キングレコード
キングレコード株式会社(英称:KING RECORD CO., LTD.)は、日本のレコード会社。出版社である講談社(当時・大日本雄辯會講談社)の音楽部門として1931年に発足した。ロゴ表記は主にKING RECORDSが使用されているが、戦前から使われているライオンマークも存在する。
目次
概要
1931年に大日本雄辯會講談社系列として創業。戦前は主に「キング」「キングレコード」のレーベル名で、日本コロムビア・日本ビクター・日本ポリドール・テイチクといった大手レーベルと並び、流行歌や軍歌(戦時歌謡)を製作・発表。『愛馬進軍歌』『出征兵士を送る歌』などがヒットする。戦時中は敵性語排斥により富士音盤(ふじおんばん)とレーベル名を変更したが、戦後にキングレコードに戻す。1951年にキングレコード株式会社として独立(設立)。
演歌に強いレコード会社としても知られており、1990年代後半の演歌歌手リストラが問題化した際には、リストラされた一部演歌歌手の受け入れを行っている。
アニメ・声優専門レーベルの「スターチャイルドレコード」を持つ[注 1]ほか、ヘヴィメタル・プログレッシブ・ロック専門レーベル「ネクサス」、フュージョンレーベルの「エレクトリックバード」、ダンスミュージックレーベルの「Venus-B」、クラシック専門レーベルの「ドイツ・シャルプラッテン」[注 2]も持っている。
最近は、音楽業界の不況の中、一時期不況のあおりを受けたレコード会社ということで報道番組にも出ることもあったが、水樹奈々や2008年に移籍してきたAKB48、2010年にメジャーデビューを果たしたももいろクローバーZ(旧・ももいろクローバー)などを筆頭に売上を伸ばしており、オリコン上半期の音楽ソフト市場レポートによると、メーカー順位を上げている[1]。
またかつて、ゲームミュージック専門レーベルでは、「ファルコムレーベル」[注 3]「コナミレーベル」[注 4]を持っていたことがあるほか、1980年代から2005年頃まではゲームソフトの販売にも携わっていた。
沿革
- 昭和6年(1931年)1月:大日本雄辯會講談社にレコード部が設置される(創業)
- 昭和26年(1951年):キングレコード株式会社を設立。米キャピトル・レコードと配給契約。
- 昭和29年(1954年)1月:英デッカ原盤のロンドンレーベルによる、ffrrの第1回LP発売。[2]
- 昭和30年(1955年):キャピトル・レコードが英EMIの傘下に入ったことにより、キャピトル・レコードの発売権が東京芝浦電気レコード事業部(後に東芝EMI→EMIミュージック・ジャパン)に移行。
- 昭和34年(1959年)2月28日:ステレオ・レコードを発売開始(英デッカ原盤によるロンドンレーベルによるffssレコードなど)。特に第1号であるカール・ミュンヒンガー指揮、シュトゥットガルト室内管弦楽団によるヴィヴァルディ「四季」(SLB-1[注 5])は、初版で当時のステレオ・クラシックLPとしては異例の2万枚の大ヒットとなる。
- 昭和34年:自社によるステレオ録音をスタートさせる。
- 昭和56年(1981年)10月:英デッカがポリグラムの傘下に入ったことから、同社原盤による新譜やポピュラーの旧譜などのほとんどの発売がロンドンレコード(後にポリドール・レコードに吸収合併)に移行されるが、英デッカの強い要請により、ステレオ初期を中心とするクラシックの旧譜の発売については引き続き行うこととなり、作品によっては再発売の度にキングとポリドールで販売を往復したものや、CD・アナログレコード・カセットテープで発売元が異なる物もあった。
- 昭和58年(1983年):CDの発売を行う。(朝比奈隆指揮によるリヒャルト・シュトラウス「ツァラトゥストラはかく語りき」ほか)
- 昭和60年(1985年):大手家電メーカー三洋電機(現在のパナソニック)の資本参加と業務提携を実施。CDプレスの中心拠点を同社に置く。
- 昭和61年(1986年)12月:新しく出た媒体CDに疑問を投げかけた当時の同社プロデューサーの高和元彦が、高品質のアナログLPである「ザ・スーパー・アナログ・ディスク」を発売し、英デッカを初め国内外から絶賛を浴び、後の高品質アナログ・ディスクのパイオニア的存在となる(当初は日本ビクターにてプレスを行った)。[注 6]
- 平成2年(1990年):創業時から提携関係にあった、独テレフンケンを所有する独テルデック社がワーナーミュージックの傘下に入ったため、同原盤による発売が中止される[注 7]。
- 平成5年(1993年):新本社社屋完成
- 平成8年(1996年):関口台スタジオ完成
- 平成10年(1998年):江戸川橋スタジオ完成(倒産した六興出版のスタジオを改装)
- 平成12年(2000年):英デッカがユニバーサルミュージックの傘下に入ったため、同原盤によるロンドンレコードの発売が全て中止となる。
- 平成13年(2001年):創業70周年
- 平成17年(2005年):東京放送(TBS)による資本参加と業務提携を実施
- 平成18年(2006年):創業75周年
- 平成23年(2011年):創業80周年
- 平成23年(2011年)12月30日:AKB48「フライングゲット」が第53回日本レコード大賞を受賞 。同社所属歌手のレコ大受賞は梓みちよ(1963年・第5回)、布施明(1975年・第17回)、大月みやこ(1992年・第34回、歌謡曲・演歌部門)に続き史上4組目。
- 平成24年(2012年)12月30日:AKB48「真夏のSounds good !」が第54回日本レコード大賞を2年連続受賞。同社所属歌手のレコ大連続受賞としては史上初。
レーベル・所属アーティスト
子会社
- 株式会社セブンシーズミュージック
- 株式会社キングインターナショナル
- ベルウッド・レコード株式会社
- 株式会社キングエンタープライズ
- 株式会社キング関口台スタジオ
「…のすべて」、「…の謎」シリーズ
「軍艦マーチのすべて」を1998年に発売して以降、キングレコードは「…のすべて」、「…の謎」シリーズを展開してきた。2003年(平成15年)度には、「むすんでひらいての謎」が第58回文化庁芸術祭優秀賞を受賞した。
「…のすべて」シリーズ一覧
- 軍艦マーチのすべて(1998年)
- 君が代のすべて(2000年)
- 軍歌のすべて(2000年)
- 日本の労働歌ベスト(2001年)
- 螢の光のすべて(2002年)
- ラジオ体操のすべて(2003年)
- 荒城の月のすべて(2003年)
- 四国民謡のすべて(2004年)
- 海ゆかばのすべて(2005年)
- マーチのすべて(2006年)
- お玉じゃくしと権兵衛さんのすべて(2006年)
「…の謎」シリーズ一覧
ゲームソフト
- 1987年8月7日 - ミラクルロピット 2100年の大冒険(ファミリーコンピュータ)
- 1989年3月17日 - ジーザス 恐怖のバイオモンスター(ファミリーコンピュータ)
- 1993年10月8日 - スーパー競走馬 風のシルフィード(スーパーファミコン)
- 1996年12月27日 - 出世麻雀大接待(セガサターン)
- 1998年8月6日 - 3×3EYES 〜転輪王幻夢〜(プレイステーション)
- 1998年9月10日 - どきどきポヤッチオ(プレイステーション)
- 1999年3月11日 - 奏(騒)楽都市OSAKA(プレイステーション)
- 2000年9月29日 - 新世紀エヴァンゲリオン 麻雀補完計画(ゲームボーイカラー)
- 2001年12月21日 - シャーマンキング 超・占事略決 ふんばり編/メラメラ編(ゲームボーイカラー)
- 2002年7月26日 - シャーマンキング 超・占事略決2(ゲームボーイアドバンス)
- 2002年12月13日 - シャーマンキング 超・占事略決3(ゲームボーイアドバンス)
- 2003年4月25日 - あずまんが大王アドバンス(ゲームボーイアドバンス)
- 2004年4月23日 - 宇宙のステルヴィア(ゲームボーイアドバンス)
- 2005年9月9日 - 瓶詰妖精 〜はる・なつ・あき・ふゆ せんせいさんと一緒〜(Windows)
参考文献
- レコード芸術(1954年1月、1958年2月など)
脚注
注釈
出典
関連項目
- Oh!sama TV
- ベルウッド
- スターチャイルド
- 大月俊倫
- VC制作部 → MM制作部 → 第三クリエイティブ本部
- 林伊佐緒
- 阿羅健一
- TCエンタテインメント - 株主である東京放送ホールディングス傘下の映像ソフト会社
- 怪談新耳袋
外部リンク
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- ↑ 同第1号は、エドゥアルト・ファン・ベイヌム指揮のアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏による、ブラームス作曲の「交響曲第1番」だった(LP番号:LLA-10001、レコード芸術誌推薦)。