装甲騎兵ボトムズ
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『装甲騎兵ボトムズ』(そうこうきへいボトムズ)は、日本サンライズ(現・サンライズ)制作のロボットアニメ(SFアニメ)。テレビシリーズが1983年4月1日から1984年3月23日、テレビ東京系列で毎週金曜日(17:55 - 18:25)に放送された(全52話)。
後日談やサブエピソードを描いた小説やOVA作品が制作・発表され続けている。
目次
概要
高橋良輔がリアルロボット路線の『太陽の牙ダグラム』(1981年 - 1983年)に引き続き手がけるテレビアニメとして生まれた。ハードボイルドな描写とハードな世界設定とともに、登場するロボット「アーマードトルーパー(以下AT)」を単なる機械、単なる兵器として扱う描写を『ダグラム』以上に徹底して追求し、1979年の『機動戦士ガンダム』に始まるサンライズのリアルロボット路線は本作で一つの頂点に達したと言われる[1][2]。
本作は監督の高橋良輔、キャラクターデザインの塩山紀生、主人公の声を演じた郷田ほづみ、そして音楽を担当した乾裕樹のそれぞれの代表作の一つとされる。
あらすじ
アストラギウス銀河を二分するギルガメスとバララントは、もはや開戦の理由など誰も知らない戦争を100年も続けていた。その“百年戦争”の末期、ギルガメス軍の一兵士キリコ・キュービィーは、味方の基地を強襲するという不可解な作戦に参加させられる。その作戦でキリコは軍の最高機密「素体」を目にしたため軍から追われる身となり、町から町へ、星から星へと逃亡の旅を続ける。その逃亡と戦いの中で、やがて陰謀の闇を突きとめ、自分の出生に関わるさらなる謎の核心へとせまっていく。
登場人物
主人公とその仲間たち
- キリコ・キュービィー
- 声 - 郷田ほづみ
- ギルガメス暦2326年7月7日生まれ。テレビシリーズ第1話の時点では18歳。ギルガメス軍の「メルキア方面軍」に所属、階級は曹長。一時は第24メルキア方面軍戦略機甲兵団・特殊任務班X-1(通称「レッドショルダー」、人呼んで「吸血部隊」)にも所属していた。生まれながらのパーフェクトソルジャー(略称:PS)であり、ワイズマンの後継者である異能者。10歳以前の明確な記憶がなく、それを思い出そうとすると発作を起こして苦しみ、暴力的になることもある[3]。過酷な戦いの日々と失意から、人間的な感情が欠落していたものの、フィアナとの邂逅やゴウトたちとの関係が深まるにつれ、少しずつそれを取り戻していく。
- AT操縦技術は“それなりに高い”という程度で、レッドショルダー転属以前は大した戦歴もなかった。しかし、ファンタムレディと遭遇し、経験を重ねるうちに、戦闘用に創られたパーフェクトソルジャー(PS)とたびたび互角以上に戦えるまでに成長。そして「何の肉体改造も受けていないキリコがなぜPSと互角以上の技量を持つのか」という疑問点はクエント編にて、物語の裏で進んでいたワイズマンの陰謀と絡めた形で解き明かされることになる。
- 終戦直前に参加した味方の基地を襲撃するという謎の作戦でPSを発見し、それが原因で軍から追われる身となる。
- ウド脱出の際、PS(素体)を無意識に「フィアナ」と呼ぶが、この謎は最終話で明かされる。フィアナとの出会いはワイズマンがあらかじめプログラムしていたものである。
- 好物は干し肉。嫌いなものはホヤ。酒はサンサ編まで飲んだことがなく、初めて口にした途端に思わず不味いと驚いて噴き出してしまった。
- 腰の銃はAT乗りに使用者の多いバカラ・メタル社製バハウザーM571アーマーマグナム(対AT用徹甲弾を3+1発装弾)。第1話では別の小型の銃を使用している。
- 始終AT用のパイロットスーツを着用している。
- テレビ版の本編では本人の謎について概要(何者なのか)が知らされるだけにとどまるが、その能力や特異性は後に発表されたOVAで少しずつ明かされてゆく。
- ATはバララント製を含めて機種を問わずまんべんなく乗りこなすことができるが、「使い慣れているものがいい」という理由から、敵ATを奪って戦う等の状況下以外ではドッグ系ATを好んで使っている。そのためクメン編では傭兵でただ1人、スコープドッグ水上戦仕様(通称マーシィドッグ)に乗る。パーフェクトソルジャー(PS)であるイプシロンと対決するようになると、イプシロンの反応速度に追随するため、ATの運動プログラムを自らカスタム化した「ミッションディスク」をたびたび使用するようになる。
- なお、「冷徹で無口でニヒルな男」というイメージが定着しているが、劇中での描写は意外なほど「生意気で減らず口を叩く若造」である。
- フィアナ / ファンタム・レディ
- 声 - 弥永和子 / 梨羽雪子(第3話)
- ギルガメス軍が創ったPSの1人。年齢不明の謎の女性。組織や軍からは「プロト・ワン」「素体(そたい)」などと呼ばれ、キリコや仲間たちは本編の途中から「フィアナ」と呼んでいる。名の意味は「火」「炎」(Fire)の女性形で、主題歌「炎のさだめ」とOVA『赫奕たる異端』最終回予告の文言はこれに由来する(本編のクレジットでは3話が「美女」。以降最終回まで「ファンタム・レディ」)。
- ギルガメス、バララントを通じて初のPSとして誕生したが、教育を施される前の「空白の状態」でキリコと出会ったため、キリコの存在が刷り込まれ、彼を慕うようになる。
- PSに不要な感情である「愛」をもってしまったためPSとして欠陥品とされてしまい、クメン編において秘密結社の監視役セルジュ・ボローの死をきっかけに、以降キリコと行動を共にする。
- テレビ本編中にはなかったが、後に「PSの寿命は2年間」という設定が『赫奕たる異端』制作時に付加されている。テレビ本編では第1話から最終話ラストシーンまでに約2年が経過しており、この時点でほぼ寿命を迎えていたことになる。
- OVA『赫奕たる異端』にて、コールドスリープから目覚め最期を迎えた。
- ブールーズ・ゴウト
- 声 - 富田耕生
- ギルガメス暦2294年1月2日生まれテンプレート:Sfn。ウドの街でキリコが知り合ったブローカー。金になりそうなことなら何でも商売にするがめつい男だが、本質は人が良く人情家である。最初はキリコの腕を見込んでバトリングの選手にするつもりだったが、ウド治安警察とキリコの抗争に巻き込まれてキリコに肩入れしていき、最終的には街の崩壊によってウドでの商売を畳む羽目になる。その後、クメン王国の傭兵部隊基地アッセンブルEX-10に武器類を納入する商売を手がけて成功。傭兵としてアッセンブルEX-10に入ったキリコを助ける。クメン内乱末期の大混乱もしぶとく生き延び、結局キリコには最後の最後まで付き合うことになった。キリコとは損得抜きの良き仲間であり、父親的な存在でもある。キリコやバニラは「とっつぁん」、ココナは「おやっさん」と呼ぶ。
- 小説『孤影再び』の時代ではバニラの商売の相談役となり、悠々自適の隠居生活を送る。
- ココナ
- 声 - 川浪葉子
- ギルガメス暦2328年3月8日生まれテンプレート:Sfn。ウドの街で“たかり”で身銭を得る戦災孤児の浮浪少女で、キリコを巡ってゴウトらと行動を共にする。テレビシリーズ初登場時16歳。特にウド編では、キリコを見捨てようとするゴウトやバニラを何度も説得してキリコを助けるなど、重要な働きをした。クメン編ではバーの歌姫もこなすが、『機甲猟兵メロウリンク』の小説版によれば「たのまれグッバイ」以外の歌唱力はからっきしであるとのこと。気が強いが少々涙もろい一面もある。キリコに気があったが、フィアナとの仲を見て身を引き、むしろ彼らの力になろうとする。彼女自身は後にバニラの気持ちに応えるようになる。
- 小説『孤影再び』の時代にはバニラと結婚し、三男三女をもうけている。
- バニラ・バートラー
- 声 - 千葉繁
- ギルガメス暦2323年9月30日生まれテンプレート:Sfn。ココナ同様、ゴウトと行動を共にする陽気な男で、元メルキア軍人。ウドの街ではゴウトと共に、キリコを使って一儲けをたくらんでいたが、一緒に行動していくうちにキリコを支援するようになる。百年戦争時は軍の優秀なヘリパイロットで、ウド編でも治安警察のヘリを強奪して乗り回していた他、クメンで経営していたバーを焼かれた後には、一時EX-10のヘリのパイロットとして参戦した。
- 小説『孤影再び』の時代ではクメン産の食料品を扱う商売により成功し、交易都市グルフェーの名士となっている。
- ル・シャッコ
- 声 - 政宗一成
- ギルガメス暦2318年5月12日生まれテンプレート:Sfn。巨漢のクエント人傭兵で、クメン王国内戦時にキリコと共に戦った戦友。寡黙で信義に篤い性格。内戦終結後はクエント星に戻っており、クエント編で再登場しキリコと行動を共にする。大柄なクエント人専用のAT、ベルゼルガを駆る。クエント星消滅後は、数少ないクエント人の生き残りとなる。OVA『ビッグバトル』にもゴウト達と共に登場し、キリコを支援する。
- 2010年リリースのOVA『幻影篇』にも登場。直近登場作品から32年の月日が劇中経過しているが、寿命が200歳を越えることもある長命種族であるため、髪型が変わった以外さして加齢した様子や容貌の変化もなく、キリコゆかりの地を巡るバニラ、ココナと再会する。
秘密結社関係者
- イプシロン
- 声 - 上恭ノ介
- 秘密結社が創り上げた2人目のPS「プロト・ツー」。PSとしてのアイデンティティーに過剰な誇りを持つなど不安定な部分がある。自分の教育係であり同じPSであるプロト・ワンを奪おうとするキリコに激しい憎悪、嫉妬心を抱き、クメン王国内戦以降、再三キリコと銃火を交えるが、惑星サンサにおけるキリコとの最終対決に敗北。専用ATを駆る自分を負かしたキリコは常人ではなくPSであると言い残し、息を引き取る。
- OVA『ザ・ラストレッドショルダー』では覚醒したばかりのイプシロンとキリコが対決しているが、この時キリコは相手がイプシロンであることを知らなかった。
- プロト・ワン同様に耳にピアスを付けている。
- ギムアール・イスクイ
- 声 - 屋良有作
- 秘密結社幹部で元ギルガメス軍特務工作部少佐。PSに必要なヂヂリウムを確保するため、死亡したウドの治安警察署長の後任として送り込まれた。そこでファンタム・レディを巡りキリコたちと争うこととなったが、ウド編のラスト、軍情報部に送り込まれたメルキア降下騎兵部隊の急襲を受け、爆発に巻き込まれ死亡した。
- セルジュ・ボロー
- 声 - 緒方賢一
- 秘密結社幹部で元ギルガメス軍情報部少佐。劇中の風体やファンタム・レディからは「ボロー司祭」と呼ばれるなど、宗教団体に所属していることが匂わされていたが、後のOVA『赫奕たる異端』で、異端者として破門された元マーティアルの一員だったと設定付けられている。ファンタム・レディやイプシロンのお目付け役であり、ウド編及びクメン編でキリコをつけ狙った。クメン編ラストで建材の下敷きになって死亡した。
- アロン・シュミッテル、グラン・シュミッテル
- 声 - 野島昭生(アロン)、二又一成(グラン)
- PS製造に関わる双子(アロンが兄でグランが弟)の科学者で、実はワイズマンの手先。2人ともオネエ言葉でしゃべる。キリコとフィアナがクメンを脱出して以降、2人を追撃するイプシロンのテストを行う。のちにアロンはキリコがワイズマンの後継者であることに対する不満を抱き、反乱を企てるがキリコに射殺された。グランはその際に帰順し、クエント星では最後までキリコに従い艦を指揮したが、裂溝部での戦いで撃沈され戦死した。
- アルベルト・キリイ
- 声 - 亀井三郎 / 緒方賢一(第1話)
- 秘密結社の最高幹部で元ギルガメス軍少将。クエント編より結社の行動を前線に出て指揮していた。双子に誘導されてクエント星の技術を手に入れようとするなど野心的な面が見られる。ワイズマンからの直接指揮を受ける数少ないメンバーの1人だったが、人工天体内でキリコを後継者に選んだワイズマンにより用済みと判断され処分された。
- クダル・コニン
- 声 - 山田俊司
- 秘密結社の一員で元ギルガメス軍少尉。小惑星リドでのPS素体強奪作戦でAT部隊の指揮を執った。戦後はバトリング選手としてウド市に潜伏しており、バトリング場のゴロツキたちからも一目置かれる存在であった。バトリング場でキリコを見つけると彼の対戦相手だったボモーと自分を交代させ、ブロウバトルをリアルバトルに変更しキリコ抹殺を図るが、返り討ちにされてしまう。
- チャルク・オリヤ
- 声 - 政宗一成
- 秘密結社の一員で元ギルガメス軍大尉。かつて教官としてキリコに市街地戦の訓練を施した過去を持ち、リド襲撃作戦にも参加していた。キリコを始末するために、ファイトマネー5000万ギルダンのリアルバトルをゴウト達に持ちかけ市街地に誘い出す。しかし戦闘の末、キリコに戦闘不能にされ秘密結社について自白を迫られたために、口封じのために治安警察によって抹殺された。
- シムカス・フットー
- 声 - 嶋俊介
- 秘密結社の幹部で元ギルガメス軍大佐。サンサ編で戦艦テルタインの艦長として指揮を執っていた。古式なヘルメットとサングラスが特徴。技術にしか関心がない双子と、打倒キリコに燃えるイプシロンの勝手な行動に散々手を焼かされる。クエント編ではキリイと入れ替わる形で、乗艦ともども登場しなくなった。
- キッデル・トガル
- 秘密結社の幹部で元ギルガメス軍中佐。第1話冒頭に登場したのみで以後出番がないが、ゲーム『ライトニングスラッシュ』では、廉価版PSといえる「フェイシャルソルジャー」開発の責任者として登場した。
ギルガメス軍関係者
- ジャン・ポール・ロッチナ
- 声 - 銀河万丈
- ギルガメス暦2301年11月17日生まれテンプレート:Sfnギルガメス軍の情報将校で大尉。第1話でキリコを拘束し尋問するが逃げられ、ウドの街に潜伏される。PSの情報を知っているであろうと目するキリコを追跡・監視するが、その任務を解かれて以降はバララント軍の大佐として再登場、軍や秘密結社とは別にワイズマンの「ある意志」によりキリコの行動を監視し続ける。
- 彼の真の主人というべきワイズマンは滅ぼされたが、自身はOVA『ビッグバトル』でバララント軍大佐として健在だったり、本編の32年後を描いたOVA『赫奕たる異端』ではキリコの記録を綴る老人となって登場したりと、テレビシリーズ終了後も謎の多い人物として登場する。
- OVA『ペールゼン・ファイルズ』では彼と瓜二つの情報省官僚・コッタ・ルスケが登場し、最終回で改名して軍に移ることを匂わせる台詞がある。テレビシリーズにおいてはキリコが装甲騎兵として出撃し始めた頃から見張るよう命じられていたと発言しているが、『ペールゼン・ファイルズ』登場時の行動がワイズマンの直接的な命令に従ったものか間接的な操作によるものかは不明である。
- ディーテル・ロイル・バッテンタイン
- 声 - 戸谷公次
- ギルガメス軍中将。「素体」を生み出したパーフェクト・ソルジャー育成計画に深く関わった。ロッチナの上官で、秘密結社に奪われた素体と関わりのあるキリコの追跡を命じた。
- 後に元帥まで昇進、ギルガメス連合最高執政官となるが、テレビシリーズと『赫奕たる異端』の間に起きた「アンティテーツ事件」によって死亡する。
クメン編登場人物
- ゴン・ヌー
- 声 - 玄田哲章
- 傭兵基地アッセンブルEX-10の責任者であるクメン王国軍の将軍で、風貌そのままの一癖も二癖もある人物。右目は義眼になっている。ビーラーゲリラとの戦いの途中、ロッチナを介し本来はクメン政府と対立関係にあるメルキア軍と密約を結ぶ。そして奪われた素体を奪取し、戦後はメルキア軍に受け入れられる予定であったが、内戦の最終局面であるカンジェルマン宮殿での戦闘の最中にメルキア軍に裏切られ、戦死。
- カン・ユー
- 声 - 広瀬正志
- キリコが所属したアッセンブルEX-10のAT部隊長で、階級は大尉。パイロットとしての実力はそこそこだが、陰険な小悪党タイプの性格のため人望は極めて薄く、指揮能力も欠如している。キリコを目の敵にしてさまざまな嫌がらせを行うが、それが高じてゴン・ヌーからの命令を無視した暴走を繰り返すようになり、部下からも信頼を失っていった。クメン編ラストであまりの卑劣さを見かねたル・シャッコにより地下の竪穴へ投げ落とされ、死亡した。
- 『ペールゼン・ファイルズ』ではエンディングのイラストや、劇中の写真の中に登場。
- ヒロラム・カンジェルマン
- 声 - 寺田誠
- クメン王家の第3王子で王国親衛隊長で改革派だったが、突然クメン王国の性急な近代化路線に異を唱えて反乱を起こし、神聖クメン王国を建国した。しかしその真意はクメン王国の旧体制を象徴する者として、自分もろとも古い体制を消滅させ、クメンに真の意味で新しい時代を到来させようという「狙った負け戦」を意図したものであった。農民層を中心としたビーラーゲリラに加え、秘密結社と手を組むことで神聖クメン王国は急速に勢力を拡大したが、メルキア軍の軍事介入によって崩壊。目的が達成された彼は、かつての子飼いの部下であり親友であったポタリアとの決闘による死を選んだ(『コミックボンボン』でののなかみのる作画のコミカライズ版では別の結末となっている)。
- ポル・ポタリア
- 声 - 速水奨
- 元クメン王国親衛隊員でアッセンブルEX-10のエース格の1人。カンジェルマンのかつての部下であり友人で、「俺」「お前」で呼び合う仲であった。クメン編の後半ではキリコ、ル・シャッコ、キデーラらとともにPS奪取作戦に参加する。愛機はダイビングビートル。
- 後年のOVA『幻影篇』までの間にクメンの近代化運動を指揮し、大統領にまで上りつめるも、クーデター勢力に脅かされる。
- ブリ・キデーラ
- 声 - 郷里大輔 / 三宅健太(第2次スーパーロボット大戦Z 再世篇)
- アッセンブルEX-10のエース格の1人。当初はキリコにつっかかって行くことが多かったが、キリコの腕を認めてからはさり気なくサポートするようになる。金に汚い一面もあるが、戦友には概して親切である。愛機はダイビングビートル。クメン編ラストでイプシロンと戦い戦死。
- ル・シャッコ
- テンプレート:See
サンサ編登場人物
- ムサ・ザンジニイ
- 声 - 田辺宏章
- バララント星域軍艦隊指揮官。バララントの領界を侵犯したとしてキリコとフィアナを乗せた戦艦Xを攻撃した。その際たった1機でバララントのAT部隊を退けたキリコの戦いぶりを見て、彼をPSと認識した。
- ゾフィー・ファダス
- 声 - 山口奈々
- 惑星サンサの中古兵器ブローカー。かつてのサンサ星攻略戦で家族を失っており、レッドショルダーに対して激しい憎しみを抱いている。ゴウトの取引先の一つであったが、キリコが元レッドショルダーであることを知ってからは彼を執拗につけ狙った。その道中でキリコの戦いに巻き込まれ、酸素が底を突きかけた際には不本意ながらも彼に助けられた。それでもキリコの命を狙おうとするが、自分と同じく家族を戦争で失ったココナの胸中を知ったことで身を引いた。
- OVA『幻影篇』では老いて視力が弱まった身で働き続ける姿を見せるが、彼女の仕事を手伝う無口な青年がキリコであることに気づかず、32年の内に復讐心も薄れていることを話していた。
- アルス・カルメーニ
- 声 - 石森達幸 / 富田耕生(第1話)
- メルキア軍中将。バッテンタインに不可侵宙域及び惑星サンサでの戦闘にPSや秘密結社が関与していることとロッチナがバララントに鞍替えした事実を知らせ、ギルガメス艦隊の出動を促した。
クエント編登場人物
- ゲッコ
- 声 - 上田敏也
- クエント在住の交易商人。クエント各地で行商を行い、クエント人集落のネットワークにもコネがあるらしい。砂漠で行き倒れになっていたキリコを救った。ゴモル市でもキリコが秘密結社に雇われたハセガー一味に捕らえられたときに、キリコの知人のクエント人=シャッコを呼び出すことで彼を窮地から救った。お人好しな半面、商人らしく助けた見返りを求め受け取ることも決して忘れない。
- テダヤ
- 声 - 矢田稔
- シャッコが属する部族の長老。100年前は自身も傭兵として宇宙を転戦していたので標準アストラギウス語を話せる。
- ヘルモド・レオン・レイパード
- 声 - 徳丸完
- 第24メルキア方面軍宇宙軍少将。PS素体奪回とクエント星調査の任務を帯びてゴモル市を訪れた。捕縛したゴウト達を手駒に「裏切り者」のロッチナに素体=フィアナの返還を迫った。
OVAの登場人物
- ヨラン・ペールゼン
- 声 - 大塚周夫
- 『ザ・ラストレッドショルダー』『レッドショルダードキュメント 野望のルーツ』『ペールゼン・ファイルズ』に登場。メルキア軍将校にして特殊部隊レッドショルダーの創設者。百年戦争当時の階級は大佐、終戦時には少将。理想の戦闘集団作りに傾倒する彼は「いかなる訓練、強化も優れた人的素材にはかなわない」「通常の人間からは理想の兵士は生まれない」と考えるに至っており、戦時中に見た「真空中でも死なない緑の泡に包まれた赤子」の姿に魅了され、以来「死なない兵士」をその戦闘集団に組み込むことを画策するようになる。その過程で「異能生存体(ペールゼンが命名した、生存確率が桁違いに高い生命体の呼称)」であるキリコを渇望するも、「全てに疑いを持ち反抗的で支配されることを拒む」キリコを御しきれないと判断。一転して、直接あるいは間接的に抹殺を図る。レッドショルダーの多大な戦果により軍部での地歩を固めるが、訓練中の死亡者の異常な多さや、惑星サンサにおける民間人の大量虐殺などがスパイにより露見したことで終戦直前に失脚する。自身が作成した通称「ペールゼン・ファイルズ」の内容に興味をもった情報省のフェドク・ウォッカムに軟禁され、拷問同然の扱いをされるものの事前に講じてあった策により脱出に成功。その後は秘密結社に身を寄せて己の理想を追求していた。デライダ高地の施設に旧レッドショルダー隊員たちと潜伏、ここでイプシロンの開発に成功するが、キリコ、グレゴルー、バイマン、ムーザに施設を襲撃され、バイマン機の機銃掃射を受け死亡する。
- 異能生存体の研究文書は後に「ペールゼン・ファイル」と呼ばれるようになり、『孤影再び』の時代でも軍人の間では伝説的な存在となっている。
- グレゴルー・ガロッシュ
- 声 - 小林清志
- 『ザ・ラストレッドショルダー』『レッドショルダードキュメント 野望のルーツ』に登場。キリコのレッドショルダー時代の仲間で階級は先任上級曹長。バイマン、ムーザといった札付き隊員のリーダー格。気合を入れる時両手で顔を叩く癖がある。レッドショルダー隊に編入されたキリコを刺客ではないかと疑うが、リーマンのキリコ抹殺命令を遂行中にキリコの生存率の高さを確信し、以降バイマン、ムーザと共に仲間として行動するようになる。百年戦争終戦直前の転属先で瀕死の重傷を負い除隊。その後自らを陥れたペールゼンへの復讐のため、キリコを含めたかつての仲間を集めデライダ高地にある施設を襲撃する。PSとして覚醒したイプシロンの操るATブラッドサッカーの攻撃からキリコを救おうとして倒される。
- バイマン・ハガード
- 声 - 塩沢兼人 / 高木渉(PS2版ゲーム)/ 千葉一伸(第2次スーパーロボット大戦Z 破界篇)
- 『ザ・ラストレッドショルダー』『レッドショルダードキュメント 野望のルーツ』に登場。キリコのレッドショルダー時代の仲間で階級は伍長。札付き隊員の1人であり、ニヒルな皮肉屋で斜に構えた態度を見せ、ムーザとは時折衝突することもあった。終戦直前の転属先で右手を失いAT操縦も可能な精巧な義手を付けていたが、ペールゼン襲撃の際にもそれを悟られまいと本心を隠していた。デライダ高地施設の襲撃において敵である元レッドショルダーと激闘、満身創痍でペールゼンの元へたどり着き復讐を果たすが、その直後に力尽き死亡する。
- ムーザ・メリメ
- 声 - 中尾隆聖
- 『ザ・ラストレッドショルダー』『レッドショルダードキュメント 野望のルーツ』に登場。キリコのレッドショルダー時代の仲間で階級は伍長。グレゴルー、バイマンと並ぶ札付き隊員の1人であるが寡黙で実直な性格で、それゆえ時にバイマンと衝突することもあった。終戦直前の転属先の作戦内容を家族に漏らしたとされ、そのために家族を殺されている(情報漏洩が事実かは不明)。キリコ達をペールゼンの元へ行かせるため、追ってきたイプシロンの駆るATブラッドサッカーを食い止めようと交戦し死亡する。
- ラダァ・ニーバ
- 声 - 広瀬正志
- 『ビッグバトル』に登場。バララント側が開発したPS。PSと言っても生化学的手法で創造するギルガメス製と異なり、身体に機械を埋め込まれているサイボーグである。ア・コバの街で異形のATエクルビスを駆り、「デンジャーメロン」のリングネームでバトリングをしていたが、実はバトリングを利用してのテストが目的だった。自分に瀕死の重傷を負わせ恐怖を植え付けたレッドショルダーを憎み、そのレッドショルダーだったキリコを殺すことに異常なまでに執着する。「人質として捕らえたフィアナの自由を奪ってATに乗せ、遠隔操作でキリコたちを攻撃させる」「地上戦艦へのダイレクトリンクを施させた後、味方であるはずのバララント技術将校たちを殺害する」など、ギルガメス側PSとは違い、強い凶暴性と異常性が見られる。
- エンディングクレジットでの表記は「ニーバ」であるが、「ニーヴァ」と表記した資料も存在し、混乱が見られる。語源はLada Niva。
- バージル・カースン
- 声 - 竹村拓
- 『レッドショルダードキュメント 野望のルーツ』に登場。キリコと同期入隊のレッドショルダー隊員であるが、その正体はペールゼンを警戒しレッドショルダーの実態をつきとめようとするギルガメス軍上層部が送り込んだスパイであった。キリコを利用して任務を果たすが、第3次サンサ攻略戦の激戦の中で戦死する。
- 小説『ザ・ファーストレッドショルダー』によれば、この名は偽名である。
- インゲ・リーマン
- 声 - 池田勝
- 『レッドショルダードキュメント 野望のルーツ』『ペールゼン・ファイルズ』(写真のみ)に登場。ペールゼンの右腕で、惑星オドンにあるレッドショルダー基地司令官。階級は少佐。グレゴルーたちからは基地を収容所になぞらえて「所長」のあだ名で呼ばれている。「理想の兵士は徹底した訓練から生まれる」というペールゼンの思想に共感していたが、後にペールゼンが異能生存体説に転ずると異を唱え、グレゴルー達を唆してキリコ殺害を試みるも失敗。第3次サンサ攻略戦では異能生存体そのものを否定するため、2人の部下を率いて自らATで挑むが、相討ちとなって死亡する(後述)。劇中にてリーマン機かと思われる赤い通信用ブレードのついたATの残骸と彼と思われる遺体が描かれている。
- ファーストネームは小説版でも記述がなかったが、『ペールゼン・ファイルズ』第1話の軍事法廷のシーンで初めてフルネームが明かされた。長い間不明のままだったサンサ戦での死因も、『ペールゼン・ファイルズ』1巻のライナーノーツにてキリコと相討ちとなり死亡したと設定された。
- ペールゼンとはキリコを巡って対立したが、手法はともかく訓練教官としての手腕は優れていた。AT乗りとしての技量も超一流であり、相討ちになったとはいえ、キリコが搭乗するATを撃破した数少ない対戦相手の1人である[4]。これは、フィアナやイプシロン、テイタニアのような特別な処置を全く施されていない普通の人間を相手にキリコが撃破された唯一の例となっている。
- キリコが自分の理想を実現する存在ではないと悟ったペールゼンは、軍内部の影響力保持のため自分にとってレッドショルダーの重要性が増したと認識し、現場を担当していたリーマンを失ったことを惜しんでいる。
- テイタニア・ダ・モンテウェルズ
- 声 - 松岡洋子
- 『赫奕たる異端』『孤影再び』に登場。氾銀河的宗教結社マーティアルの枢機卿モンテウェルズの一人娘。少女時代、父により意図的に計画された交通事故で瀕死の重傷を負い、父親の手で次世代PS・ネクスタントに生体改造された。マーティアルへの貢献および高い戦闘能力を評価され、「秩序の盾」の称号を受ける。この時代「触れ得ざる者」と呼ばれ、「力は信仰と共にある」と説くマーティアルの教義に矛盾する存在と位置づけられていたキリコの抹殺を父の命により図るが、戦いの中でキリコに惹かれてゆく。アレギウムに移送されてきた半蘇生状態のフィアナをキリコへの配慮から完全に蘇生させるが、皮肉にも、この判断が取り返しのつかない悲劇を招いてしまう。「補助脳」の発動によりキリコをAT戦で圧倒、機体を撃破した数少ない人物(その他は初回戦闘時のプロト・ワン、OVA・本編でのイプシロン)。
- 『孤影再び』ではキリコの抹殺任務失敗からアレギウムから追われる身となり、激戦の末に死亡し、キリコによってオアシス近くに埋葬された。
- ヴィアチェフラフ・ダ・モンテウェルズ
- 声 - 山内雅人 / 阪脩(幻影篇)
- 『赫奕たる異端』『幻影篇』『孤影再び』に登場。氾銀河的宗教結社マーティアルの枢機卿にして惑星マナウラに中枢を構えるマーティアル第9セクターの指導者。かつてはギルガメス連合に属するマナウラ軍の士官であった。次期法皇の座を狙い、己の権勢を高めるため、ネクスタントに改造した娘・テイタニアを遣わし、キリコの抹殺を企てる。首尾よく法皇の座につくものの、テイタニアが敗北したショックで錯乱、廃人同様となってしまう。が、やや回復した頃、再び現われた「神の子」の報せに奪取を目論む。
- ゴディバ
- 声 - 江原正士
- 『赫奕たる異端』に登場。惑星マナウラの軍医長。かつてはマーティアルにて医学の研究をしていたが、キリコの扱いを巡って医学的見地からマーティアル本山アレギウムに異を唱え破門された過去を持つ。宇宙都市コンプラント墜落後に保護し奇跡的な回復を見せた患者が、かつて自分の運命を変えたキリコだと知らされ愕然とする。その後キリコの要請を受け軍を脱走、アレギウム襲撃まで行動を共にする。襲撃に先だって、キリコから半蘇生状態のフィアナの再凍結を依頼される。再凍結は果せなかったが、フィアナの「(キリコに会うまでの)最後の力が欲しい」という願いを聞き入れる。
- たいへん陽気な性格な男で、32年の時を経て再び天涯孤独の身で世に投げ出されたキリコにとって、新たな、そして貴重な相棒となった。
登場メカ
用語
- アストラギウス銀河
- 本作の舞台となっている架空の銀河。詳しくはアストラギウス銀河を参照。渦状銀河であり、その直径は10万光年以上。アストラギウス側領域とバララント側領域に二分した戦争状態で、中立地帯として不可侵宙域がある。標準アストラーダ語が共通言語(ただし、劇中では一般アストラーダ語とも言われていた)。
- アストラギウス暦
- アストラギウス銀河の統一宇宙暦。マーティアルの原型となった原始宗教が惑星ジアゴノにて神の啓示が書かれたヤーダル碑を発見した時を紀元とする。アストラギウス暦による百年戦争の終結は7213年である。この暦ではギルガメス暦元年が4871年、バララント暦元年が4153年になる。
- 派生作品である『機甲猟兵メロウリンク』を含め、しばしば「アストラギウス歴」と誤表記されていたが、『赫奕たる異端』ではこの表記に直されている。
- アッセンブルEX-10
- クメン王国が反乱勢力に対抗するため創設した政府軍基地「アッセンブル」の最も新しいもの。兵員の大半が傭兵である。EX-10所属の傭兵部隊は、百年戦争終結で退役したAT乗りが多く参加し、ビーラーゲリラに対し最も戦果を挙げた有力な部隊であった。ウドを脱出しデライダ高地での戦いを終えたキリコも参入し、カン・ユー大尉の下で特殊任務に就く。後に司令官のゴン・ヌー将軍はPSの奪取と引き換えにメルキア軍に迎え入れられるよう協定を結ぶが、戦後のクメンにおける治安・国体整備の障害になるとみなされ、内戦の最終段階でメルキア降下部隊の攻撃により部隊ごと殲滅された。なお、劇中の時点では、アッセンブルEX-1〜9のうち、EX-6、EX-7はビーラーゲリラにより既に壊滅させられていた。
- 異能者
- アストラギウス暦4000年頃に文明が高度に発展したクエント人の間に誕生した一種の突然変異種。コンピューターへの適応性が異常に高く、肉体の代謝能力も常人を遥かにしのぐ。彼らはクエント人としては異常なまでの野心を持つため、平和的なクエント人はこれを忌避し、激しい戦闘の末にクエント星から追放した。銀河各地の未開星系に追放された彼らは、原住民に介入することでそれぞれの文明レベルを引き上げ、ついにクエント星帰還を目的とした超空間航法を開発するまでに至った。しかし、クエント星に戻った彼らは既に物質的肉体的限界点に達し、種としての限界が近付いていたため、自らの意思を原形質保存装置に蓄え、集合意志体「ワイズマン」を名乗りアストラギウス銀河の神として歴史を影から操るようになった。連綿と続く銀河大戦も、戦争によって彼らの文明を引き継ぐ後継者を探す目的でワイズマンがギルガメス・バララント両陣営を裏から操作したものである。
- ウド
- 惑星メルキアのローラシル大陸中央部分に存在する地下階層都市。もともとは戦争中の爆撃後のクレーターを利用して建設された軍事施設であったが、軍が施設を放棄した後戦争難民が集まり都市化されていった。直径は5km、全高は3kmに及ぶ。戦後の混乱期には、難民や軍の帰還兵が流れ込むようになった。そこでは軍事物資や兵器の密売、売春や人身売買、軍の施設であった頃のコンピューター工場跡から採掘されるヂヂリウムの闇取引、バトリング興行などが行われ、その利潤を目当てに治安警察や暴走族ブーン・ファミリーといった武装集団が街を牛耳り、暴利を貪っていた。軍から脱走したキリコが、ゴウト、バニラ、ココナと巡り合った場所でもある。アストラギウス暦7214年の本編第1クール終盤でメルキア軍の空挺部隊と治安警察、更に秘密結社の増援との戦闘において崩壊した模様。ウド周辺は大気が汚染されており、赤色の有害な「酸の雨」が降る。
- ギルガメス連合
- アストラギウス銀河をバララントと二分する勢力。劇中では「ギルガメス星域」または「ギルガメス同盟」と呼ばれ、「〜連合」という名称は後日関連ムックのライターが創作したものである。反バララント軍事通商連合としてアストラギウス暦5500年頃にギルガメス星系を中心に形成された(なおギルガメスは初代首星となる)。第3次銀河大戦ではバララント軍による攻撃で初代首星ギルガメスと二代目首星ビシュティマが崩壊し、メルキアが三代目の首星に就いた。国力ではバララントに劣り、第3次銀河大戦中盤までは劣勢に立たされていたが、メルキア主導の元でATの開発、戦場への大量投入により戦局を挽回した。
- クエント星
- アストラギウス銀河のほぼ中心部に位置する。過去には超古代文明が発展し栄華を極めたが、その文明はアストラギウス暦4000年頃に崩壊し、7210年代にはその面影もない砂漠に覆われた惑星と化している。多くの原住民は深い谷底で原始時代さながらの生活をしており、高性能機器の部品に使用されるクエント素子の発掘と成年男性を傭兵として銀河各地に送りだす事が数少ない産業である。大柄なクエント人傭兵は、戦闘能力の高さと命令に忠実な事から、各地の戦場では高く評価されている。クエント人は政府を持たず、超古代文明の遺構の上に存在する唯一の都市、ゴモルが便宜上の首都とされているが、ゴモルの居住者もほとんどは他星の人間であり、基本的にクエント人がゴモルを訪れるのは傭兵の募集があった時だけである。クエント事変後の周辺星域での古代クエント遺産を巡る争いが、第4次銀河大戦のきっかけを作る。
- クメン王国
- 惑星メルキアの小国。ローラシル大陸の南端のバラミル半島に位置する農業国で、首都はザイデン。メルキアの中では戦争中の自然へのダメージは少なかったらしく、亜熱帯性気候でジャングルに囲まれた豊かな自然を持つ。メルキアにありながらメルキア連邦には加盟せず、親バララントの姿勢を貫き完全な独立を求めようとしてメルキアの中央政府と20年来の対立状態にあった。しかしクメン王国内でも近代化を推し進めようとするクメン政府と近代化の犠牲となった国民の大半を占める農民による「ビーラーゲリラ」が武力闘争を繰り広げ、これに近代化によって特権を奪われた旧支配階級が合流して反政府組織「神聖クメン王国」を結成し激しい内乱へと発展していった。のちにクメンとメルキアが停戦したことから、クメンが全軍をビーラーゲリラ討伐に振り向けた事と、メルキア政府の介入により終結。
- サンサ
- かつてはバララントの勢力圏に位置する惑星。バララントの交易の重要な地点でもあり、ギルガメスへの侵攻には中継基地が置かれたこともあって、戦略的には重要な場所であったため幾度となく戦火に見舞われることとなった。中でも7212年12月から翌年2月にかけての第3次サンサ攻略戦において、ギルガメス軍は特殊部隊・レッドショルダーを投入することで最終的には勝利を収めるものの、度重なる戦災によって大気の呼吸が困難になるほどに自然環境が破壊され居住不能とされた(このため、惑星上での活動には酸素ボンベが必要不可欠となっている)。戦争終結によってサンサは不可侵宙域に指定され、わずかに残った住民が細々と生活している。当然ながら酸素がなくなったため植物はほぼ絶滅し、惑星上は砂漠が広がる不毛の大地と化していた。だが『幻影篇』までの年月の間、大きく自然環境の改善が試みられたらしく、ようやく酸素ボンベなしに人々が生活できるようになっている。
- ヂヂリウム
- 半液体化金属の半導体。半透明の青い物質である。常温での超伝導効果をもつため、ATなどに搭載される高速コンピューター回路に不可欠とされる。触媒によって特殊な放射線を発し、第3次銀河大戦終盤には最重要の戦略物質として重視されるようになった。ギルガメスが開発したPSは身体機能の維持のため定期的な照射が必要とされている。企画初期の設定には「ヂライト・ヂゴル・ナトリウム」とする表記があり[5]ヂヂリウムの正式な呼称とも取れる。
- 表記は統一されておらず、「ジジリュウム」や「ジジリウム」とするものもある。
- パーフェクトソルジャー
- PSと略される。戦場で理想的な能力を発揮できるようにするため、肉体や脳神経に人為的な処置をされた一種のサイボーグ。メルキア軍において開発され、秘密結社により奪取され研究が進められた。ATパイロットとしては優秀な能力を持ち、強靭な肉体と並外れた反射神経、精神操作による軍に対する高い忠誠心を有する。しかし身体機能の維持のためには定期的にヂヂリウムの照射を受けなければならず、精神的な不安定さなどの問題があった。さらに寿命も2年程度しかない。バララント側でも同様に開発され、こちらは肉体がより機械的に強化されていたが、やはり精神面に問題が残っていた。なお、『デュアルマガジンNo.9』P.28の記述によると、「PSはヂヂリウムがないと筋肉硬直を経て死に至る」というのは秘密結社の洗脳暗示による欺瞞で、最終的には筋力が常人並みに衰えて安定するとされる。「禁断症状」とされる筋肉の硬直は、催眠効果により現れるもので、実際に死につながるわけではない。
- バトリング
- ATを使う模擬戦闘の賭け試合。百年戦争の終結後、軍からあぶれたATパイロットたちが放出品のATを用いて模擬戦闘を行う。火器を使わずに格闘戦を行う「レギュラーゲーム」と、実弾を使用して実戦さながらの戦闘を行う「リアルバトル」、ATサイズの槍や刀剣類が使用される「ブロウバトル」が存在する。ごくまれにAT対地上戦艦、AT対機甲猟兵などAT対ATの枠組みを外れた異種格闘戦が行われることがある。
- 観客はどちらのATが勝つかを予想し、金を賭けて見物する。リアルバトルでは試合の性格上、パイロットのみならず流れ弾で観客にも死傷者が出るが、むしろ刺激的とされ好評である。ウドの街が発祥の地と言われており、戦争の長期化で大衆娯楽のほとんどが廃れた事もあって、娯楽に飢えた民衆から高い人気を博している。
- ウドの街以外でも、ア・コバ(OVA『ビッグバトル』)やタ・ビング(OVA『機甲猟兵メロウリンク』第2話)、アグ(小説『青の騎士ベルゼルガ物語』)といった他の街でも行われている。
- バララント同盟
- アストラギウス銀河をギルガメスと二分する勢力。劇中では「バララント星域」と呼ばれ、「〜同盟」と呼ばれたことはない(ムック編集スタッフの創作である)。主人公がギルガメス陣営の人間であるためバララントは劇中の描写が相対的に乏しく、内情や来歴に関する設定の多くもやはり関連ムックで創作されたものである。首星はバラン。アストラギウス暦5500年頃に、ギルガメスよりやや早く成立している。秘密主義と超国家主義の傾向が強い軍事大国で、その内情には窺い知れない部分も多いが、国家としてのまとまりや国力はギルガメスを上回っている。第3次銀河大戦では豊富な宇宙戦力をもって戦争中盤までギルガメスを圧倒したが、その後ギルガメスがATを開発、戦場に投入するようになると形勢の逆転を許してしまう。
- 元々アニメーション本編で百年戦争は「原因も定かでない戦争」と語られていたが、これもまた関連ムックでその戦争の「原因」が創作されている。関連ムック由来によると、バララントの国家体制は「戦時共産主義」であり、同時に「大バラン主義」と称される極端な宇宙進出・偏重主義を奉ずるとされる。バララントの歴史は宇宙進出とそれに伴う他星系の「解放」(=侵略)の歴史であり、体制下の他民族は同化・抑圧政策に遇していると言われ、バララントの浸透を恐れた諸星域国家による軍事通商同盟「ギルガメス連合」の成立を促すこととなった。
- 秘密結社
- ワイズマンの超絶的な力に魅せられてその手先となったとされる謎の組織。政界、軍部、財界などに影響力を持っていたとされるが、その実態は謎が多く組織の正式名称も秘密のままであった。組織の構成員はワイズマンの意志を実現するために暗躍し、その見返りとして地位と財産が約束されていたという。主な活動としては武器の開発・生産・売却があげられ、特にPSや新型ATの開発に力を入れていた。
- 宗教的な雰囲気があるが、作中では詳細に述べられていない。OVA『赫奕たる異端』の制作時において、元はマーティアルの一教区だったが、マーティアルで禁忌とされている人体に手を加える行為、つまりPS開発に携わったことが原因でアレギウムから破門されたという設定が追加されている。ただ、マーティアルの教義がワイズマンの干渉によって生まれたものであるので、ある意味では原点回帰である。
- 百年戦争
- アストラギウス暦7113年から7213年にわたってギルガメス、バララント間で繰り広げられた銀河規模の戦争である第3次銀河大戦の俗称。ただしテレビ版本編では第3次銀河大戦の名称は登場せず、一貫して「百年戦争」と称される。百年戦争末期には、両陣営の200を超える惑星が、戦火に巻き込まれている。
- 不可侵宙域
- ギルガメスとバララント、両勢力の立ち入りを禁止する中立宙域。5632年の星雲法制定では、聖地アレギウムがあるジアゴノ星などが指定される。7213年の百年戦争休戦条約ではサンサ星周辺など、終戦時に両陣営の支配が明確でない宙域が指定された。指定時期は不明だが代表的な宙域に、古代クエント文明のクエント星、アストラギウス銀河最大の銀行のあるアンティテーツ星などがある。
- マーティアル
- アストラギウス銀河全域において信奉されている巨大宗教。惑星ジアゴノの原始宗教が神の啓示を記したヤーダル碑の発見に端を発し、アストラギウス暦1000年に成立した。「闘争こそ調和と進化の源」の教義を持ち、軍事、政治、経済の面においても強い影響力を持つ。マーティアルの中枢は惑星ジアゴノのアレギウムに存在する根本聖堂にあり、法皇を中心とした中央集権的な組織として形成されている。5632年に成立した「星雲法」のもとでギルガメス、バララントの双方から保護されている。銀河全域に広がった教区はセクターと呼ばれ、アレギウムから任命された枢機卿が赴任し指導に当たっている。第712代法王指名選挙と同時期にアレギウムで起きた事件は「アレギュウムの赫い霍乱」として庶民にまで知られるが、事件の詳細は一切公表されなかったためにさまざまな憶測を呼び、影響力に陰りが見え始める。
- メルキア
- ギルガメス連合の首星。第3次銀河大戦開戦時はギルガメス連合への加盟が遅く発言権も低かったが、有力な惑星が次々に消滅した事やAT開発にみられる優れた軍事技術と豊富な工業力を背景に連合内で急速に台頭し三代目の首星の座に就いた。メルキアの政治体制は連邦制をとっており、その中ではいくつもの自治州や独立国家が存在する。第3次銀河大戦では致命的とはいかないまでも度重なる戦災を被ったことで人口が大きく減少し、治安も悪化している。キリコが従軍している数年の間に人口の4分の3が死滅したという。
- レッドショルダー
- 正式名称は第24メルキア方面軍戦略機甲兵団特殊任務班X-1。ATの右肩を血の赤に染めていたことに由来を持ち、俗に吸血部隊とも呼ばれる。キリコもかつては所属していた。
- 戦場におけるATの重要性が高まってきた第3次銀河大戦終盤、エリート部隊と謳われた第24メルキア方面軍戦略機甲兵団特殊作戦部隊の中において、ヨラン・ペールゼンの手によって更に徹底されたエリート部隊として創設された。第3次銀河大戦の末期の銀河各地の戦場で活躍し、中でも第3次サンサ攻略戦ではギルガメス軍に多大な戦果をもたらしている。
- しかし、戦場における非戦闘員や民間人への残虐行為や行き過ぎた秘密主義が国際的な問題となり、停戦協定では部隊の解散までが合意事項に含まれるほどであった(このような事実はなく、急激に勢力をのばすペールゼンのやり方に危惧した軍上層部が情報操作を行ったという説もあるが、目撃者や元部隊員の証言もあるため、この説は信憑性が低い)。
- 戦争終結によって正式に解散された後、隊員の一部は秘密結社と結託して己の理想を追求するペールゼンの私兵となる。
- テレビシリーズ劇中では「正式にはメルキア戦略装甲騎兵団特殊任務班X-1」であるというキリコの台詞があった。ただし後に作られたウド編の総集編及び小説版では「メルキア戦略機甲兵団特殊任務班X-1」と訂正されていた。
- 『青の騎士ベルゼルガ物語』では正式名称が「メルキア機甲兵団2045部隊特殊任務班X-1」となっている。
- ワイズマン
- 声 - 柴田秀勝
- かつてクエント星を追放された異能者達がクエントに帰還後、地底深くの原形質保存装置に自らの意志を集合させ意識集合体となった時に名乗った名称。ワイズマンは肉体のない意志だけの存在となって以降、古代クエント文明の超高度な科学力を背景に1000年以上にわたって銀河各地の文明に干渉し、組織や人材、情報などを操りアストラギウス銀河の歴史を影から操っていった。自らを神と任じ、人類からはその存在を知られることなく、銀河を二大勢力によって分割統治させ人類に絶え間ない戦争を仕掛けるのであるが、これは自らの後継者の誕生を促すワイズマンの意志でもあった。力への愛ではなくテクノロジーによって神の存在に近づこうとし「神を見失った」ために「マーティアル」から異端として排斥された一派=秘密結社は、このワイズマンの信奉者であった。
スタッフ
- 原案 - 矢立肇
- 原作 - 高橋良輔
- キャラクター・デザイン - 塩山紀生
- 作画監督チーフ - 塩山紀生
- メカニカル・デザイン - 大河原邦男
- 美術 - 東條俊寿(第1話 - 第28話) / 美術設定 - 岡田和夫、宮前光春、中山益男(第29話 - 第52話)
- 音楽 - 乾裕樹
- 音響監督 - 浦上靖夫
- 監督 - 高橋良輔
- 演出チーフ - 滝沢敏文
- プロデューサー - 長谷川徹
- 制作 - 日本サンライズ
- タイトルアニメ - マジックバス
- タイトル デザイン - マキプロダクション
- 編集 - 鶴渕映画
- 効果 - 松田昭彦
- 調整 - 中戸川次男
- 録音 - APUスタジオ
- 現像 - 東京現像所
- 設定進行 - 井上幸一
- 文芸担当 - 並木敏
- 制作デスク - 山本之文
主題歌
- オープニングテーマ「炎のさだめ」
- 作詞 - 高橋良輔 / 作・編曲 - 乾裕樹 / 唄 - TETSU
- エンディングテーマ「いつもあなたが」
- 作詞 - 高橋良輔 / 作・編曲 - 乾裕樹 / 唄 - TETSU
- 挿入歌「たのまれグッバイ」
- 作詞 - 高橋良輔 / 作・編曲 - 乾裕樹 / 唄 - 川浪葉子
作品解説
テレビ版のストーリーは、治安警察と暴走族が牛耳る街「ウド」(第1話 - 第13話)、反政府軍との内戦が続く熱帯の王国「クメン」(第14話 - 第27話)、砂漠の惑星「サンサ」(第29話 - 第39話)、キリコ出生の秘密が隠された惑星「クエント」(第41話 - 第52話)の4つのパートに分かれており、舞台が変わるごとに、市街戦・湿地戦・宇宙戦・砂漠戦など、さまざまなバリエーションの戦闘シーンを展開する。これは『太陽の牙ダグラム』が舞台がほぼ砂漠だけということで画面が単調だったためとされている[6](ただし『太陽の牙ダグラム』において、砂漠が舞台のシーンは全話数の半分にも満たない)。
各話担当作画監督の1人であったアニメアールの谷口守泰は本作で活躍して[2]、その後、高橋監督作品『機甲界ガリアン』の中核スタッフを経て、高橋が監督した『蒼き流星SPTレイズナー』ではキャラクターデザイナーに抜擢された。
「ボトムズ」という名称
ATとその乗り手を指す「ボトムズ」という呼び名は、軍の定めた公式見解では「Vertical One-man Tank for Offence & Maneuver-S:攻撃と機動のための直立一人乗り戦車」の略称であるとされている[7]。しかし実際は脆弱な装甲、発火しやすいポリマーリンゲル液、コストを下げるため切り捨てられた機体の生存向上システム──人命よりも生産性を優先させたATは、搭乗者の生存率の低さからまさに“鉄の棺桶”とも言える代物だった。同時にパイロットたちの素行の悪さと任務環境の過酷さから付いたスラング「Bottoms:最低の奴(ら)」であるとする「説が強い」[1][8]という。
従って、番組終了後発表された小説『青の騎士ベルゼルガ物語』(ソノラマ文庫・1985)にある「最低の野郎ども」という解釈は初出ではない。高橋は当初作品タイトルの『ボトムズ』の英語スペルをBottomsにするつもりであったが、商標上の問題により実現せず、やむをえずVotomsに変えたという経緯がある。同時に、ATやATパイロットのことだけでなく、作品の描くテーマとしてより広義に「底辺の人間たち」という意味も込められているとのことである[9]。
テレビシリーズ序盤、主人公のモノローグあるいは予告編のナレーションにおいて、ATを「ボトムズ」と呼称(それとともにATパイロットは「ボトムズ乗り」と呼称)する回が数回あったが、その後劇中でその名を聞くことはOVA『ペールゼン・ファイルズ』までしばらくなかった。
製作にあたって影響を受けた作品
テンプレート:独自研究 数々の映画を大胆に引用(借用)したことでも知られる。ウド編は『ブレードランナー』、クメン編は『地獄の黙示録』、除隊した兵士が何の準備もないまま社会に放り出される主人公キリコの成り立ちは『ランボー』などに影響を受けていると関係者が公言している[10]。
- 『ジュニア・ボナー/華麗なる挑戦』(サム・ペキンパー監督、1972年) - 元々の発想を得た作品(各地を巡業するロデオライダー→バトリングをしながら放浪する。高橋良輔/談)[11]
- 『ルート66』(テレビ映画、1960-1964年) - 初期の構想で影響を受けた作品(ATを輸送車輛に乗せて各地を巡る。高橋良輔/談)[11]
- 『ブレードランナー』(リドリー・スコット監督、1982年) - ウドの街の世界観、PSの設定(寿命など)、キリコとPSとの関係性[12]など。高橋良輔、吉川惣司、塩山紀生、谷口守泰、谷田部勝義/談。
- 『爆裂都市 BURST CITY』(石井聰亙監督、1982年) - (ウドの街の暴力描写。高橋良輔/談)
- 『バトルトラック』(ハーレイ・コークリス監督、1982年) - (ウドの街の暴力描写。高橋良輔/談)
- 『地獄の黙示録』(フランシス・フォード・コッポラ監督、1979年) - (クメン王国の世界観。吉川惣司/談[12])
- 『ディア・ハンター』(マイケル・チミノ監督、1978年) - (クメン王国の人物描写。高橋良輔/談)
- 『エイリアン』(リドリー・スコット監督、1979年) - (サンサ編冒頭の戦艦X内の部分。吉川惣司/談)
- 『デューン/砂の惑星』(デヴィッド・リンチ監督、1984年) - (惑星クエントの世界観。高橋良輔、吉川惣司/談[12])
- 『2001年宇宙の旅』(スタンリー・キューブリック監督、1968年) - (クエント編最後の舞台の部分。高橋良輔、吉川惣司/談[12])
- 『ランボー』(テッド・コチェフ監督、1982年) - (キリコの人物設定。高橋良輔/談[6])
- 『タクシードライバー』(マーティン・スコセッシ監督、1976年) - キリコの人物描写。高橋良輔談)
- 小林旭の日活無国籍シリーズ - (舞台設定。高橋良輔/談[12])
- 高倉健の東映任侠シリーズ - (キリコの表情芝居。谷口守泰/談)
- アルフレッド・ベスターの『虎よ、虎よ!』 - (キリコの人物設定。高橋良輔/談)
- 開高健の『輝ける闇』『夏の闇』 - (「ボトムズ」の世界観。高橋良輔/談)
音楽
主題歌を担当した覆面歌手・TETSUの正体は、後に1990年代のヒット曲の仕掛け人となったシンガーソングライター・織田哲郎である。織田が自身の公式サイト内の日記(2001年6月7日付)で読者からのメール等に応えて明らかにしたところによれば、ボトムズ放映の頃、まだデビューするかしないかの駆け出しだった彼は、アルバイトとして覆面歌手扱いで曲を吹き込むことも多かったという。
この作品についても、当時お世話になっていた人の求めに応じて歌った(ただしこの時は既にデビューしていたので、レコード会社の契約の都合上、名前を変えて欲しいと依頼した)ものであり、彼が数多く担当した、そういった事情のある歌の中でも最も有名なものである。
主題歌のオープニングテーマとエンディングテーマは、いずれも高橋良輔が作詞を担当。今でもカラオケでファンによく歌われるなど親しまれている曲だけあって、「酒代に困った頃に作詞印税が入ってきて助かってます」と冗談交じりに語っている。
挿入歌「たのまれグッバイ」は、テレビ版のクメン編において、バーにいたココナが歌っている曲である。レコーディングの際、バーで歌う雰囲気を出せるようココナ役の川浪はお酒を飲まされてレコーディングを行ったという逸話がある。
行進曲
劇中、サンサ編のレッドショルダー関連映像の場面や、『野望のルーツ』の終盤に流れる行進曲は、本作のために作成された曲ではなく、サントラ盤に収録されておらず、ファンの間では通称「レッドショルダーマーチ」と呼ばれていた[13]。
この曲については、アニメ雑誌『アニメック』のキングレコードへの問い合わせでは各テレビ局のBGM用の既成曲でタイトルや作者、著作権元は不明とされ[14]、『アニメージュ』誌による音響制作会社のオーディオ・プランニング・ユーへの取材では、曲名は「AVANZATA」で作曲はM・ZALLAで一般へは未発売[15]。他にも「テレビ東京の汎用既成曲」[13]、「(放映当時は冷戦の最中で情報がほとんど手に入らない)東欧圏の民族音楽」「コサック部隊の音楽」「記録映画の音楽」[16]などさまざまな説が唱えられ、正体が判然としなかった。
2007年になってこの曲の正体が判明する。1966年制作のイタリア映画『Due Marines e un Generale』(邦題『二人の水兵と一人の将軍』、バスター・キートン主演。ちなみに彼の最後の出演作である)のサントラの2曲目「Arrivano I Marines」がその正体であった。作曲はPiero Umiliani。同じサントラには『機動戦士ガンダム』第12話で使用された曲も含まれている[17]。この曲は、カップインスタントうどん赤いきつねのCMや『ボトムズ』が放送される以前の自転車、ビッグワンガムのCMにも使われた。
前作品『太陽の牙ダグラム』のタカラ製プラモデルのCMで流され、それが好評だったためレッドショルダーのマーチに採用されたのだという[14]。
この曲はPlayStation用ソフト『青の騎士ベルゼルガ物語』にもCD-DAで収録された。バトリングをテーマとしたこのゲーム中において選択できる入場テーマの一つで、この曲を選んであるとゲーム中でレッドショルダーにまつわる幾つかのサブイベントが発生する様になっている。なお発売当時の雑誌インタビューにおいて、開発スタッフが音源を探し回った末テレビ東京のライブラリーにたどり着き、そこから収録した事を明かしているテンプレート:要出典。ただしこの収録曲は、アニメ本編で使われた音源(Due Marines~)をそのまま収録したものではなく、新規に録音した別物である。
ゲーム『第2次スーパーロボット大戦Z』においては、「戦騎達の行進」という曲調を限界まで似せたオリジナル曲が代用として使用されており、劇中では「レッドショルダーのマーチ」と一貫して呼ばれている。
反響
本放送は放送時間の問題などもあり平均視聴率は高いとはいえなかったが、AT・スコープドッグをはじめとした玩具・プラモ関連のセールスが好調であったため、打ち切られず4クールの放映を全うした。
各話リスト
- ウド編
話数 | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 |
---|---|---|---|---|---|---|
第1話 | 1983年 4月1日 |
終戦 | 五武冬史 | 京春香 | 加瀬充子 | 清水恵蔵 塩山紀生 |
第2話 | 4月8日 | ウド | 松野達也 | 知吹愛弓 | 谷口守泰 | |
第3話 | 4月15日 | 出会い | 川端蓮司 | 鈴木英二 | ||
第4話 | 4月22日 | バトリング | 高橋良輔 | 滝沢敏文 | 谷田部勝義 | 神宮慧 |
第5話 | 4月29日 | 罠 | 五武冬史 | 加瀬充子 | 上村英司 | |
第6話 | 5月6日 | 素体 | 滝沢敏文 | 知吹愛弓 | 西城明 | |
第7話 | 5月13日 | 襲撃 | 吉川惣司 | 川端蓮司 | 谷沢豊 新田敏夫 | |
第8話 | 5月20日 | 取引 | 鳥海尽三 | 谷田部勝義 | 鈴木英二 | |
第9話 | 5月27日 | 救出 | 滝沢敏文 | 加瀬充子 | 谷口守泰 | |
第10話 | 6月3日 | レッド・ショルダー | 吉川惣司 | 知吹愛弓 | 鈴木英二 塩山紀生 | |
第11話 | 6月10日 | 逆襲 | 吉田浩 | 桐野克也 | 西城明 | |
第12話 | 6月17日 | 絆 | 鳥海尽三 | 川端蓮司 | 神宮慧 | |
第13話 | 6月24日 | 脱出 | 滝沢敏文 | 鈴木英二 塩山紀生 |
- クメン編
話数 | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 |
---|---|---|---|---|---|---|
第14話 | 1983年 7月1日 |
アッセンブルEX-10 | 吉川惣司 | 松野達也 | 加瀬充子 | 谷口守泰 |
第15話 | 7月8日 | 疑惑 | 吉田浩 | 桐野克也 | 西城明 | |
第16話 | 7月15日 | 掃討 | 鳥海尽三 | 知吹愛弓 | 鈴木英二 | |
第17話 | 7月22日 | 再会 | 高橋資祐 | 川端蓮司 | 神宮慧 | |
第18話 | 7月29日 | 急変 | 吉川惣司 | 滝沢敏文 | 加瀬充子 | 上村英司 塩山紀生 |
第19話 | 8月5日 | 思惑 | 康村正一 | 西城明 | ||
第20話 | 8月12日 | フィアナ (ウド編の総集編) |
五武冬史 吉川惣司 鳥海尽三 |
高橋良輔 | 塩山紀生 | |
第21話 | 8月19日 | 溯行 | 鳥海尽三 | 谷田部勝義 | 鈴木英二 塩山紀生 | |
第22話 | 8月26日 | 触発 | 池田成 | 桐野克也 | 谷口守泰 | |
第23話 | 9月2日 | 錯綜 | 吉川惣司 | 知吹愛弓 | 神宮慧 | |
第24話 | 9月9日 | 横断 | 鳥海尽三 | 富沢雄三 | 川端蓮司 | 西城明 |
第25話 | 9月16日 | 潜入 | 吉川惣司 | 加瀬充子 | 上村英司 | |
第26話 | 9月23日 | 肉迫 | 谷田部勝義 | 鈴木英二 | ||
第27話 | 9月30日 | 暗転 | 滝沢敏文 | 知吹愛弓 | 塩山紀生 | |
第28話 | 10月7日 | テンプレート:ルビ (ウド編の総集編) |
五武冬史 吉川惣司 鳥海尽三 |
高橋良輔 | 塩山紀生 |
- サンサ編
話数 | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 |
---|---|---|---|---|---|---|
第29話 | 1983年 10月14日 |
二人 | 五武冬史 | 池田成 | 川端蓮司 | 谷口守泰 |
第30話 | 10月21日 | 幻影 | 滝沢敏文 | 津田義三 | 西城明 | |
第31話 | 10月28日 | 不可侵宙域 | 鳥海尽三 | 池田成 | 加瀬充子 | 鈴木英二 |
第32話 | 11月4日 | イプシロン | 知吹愛弓 | 上村英司 塩山紀生 | ||
第33話 | 11月11日 | 対決 | 吉川惣司 | 滝沢敏文 | 谷田部勝義 | 谷口守泰 |
第34話 | 11月18日 | 惑星サンサ | 池田成 | 川端蓮司 | 西城明 | |
第35話 | 11月25日 | 死線 | 五武冬史 | 滝沢敏文 | 津田義三 | 鈴木英二 |
第36話 | 12月2日 | 恩讐 | 高橋資祐 | 康村正一 | 上村栄司 塩山紀生 | |
第37話 | 12月9日 | 虜 | 鳥海尽三 | 知吹愛弓 | 鈴木英二 | |
第38話 | 12月16日 | 暗闇 | 滝沢敏文 | 加瀬充子 | 西城明 | |
第39話 | 12月23日 | パーフェクト・ソルジャー | 池田成 | 谷田部勝義 | 谷口守泰 | |
第40話 | 12月30日 | 仲間 (サンサ編の総集編) |
五武冬史 吉川惣司 鳥海尽三 |
高橋良輔 | 塩山紀生 |
- クエント編
話数 | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 |
---|---|---|---|---|---|---|
第41話 | 1984年 1月6日 |
クエント | 吉川惣司 | 谷田部勝義 | 川端蓮司 | 八幡正 塩山紀生 |
第42話 | 1月13日 | 砂漠 | 津田義三 | 鈴木英二 | ||
第43話 | 1月20日 | 遺産 | 知吹愛弓 | |||
第44話 | 1月27日 | 禁断 | 五武冬史 | 加瀬充子 | 西城明 | |
第45話 | 2月3日 | 遭遇 | 滝沢敏文 | 谷田部勝義 | 鈴木英二 | |
第46話 | 2月10日 | 予感 | 鳥海尽三 | 池田成 | 川端蓮司 | 谷口守泰 |
第47話 | 2月17日 | 異変 | 津田義三 | 鈴木英二 | ||
第48話 | 2月24日 | 後継者 | 知吹愛弓 | 西城明 | ||
第49話 | 3月2日 | 異能者 | 吉川惣司 | 康村正一 | 八幡正 | |
第50話 | 3月9日 | 乱雲 | 谷田部勝義 | 鈴木英二 塩山紀生 | ||
第51話 | 3月16日 | 修羅 | 滝沢敏文 | 川端蓮司 | 鈴木英二 | |
第52話 | 3月23日 | 流星 | 加瀬充子 | 谷口守泰 |
※第52話(最終回)には、塩山紀生が作画監修としてクレジットされている。
ネット局
- テレビ東京 - 北海道放送、秋田テレビ、仙台放送、福島中央テレビ、テレビ新潟、石川テレビ放送、東海テレビ放送(※)、テレビ大阪、KBS京都、山陽放送、テレビ新広島、南海放送、RKB毎日放送、テレビ熊本、沖縄テレビ放送
テレビシリーズ終了後
テレビシリーズで描かれなかった空白期や、過去の物語が3本のオリジナルビデオアニメ(OVA)としてリリースされ、好セールスを記録した。この人気を受け、外伝的作品『青の騎士ベルゼルガ物語』(小説)、『機甲猟兵メロウリンク』(OVA)が生まれた。さらに1994年には本編の32年後を舞台とする続編『装甲騎兵ボトムズ 赫奕たる異端』(OVA)がリリースされた。
2006年、模型雑誌で連載中の『装甲騎兵ボトムズ・コマンドフォークト』と連動したトークショーにおいて、高橋良輔監督によるボトムズ新作アニメの制作予定が発表され、翌2007年2月のワンダーフェスティバル 2007では仮称題名を『装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ』としてキャラクターやATのビジュアルを公開。夏頃の作品開始を予定し進行中との情報が告知された。スタッフも当時のスタッフのほとんどが集結している。OVAの『レッドショルダードキュメント 野望のルーツ』とテレビ本編の空白期間を舞台として描かれる。2009年1月17日には『ペールゼン・ファイルズ劇場版』が公開された。
2007年からは日経トレンディネットで、『ペールゼン・ファイルズ』などの制作現場やボトムズの次回作の構想を、高橋良輔が制作日誌的な小説にした「新・小説VOTOMSいちぶんの一」を連載中である。
この新アニメシリーズとは別に『日経エンタテインメント!』誌で高橋良輔が小説版ボトムズ・『孤影再び』を連載(「日経キャラクターズ!」誌からの移動)。『赫奕たる異端』の後の時代の物語で、第14回では、ペールゼン・ファイルズについて触れられており、メルキア情報相次官フェドク・ウオッカムの名が出てくる。なお、『孤影再び』を元にした最後のエピソードと謳っているOVA、『装甲騎兵ボトムズ 幻影篇』が2010年3月よりリリースされた。
『チャンピオンRED』2008年6月号から2009年7月号にかけて漫画『装甲騎兵ボトムズ CRIMSON EYES』(作画:杉村麦太 )が連載された。こちらは主人公がボトムズ乗りの幼い少女で、クエント人の女傭兵も登場している(乗機はベルゼルガ)。
珍しい例としては、アストラギウス銀河の300年後の様子を描いた高橋良輔による小説『equal ガネシス』(2011年5月に単行本化)が存在する。ここではアーマードトルーパーは「ロボトライブ」と呼ばれるアンドロイド兵士に取って代わられている。
テレビシリーズ版以降に製作された作品
総集編6本とOVA10作品が製作されている(以下、発売した順に記載)。
- 一連の作品を時系列順に整理すると以下のようになる(外伝・派生作品は除く)。
- レッドショルダードキュメント 野望のルーツ
- ペールゼン・ファイルズ 全12話
- テレビシリーズ・ウド編(第1話 - 第13話)
- ザ・ラストレッドショルダー
- テレビシリーズ・クメン編(第14話 - 第27話。第20話はウド編の総集編)
- テレビシリーズ・サンサ編(第29話 - 第39話)
- テレビシリーズ・クエント編(第41話 - 第52話)
- ビッグバトル
- (テレビシリーズ最終話のエピローグ)
- 赫奕たる異端 全5話
- 孤影再び
- 幻影篇 全6話
装甲騎兵ボトムズ VOL.I STORIES OF THE A.T.VOTOMS
1985年6月21日発売。テレビシリーズを時系列にまとめた総集編。演出・構成は谷田部勝義。
装甲騎兵ボトムズ VOL.II HIGHLITS OF THE A.T.VOTOMS
1985年7月20日発売。銀河万丈がナレーションを担当した各話の予告編をすべて収録し、ココナ・バニラ・ゴウトの3人を中心に構成された名場面集。演出・構成は知吹愛弓。
エンディングと、ファンタムクラブでココナが歌うシーンが塩山紀生によって新たに作画されている。ファンタムクラブのシーンでは監督の高橋良輔、キャラクターデザインの塩山紀生、プロデューサーの長谷川徹らがワンカット登場するお遊びがある。
クエント消滅後のロッチナがギルガメス軍の軍服を着て登場しているが、これが『ビッグバトル』の前に入るのか後に入るのかは不明。
ザ・ラストレッドショルダー
1985年8月21日発売のOVA作品。時間軸的にはウド編とクメン編の間に入るエピソード。1986年8月2日に劇場公開もされた。本作品は第3回日本アニメ大賞OVA最優秀賞を受賞している。
- スタッフ
- 脚本 - 吉川惣司
- キャラクターデザイン・作画監督 - 塩山紀生
- メカニカルデザイン - 大河原邦男
- メカ作監 - 吉田徹
- 絵コンテ - 加瀬充子、谷田部勝義
- 演出 - 加瀬充子
- 演出助手 - 今西隆志
- 美術監督 - 宮前光春
ウド
1986年2月21日発売。ウド編の総集編。演出・構成は高橋良輔。
オープニング、エンディング、『クメン』の予告編がマックスファクトリー製作のジオラマで表現され、話題になった。
クメン
1986年4月5日発売。クメン編の総集編。演出・構成は高橋良輔。この総集編にはフィアナが登場しない。
『ウド』同様にオープニングとエンディングはジオラマバージョン(オープニングの内容は『ウド』と異なる。エンディングは同じ)。
ビッグバトル
1986年7月5日発売のOVA作品。時間軸的には最終話におけるクエント消滅からキリコとフィアナがコールドスリープに入るまでの間に入るエピソード。
- スタッフ
- 脚本 - はままさのり
- キャラクターデザイン・作画監督 - 塩山紀生
- メカニカルデザイン - 大河原邦男
- 絵コンテ・演出 - 滝沢敏文
- 演出助手 - 山口美浩
- 美術 - 岡田和夫
サンサ
1988年1月23日発売。サンサ編の総集編。演出・構成は高橋良輔。
オープニングは谷口守泰、エンディングは塩山紀生による新作画(『クエント』も同じものが使用された)。
制作時、谷口は『機甲猟兵メロウリンク』のデザイン作業に取り掛かっており、『ボトムズ』本編では登場することのない、対ATライフルを携え、マントを羽織った機甲猟兵姿のキリコを観ることが出来る。谷口は絵コンテも担当。そのエピソードは当時『アニメージュ』誌に連載されていた自らのイラストエッセイに記されている。演出は谷口の指名で今西隆志が担当した。
クエント
1988年2月20日発売。クエント編の総集編。演出・構成は高橋良輔。
レッドショルダードキュメント 野望のルーツ
1988年3月19日発売のOVA作品。時間軸上最も古いエピソード。劇伴音楽は乾裕樹による新作。オープニングアニメーションはアニメアールの吉田徹の絵コンテによる新作が予定されていたが、スケジュールの都合により本編カットを抜粋し構成したダイジェストが使用された。
- スタッフ
- 脚本 - 吉川惣司
- キャラクターデザイン・作画監督 - 塩山紀生
- メカニカルデザイン - 大河原邦男
- 絵コンテ - 滝沢敏文
- 演出 - 今西隆志
- 美術監督 - 宮前光春・岡田和夫
機甲猟兵メロウリンク
1988年から1989年にかけて発売された外伝に当たるOVA作品。全12話。 テンプレート:Main
赫奕たる異端
1994年から1995年にかけて発売されたOVA作品。全5話。 テンプレート:Main
ペールゼン・ファイルズ
2007年から2008年に掛けて発売されたOVA作品。全12話。2009年1月17日に劇場版が公開。 テンプレート:Main
幻影篇
2010年3月より発売のOVA作品。全6話。 テンプレート:Main
ケース;アービン
2011年2月25日発売の「ボトムズ新生3作品」にあたるOVA作品。2010年11月6日にはイベント上映。世界観は共有するが、キリコを中心とするシリーズとの接点は設けられていない作品。 テンプレート:Main
ボトムズファインダー
2011年4月7日発売の「ボトムズ新生3作品」にあたるOVA作品。2010年12月4日にはイベント上映。本作などの世界観や設定を一切用いていないパラレルワールドの作品。 テンプレート:Main
孤影再び
『日経エンタテインメント!』誌で連載された小説。後に「ボトムズ新生3作品」の一環でOVA化され、2011年4月22日に発売。発売に先行して2011年1月8日にイベント上映。 テンプレート:Main
DVD
- 装甲騎兵ボトムズ DVDメモリアルボックス
- テレビシリーズと(2005年時点での)全OVAがセットになった初回限定DVD-BOX。
- 2005年2月24日発売。
- 装甲騎兵ボトムズ DVD-BOX I
- 2010年2月23日発売
- テレビシリーズ第1話 - 28話を収録。
- 装甲騎兵ボトムズ DVD-BOX II
- 2010年5月28日発売
- テレビシリーズ第29話 - 最終話を収録。
- 装甲騎兵ボトムズ DVD-BOX III
- 2010年8月27日発売
- 『ペールゼン・ファイルズ』以降を除くOVAを収録。
以下は単品販売。
- 装甲騎兵ボトムズ Vol.1 - Vol.4
- 2006年10月27日発売
- 装甲騎兵ボトムズ Vol.5 - Vol.7
- 2006年11月24日発売
- 装甲騎兵ボトムズ Vol.8 - Vol.10
- 2006年12月22日発売
- 装甲騎兵ボトムズ Vol.11 - Vol.12
- 2007年1月26日発売
- 装甲騎兵ボトムズ ザ・ラストレッドショルダー
- 装甲騎兵ボトムズ ビッグバトル
- 装甲騎兵ボトムズ レッドショルダードキュメント 野望のルーツ
- 装甲騎兵ボトムズ 赫奕たる異端 1
- 装甲騎兵ボトムズ 赫奕たる異端 2
- 2007年2月23日発売
ネット配信
ビデオ・DVDなどのパッケージ以外にも、UHF地方局やCS局でたびたび放送されており、ネット配信サービス(バンダイチャンネルなど)で全シリーズが視聴可能である。
小説
- テレビのノベライズ
- I ウド編 2002年11月1日発売 ISBN 4044284016
- II クメン編 2003年2月1日発売 ISBN 4044284024
- III サンサ編 2003年6月1日発売 ISBN 4044284032
- IV クエント編 2003年10月1日発売 ISBN 4044284040
- OVAのノベライズ
- ザ・ファーストレッドショルダー 1988年6月30日発売 ISBN 4-19-669586-8
- ザ・ラストレッドショルダー 1988年12月31日発売 ISBN 4-19-669602-3
- 愛蔵版 装甲騎兵ボトムズ ザ・ラストレッドショルダー 2005年2月19日発売 ISBN 4198619816
- 上記の吉川惣司作の2作品をまとめ、加筆・訂正をしたもの。表紙イラスト:天神英貴、徳間書店刊
- その他
- アニメ雑誌『アニメック』1983年10月号に高橋良輔による短編が掲載された。「もしボトムズが当初の構想通りバトリング選手として街から街へ転々とするというものであったなら……」という設定の下で、キリコが軍を追われる原因となった小惑星リドの事件(テレビシリーズ第1話)を野営中に振り返るという内容。この小説を原型として『機甲猟兵メロウリンク』の第5話が作られており、特にチェコブ(架空の植物)の毒で悪夢を見始めるという導入部分はほぼそのまま流用されている。
- 孤影再び - 『日経エンタテインメント!』2006年5月号から2007年9月号に連載。OVA『赫奕たる異端』の後日談。32年ぶりにバニラ、ココナ、ゴウトを訪ねるところから物語は始まる。著:高橋良輔、本文イラスト:塩山紀生。
- 単行本。ISBN 978-4047157019 2011年5月26日 角川書店より発売
- コマンドフォークト - 『月刊ホビージャパン』2006年9月号より連載中。百年戦争中に活躍したスーパーエース部隊の物語。キリコらアニメのキャラクターは登場しない。1/24スケールのプラモデルを使ったディオラマと絡めて展開される。著:野崎透、監修:高橋良輔。同じ出版社の『キャラの!』(旧『Novel JAPAN』)では並行してHJ誌連載分より以前のエピソードが連載され、塩山紀生がイラストを担当した。
- 文庫本第1巻「群狼邂逅」2007年3月30日発売 ISBN 978-4894255371
- 文庫本第2巻「伝説誕生」2007年9月30日発売 ISBN 978-4894256064
- 月刊ホビージャパン別冊「青の騎士ベルゼルガ物語」掲載のスペシャルシナリオ「前編:運命との出会い」(シナリオ高橋良輔 / イラスト塩山紀生)において主人公ケイン・マクドガルの危機を救ったのが『ボトムズ』本編の主人公キリコ・キュービィーだったという記述がある。これは小説『青の騎士ベルゼルガ物語』を仮にOVA2巻にした場合の前半シナリオとして書かれたもの。
カセット版
1988年12月25日に朝日ソノラマから発売。ウド編の中盤までを再構成したもの。テレビシリーズの乾裕樹の音楽は使用されていない。
- キャスト
- キリコ - 郷田ほづみ
- ゴウト - 富田耕生
- バニラ - 千葉繁
- ココナ - 川浪葉子
- ロッチナ - 銀河万丈
- ボロー - 緒方賢一
- カルメーニ - 佐藤正治
- オリヤ - 茶風林
- コニン - 梁田清之
- コンピューターの声 - 林玉緒
- スタッフ
- 企画・製作 - 朝日ソノラマ、(株)ムービック・プロモートサービス
- 原作・脚本 - 高橋良輔
- 演出 - 大熊昭
- イラスト - 塩山紀生
コミック
- 装甲騎兵ボトムズ - コミックボンボンKC(講談社) 著:のなかみのる 全4巻 ※絶版
- 『コミックボンボン』誌上にテレビ放映と同時期(1983年5月号 - 1984年4月号)に連載されたもの。単行本収録の際に大幅な描き足しがあったが、雑誌版のオリジナルな絵柄だったキャラクターが、新作部分のみアニメ版に近い絵柄となっている。これについて、漫画執筆作業の時点でアニメの相当回の設定や脚本の決定稿が届いていなかったり、色設定やキャラクターの詳細も不明なことが多かった等の事情を、後に作者がインタビューで答えている。更に後の大都社版(全2巻)では全体的に作画修正され、アニメ設定に近い絵柄となった。なお、講談社版では「百年戦争」は「十年戦争」と呼ばれ[18]、キリコの幼少時に始まったとされている。イプシロンとの決着シーンはアニメ版とは異なり、更に『プラモ狂四郎』でそれと同様のシーンが再現されている。
- 装甲騎兵ボトムズ - 『TVアニメマガジン』(秋田書店)連載 著:岡崎優
- 1983年5月号より、毎回8ペ-ジのダイジェストストーリー漫画を連載。長らく未単行本化だったが、2011年3月にマンガショップより、『サンライズロボット漫画コレクションVol.2「太陽の牙ダグラム」&「装甲騎兵ボトムズ」』が発売され、「ダグラム」共々初の単行本化となった。
- AT Stories - (双葉社) 作:岡島正晃、画:曽野由大
- グレートメカニクス誌で連載されているオリジナルストーリー集。同誌に掲載されたものと描き下ろしで構成されている。
- 第1巻 ISBN 978-4575939491
- 第2巻 ISBN 978-4575940671
- 装甲騎兵ボトムズ CRIMSON EYES 作画:杉村麦太
- 『チャンピオンRED』2008年6月号から2009年7月号まで連載。
- ARMORED TROOPER VOTOMS : SUPEREME SURVIVOR (CPM COMICS)著: Tim Eldred
- 1997年に、OVA『野望のルーツ』とテレビシリーズ第1話をコミカライズしたアメコミ(グラフィックノベル)版。
模型
タカラはダグラムでミリタリーに強い金型屋を押さえたため、複雑なデザイン造形が可能になった[19]。
当初はタカラがスポンサーとなって製作された作品であるため、同社から1/24スコープドッグをはじめとする数々のATがプラキット化された。しかしタカラのアニメ模型からの撤退により模型の金型はいくつかの模型会社を転々とし、根強い人気にもかかわらずキットにプレミアがつくような時期が続いた[20]。その後、ウェーブが前述の1/24スケールキットに手を加えた「スコープドッグ・ターボカスタム」などを発売。更にバンダイが、傘下のエモーションレーベルからの作品DVD化とともに本作品のプラキット化権を獲得し、同社制作の初めてのOVA『ペールゼン・ファイルズ』登場のATを含む1/20スケールキットを発売した。
ゲーム
家庭用ゲーム機
- 装甲騎兵ボトムズ ザ・バトリングロード(スーパーファミコン、1993年10月29日)
- 製作タカラ。アクションゲーム。
- 初のコンシューマーゲーム。ウドの街等を舞台にした、終戦から開戦までの外伝物。脚本は、ゲームパッケージに「サンライズのスタッフ」と表記されているが、今西隆志が担当。キャラを塩山、ゲームAT等を大河原と、本作スタッフがデザイン。『赫奕たる異端』を準備中のスタジオで、今西演出、塩山作画監督、銀河万丈ナレーションによるCM映像が制作された。
- 装甲騎兵ボトムズ外伝 青の騎士ベルゼルガ物語(PlayStation、1997年10月30日)
- 製作タカラ。3Dアクションゲーム。
- 小説『青の騎士ベルゼルガ物語』の「黒き炎編」をゲーム化。初回限定版には1/24デュアルモデルのスコープドッグパラシュートザック装備とバトリングプレミアムカードが付属。主人公のケイン・マクドガルやクリス・カーツなど、原作のキャラクターが多数登場する。終盤の選択肢でケインかクリスのどちらかがラスボスになり、エンディングも変わるマルチエンディング方式が採用されている。隠しコマンドを入力する事で通常では手に入らないシャドウ・フレアが使用出来る。
- 装甲騎兵ボトムズ ウド・クメン編(PlayStation、1998年4月2日)
- 製作タカラ。3Dアクションゲーム。
- テレビ本編のウド編からクメン編までをゲーム化。ただし、クメン編は一部のみ。初回限定版は1/24デュアルモデルのスコープドッグレッドショルダーカスタムとバトリングプレミアムカードが付属。
- 装甲騎兵ボトムズ ライトニングスラッシュ(PlayStation、1999年3月18日)
- 装甲騎兵ボトムズ 鋼鉄の軍勢(PlayStation、1999年9月30日)
- 製作タカラ。ターン制戦術級シミュレーションゲーム。
- 装甲騎兵ボトムズ(PlayStation 2、2007年11月15日)
上記の他、本作の直接的なゲーム化ではないが、クロスオーバー系ゲーム数作品に本作に登場するキャラクター、並びにロボットが複数登場している。
- ブレイブサーガシリーズ
- サンライズ英雄譚
- バトルオブサンライズ
- ハロボッツシリーズ
- 第2次スーパーロボット大戦Z 破界篇/再世篇(PlayStation Portable)
- バンダイナムコゲームス作品・スーパーロボット大戦シリーズ20周年記念作品。前編である『破界篇』は2011年4月14日、後編である『再世篇』は2012年4月5日に発売された。
- 第3次スーパーロボット大戦Z 時獄篇 - (PlayStation 3 / PlayStation Vita)前編『時獄篇』2014年4月10日発売。
PCゲーム
- 装甲騎兵ボトムズ ブラック・ユニコーン(PC-8801mk2、1988年12月8日)
- ファミリーソフト。シミュレーションゲーム。
- 外伝。キャラクターデザインは谷口守泰。アクション要素のあるシミュレーションゲーム。
- 装甲騎兵ボトムズ DEAD ASH デッド・アッシュ(X68000、1991年6月20日)
- ファミリーソフト。シューティング。
- 外伝。キャラクターデザインは加瀬政広。主人公はバトリング選手で、ゴウトと契約する。キリコと戦い、ワイズマンの後継者を目指す展開まである。
- 装甲騎兵ボトムズ THE REAL BATTLE(PC-9801、1996年11月22日)
- ファミリーソフト。バトリングシミュレーション。
- プレイヤーのバトリング選手を育成するゲーム。
- 2009年よりプロジェクトEGGからWindowsXP版発売。
ゲームブック
- 装甲騎兵ボトムズ 復讐の惑星シド(山口宏/ スタジオ・ハード 1987年9月10日)
TRPG
- BATTLING バトリング(ツクダホビー、1992年6月)
- 装甲騎兵ボトムズTRPG(トイインターナショナル/エンターブレイン、2001年3月)
- 制作監修はサンライズ。ログインテーブルトークRPGシリーズ。
ボードウォー・シミュレーションゲーム
- HG-048 装甲騎兵ボトムズ RED SHOULDER(ツクダホビー、1986年3月)
- FS-005 装甲騎兵ボトムズ CIVIL WAR(ツクダホビー、1986年6月)
3Dシミュレーションゲーム
- NO.3 PLOTTERS CITY WOODO (プロッターズシティウド)(タカラ、1983年11月)- ボードゲーム。立体のATのユニット(駒)を使用する。
トレーディングカードゲーム
- 装甲騎兵ボトムズ ザ バトリングカード(タカラ、1997年) - 本作が原作のカードゲーム。
- ブレイブサーガ(タカラ、1999年4月) - 上述のゲームのカードゲーム版。
- サンライズクルセイド(バンダイ、2007年10月) - サンライズ作品のカードゲーム。第1章 異界の聖戦から登場。
タイピングソフト
- 装甲騎兵ボトムズ タイピングトルーパー(Windows、Mac、イーフロンティア、2003年2月7日)
- タイピング練習ソフト。ゲーム性のあるステージは、ウド編、クメン編の全6ステージ。メインキャラは音声付で、ATはフルCG、銀河万丈の予告付き。難易度は高め。
その他PCソフトウェア
- ペーパーフィギュア
- スコープドッグ(Windows、Mac、インナーブレイン、1997年)
- ペーパーフィギュア ブルーティッシュドッグ(Windows、Mac、インナーブレイン、1998年5月21日)
- ペーパーフィギュア スコープドッグリニューアル版(Windows、Mac、インナーブレイン、1998年5月28日)
- スコープドッグやブルーティッシュドッグのペーパークラフトの展開図データ。カラープリンタで展開図を印刷して組み立てる。
- データベース
- 装甲騎兵ボトムズ デジタルメモリアル1(Windows、Mac、ムービック、1999年10月17日)
- CD-ROM2枚組のデータベース。収録内容は、制作者インタビュー、年表、予告、音声集、ギルガメス文字フォント、大河原イラスト、スコープドッグVR集等。
パチンコ・パチスロ
2011年にサミーからパチスロ 装甲騎兵ボトムズのリリースが発表され、同年4月下旬に全国のパチンコ・パチスロ店に設置。2013年にサンスリーからパチンコCR装甲騎兵ボトムズが同年8月に発売された。
参考文献
脚注
関連項目
- ※テレビシリーズ放送当時、タカラが発行していた模型雑誌。
外部リンク
- サンライズ公式Web内の作品紹介
- ボトムズweb - ボトムズシリーズのオフィシャル・ホームページ
- 松浦晋也のL/D『究極のおやじアニメ、「装甲騎兵ボトムズ」を語る』
- ボトムズパーフェクトモデルズ - ホビージャパンのボトムズ特集コーナー。同じurlでかつては「WE ARE ボトムズ」という題名で「コマンドフォークト」の公式サイトを兼ねていた。2013年ごろ一時消滅していたが、2014年ごろは書籍『ボトムズパーフェクトモデルズ』の告知に変わるなど、時期によって内容は大きく変化している。
- ↑ 1.0 1.1 テンプレート:Cite book氷川竜介「この作品の世界観がスゴイ! 装甲騎兵ボトムズ」、p.82
- ↑ 2.0 2.1 テンプレート:Cite book
- ↑ OVA『野望のルーツ』で、郷里である惑星サンサでレッドショルダー部隊に襲撃されたらしいことが示唆される。さらに、『ペールゼン・ファイルズ』で明かされたところでは、死なない人間=異能生存体の実験のために、キリコは火炎放射器で焼き殺されかけ、その時に味わった壮絶な心身の苦痛が後々までもトラウマとなったのだという。
- ↑ しかもキリコ機はスコープドッグの「ターボカスタム」であったが、リーマン機はターボカスタムでない「コマンダーカスタム」である。
- ↑ テンプレート:Cite book
- ↑ 6.0 6.1 テンプレート:Cite journal
- ↑ プラモデルの組立説明書の記述より。
- ↑ プラモデル『1/24 ATM-09STスコープドッグ』(タカラ・1983)付属解説書の記述による。
- ↑ テンプレート:Cite journal
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ 11.0 11.1 テンプレート:Cite book
- ↑ 12.0 12.1 12.2 12.3 12.4 テンプレート:Cite book
- ↑ 13.0 13.1 テンプレート:Cite bookはーらん・えりそん「フィルムとBGM」、p.177
- ↑ 14.0 14.1 テンプレート:Cite journal
- ↑ テンプレート:Cite journal
- ↑ テンプレート:Cite book
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ スポンサーのタカラが本作放送開始の前後に発行した、商品パンフレット『SAK 3D HOBBY』における本作の紹介文でも「10年戦争」との表記があるため、これが誤植でない限りは企画段階や初期設定で戦争の期間が10年とされていた可能性がある。
- ↑ GREAT MECHANICS 4
- ↑ ホビージャパン別冊『モデラーズマテリアルシリーズ6:装甲騎兵ボトムズ』ベルゼルガDT製作記事注釈より。