大月俊倫
大月 俊倫(おおつき としみち、1961年12月18日 - )は、日本のレコード会社・キングレコード専務取締役(スターチャイルドレーベル担当)。また、アニメ・特撮企画会社ガンジス社長でもある。茨城県水戸市出身。[1]
日本大学農獣医学部卒。現在、大阪芸術大学芸術学部キャラクター造形学科アニメーションコース客員教授、日本工学院、81プロデュース特別非常勤講師。2010年10月末からは、円谷プロダクションの取締役に就任。
経歴
大学在学中はアニメ雑誌『アニメージュ』のアルバイトでアニメの仕事をし、卒業後はキングレコードにアルバイトで勤務し、1984年に入社、スターチャイルドレーベルに所属。『必殺仕事人』や『ゴジラ』のサントラ盤など当初は特撮関係のアルバムを手がける。しかし、入社して3年目くらいでスターチャイルドのスタッフの過半数が退社してユーメックスを設立。その後もスタッフの退社が相次ぎ、スターチャイルドには大月ともう1人の2人が残された状態で、『機動戦士ガンダム』のブームも去ったことから億単位の赤字を抱え、スターチャイルドは廃部の危機を迎えた。この機に大月は、毛利和昭のオリジナルデザイン・イラストで『ドリームハンター麗夢』ドラマCDを初プロデュースしヒットを飛ばす。以後、高田裕三の『3×3 EYES』、CLAMPの『聖伝-RG VEDA-』、高河ゆんの『マインドサイズ』など漫画のイメージアルバムのヒットを重ね地道に実績を積み上げていった。アニメのサウンドトラックでは『鎧伝サムライトルーパー』『赤い光弾ジリオン』『NG騎士ラムネ&40』などを手がけている。
音楽プロデューサーとしては、1990年代から新進気鋭の女性声優を積極的にプロデュースし、声優ブームの立役者となった。後に林原めぐみの才能を見いだし、スターチャイルド事実上の専属タレントとして徹底的に売り込み、スターダムにのし上げた[2]。
1994年のテレビアニメ『BLUE SEED』以来、アニメの製作プロデューサーとしても多くのアニメ作品を手がけ、パイオニアLDC(現:ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメントジャパン)の真木太郎とともにアニメにおけるメディアミックス手法を確立した人物と言われる(『偽・うPの時事放談』の第1回放送より)。特に1995年の『新世紀エヴァンゲリオン』は社会現象ともなる大ヒットとなり、ヒットメーカーとしてその名を轟かせることとなった。ちなみに、口を出したくなるという理由で、放送時には見ていない。庵野監督が作品を引き受ける条件は、作品に対してビジネスの要求を一切しないことであったという[3]。
予算の管理には厳しいとされ、『鉄人28号』では今川泰宏におけるロボットアニメの持論「400カット以上×本数」ができず、方向転換を余儀なくされた経緯がある。
1997年、文化放送にて毎週水曜日26時よりZMAPのLIPS LIPS FACTORY放送開始。この番組は大月がリーダーとなり置鮎龍太郎・伊藤健太郎・真殿光昭・南央美・川上とも子(初期はゲスト出演、のちにレギュラー化)の人気声優たちを集めZMAPを結成。そのメンバー全員と大月自身が出演し、約1時間の生放送を行った。 当初から暴言・放言・飲酒放送当たり前で内ゲバのぶっちゃけトークが飛び交う内容で、大月が人生相談を行うレギュラーコーナーがあったり、放送開始冒頭に大月が同時期機動戦艦ナデシコにて共に仕事をしていたうえだゆうじに対するダメ出し(仕事以外での付き合いが悪い等)を行った事もあった。また、同番組内では生ラジオドラマ「機動戦艦ZMAP」が放送されていて、大月本人もレギュラー出演、自然体(というより本人そのまま)の演技を披露している。
なお、ZMAP-1名義(大月を除いた他のメンバーという意味)でForever LoveというシングルCDも発売されたが、アイドルグループの名前にあまりに似すぎていたためにそれ以降の活動は立ち消え状態になった。
大月本人とは親交が深い千葉繁と共に、清水愛をデビューに導いた立役者である(その後はランティスやMellowHead関連の活動が主体となったが)。
「超星神シリーズ」では、大月本人はクレジット表示されていないが、代わりに原作クレジット表示にガンジスが書かれている。
第1回国際ニコニコ映画祭審査委員会の審査員として参加している。
2010年の10月末からは、円谷プロダクションの取締役に就任。 平成ガメラシリーズなどの特技監督として有名だった樋口真嗣を口説き、樋口監督が手がける初のテレビドラマ「MM9」をプロデュースした[4]。
2013年現在、スターチャイルド本部長ではないが、専務取締役の担務として担当役員となって業務を統括しているほか、各作品・アーティストのエグゼグティブプロデューサー職を委嘱の形で継続している[5]。
関わった作品での肩書
- プロデューサー
- エグゼクティブプロデューサー(ほぼ全てのアーティストCD。)
- 企画(最近は個人ではなくガンジス名義が多い)
など。
携わった主な作品
アニメ
- ドリームハンター麗夢(OVA・CDドラマ)
- 竜世紀(OVA)
- 強殖装甲ガイバー(OVA)
- 新世紀エヴァンゲリオン
- ロスト・ユニバース
- 魁!!クロマティ高校
- アキハバラ電脳組 2011年の夏休み
- 機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-
- 少女革命ウテナ
- 無敵王トライゼノン
- サクラ大戦 活動写真
- スレイヤーズ
- テイルズ オブ エターニア
- ローレライ
- ラブひな
- シスター・プリンセス
- フルーツバスケット
- 陸上防衛隊まおちゃん
- 朝霧の巫女
- ななか6/17
- シスター・プリンセス RePure
- 「鉄人28号」4作目
- 蒼穹のファフナー
- 魔法先生ネギま!
- まほらば〜Heartful days
- ぱにぽにだっしゅ!
- いぬかみっ!
- がくえんゆーとぴあ まなびストレート!
- ネギま!?
- ヒロイック・エイジ (2007年)
- ながされて藍蘭島 (2007年)
- みなみけ (2007年)
- 俗・さよなら絶望先生 (2008年)
- 薬師寺涼子の怪奇事件簿 (2008年、プロデューサー)
- とらドラ! (2008年)
- マルドゥック・スクランブルシリーズ (2010年 - 2012年)
- モーレツ宇宙海賊 (2012年)
特撮
テレビドラマ
バラエティ番組
等々、ほとんどのスターチャイルド関連作品・所属アーティストに関わる。
脚注
テンプレート:新世紀エヴァンゲリオン- ↑ http://homepage2.nifty.com/hornet18/sub015_0710.htm
- ↑ もっとも、大月本人は声優ブームに関心がなかったようで、声優ブーム以前に大月が企画CDで女性声優にキャラクターソングを唄ってくれるよう頼んだところ「『何で私が歌を唄わなくちゃならないの?』とバカにするなと言わんばかりの態度をされた」と語り、女性声優が続々とCDをリリースする現状を皮肉っていた。また、雑誌のインタビューで当時の声優ブームを「声優バブル」と切って捨てるなど、大月が当時過熱気味だった声優ブームを冷めた目で見ていたことが伺える。
- ↑ 竹熊健太郎×宮台真司 ヱヴァンゲリヲン新劇場版公開記念 深夜の緊急対談:序破急
- ↑ 樋口真嗣最新作『MM9』メディアの現在を示し、深夜枠を揺るがすドラマの意義とは!?
- ↑ テンプレート:Cite web