勁文社

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株式会社勁文社(けいぶんしゃ)は、かつて存在した日本出版社である。対外的には、「ケイブンシャ」とカタカナ表記しており、文庫本シリーズである『ケイブンシャ文庫』などでも知られた。

1961年(昭和36年)に設立され、『原色怪獣怪人大百科』がベストセラーになるなど、 子供向け娯楽情報書籍に強かったが、2002年(平成14年)に倒産した[1]

概要

講談社の国民雑誌「キング」の編集長などを歴任した加納勲が、1960年(昭和35年)8月に創設。1961年(昭和36年)2月に法人化。創業時の勁文社は主にソノシートを専門に取り扱っていた。

1971年(昭和46年)12月、時の怪獣ブームの中で『原色怪獣怪人大百科』を刊行し、大ヒットを飛ばした。これはページ形式の本ではなく、大判のシートを折りたたんだ組本である。編集を担当したのは、のちにノンフィクションライターとなる佐野眞一。社の近くの旅館にこもり、このヒット作を作り上げた。

その後、佐野は組合問題などから同社を退社。だが、佐野の残した『原色怪獣怪人大百科』は豆本形式となりシリーズ化、書名も「全怪獣怪人大百科」としてリニューアルをはかり、いわゆる子供向けの豆本「大百科シリーズ」として発展していった。この大百科シリーズは怪獣以外にも、プロ野球アイドル釣り鉄道自動車ラジコン昆虫天体特撮ヒーローアニメカンフー映画心霊ホラー推理クイズなど、小学生くらいまでの男児が特に好みそうなジャンルを網羅しており、小学館コロタン文庫)などの大手出版社が追随するほどの大ヒットシリーズとなった。1984年(昭和59年)にファミリーコンピュータのブームが到来してからは、ゲームソフトごとに特集を細分化させた「ファミリーコンピュータ・ゲーム必勝法シリーズ」も刊行開始。また、1970年代から1980年代にかけて雑誌、一般書、文庫本にも進出し、勁文社は中堅出版社としての地位を築き上げた。

特に怪獣・特撮関係の書類に関しては、当時の最新作のみならず旧作まで余すところなく紹介するという、マニアックな作りだった。また1990年(平成2年)には、大百科シリーズのノウハウを大人向けの書籍に生かした『全怪獣怪人』を上下巻で刊行している。さらに、1992年(平成4年)には大百科シリーズの別冊として特撮映画専門雑誌『ゴジラマガジン』を創刊した。

しかしその後、金融引き締め政策の余波を受け、経営に苦しんだ。ついには2002年(平成14年)4月19日、東京地方裁判所に民事再生手続開始申立を行ない、倒産した[1]負債総額は、約26億円と報じられた[1]

勁文社は佐野の他にも、コラムニストの綱島理友、作家の馳星周などを輩出している。

当時のデータ

  • 所在地: 東京都中野区
  • 資本金: 8,000万円

主な刊行物

ゲームブック

テンプレート:See

攻略本

4コマランド(マリオシリーズ

  • ファミコン4コマランド スーパーマリオ&ゼルダの伝説 1993年
  • 4コマランド スーパーマリオ 1994年
  • 4コマランド マリオとワリオ 1994年
  • 4コマランド スーパードンキーコング 1995年

その他

  • DTM必勝法
  • ウンチの大百科

脚注

  1. 1.0 1.1 1.2 『毎日新聞』 2002年4月23日報道

外部リンク