運動がすすめられた結果、1861年にイタリア王国が建国された。トリノは短い間イタリア王国の首都であった(首都はフィレンツェ、ついでローマに移転する)。イタリア統一以後、ピエモンテの政治的中心としての役割は低下するが、歴史的経緯を踏まえてイタリア王国の王太子は「ピエモンテ公」の称号を名乗っていた。
社会
民族・言語
州の公用語はイタリア語である。地方言語としては、ピエモンテ語、オック語(州南西部、トリノ県とクーネオ県にまたがるオクシタン谷テンプレート:Enlinkで話される)、アルピタン語(フランコ・ブロヴァンス語。トリノ県の山間部で話される)がある。
南部ではリグリア語、東部ではエミリア語やロンバルド語も話される。北東部の一部はスイスアレマン語(アレマン語)を使用するアレマン人が定住している。
2006年の国立統計研究所(ISTAT)の統計によれば、6歳以上の住民の家庭内での会話における言語状況は以下の通り[2]。イタリア語(Italiano)、地方言語(Dialetto)、他の言語(Altra lingua)についてのデータで、左列が全国平均、右列がピエモンテ州の数値である。
家庭内の会話における使用言語 | 全国 | 州 |
---|---|---|
イタリア語のみ、あるいは主にイタリア語 | 45.5% | 59.3% |
地方言語のみ、あるいは主に地方言語 | 16.0% | 9.8% |
イタリア語と地方言語の双方 | 32.5% | 25.4% |
他の言語 | 5.1% | 4.9% |
経済・産業
テンプレート:See ピエモンテ州に本拠を置く企業としては、自動車を筆頭に航空機・船舶・鉄道車両など輸送機械全般を製造するフィアット(本社:トリノ)をはじめ、情報通信業のオリベッティ(創業地:イヴレーア、本社:トリノ)、食品大手のフェレロ(ピーノ・トリネーゼ)、醸造業のマルティーニ・エ・ロッシ(本社:トリノ)、出版社のデアゴスティーニ(本社:ノヴァーラ)などがある。
行政区画
ピエモンテ州は、以下の8県から構成される。
左端の数字はISTATコード、アルファベット2文字は県名略記号を示す。人口は2012年1月1日現在[1]。面積の単位はkm²。
県名 | 綴り | 県都 | 面積 | 人口 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
001 | TO | トリノ県 | Torino | トリノ | 6,830 | 2,243,382 |
002 | VC | ヴェルチェッリ県 | Vercelli | ヴェルチェッリ | 2,088 | 176,576 |
003 | NO | ノヴァーラ県 | Novara | ノヴァーラ | 1,339 | 365,286 |
004 | CN | クーネオ県 | Cuneo | クーネオ | 6,903 | 586,113 |
005 | AT | アスティ県 | Asti | アスティ | 1,511 | 217,407 |
006 | AL | アレッサンドリア県 | Alessandria | アレッサンドリア | 3,560 | 426,952 |
096 | BI | ビエッラ県 | Biella | ビエッラ | 914 | 181,868 |
103 | VB | ヴェルバーノ・クジオ・オッソラ県 | Verbano-Cusio-Ossola | ヴェルバーニア | 2,255 | 160,079 |
文化
歴史的・地理的影響もあり、フランスの強い影響を受けている。
食文化
特産品としてワインやトリュフがある。イタリアを代表するワインの産地であり、バローロ、バルバレスコ、アスティなどの銘柄を抱える。トリュフは、その中でも貴重な白トリュフが有名。
ブラ(クーネオ県)はスローフード運動発祥の地であり、イタリア・スローフード協会およびスローフード・インターナショナルの本部、食科学大学が置かれている。
世界遺産
ピエモンテ州内には、以下の世界遺産がある。
- サヴォイア王家の王宮群
- 王宮およびその庭園(トリノ県トリノ)、マダマ宮殿(トリノ)、カリニャーノ宮殿(トリノ)、カッチャ宮殿およびストゥピニージ宮殿(トリノ県ニケリーノ)、 Borgo castello nel parco della Mandria、ヴァレンティーノ城(トリノ)、Villa della Regina(トリノ)、モンカリエーリ城(トリノ県モンカリエーリ)、リヴォリ城(トリノ県リーヴォリ) 、Reggia di Venaria Reale(トリノ県ヴェナリーア・レアーレ)、Castello di Agliè(トリノ県アリエ)、Castello di Racconigi(トリノ県ラッコニージ)、Castello di Govone(クーネオ県ゴヴォーネ)、Castello di Pollenzo(クーネオ県ブラ)
- ピエモンテ州とロンバルディア州のサクリ・モンティ(一部)
- ヴァラッロのサクロ・モンテ(ヴェルチェッリ県ヴァラッロ)、クレーアのサクロ・モンテ(アレッサンドリア県セッラルンガ・ディ・クレーア)、オルタのサクロ・モンテ(ノヴァーラ県オルタ・サン・ジューリオ)、オロパのサクロ・モンテ(ビエッラ県ビエッラ)、ギッファのサクロ・モンテ(ヴェルバーノ・クジオ・オッソラ県ギッファ)、ドモドッソラのサクロ・モンテ(ヴェルバーノ・クジオ・オッソラ県ドモドッソラ)、ヴァルペルガのサクロ・モンテ(トリノ県ヴァルペルガ)
- アルプス山脈周辺の先史時代の杭上住居群(一部)
スポーツ
サッカー
州内に本拠を置くプロサッカークラブとしては以下がある。所属リーグは2012-13シーズン現在。
- ユヴェントスFC (トリノ県トリノ) - セリエA(1部リーグ)
- トリノFC (トリノ県トリノ) - セリエA
- ノヴァーラ・カルチョ (ノヴァーラ県ノヴァーラ) - セリエB(2部リーグ)
- USプロ・ヴェルチェッリ・カルチョ (ヴェルチェッリ県ヴェルチェッリ) - セリエB
- ACクーネオ (クーネオ県クーネオ) - レガ・プロ1(3部リーグ)
- ASカザーレ・カルチョ (アレッサンドリア県カザーレ・モンフェッラート) - レガ・プロ2(4部リーグ)
- USアレッサンドリア・カルチョ1912 (アレッサンドリア県アレッサンドリア) - レガ・プロ2
5部リーグ(アマチュア最上位リーグ)のセリエDでは、ジローネA,Bに属する。ピエモンテ州の地方リーグ(6部リーグ)として、エッチェッレンツァ・ピエモンテテンプレート:Enlinkがある。
人物
著名な出身者
- ジョゼフ=ルイ・ラグランジュ - 18-19世紀の数学者・天文学者。トリノ生まれ。
- アメデオ・アヴォガドロ - 18-19世紀の物理学者・化学者。トリノ生まれ。
- カミッロ・カヴール - 19世紀の政治家、イタリア王国の初代首相。トリノ生まれ。
- ジョヴァンニ・ジョリッティ - 19-20世紀の政治家、イタリア王国首相。モンドヴィ生まれ。
- ルイージ・ファクタ - 19-20世紀の政治家、イタリア王国首相。ピネローロ生まれ。
- ジョヴァンニ・アニェッリ - 19-20世紀の実業家、フィアット創業者。ヴィッラール・ペローザ生まれ。
- ピエトロ・バドリオ - 19-20世紀の軍人・政治家。イタリア王国首相。グラッツァーノ生まれ。
- ルイージ・エイナウディ - 20世紀の経済学者・政治家、イタリア共和国大統領。カッル生まれ。
- リータ・レーヴィ=モンタルチーニ - 20-21世紀の神経学者。トリノ生まれ。
- サルバドール・エドワード・ルリア - 20世紀の遺伝学者。トリノ生まれ。
- ウンベルト・エーコ - 哲学者・小説家。アレッサンドリア生まれ。
- テンプレート:仮リンク - スローフード運動提唱者。ブラ生まれ。
関連項目
- ピエモンテ (小惑星):ピエモンテ州に因んで命名された小惑星番号5162番の小惑星。
- 紅簾石(piemontite):ピエモンテ州にちなんで命名された鉱物。
脚注
外部リンク
- 州公式サイト テンプレート:It icon
- 州観光局公式サイト テンプレート:It icon
- 州観光局公式サイト テンプレート:En icon
- イタリア政府観光局公式サイト内の州紹介ページ テンプレート:Ja icon
テンプレート:Geographic Location テンプレート:Navbox テンプレート:Navbox
テンプレート:Link GA
- ↑ 1.0 1.1 引用エラー: 無効な
<ref>
タグです。 「demo.istat
」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません - ↑ テンプレート:Cite web