セガサターン
テンプレート:独自研究 テンプレート:Infobox コンシューマーゲーム機 セガサターン(SEGA SATURN)とは、セガ・エンタープライゼス(現:セガ)から発売された家庭用ゲーム機である。一般にはサターンもしくはSSの略称で呼ばれる。
発売時の日本での価格は44,800円。
目次
概要
前機種メガドライブまでの上位互換路線をやめ、構成を一新して開発された。同時期に発売されたPlayStation等の、当時の「次世代ゲーム機」と呼ばれた機種と共に一時代を築いた。また開発に関わった日本ビクター(現:JVCケンウッド)と日立製作所からもそれぞれ互換機が発売された。
当時のアーケードゲームと比較しても高水準の2D描画機能を搭載、しかしその関係でポリゴンを使えないが、変形スプライトでそれによる3D描画を用いることもできる[1]代表的なゲームタイトル『バーチャファイター2』はミリオンセラーを記録した。
セガサターンの名称は、セガの第六番目のコンシューマゲーム機ということから太陽系第六惑星である土星から付けられた。
仕様
- CPU
- RAM 2MB
- VRAM 1.5MB
- バックアップRAM 256Kビット(CR2032リチウム電池一個による)
- 画面表示(VDP2)
- スプライト機能(VDP1)
- 拡大縮小、回転、変形サポート
- 擬似ポリゴン機能:フラット50万ポリゴン/秒、テクスチャ10万ポリゴン/秒(最大)
- スプライト同士やBG面との半透明合成表示
- DSP/DMA機能(SCU:System Control Unit)
- 音源
- CD-ROMドライブ
- 1基(2倍速)
- バッファRAM:512KB
- 制御チップ:SH-1(SH7034、20MHz)
- スロット:カートリッジ1、拡張用1
- コントロール端子2個、XYZABCの6ボタン+スタート1ボタン+LRのコントロールパッド1個付属(ABC+スタートでソフトリセット可能)
- 内蔵ソフト:セーブデータ(内蔵メモリ・パワーメモリー)管理、時計管理、CDプレイヤー(CD-G表示機能、各種エフェクト・特殊再生機能付き)
- 通信拡張端子(COMMUNICATION CONNECTOR):シリアルポートとMIDIインターフェイス。
構成
その多彩な機能を支えるべく、多くのLSIに分散された構成となっている。
初代機(HST-3200)相当に実装されているLSIはおおよそ以下の通り。他の本体形番ではLSIが異なる。
- HD6417095 01.jpg
SH-2 HD6417095
(1 CORE版) - Ss chip 315-5688 01.jpg
SCU 315-5688
(FH3007) - 315-5689 01.jpg
VDP1 315-5689
(HD64440F) - 315-5690 VDP2 01.jpg
VDP2 315-5690
(FH3006) - 315-5687 01.jpg
SCSP 315-5687
(YMF292-F) - 315-5744 01.jpg
SMPC 315-5744
(HD404920FS)
CPU
メインCPU(Central Processing Unit)に日立製作所(現・ルネサス エレクトロニクス)の32ビットマイコン、SH-2を2基搭載している。SH-2は1992年に登場した制御用マイコンSH-1の後継で、セガサターンの仕様に合わせていくつかの機能強化が行われている。
- 動作周波数の向上
- 20MHzから28.6MHzへ上昇させた。なお、28.6MHzはビデオ出力の同期タイミングと一致する。
- 除算器の搭載、乗算器の高精度化
- SH-1から新規に除算器を搭載した。また乗算器を16bit×16bit=32bitから32bit×32bit=64bitへ高精度化し、これらにより投影変換などジオメトリ演算を実用的な精度や速度で実行することが可能となった。
- マルチプロセッサ機能
- 2基のCPUは内部にあるバスアービトレーション機能によりコミュニケーションをとる事ができる。セガサターンは共有メモリ構成であるため、命令やデータがCPU内のキャッシュにヒットしている時や内部2kバイトのメモリへのアクセス時などは同時に演算させることが可能となる。またユーザブレーク機能で外部バスサイクルによるブレークを行えばキャッシュコンシステンシを保つことも可能であり、マルチコアシステムを構築することもできる。ただしキャッシュ容量の制限や、もともと1基で設計したものに後から追加したことなどにより、2基分のパフォーマンスを得ることは容易ではなく、大方のゲームタイトルではサターンを単にシングルプロセッサのシステムとして使用することを選択した。
- SDRAMインタフェースの搭載
- 当時策定されたばかりのSDRAMインタフェースを搭載し、データ転送能力を従来よりアップさせた。
SH-2は制御用マイコンであり、16ビット命令語長を基本とするなど小メモリ構成のシステムに向いた特長を持っている。概してこの当時のゲーム機器は限定された環境であり、セガサターンはメインメモリは2Mバイト、キャッシュも4kバイトと小容量だった。
開発当初は1CPUのアーキテクチャとして開発が進められたが、他社競合機がより高い演算性能を持つことが判明、演算能力の大幅な向上を迫られることとなった。当時残された開発期間の短さなどにより、2基のCPUを搭載する方向へとそのアーキテクチャを変更した。
さらにSCU(System Control Unit)内蔵のDMACやDSPとの連携も行っている。またサブCPUとして、サウンド処理にMC68EC000、CD-ROMドライブの制御にSH-1が搭載されており、各種の処理を並列化する非常に贅沢なアーキテクチャを持つ。
VDP
VDP(Video Display Processor)はCPUなどがVDPにデータや命令を送ることで画像の描画や表示を行うデバイスで、セガサターンを特徴付ける描画の多彩さを担っている。セガサターンでは2基のVDPを搭載し、変形スプライト機能(VDP1)と、BG(バックグラウンド画面)機能(VDP2)に処理を分散している。
- VDP1
- VDP1は変形スプライトやポリライン、ラインなどを描画するデバイスで、スプライトゲームのデカキャラから3Dゲームのポリゴンオブジェクトまで様々な表現が可能である。4MビットのVRAMと2Mビット×2個のフレームバッファを接続しており、320×224から704×480までの解像度に対応している。旧来のゲーム機において標準的だったラインバッファによる横方向の表示制限はなく、フレームバッファ上に描画して出力する構造である。
- スプライトおよびBGに関しては、セガが当時主力としていた業務用ゲーム基板のシステム32以上の機能や性能を有しており、同時代のゲーム用VDPとしては最高水準の一つだった。その一方で、例えば半透明処理に機能的な制約がありメッシュ機能で代用される場合も多いなど、ポリゴン描画機能にはいくつかの制限があり、3D表現の自由度は競合機、特にプレイステーションのGPUと比較し低かった。(ポリゴンがスプライトで表示されるため「疑似ポリゴンでポリゴンではない」と説明されることがあるが、ポリゴンは多角形の組み合わせで物体を表現するものであり、四角形であろうとスプライト表示であろうと間違いなくポリゴンである。正しくは「専用の3D表示プロセッサを持っていない」である)
- VDP1単体の描画性能は最大50万ポリゴン/秒、テクスチャ付きでも10万ポリゴン/秒だが、セガサターンのシステムとしてみた場合、ピクセル描画性能やCPUが担当するジオメトリ演算性能などに制限され、最大描画性能が出ることはない。
- VDP2
- VDP2が担当するBG機能は、拡大縮小・回転等が可能な独立したBGを5面もつなど、当時の水準ではきわめて強力なものを搭載しており、特に業務用ゲームなどの移植においてはその威力を遺憾なく発揮した。VDP2から見たVDP1はBG面の1つという位置付けであり、他のBG面と同様な合成処理が可能である。
メモリ構成
セガサターンのアーキテクチャにおいて特筆すべき点のひとつとして、同時代の家庭用ゲーム機としては豪華なメモリシステムがある。メインメモリに2Mバイト、ビデオメモリに1.5Mバイト、サウンド、CD-ROMバッファメモリにそれぞれ0.5Mバイトの計4.5Mバイトもの容量を搭載し、なおかつそれぞれの機能ブロックがサブシステムとして独立しているため、各システムが並列的にアクセスすることができた。
特に、プログラムとデータの大部分を格納するメインメモリのうち前半の1Mバイト、およびビデオメモリの全てに高速なSDRAMを用いており、ボトルネックを引き起こしにくい構造としている。メインメモリの後半1Mバイトは通常のDRAMだが、後述するスロットによってROMまたはRAMを拡張することができ、競合機と比較すると潤沢かつ強力なメモリ環境を実現していた。
またCD-ROMサブシステムのバッファメモリによりCD-ROMメディアのアクセス時間が軽減され、特に格闘ゲーム等の頻繁にローディングを要するゲームなどに活用された。
CD-ROM
ソフト媒体として、倍速のCD-ROMドライブを内蔵した。セガサターン用のCD-ROMは外周に海賊版対策のための「サターンリング」と呼ばれる特殊な領域を持っており、通常のCD-ROMと比べると容量は少ない。
カートリッジスロット
本体上部に、カートリッジを差し込むためのスロットが存在する。
このスロットを使ってそれ以前のゲーム機と同様にロムカセットでソフトを供給することも考慮されていた。また、バス信号のほとんどが出ていたため、メガドライブに対するメガCDやスーパー32XのようなCPUアクセラレータ、グラフィック機能の拡張なども仕様上は可能だった。しかし最終的にその様なソフト及び拡張機器が発売される事は無かった。 周辺機器を接続するものとしてはセガサターンモデム、ビクターのモデムなどでカートリッジスロットが使用された。
当初はゲームのデータセーブエリアを増やすフラッシュメモリカートリッジ「パワーメモリー」のために使われるのが一般的だったが、データの読み込み時間を軽減するためにCD-ROMとロムカートリッジとを併用する「ツインアドバンスドROMシステム」構想が発表され、『ザ・キング・オブ・ファイターズ95』と『ウルトラマン 光の巨人伝説』の2本に採用された。また、特定のゲーム専用のROMではなく、汎用的に扱えるようにサターンのRAMを拡張することで同様の効果を得られる「拡張RAMカートリッジ」が発表され、メタルスラッグ等のアクションやCPS-2システムのカプコンの格闘ゲーム等が競合機を上回るアニメーションクオリティで移植された。
後に「拡張RAMカートリッジ 4MB」なども発表され「X-MEN VS. STREET FIGHTER」や「マーヴル・スーパーヒーローズ VS. ストリートファイター」などに使われた。
このスロットは従来のROMカートリッジスロットを採用していたゲーム機と比較するとピンの幅が狭く、端子の接触面積が少ないことから接触不良を起こしやすかった。拡張RAMカートリッジが必要なソフトをプレイするためパワーメモリーの抜き差しを繰り返すうちに、パワーメモリー内のセーブデータが全て消去される事故が多発した。
コスト、上位非互換
CPUなどを始めとした部品点数の多さや複数社からの半導体の採用は、後々の再集積化やチップシュリンクによるコストダウンを困難にする原因となった。末期には2基のCPUやVDPをワンチップ化するなどのコストダウンも図られたが、コストを大幅に引き下げる事は出来なかった。
またデュアルCPUをはじめ、並列処理を行う周辺プロセッサ等の多さなどにより、上位互換機や完全なゲームエミュレータの開発には要求性能が著しく高く、同時代の競合他機種と比較するとその実装は困難と言われている。
そのためか、後継機のドリームキャストはセガサターンとの互換性を持たない新規アーキテクチャとなっている。
その他
業務用タイトルからの移植
旧来のゲーム機を正統進化させたオーソドックスなBG画面とスプライト/ポリゴン機能の両面が強いアーキテクチャであり、既存の2D対戦格闘ゲームやシューティングゲーム等にも向いていた。そのため業務用ゲームから数多くのタイトルが移植され、2D作品では同時代に他機種に移植された同名タイトルに比べ、出来が良いとされるものが多かった。
セガは当時アーケードの3Dヒット作を多数持っていたため、3D作品もアーケード移植を中心に多数発売された。
価格設定
発売当初、価格は44,800円とされたが、セガは「新発売から6ヶ月限定の5,000円引き」のつもりでいた。つまり正式な売価は49,800円のつもりだった。しかし、市場から「発売から半年で値上げをする」と受け取られかねないとして、売価を49,800円に「戻す」ことは見送られた。
32ビット機戦争
2Dと3Dの両機能を重んじたセガサターンに対し、市場では競合機を中心に3Dを基調とした作品が溢れていった。
日本においてサターンはセガの歴代コンソールとしては最も好調な売り上げを発売から記録し、1996年まではプレイステーションと互角に渡り合っていたが、かつてセガが強さを発揮していた日本国外の市場においては、人気ソフトである「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」を出さない等のソフトウェア戦略の失敗やライバルの低価格攻勢に対し、十分な成果を上げられないまま、早々に撤退を余儀なくされた。
元々セガの家庭用コンソールは日本国外の依存度が非常に高いが、その高コスト体質から値段を下げられずに主戦場である日本国外での普及レンジに入れず、うまく世代移行させられなかった。前世代Genesis(メガドライブ)の普及率が高かった為延命策を余儀なくされ32Xを発売することになり、ユーザーはセガサターンを買い控える一方32X自体もソフトの開発自体が少なくソフトが揃わず普及しない。結果本来の市場だった日本国外の市場において、自ら失敗を招いてしまう結果となった。セガハードの中では日本市場で最も売れたセガサターンは、実は世界市場では過去最も売れなかった。日本国外に展開したセガ歴代コンソール(セガ・マークIII、メガドライブ、セガサターン、ドリームキャスト)の中で、唯一1000万台を下回っている。
残った日本国内の市場でも、構造上の制約からコストダウンが効かないにも関わらず、価格競争のために値下げを続けた結果、大幅な赤字を計上することとなった。またライバルのプレイステーションよりも高い2D性能は大きなアドバンテージを秘めていたが、セガ側がポリゴン描写とムービー再生という「相手の土俵」に踏み込んでしまったために生かされなかった。
市場の形成に失敗したセガは、セガサターンの拡販を切り上げ、低コストかつ競合機より強力な後継機「ドリームキャスト」の投入を決断した。この時点でドリームキャストの日本国内でのはんばいから2年後の2000年をもって、サターンの市場はスーパーファミコンの市場と共に実質終了した。
流通
セガは日本国内において、任天堂寄りの玩具問屋団体「初心会」を経由して自社の家庭用ゲーム機とゲームソフトを販売しなければならないことに不満を持っていた。そこでセガは、セガサターンの発売に先立つ1994年9月、セガサターンのハードとソフトを専門に扱う卸売子会社「セガユナイテッド」を設立した。この会社は一次問屋の役割を持つとともに大手ゲーム販売専門店との直接取引を行うもので、いくつかの二次問屋からも出資が行われた。さらにセガはハピネットやムーミンといった非初心会系の玩具問屋を流通システムに取り込むとともに、日立メディアフォースとの提携により家電の販売ルートを、東芝EMIとの提携によりレコードの販売ルートを活用した。これによりセガは日本国内でセガサターンを取り扱う小売店の数を急拡大させた。しかし親会社のソニー・ミュージックエンタテインメントのCD-ROM生産設備を使用できたソニー・コンピュータエンタテインメントと異なりセガはCD-ROMの生産設備を所有しなかったため、CD-ROMの特性を生かした柔軟な生産調整を行うことはできず、見込み生産による投機的ソフト流通という点で任天堂と同じ問題を抱えたままであった[2]。
1997年にセガはセガユナイテッドとムーミンを合併させ、「セガ・ミューズ」へと再編した。セガ・ミューズはソニー・コンピュータエンタテインメントの流通システムを模倣し小売店への直販化・直送化を推し進め、リピート発注にかかる期間の短縮を図るとともに、サターンを取り扱う小売店の絞込みを行った[2][3]。
その一方で、プラットフォームホルダーによるゲームソフト流通のコントロールを嫌った有力ソフトメーカー各社は、コナミが1996年4月からプレイステーション用ソフトにおいて自主流通を開始したのを皮切りに、セガ(の卸売子会社)を介さず量販店・大手小売チェーン店に直接ソフトを卸売販売する自主流通を日本国内で開始した[2]。
年齢制限
セガサターン用ゲームソフトのジャケットには、以下4種類のうちいずれかのアイコンが記載されており、これによってレイティングを示していた。以下、規制の厳しい順に列挙する。
- 全年齢
- アイコンは緑。全年齢対象。
- 推奨年齢18歳以上
- アイコンは黄色。「18推」と略される。
- MA-18
- アイコンは水色。「Mature Age 18」の略。適用されたのは「アイドル雀士スーチーパイSpecial」のみ。
- X指定
- アイコンは赤。「18禁」とも呼ばれる。
セガサターンの初期段階では、一部のジャンルのソフトに残虐な暴力や性描写などを理由に18禁(通称:X指定)などの年齢制限(CEROのZ区分ないしD区分に相当)を設けて販売を許可していた。
消費者の一部には後々性表現を前提としたアダルトゲーム(エロゲー)の移植を期待するユーザもいたが、ポケモンショック(光過敏性癲癇)問題などを発端にゲーム業界全体がPTAや消費者団体等から批判を浴びた煽りを受け、1996年頃から「X指定」に区分されるゲームの発売が認められなくなった。
それ以降、暴力・性表現を抑える形で「年齢制限(推奨年齢18才以上)」に限って発売が認められるようになった。
広告
広告展開の面においては、「コーンヘッド」と呼ばれる頭部の大きい土星人や、「セガール」、「アンソニー」の二匹のチンパンジーによる比較広告などで評判を集めた。言うまでも無く、セガとソニーを暗示している。また、白サターンにモデルチェンジするにあたって、仮面ライダーで有名な藤岡弘、を起用し、ゲーム化もされたせがた三四郎シリーズを展開するなど、強烈なインパクトのCMを流した。これらはゲームファン層以外にも話題になった。
メインCPUに32ビットプロセッサSH-2を2基搭載していたことから、セガは「64ビット級」と呼称して宣伝した[4]。
バリエーション
家庭用
- セガ製
- セガサターン HST-3200(前期型)
- セガサターン HST-3210(中期型)
- 使用されていなかったファンの穴の削除、その他筐体の設計変更や電源配置の変更、CDサブシステム(SH-1とゲートアレイ,DRAM)をメイン基板に集約した。
- セガサターン HST-3220(後期型)
- 設計の見直しによりコストダウンを図った機種。内部的な見直しと同時に、それまで濃い灰色だったカラーを白(正確にはミストグレー)に変更した事から「白サターン」と呼ばれる。1996年3月22日発売、価格20,000円。97年以降に生産されたものは、一部ソフトに互換性の問題が発生する。
- スケルトンセガサターン
- 白サターンの外装を半透明にしたもの。1998年4月4日発売、価格20,000円。
- ダビスタ同梱版は1999年3月25日発売、カラーは青みがかった半透明、価格20,000円。
- 他社製
- Vサターン【ブイサターン、V-Saturn】RG-JX1、RG-JX1(X)、RG-JX1(Y)(日本ビクター)
- セガサターンと同仕様の互換機。本体色や、起動時のロゴなどが異なる程度。オープン価格。
- Vサターン RG-JX2 「白サターン」と同仕様の後期型も登場した。1996年6月7日発売、オープン価格。
- Hiサターン【ハイサターン、Hi-Saturn】日立マルチメディアプレーヤー MMP-1(日立製作所)
- セガサターンの拡張スロットに独自の拡張カードを搭載し、ビデオCD・フォトCD再生機能を備える。価格64,800円。後にカーナビゲーション機能を搭載した「ゲーム&カーナビ ハイサターン」(価格150,000円)も発売された。
- サムスンサターン 【SAMUSUNG SATURN】SPC-ST(サムスン電子)
- セガサターンの韓国版(前期)。1995年3月発売。ハード、ソフト共にサムスン電子が正式に韓国でライセンス生産・販売していた。BIOSは米国版、EU版と同じで、日本語のメニューはあるが韓国語のメニューは特に無い。リージョン設定は日本と同一で、日本のソフトがそのまま動く。HiサターンやVサターンの部品が混在して使われている、不具合のある個体が多いという情報があるが、昔のwikipedia日本語版に書かれていたことから世界的に広まった情報で、誤情報の可能性が高い[5]。販売は不振で、サムスンはマスターシステム時代より続くゲーム機事業をこの世代で打ち切った(サムスンはドリームキャストにGDドライブの供給を行ったが、意外にもドリームキャストの韓国での販売は行っていない)。そのため後期はKama Digital Entertainment社(PCゲームのデベロッパーで、後に韓国版PC版『ファンタシースターオンライン』などもリリース)がセガと提携して販売した(KAMA Sega Saturn)が、これはライセンス生産ではなく日本からの輸入品で、単に外装が黒い白サターンである。このため、ソフトもサムスンが完全ローカライズを行ったサムスンサターン用ソフトと、日本から輸入したソフトにハングルのシールを張っただけのカマサターン用ソフトが存在する。
業務用
- ST-V
- セガサターンのアーキテクチャを流用して拡張した、上位互換の業務用のゲーム基板。1995年発売。
- サンセイブ GTX
- サンセイブ製。ホテルや旅館などに設置され、コインを入れるとサターンのゲームが遊べる業務用サターン。
- Prologue 21 及び Super Prologue 21(通信カラオケ・通称セガカラ)
- セガ・ミュージック・ネットワークス(当時)が発売した業務用の通信カラオケ。セガサターン向けCD-ROMがそのまま使える。本体前面に六角穴付ボルト2本と蝶番で塞がれたパネルがあり、それを開くとコントローラー接続部、カラオケモードからサターンモードに切り替えるボタン、手動で開閉するフロントローディングのCDトレイ等が操作できるようになっている。付属のコントローラパッドはセガサターンと同じものが一つ付属するがカラオケ室内で使用するためコードが5メートルほどある非売品である。付属のCD-ROMはPrologue21専用パーティゲームが収録されており、サターンモードで動作するが、セガサターンなどでは動作しない。
- 楽曲データ(MIDI形式)は電話回線を通して配信、内蔵のHDDに格納してカラオケ機として機能した点は当時の他のカラオケ機と大差ないが、採点機能やビンゴマシン機能などのソフトウェアもHDDに格納、のちに1000点満点の全国採点機能が配信され、採点結果が楽曲ごとに全国順位が表示される機能が自動アップデートで追加された。
- マイクから入力された声をボーカルラインどおりに矯正するカラオケ練習機能・ボーカルサポートを搭載。この機能は当時としては大変珍しかったが、技術的評価とは裏腹に目立たなく、多くの利用者に注目されたとは言えない。また、この機能に対応した楽曲を配信するには作業コストがそれなりにかかったと思われる。
開発用
開発メーカー向けで市販はされていない。通常のサターン相当の機能に加えてCD-R上のプログラムの実行やバグのチェックができる。初期の開発キットの価格はプレイステーションよりも高価で、安価な開発キットの登場が1995年から1996年頃と遅れたために、中小サードパーティがプレイステーションに流れたことが、プレイステーションに次世代機戦争で敗北する遠因の一つとなった。
- Saturn Development System
- 最初に登場した開発キット。「Programming target box」「Graphics target box」「Sound target box」で構成される「Saturn Programming Box」(ソフィアシステムズ製)と、ICE(インサーキット・エミュレータ)のHITACHI E7000で構成される。1システムあたり30,575ドル(約300万円)。型番はST-1000-01。
- セガサターン アドレスチェッカー
- エスアイエレクトロニクス製。サターンの開発キットの一部で、実行アドレスの不正をチェックする。Ver1.00は通常のサターンの3倍ほどの大きさで、フロッピーディスクドライブがついている。Ver1.01は通常のサターンを改造しただけのもので、フロッピーディスクドライブが付いていない。
- DEV-SATURN
- 1995年に登場した開発キット。通常のセガサターンを改造しただけの物で、「CARTDEV」と言うサターン本体より少し小さい機械と接続し、これをごく普通のPC/AT互換機に接続して開発キットとする。CARTDEVにはRev.AとRev.Bがある。
- PSY-Q Saturn
- 1996年に登場した、開発用サターンの最終形態。Psygnosis( 『ワイプアウト』や『レミングス』で知られるデベロッパー)製。通常のセガサターンを改造しただけの物で、「Psy-Qカートリッジ」をセガサターンのカートリッジスロットに挿し、これをPCに接続して開発キットとする。
その他
- セガプルート(発売中止)
- NetLink(北米版セガサターンモデム)を内蔵した、インターネット対応セガサターン。プロトタイプ機が2台制作された。2013年現在、1台は2013年にインターネットオークションで競り落とした個人が所有し、もう1台は開発に関わった元セガ社員が所有する。
周辺機器
セガ純正
型番 | 名称 | 備考 |
---|---|---|
HSS-0101 | セガサターンコントロールパッド | 本体に1つ同梱。 当時のスケルトンブームに合わせ、期間限定でクールパッドが発売された。 |
HSS-0102 HSS-0139 |
シャトルマウス | セガサターン専用マウス。対応ソフトの多さが特徴。 |
HSS-0103 | マルチターミナル6 | 多人数プレイの為のマルチタップ。 |
HSS-0104 HSS-0136 |
バーチャスティック | セガサターン本体のデザインに似せた前期型、 アーケード筐体のデザインに似せた後期型が存在する。 |
HSS-0105 | S端子ケーブル | サターン本体をテレビに接続する、S端子のAVケーブル。 同梱のAVケーブルより高画質でプレイできる。 |
HSS-0106 | ステレオAVケーブル | サターン本体をテレビに接続する、映像/音声一体型のケーブル。本体に一つ同梱。 |
HSS-0107 | 対戦ケーブル | ライバル機PSにも同様の製品が存在する(SCPH-1040) |
HSS-0109 | RGBケーブル | テレビ、モニタのRGB21ピン端子を使用するAVケーブル。 詳しくはRGB21ピンを参照 |
HSS-0110 | RFユニット | テレビとRF接続するためのRF変調器付きケーブル。 |
HSS-0111 HSS-0138 |
パワーメモリー | ゲームのセーブデータを保存しておくための補助記憶装置。記憶容量は4Mbit(512KB)。 |
HSS-0112 | モノラルAVケーブル | HSS-0106のモノラル版。 |
HSS-0114 | アナログミッションスティック | スペースハリアーとの同梱版も発売された。 |
HSS-0115 HSS-0141 |
レーシングコントローラー | 前期型、後期型の違いはセガサターン本体色の変更にあわせてレーシングコントローラー自体の色が変化しているのみ。現代のレーシングコントローラーとは違い、まだフィードバック機能がない懐かしいものとなっている。 |
HSS-0116 | セガサターンコードレスパッドセット | HSS-0125、HSS-0126のセット。 |
HSS-0119 | ムービーカード | MPEGデコーダーを搭載しており、ビデオCDの再生が可能になる。また、MPEGの動画を収録したゲームソフトも、動画の再生がなめらかになる。 |
HSS-0120 | 電子ブックオペレーター | |
HSS-0121 | フォトCDオペレーター | KodakフォトCDの再生が可能になる。 |
HSS-0122 HSS-0152 |
バーチャガン | 前期型はボタンも含めて黒だが、後期型はボタンが黄色に変更され、側面にセガサターンのロゴが追加された</td> |
HSS-0125 | 赤外線レシーバー | |
HSS-0126 | セガサターンコードレスパッド | 赤外線を用いたワイヤレスコントローラ。 スイッチ切替でテレビリモコンとしても使用可能。 |
HSS-0127 HSS-0148 |
セガサターンモデム | 「セガサターンネットワークス」サービスにより、XBANDの通信対戦や、インターネット接続などのサービス等を行う際に必要なモデム。 |
HSS-0128 | セガサターンフロッピーディスクドライブ | 対応ゲームソフトであればセーブデータの保存も可能。 |
HSS-0129 HSS-0159 |
セガサターンキーボード | 後期型は価格が下げられた |
HSS-0130 | バーチャスティックプロ | セガのアーケード筐体「アストロシティ」の コントロールパネルをそのまま流用。 |
HSS-0137 | セガマルチコントローラー | 通称「マルコン」。コントローラーとケーブルが取り外し可能となっており、その間に周辺機器を挟み込む計画[6]もあったが頓挫した。この計画や形状はドリームキャストのコントローラーに引き継がれた。WiiやPS3のように傾き検知センサーに対応した「エアロナイツ」も企画されたという。 |
HSS-0150 HSS-0167 |
拡張RAMカートリッジ | 前期版は1MB、後期版は4MBワークRAMを拡張する。4MB版は1MB版の上位互換性があるが、不具合を起こすソフトもある。 後期版はスケルトン仕様。 |
HSS-0154 | ツインスティック | 文字通りレバーが2本付いたデジタル入力のアーケード仕様スティック。主に電脳戦機バーチャロン用であるが、機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINYなど他のゲームでも採用された。 |
HST-3200 HST-3210 HST-3220 |
本体 |
- Saturn Controller.jpg
コントロールパッド
HSS-0101 - Sega-Saturn-JP-3D-Pad.jpg
セガマルチコントローラー
HSS-0137 - Saturn PowerMemory.jpg
パワーメモリー
HSS-0111 - HSS-0150 01.jpg
拡張RAMカートリッジ
HSS-0150 (1MB) - Saturn ExpansionRAM 4M.jpg
拡張RAMカートリッジ
HSS-0167(4MB)
他社製品
型番 | 名称 | 発売元 | 備考 |
---|---|---|---|
ASC-0602C | ファイタースティックX | アスキー | 全体的な配色を黒で統一した、海外版セガサターンに合わせたようなジョイスティック。 『バーチャファイター』向けにA・Y・ZボタンにそれぞれG・P・Kとプリントされている。 |
ASC-0602ZERO | ファイタースティックX ZERO2 | アスキー | 白を基調にボタン配色が赤で統一されたジョイスティック。 『ストリートファイター ZERO2』とのタイアップ製品。 |
HC-735 | SBOMジョイカード | ハドソン | A・B・C・X・Y・Z・L・Rボタンそれぞれに秒間26連射を設定可能。 また、各ボタンを押しっぱなしにするホールド機能とSTARTボタンをオート連射する2段階のスロー機能を装備している。 |
HSS-07 | ファイティングスティックSS | HORI | PlayStation用『ファイティングスティックPS』の姉妹品。 |
HSS-09 | リアルアーケードVF | HORI | 『バーチャファイター』シリーズ用に特化したジョイスティック。 そのため、操作ボタンはA・B・Cしか配置されていないが、その分価格が抑えられている。 |
HSS-12 | リアルアーケードVF'(ダッシュ) | HORI | 従来の『リアルアーケードVF』にRボタンを追加したジョイスティック。 |
IMS-03 | SGトルネードスティック | イマジニア | 初期型セガサターンに合わせた、グレーを基調にしたジョイスティック。 |
MKU-1 | カラオケユニット | 日立製作所 | ハイサターン用に発売されたカラオケユニット。 セットはユニット本体とサターンと接続するケーブルのみでマイクは付属していない。マイクロフォン端子×2、マイク音量ボリュームスイッチ×2、それに多重音声切替スイッチとエコーボリュームスイッチを一つずつ装備している。 |
NX-4YD | 4インチカラー液晶モニター | 日立製作所 | TFTアクティブマトリックス方式を採用した、ポータブルマルチメディアプレーヤー『ゲーム&カーナビ ハイサターン(MMP-1000NV)』本体用の液晶モニター[7]。 |
RG-VC1 | ビデオCDオペレーター | 日本ビクター | サターン本体でビデオCDを再生可能にする本体内蔵型周辺機器。 専用ソフト『ルナ シルバースターストーリー MPEG版』を遊ぶ際に必須で、他にも『Moon Cradle』『ウルトラマン図鑑』『ガングリフォン』『サクラ大戦 花組通信』『サクラ大戦 蒸気ラジヲショウ』『セガンドウィンドウ(「センチメンタルグラフィティ」同梱品)』『バトルバ』『ファルコムクラシックス』『森高千里「渡良瀬橋/ララサンシャイン」』『悠久の小箱』『湾岸デッドヒート+リアルアレンジ』などが対応している。 |
RG-VC2 | ツインオペレーター | 日本ビクター | 『RG-VC1』にフォトCD機能を追加。 ビデオCD Ver.2.0にも対応したためプレイバックコントロール機能などが装備された。初期のグレーのサターン本体だと、バックアップ画面から抜けられなくなってしまう現象が起こる場合がある。 |
RG-VC3 | ツインオペレーター | 日本ビクター | 『RG-VC2』のビデオCD機能が強化され、海外版PAL方式にも対応している。 |
RN-M141 | セガサターンモデム | 日本ビクター | |
MIDIアダプタ | ワカ製作所 | 『サターンミュージックスクール』に同梱 | |
PC接続ケーブル | アスキー | 『GAME BASIC for SEGASATURN』に同梱 | |
ハイサターンカード | 日立製作所 | ハイサターンに内蔵されているカード。 別売りはされておらず、フォトCDを見ることが可能。 | |
プリンタインターフェイス | コーエー | 光栄『サターン用ワープロセット』に同梱 |
その他
1997年にアイ・オー・データ機器より、セガサターン用コントローラをPC用のゲームパッドとして使える拡張ボード「IF-SEGAシリーズ」が発売された。
2004年6月24日に発売された『ぷよぷよフィーバー』Mac OS X版の同梱用コントローラとして、セガ・ロジスティクスサービスより、セガサターンの純正コントロールパッドと同デザインのゲームパッドがUSB1.1接続仕様で復刻。翌月よりMacintoshとWindows用として単品発売されている。2005年3月24日にPS2用も発売された。
一時期、電気用品安全法(PSE法)の規制対象品となっており、2006年4月以降もハードオフなどの中古店ではPSEマークを付けられ販売されていたが、法律改正により2007年12月以降は規制対象ではなくなっている。
2007年9月28日佐倉事業所CSサービスセンター到着受付分を以て、セガによる本体有償修理が終了した。
関連項目
- Category:セガサターン用ソフト - 日本語版ウィキペディアに記事の作成されているタイトルのリスト(タイトルでの五十音順)
- セガサターンのゲームタイトル一覧 - 日本で公式発売された全タイトルのリスト(発売日順)
- ゲーマガ - 1994年11月から1998年10月まで、セガサターン専門誌として SEGA SATURN MAGAZINE という誌名だった。
脚注
- ↑ [http://ch.nicovideo.jp/shocho/blomaga/ar325564 やわらかブロマガ研究所(仮) PS vs SS マルチプラットフォームソフト比較【国産ゲーム編①】解説。]
- ↑ 2.0 2.1 2.2 テンプレート:Cite journal
- ↑ テレビゲームソフトウェア流通協会「平成一〇年(ワ)第二二五六八号 著作権に基づく差止請求権不存在確認請求事件」原告側第二準備書面
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ 【韓国-SS】 SAMSUNG SATURN (1995年発売) ≪サムソン電子≫ - ぴこぴこ i FEEL ALRIGHT ! - Yahoo!ブログ
- ↑ SEGA Multi Controller
- ↑ テンプレート:Cite web
外部リンク
テンプレート:Sister 本体と周辺機器情報
参考文献
- ルネサステクノロジ「SuperH™ 開発ストーリ(第六話)」 - 元出典:日経エレクトロニクス1997年9月22日号
- ポータブルマルチメディアプレーヤー「ゲーム&カーナビ ハイサターン」を発売 - 日立製作所公式サイト