バーチャファイター2
テンプレート:Infobox 『バーチャファイター2』(Virtua Fighter 2)は、セガのAM2研が開発した3D対戦型格闘ゲーム。1994年、当時の最新3DCGアーケード基板である「MODEL2」を使用しリリースされた。バーチャファイターシリーズの第2作である。
概要
1994年11月下旬、セガの3DCGアーケード基板「MODEL2」で製作された第2弾タイトルとしてリリースされる。基板の制約上、前作と同様フラットシェーディングであったが、モノクロ16階調のテクスチャーマッピングを盛り込み、表現力が一気に向上した。パイやラウなどの服に刺繍などは、ポリゴンを重ね合わせることによってできた努力の賜物である。描画速度に関しても、フレームレートが前作の秒間30フレームから57.5フレーム(アーケード版の正確な数値、セガサターン版は60フレーム)[1]に増加。より曲線的・生物的な動きが可能となった。
ゲームシステムに大きな変化は無いが、既存のキャラクターにも新たな技が多数追加され、特にアキラの崩撃雲身双虎掌(通称アキラ・スペシャル)はその高い威力と派手な動き、コマンド入力の難しさが話題となった。稼動開始からしばらくしてゲームバランスに一部問題があることが発覚したため、それを修正したバージョン2.1をリリース。その優れたゲームバランスにより稼動開始から2 - 3年経過しても新たな戦術が生み出されるなど、アーケードの格闘ゲームとしては寿命が際立って長く、対戦格闘ゲームとしては『ストリートファイターII』以来のブームが訪れる。
セガサターンへの移植は不可能と言われていたが、1995年12月1日にセガサターン版が発売された。セガサターン初の100万本突破タイトルになると共に、セガ初の100万本突破タイトルにもなる。累計出荷本数は150万本を超えた。
北米ではジェネシス(メガドライブ)への移植も行われたが、ポリゴンではなくドット絵による表現に変更され、リオンと舜帝は登場しないなど、アーケード版とは大きく異なる内容となっている。バーチャファイターシリーズ#派生製品も参照。
国内外のドラマなどに小道具として使用されることがあり、The X-Files52話(3rd SEASONの3話)でも事件の手がかりとして使われた。
同社のゲームソフト『龍が如く5 夢、叶えし者』でプレイすることが可能。
発売日
- アーケード版:1994年11月稼働開始
- アーケード版バーチャファイター2.1:1995年7月前後(基板上の交換用EPROM8個がセガから店舗に無料配布されたが、品薄や店舗側の交換技術の問題で一斉に稼働開始できなかった)
- セガサターン版:1995年12月1日発売
- Microsoft Windows版:1997年9月5日発売
- PlayStation 2版:2004年10月14日発売
- Wii バーチャルコンソール版(ジェネシス版):2007年3月21日発売 - 日本未発売だったジェネシス移植版からの移植。
- PlayStation 3、Xbox 360版:2012年11月28日発売
ゲームシステム
テンプレート:Main レバーと3個のボタンを使用するゲームシステムは、前作をほぼそのまま踏襲している。
登場キャラクター
テンプレート:Main 使用可能キャラクターは前作の8人に、蟷螂拳使いのリオン・ラファールと酔拳使いの舜帝が新たに追加され、合計10人になった。
ストーリー
「世界格闘トーナメント」。それは、世界中から集まったあらゆる格闘家が己の肉体だけで死闘を繰り広げ、世界一の格闘王を決める、究極の武闘大会であった。第1回の優勝者は、伝説の虎燕拳を使うラウ・チェンであった。その風格さえ漂う拳の前に、八極拳の使い手である結城晶は自分自身の未熟さを知る。そして大会終了後、修行の旅に再び出ることになる。1年後、修行を続ける晶の元に1通の手紙が届く。それは第2回世界格闘トーナメントの招待状であった。招待状の中には参加者リストが同封されており、前回優勝者ラウの名前と彼の知らぬ新たな挑戦者の名前があった。そして何かしら感じる、邪悪な雰囲気を感じつつも彼の格闘家としての血が、トーナメントへの参加を決意させた。新しい挑戦者、謎の組織。様々な思惑をまといつつここに、「第2回世界格闘トーナメント」が開催される。
バーチャファイターキッズ
1996年4月には、シリーズの市場拡大を目指し、子供向けにキャラクターをデフォルメした『バーチャファイターキッズ』(Virtua Fighter Kids)が「ST-V」にてリリースされた。3か月後の7月26日にはセガサターン版もリリースされた。
セガサターン版バーチャファイター2をベースとしているが、キャラクターのモデリングが二頭身で手足の短いデフォルメされた体型に変更されている。加えてゲームスピードが少し上昇しており、VF2とはゲーム性がかなり異なる。また子供や格闘ゲーム未経験者でも楽しめるように、適当にガチャガチャ操作するだけで様々な技が繰り広げられるようになっている。
本作では大塚ベバレジとのタイアップにより、同社の清涼飲料がゲーム内広告として登場している。舜帝がゲーム中に飲む酒が「ジャワティーストレート」に変更されており、ジャッキーも同商品を飲む勝利ポーズが追加されている。また、ファンシーなデザインのオリジナルステージが追加されており、その床自体が巨大な「エネルゲン」の商品ロゴになっている。
セガサターン版の独自の要素として「コンボつく〜る」がある。これは、複雑なレバー・ボタン操作をあらかじめプログラムしてボタンに割り当てることで、誰でも簡単にコンボ(連続技)を出すことができる物である。