スターラスター

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テンプレート:Infoboxスターラスター』(STAR LUSTER)は、1985年12月にナムコ(現・バンダイナムコゲームス)が発売したファミリーコンピュータ用ゲームソフト。「ナムコット ファミリーコンピュータゲームシリーズ」第12弾、ナムコ初のファミリーコンピュータオリジナル作品である。

概要

本作の直接のルーツは、米アタリ社の8ビットパーソナルコンピュータ Atari 400/Atari 800 用のゲームソフト「スターレイダース」で、このゲームをベースにした企画をアタリ社がナムコに持ち込んだのが発端となっている。

ゲーム中の個々の要素に関しては、3D戦闘は米Exidy社が1979年に発売したアーケードゲームの「Star Fire」や1981年Apple IIで発売された「Epoch」「Hadron」などに先例が見られる。シミュレーション部分は8bitコンピュータの黎明期にBASICまたはTINY BASIC言語で制作された宇宙戦艦シミュレーションゲーム「スタートレック」をモチーフとしている。

本作は発売当時(1985年)のファミリーコンピュータ用ゲームソフトとしては、極めて珍しい高度な戦略シミュレーションゲームの要素を持っていた。その後アーケードをはじめ、各種パソコンにも移植されている。2008年3月4日からWiiバーチャルコンソールで、2013年11月27日からニンテンドー3DSのバーチャルコンソールで配信された。

特徴

1人称視点の擬似3D視点で敵を撃破するシューティングゲームと、戦域に同時に侵攻する複数の敵を、阻止・撃退するためのストラテジーシミュレーションゲームの要素とが、リアルタイム進行する点が特徴。その双方への同時対処をプレイヤーに求める、当時としては画期的なゲームシステムを持つ。

しかし、画期的過ぎて、難易度の高いゲームシステム、レーダーの見方やアドベンチャーモードにおけるゲーム進行など、事前に説明されなければ判らない、もしくは判りづらい要素がマニュアルにほとんど記載されていなかった。加えて当時のファミコンの主要ユーザーであった小学生には、複雑すぎるゲームシステムだったため人気・販売とも振るわなかった。

ストーリー

バッツーラと呼称される敵対勢力が人類の版図に侵入している。彼らは宇宙の中で、もう一度ビッグバンを発生させ宇宙の破壊(具体的には、自己に合わせた宇宙の改変)を目論んでいるため、それらを阻止する。

AG(After Glactic)307年、ボスコニアン戦争の傷も癒え、人々はこの銀河を越え全宇宙にその居住空間を拡大していた。移民船団が突然現れた正体不明の敵艦隊の攻撃を受けたのは、銀河からはるか73億光年はなれた地点だった。その型は我々人類が見たことの無い、奇怪なものだった。そして戦闘空間で飛び交う異常振動波のなかに、唯一、我々人類の発音に近い音声があった。それが「バッツーラ」であり、敵の名称となった。

辺境宇宙調査団の報告によると、

  • この宇宙のビッグバン(宇宙の始まりの状態)をキャッチした。そしてビッグバンは無限の可能性を秘めて汎宇宙に連鎖的に広がっている。
  • そしてバッツーラと呼ばれる異次元の者たちも、その汎宇宙のどこかから飛来したのだろう。そして、その最初の出現地点は銀河から73億光年離れた“宇宙の裂け目”だった。
  • バッツーラにはこの宇宙のいかなる物理的攻撃も効果が無いだろう。
  • 辺境宇宙での一連の異常現象(それは宇宙の変容とも呼べる)は、バッツーラによるものらしい。
  • バッツーラが銀河を目指しているのは、次の汎ビッグバンの中心が銀河のコア(核)であり、そこおよびその時点からは容易に宇宙を変容させられるからだ。
  • バッツーラは、そのビッグバンを利用して、この宇宙を自らの生命形態に適合する宇宙に改造しようと企んでいるらしい。
  • バッツーラに対抗するにはビッグバンのパワーを使うしかないだろう。ビッグバンパワーを手に入れ、バッツーラの根源を無にするには、伝説の母なる星で、イグラドジルの謎を解明することが必要になる。
  • そしてバッツーラの本拠地と思しき“暗黒惑星”を発見し破壊するしか方法がない。

開発中だった準ビッグバンパワーを発揮できる機関エンジン、「クェーサードライブ」を搭載した新型戦闘機「スターラスター ガイア」が完成した。準ビッグバンパワーでは完全に敵を倒すことは出来ないが、バッツーラの進攻を食い止めることは可能である。

銀河連邦軍のダン・ハイニック少尉(「スターイクシオン」の主人公、ロイ・ハイニックの先祖)が「ガイア」に乗り込む。

(1986年、ケイブンシャ発行「スターラスター」より)

ゲームシステム

一人称視点の3Dシューティングであり、プレイヤーは戦闘機ガイアを操り、侵攻する敵勢力バッツーラを殲滅することが目的となる。

自機となる戦闘機ガイアには、エネルギーおよびシールドのゲージがあり、「エネルギーがゼロとなり行動不能になった場合」、また被弾してシールドを喪失した上でダメージを受ける・シールドでは防ぎ切れない大ダメージを被る等で「機体が完全に破壊された場合」にゲームオーバーとなる。残機という概念はなく、1度エネルギーがゼロになればその時点でゲームオーバーである。また、敵に「全ての基地惑星を破壊された場合」もゲームオーバーである。 なおシールドは、回復可能な状況であれば、エネルギーを消費して自動的に回復される。

敵はいくつかの編隊に分かれて戦域に散開しており、ゲーム内の時間表示(単位は「DATE」)で50カウントごとに移動・攻撃を行うため、放置するといずれ味方の基地や惑星を攻撃・破壊してしまう。このため、これらを広域レーダー画面で補足した後にワープし、会敵・殲滅を繰り返す形でゲームが進行する。

広域レーダー上で敵編隊と同一のエリアに移動すると自動的に戦闘画面となり、三次元空間を縦横無尽に飛び回りながら戦闘を行うこととなる。またこの戦闘中にも広域画面上では敵編隊が個々に移動を続けており、惑星や基地などが新たに攻撃されることもある。そのため、プレイヤーにはどの編隊とどの順番で戦うか、またどの基地や惑星を防衛するか、あるいは場合によっては見捨てるか、といったストラテジー面でも、迅速かつ的確な判断が要求される。

操作方法

戦闘画面時は十字ボタンで戦闘機ガイアの操舵(一般的な一人称視点での航空機と同じ操作)。Aボタンで一時的に加速し、Bボタンでショットを発射。セレクトボタンでレーダーの広域/戦域の切り替えを行え、スタートボタンで一時停止状態となる。なお、セレクトボタンでレーダーを切り替えると、その場で急停止可能。

ショットは画面上に2発しか存在できない。一般的なシューティングゲームの、「次のショットが発射されない」という処理とは異なり、このゲームでは、「既に発射済みで敵に向かって飛行中のショットを強制的に消去し、無理矢理に新たな弾が発射される」という方式が採られている。つまり、高速でショットを連射すると、遠くの敵にはショットが届かない。これにより、遠距離戦を行う時はあまり連射をせずによく狙って撃ち、近距離戦時は高速度の連射で一気に敵を破壊するという技術が必要となる。

広域画面時は十字ボタンでカーソルの移動、Aボタンで目的地へワープ、Bボタンで光子魚雷の発射となっている。

ゲームモード

TRAINING
トレーニングモード。戦域内に補給基地2つと敵編隊4組が現れ、これを殲滅する。
いわゆる「初心者」向けモード。
COMMAND
コマンドモード。戦域内に補給基地4つ、および6つの惑星、アステロイド地帯2箇所と敵編隊8組が現れ、これを殲滅する。
中級者」向けのモードと言える。
ADVENTURE
アドベンチャーモード。戦域内に補給基地4つ、および8つの惑星、アステロイド地帯4箇所と敵編隊10組が現れ、敵勢力の侵攻を阻止しながら各惑星を巡回して7つのキーを集め、敵対勢力の本拠地となる暗黒惑星を探し出しこれを殲滅することが目的である。
コマンドモードと同様に敵編隊を全て撃破した場合にもゲームクリアとなるが、これによって真のエンディングが訪れる事はない。
上級者」向けモードである。

レーダーマップに表示されるオブジェクト

自機
広域レーダー上では三角形で表示される。以下に述べるオブジェクトと自機が重なっていた場合、自機がその宙域に存在することを意味する。敵編隊と重なっていれば戦闘となり、惑星や基地と重なっていればドッキングが可能となる。
惑星
広域レーダー上では「*」で表示される。アドベンチャーモードでは、Red、Orange、Yellow、Green、Blue、Indigo、Violet、および名称不明の水色の合計8色の惑星が登場する。惑星の色・種別などはあらかじめ広域レーダー上で知ることはできず、実際に行ってみるまで判らない。各惑星の色はの7色の構成色である。
惑星には、暗黒惑星の居場所を知るために必要となる、7色のキーアイテムが存在する。キーは所定の条件を満たした上で各惑星とドッキングすることによってのみ獲得でき、獲得条件は敵編隊の殲滅数に拠るため、キー獲得前の惑星を敵に破壊された場合には、アドベンチャーモードの真のエンディングを迎えることは、ほとんど不可能となる。逆に言えば、既にキーを獲得した惑星は、スコアや心情的な問題を別とすれば、ゲームの進行上は殲滅されても問題ないため、どの惑星を先に訪問し、あるいは囮にするかが攻略の成否を分ける。
また8つ存在する惑星のうち、条件を満たしてもキーを得られない水色の惑星は最終盤まで死守する必要がある。この惑星はプレイヤーの間では地球と通称されるが、設定上の名称は存在しない模様。
惑星は敵編隊からの攻撃を受けると、レーダー上では黒く変色して表示される。変色しても、ドッキングやキー取得は通常通り実施できるが、ダメージは受けているので次の敵からの攻撃で破壊される可能性がある状態である。変色した惑星は、ドッキングすることで元の白色に回復させることができる。また、自機が惑星のある宙域にいる場合、その惑星が敵の攻撃を受けることがないため、敵を殲滅して惑星を救出する余裕がない際に、緊急避難的に惑星の破壊を防ぐ手段として使用できる。
キー取得条件を満たさずに惑星とドッキングした場合、キーや情報は得られず「HELLO」と通信結果が表示されるだけである。
なお、コマンドモードでも6つの惑星が登場するが、すべて水色であり、特にスコアや心情的な問題を別とすれば、ゲームの進行上は殲滅されても問題ない存在である。
基地
広域レーダー上では「B」で表示される。トレーニングでは2つ、コマンドモードおよびアドベンチャーモードでは4つの宇宙基地が戦域に登場する。ドッキングすることによって、エネルギーの回復と故障個所の修復が可能となる。
またコマンドモードおよびアドベンチャーモードでは、ドッキングによって4箇所の基地でそれぞれビーム、シールド、リアクター(動力炉)の強化、および光子魚雷の補給のいずれかが行われる。
敵編隊に攻撃を受けると、レーダー上では黒く変色する。惑星とは異なり、ドッキングを行っても白色へ回復することはない。自機が基地のある宙域にいる場合、その基地が敵の攻撃を受けることがないのは、惑星と同様である。
広域レーダー上では「E」で表示される。バッツーラと呼称される敵対勢力であり、数機の戦闘機群から成る複数の編隊として存在する。編隊がゲーム中に増加・生成される事はなく、ゲーム開始の時点で敵兵力は確定している。1編隊は9機という構成となっている。
ゲーム内では時間単位「DATE」によって時間の経過が表されるが、敵編隊は50DATEごとに広域レーダー上で移動・攻撃を行う。移動は隣接するマス目にのみ行われ、自機のようにワープすることはない。マップの端で反対側にループすることもない。また、他のオブジェクトのあるマス目を通過したり、重なったりすることもない。そのため、広域マップのオブジェクトの配置によっては、ほとんど動くことの出来ない敵編隊が生じる場合がある。
敵機は外見上の色によって攻撃力に差があり、弱い順から青(水色)、灰色、紫色、黒となる。惑星と同様、どの色の敵なのかを広域レーダー上で確認することはできない。シールドの強化以前に、灰色のディスラプターや、紫色の編隊のザコ敵の攻撃に被弾した場合には、たとえシールドがフルチャージの状態であっても機体の一部が破損し、また紫色のディスラプター(編隊ボス)の攻撃を被弾した場合には、一撃で機体が破壊されゲームオーバーとなる。
シールドの強化後であっても、紫色編隊のボス、および黒色編隊の攻撃に被弾した場合には、シールドがフルチャージであっても機体の一部が破損する。また、単発では威力の小さい攻撃であっても、連続して被弾することで、機体の破損・破壊につながる場合もある。
敵の攻撃は、発砲によってのみ行われる。敵機と接触してダメージを受けることはない。ただ、敵機と接近しすぎると、敵弾の回避が難しくなるため、ある程度距離を置いて戦闘を行うのが理想である。
敵編隊は、下記4種類の機体から構成されている。構成比は編隊により異なるが、ディスラプターは1機のみ。レイトは現れない場合がある。
  • ラグラ
X字型の無人戦闘機。動きも遅い。各編隊につき1〜4機。
  • アレフ
戦闘機型。敵の主力で、至近距離における縦方向および横方向への機動を高速度かつ積極的に行う。砲弾の命中精度も比較的高めであり、灰色以上の機体は数発の耐久力を持つ。各編隊につき1〜4機。
  • レイト
高速な偵察機だが、攻撃力もそれなりにある。縦方向及び奥行き方向への機動力が高い。機体が横向きになったときは移動速度が遅くなる。1〜2機登場するが、編隊によっては登場しない場合もある。
  • ディスラプター
映画『スター・ウォーズ・シリーズ』に登場するデス・スターのような球形。編隊ボスであり、暗黒惑星を除き各編隊に一機のみ存在する。動きは遅いものの耐久力が高く、また編隊内で攻撃力は最強である。誘導弾の命中精度も他の機体とは比較にならないほど非常に高い。間合いを詰めてこちらのビームを無効化するという攻撃を仕掛けてくる。通常は各敵編隊の最後に出現するが、灰色の編隊の場合、途中で出現する場合がある。
アステロイド帯
広域レーダー上では簡易なドット絵で表示されている。移動・攻撃を行うことはないが、後述する隠しアイテムを取得することができる。また、敵編隊から破壊されることはなく、通過されることもないため、配置によっては敵編隊の行動を制限する障害物として役に立つ場合がある。
暗黒惑星
敵対勢力バッツーラの本拠地とされ、本作における「最終ボス」である。トレーニングおよびコマンドモードには登場しない。アドベンチャーモードで特定の条件を満たした時に、一定時間だけその位置が広域レーダー上に表示される。一旦表示が消えてしまうと、再度表示させることはできないが、当時の手段としてテレビのブラウン管に直接、フェルトペン等を用いてマーキングする事で位置を記録するという荒技もあった。プレイヤーは、示された点を照準の中心の穴に重ね合わせてワープすることにより暗黒惑星へたどり着くことができる。
この暗黒惑星の位置は、プログラム上はゲーム開始の時点で確定し固定されているため、何らかの手段であらかじめその位置を知り得るならば、キーアイテムを回収する前、例えばゲーム開始直後の時点でも、その位置にワープすることで到達可能である。同様の理由で、暗黒惑星の位置を何らかの手段で記録しておけば、暗黒惑星の宙域にワープした後も、形勢不利などで補給基地などへ一時退却し、補給や修理を受けた後に再度突入することも可能である。
暗黒惑星へたどり着くと、背景がそれまでの黒色から青色の宇宙へと変わり、おどろおどろしいBGMが流れ、黒色のラグラ、アレフ、レイト、ディスラプター、暗黒惑星本体が襲い掛かってくる。ちなみにゲーム開始時のファンファーレとゲーム終了後のリザルト、バッドエンド時のデモ、およびスタッフロールを除くと、ゲーム本編中にBGMが奏でられるシーンはこの暗黒惑星の宙域のみとなっている。
暗黒惑星本体は移動は全くしないため、他の敵のように不意打ちを喰らうようなことはないものの、その本星主砲の攻撃力はディスラプターのそれを遥かに凌駕し、シールドが強化されていない状態で被弾すれば撃墜は必至、シールドが強化されていても確実に故障を招く。またその間にもディスラプターが無限に製造され次々現れるため、攻略するのは至難である。なお、これを逆利用することでスコアを無限に稼ぐことも可能である。
暗黒惑星本体は一度画面から離すとHPは元に戻る。そのため一度で倒しきることが肝要である。
暗黒惑星本体を破壊し、かつ、その宙域の敵機を殲滅することによって、アドベンチャーモードの真のエンディングを迎えることができる。

自機「ガイア」に関する要素

エネルギー
ワープ、推進、ビーム発射、シールドの回復など、戦闘機ガイアのあらゆる行動によって消費される。味方の宇宙基地にドッキングすることで補給が可能である。ただし、補給は一瞬で終了するわけではなく、補給量に応じたドッキング期間を要求される。
また、ファミコン版では補給回数に制約はなく、いつでも基地にドッキングさえできればエネルギーの補給と修理を受けることができるが、VS筐体で供給された業務用バージョンでは、一つの基地から受けることのできる補給回数は一度限りとなっている。
基地でリアクターがパワーアップしていれば、エネルギーの総量も増加されている。
シールド
戦闘機ガイアの防御シールド。敵の攻撃を被弾した場合に、一定範囲内のダメージを吸収する。喪失したシールドは、シールド装置が健在、かつ回復に必要なエネルギーが残存している場合に限り、時間に従って自動的に回復される。つまり、単発の被弾では吸収可能な攻撃であっても、シールドの回復を待たずに連続して被弾した場合には、故障や撃墜などの被害を受け得る。
基地でシールドのパワーアップを受けていれば防御力が、リアクターのパワーアップを受けていれば回復速度が早まる。
レーダー
広域レーダーと短距離(リアルタイム)レーダーの2つのモードを切り替えて使用する。
広域レーダーが扱う空間は完全な平面であり、戦域全体の惑星や基地、アステロイド、そして敵編隊の位置などがプロットされる。広域画面上の移動はワープによってのみ可能であり、ワープ先の指定や光子魚雷の発射もこの広域レーダー画面上において行う。
短距離レーダーは、敵編隊との会敵時、また基地や惑星の空域でドッキングを行う際などに使用される。自機ガイアを中心として、敵機や基地、惑星などとの相対位置を示す3D空間を俯瞰方向から平面上にプロットしている。対象が水平軸面から上下に外れていてもブリップ(対象位置を示す光点)の形状や色に変化は無く、上下関係は視覚化されない。
この仕様であっても自機を上下に旋回させた際のブリップのレーダー上での移動で上下関係を判断することは可能である。自機を上に旋回させた際、自機の上方にあるブリップはレーダー上では上方に移動し、自機の下方にあるブリップはレーダー上では下方に移動する。自機を下に旋回させた際は、移動方向は逆になる。ブリップの移動量は対象が上下に離れているほど大きく、水平軸面付近にある場合はほとんど移動しない。
対象を画面内に捉えるためには、まずは左右旋回でブリップをレーダー上で真上に移動させた後、レーダー上でブリップが上方に移動する方向に上下旋回する。この際にブリップがレーダー外に出てしまう場合は、いったん上下旋回をやめてAボタンで前進し、再度レーダー内に入れる。上下旋回してもブリップがほぼ動かなくなったら、対象は真正面に来ている。あとは上下旋回をやめ、Aボタンで前進すれば画面内に入る。
なお、戦闘時には敵機は水平軸面付近から出現するため、移動は左右旋回とAボタンによる加速を基本とし、上下旋回は照準調整のみに用いると戦い易い。
X68000版では、これを多少なりとも緩和するため、自機を中心とした3D空間内で、自機の水平軸面から上方と下方に存在する対象物をそれぞれ色と形状で区別してプロットするように改善されている。
戦闘時に、短距離レーダー上に出現する敵機体は3機までである。敵機を破壊するたびに、新手が出現し、これを繰り返すことで敵機を全滅させることになる。
故障と修理
被弾によって被ったダメージがシールドによって吸収し切れなかった場合には、戦闘機ガイアに搭載されている機器の一部(エンジン、レーダー、コンピュータのいずれか)が破損する。ダメージが甚大な場合には機体そのものが破壊され、ゲームオーバーとなる。
故障には、DAおよびNGの2段階あり、DA段階では下記のどちらか片方の故障、NG段階では双方の故障が発現し、修理までの間、機能が制限される。ただしトレーニングモードではどんなに被弾しようが故障は絶対に発生しない仕組みになっている。なお、甚大なダメージやエネルギーが尽きたことによるゲームオーバーは存在する。
  • レーダー(RAD)
    • 広域レーダーの更新が停止し、敵編隊の侵攻などが察知できなくなる。
    • 短距離レーダーが点滅し、敵機や基地・惑星の捕捉が困難となる。
  • コンピューター(COM)
    • 光子魚雷を発射できなくなる。
    • 戦闘画面上において照準(ガンクロス)が表示されなくなる。
  • エンジン(ENG)
    • 推進力が通常時の1/8に低下する。
    • シールドを回復できなくなる。  
故障個所の修理は、味方基地へのドッキング、またはスターノイドの召喚によって可能となる。
また、エンジン、レーダー、コンピューターの全てがNGになった場合でも、機体そのものが破壊されない限りゲームの続行は可能である。この場合、画面にRED ALERTと警告が表示される。
パワーアップ
コマンドモードおよびアドベンチャーモードでは、広域マップ上に4箇所存在する味方基地にドッキングした際、エネルギーの補給完了後に、ビーム、シールド、リアクター(エンジン)のいずれかがパワーアップされる。パワーアップ時は、効果音が鳴り、どの機能がパワーアップしたのかがメッセージ表示される。
同じ基地から複数のパワーアップを得ることはない。そのため、パワーアップを得る前に基地が破壊された場合、その基地が所持していたパワーアップは得ることが出来なくなる。アドベンチャーモード終盤では敵の攻撃が激しくなるため、3つあるパワーアップのうちどれか一つが欠けても、クリアは非常に困難となる。
  • ビーム
    • 攻撃力倍増
  • シールド
    • ダメージ吸収量の倍増
    • 回復の際のエネルギー消費量の減少
  • リアクター
    • エネルギーの総量増加
    • 推進力の倍増
    • ワープ時を含むエネルギー消費量の減少
    • ワープ所要時間の減少
    • シールド回復速度の上昇
シールド回復の速度は、シールドではなくリアクターのパワーアップによる。
4箇所の味方基地のうちパワーアップを受けられない基地では、条件を満たした際にフォトントーピドー(光子魚雷)の補給を受けられる。

称号

ゲームクリア後、もしくはゲームオーバー後、敵の撃墜数、惑星および基地の生存数、消費エネルギー量、経過時間(ゲーム内における日数)などの要素から算出されるスコアによって、プレイヤーに称号(階級)が与えられる。

  • TARGET SCORE … A
  • BASE … B
  • STAR … C
  • USED TIME … D
  • USED ENERGY … E

とするとスコア(TOTAL)は以下の式で計算される。

  • TOTAL = {A + 50B + 100C - (D - 3A) - (E - 128A)/128}F

ただしFは任務遂行度

  • 任務遂行した場合は1
  • エネルギー切れで1/2、ただしFを掛ける前にマイナスの場合2
  • 撃墜されると1/4、ただしFを掛ける前にマイナスの場合4

任務遂行出来なかった場合はBとCは0となる。

アドベンチャーモードのみ、暗黒惑星を破壊するとボーナスとしてTOTALに1000点プラスされる。またアドベンチャーモードでは、暗黒惑星の宙域まで到達し、かつ味方基地が1つ以上でも残っていれば、時間の許す限り無限にスコア(TARGET SCORE)を稼ぐことも可能である。逆に他のモードでは敵の数が限られておりTARGET SCOREの上限が決まっているため、いかに効率よく攻略できる(時間やエネルギーのロス、惑星や味方基地が守れている)かが、高得点を叩き出す秘訣となる。

リザルト画面のBGMは3種類あり、スコアが〜779まではBGM無しで、スコアが780〜1439までがBGM1が流れ、スコアが1440〜1979までがBGM2が流れ、スコアが1980〜でBGM3が流れる。

スコア 称号(階級)
2280 - MARSHAL OF FORCE PARAGON
2220 - 2279 CHIEF MARSHAL PHOTON
2160 - 2219 CHIEF MARSHAL PROMINENCE
2100 - 2159 MARSHAL KUANNON
2040 - 2099 MARSHAL SUSANOO
1980 - 2039 MARSHAL IMPULSE
1920 - 1979 VICE MARSHAL MONGAW
1860 - 1919 VICE MARSHAL GILGAMESH
1800 - 1859 VICE MARSHAL RADIANT
1740 - 1799 COMMODORE PHOENIX
1680 - 1739 COMMODORE PEGASUS
1620 - 1679 COMMODORE MACCO
1560 - 1619 CAPTAIN THUNDER BOLT
1500 - 1559 CAPTAIN HURRICANE
1440 - 1499 CAPTAIN TORNADO
1380 - 1439 WING COMMANDER TIGER
1320 - 1379 WING COMMANDER PANTHER
1260 - 1319 WING COMMANDER LEOPARD
1200 - 1259 SQUADRON LEADER EAGLE
1140 - 1199 SQUADRON LEADER HAWK
スコア 称号(階級)
1080 - 1139 SQUADRON LEADER FALCON
1020 - 1079 SQUADRON LEADER DANDRUFF
960 - 1019 LIEUTENANT WOLF
900 - 959 LIEUTENANT FOX
840 - 899 LIEUTENANT BULL DOG
780 - 839 LIEUTENANT TOM CAT
720 - 779 FLYING OFFICER BLUE JAY
660 - 719 FLYING OFFICER HUMMING BIRD
600 - 659 FLYING OFFICER LARK
540 - 599 FLYING OFFICER SPARROW
480 - 539 PILOT OFFICER HORNET
420 - 479 PILOT OFFICER AERO BEE
360 - 419 PILOT OFFICER DRAGON FLY
300 - 359 PILOT OFFICER ALPHA FLY
240 - 299 PILOT OFFICER MOSQUITO
180 - 239 CADET PLANKTON
120 - 179 CADET AMOEBA
60 - 119 CADET MICROBE
0 - 59 CADET MITOCHONDRIA
- -1 CADET WANG

その他

世界設定

バンダイナムコゲームスの定めるUGSFシリーズ作品の一つである。

本作品に登場する味方の宇宙基地(補給基地)は、同社の業務用作品「ボスコニアン」に登場した敵基地である。この点については、ファミコン版スターラスターのマニュアル上には「ボスコニアン戦争より後の時代の話であり、基地は当時のものを接収した後に改修して使用している」との説明があった。

またX68000版スターラスターには最終ボスとして出現する暗黒惑星を倒したあと、隠しボスとして「スターブレード」の最終ボスであるコマンダーが出現する。

さらに、この作品の続編であるプレイステーション用ソフト「スターイクシオン」の設定によって「ギャラクシアン³」「ギャラクシアン」「ギャラガ」「ギャプラス」など、他UGSFシリーズ作品とのつながりが明確に描かれている。

攻略Tipsなど

  • ゲーム開始の時点における惑星や基地、敵などの初期配置は完全にランダムである。特に、アドベンチャーモードでは、ほぼクリア不可能な「詰み」状態の初期配置になってしまうこともあった。リセットすることで配置を変わるので、リセットを繰り返し、有利な配置になるまで待つというプレイが可能である。
  • 光子魚雷によって敵編隊を殲滅した場合、殲滅された敵編隊はスコアに加算されない。またアドベンチャーモードで敵編隊を光子魚雷によって殲滅させた場合は、キーワードの入手条件としてもカウントされない。従って、アドベンチャーモードで暗黒惑星の破壊を目指す場合、敵編隊の総数は10、キーは7つ、また敵編隊を全滅させるとゲームオーバーとなってしまうため1つ残す必要があるため、光子魚雷で殲滅できる敵編隊は、10-7-1で残りは2編隊までとなる。
  • 正規の手段によってプレイヤーが暗黒惑星の位置を知る機会は、ゲーム中に一度きりしかない。
  • 広域レーダー空間で暗黒惑星が存在するエリアは、見かけ上はただの空白として表示される。プレイヤーが該当エリアにワープして来ても、ワープ位置をドット単位で合わせていない場合には暗黒惑星と会敵することもできない。しかし敵編隊は、暗黒惑星が潜む空白エリアは惑星や基地と同様に通過することができない。1エリア(1マス)は8×8ドットで構成されるため確率は1/64であり、これを虱潰しに試すことでドット単位の位置を特定することは、実際に可能である。
  • 暗黒惑星の宙域では、暗黒惑星を破壊しない限り黒色のディスラプターが無限に現れる。ディスラプターからの攻撃で被弾すると、シールド強化後でも被弾すれば確実に故障を招く。
  • ファミコン版では、「RAD、COM、ENGのいずれか1つがNG状態」かつ「エネルギー残量がゲージの1/10以下」の状態でコントローラー2のABボタンを押しながらマイクに音を拾わせることで、スターノイドを呼び出せる。ガンクロスを合わせると、故障の修理とエネルギーを半分まで補給してくれる。だたし、ガンクロスを合わせる前に画面の外に出してしまうとそのまま消えてしまう。なお、Web上で「スターノイドはアステロイド帯でしか呼び出せない」といった記述が見受けられるが、実際にはそのようなことはなく事実、たとえ暗黒惑星でも呼び出せる。
  • スターノイドと接触することにより得られる効果は以下の通り。
    • エネルギーをゲージの半分まで補充
    • RAD、COM、ENGの修理
  • プレイステーション用ソフト『ナムコアンソロジー1』では、L1・R1を押し続ける事により、スターノイドを召喚できる。
  • 4箇所あるアステロイド帯の内2カ所に、それぞれ"DALTO"、"BARRIER"というアイテムが隠されている。DALTOはアステロイドを外さずに8個連続、BARRIERは32個連続で破壊する事によって得られる。それぞれの効果は、前者DALTOが敵編隊の惑星や基地に対する攻撃力の低下、後者BARRIERは惑星の耐久力回復である。なお、「DALTO」はコンピュータRPGの草分け的タイトル「ウィザードリィ」に登場する魔法の名前である。
  • SELECTボタンを押して広域レーダーを呼び出すと船速がゼロになる。この現象を利用しドッキング時の時間ロスを減らすことが出来る。
  • ディスラプターは基本的に各編隊の最後に登場するが、灰色編隊のみ中盤辺りに不意に登場することがある。またこの場合、先走って現れたディスラプターを撃破しつつもいまだ敵編隊が健在な状態でワープを行い編隊を離れ、再度倒しかけの編隊と会敵した場合には、残された敵編隊の最後の一機がディスラプターに「化ける」場合がある。
  • 上記の不意に登場するディスラプターは、最初に出てくる敵がレイト2機+ラグラ1機の場合なので判断が可能。
  • 暗黒惑星が出てくるのは必ず9機目なので、6機撃墜後にレーダー上の動かない点を探す必要がある。ちなみに暗黒惑星と戦うときは通常黒いディスラプターが2機同時に出現するが、少しでも良い状態で戦いたい場合には最初に出てくるラグラ2機を破壊せずに残しておき、もう1機のみを破壊し続けると「ラグラ2機+暗黒惑星」という状態で戦うことが可能。ただし、一度でもその宙域を離れるとラグラはディスラプターに変わる。
  • 敵が放つ誘導弾の軌道は独特のものがあり、本ゲームの難易度を高める要因の一つとなっている。以下に、敵弾の性質と回避方法を記述する。
    • 発砲するのは、自機前方に視認できる敵だけである。画面外から撃たれることはない。ただし、至近距離から発砲され、回避する間もなく被弾した場合、あたかも画面外から撃たれたように見える場合がある。
    • 自機の照準に重なった状態で敵弾が接近してくる場合、敵弾が直撃コースに乗っていることを意味している。つまり、自機の照準が敵に重なっている状態は、同時に敵機の照準が自機に重なっている状態であることを意味する。この状態で発砲されると、回避が困難となるため、特にディスラプター・暗黒惑星などの強力な敵に対して、照準を長時間合わせ続けるのは危険であり、ヒット&アウェイが基本となる。逆に、自機の照準が合っていない敵に発砲されても、よほど下手な動き方をしない限りは、被弾することはない。
    • 発射された敵弾は、自機の動き(レバー入力)に合わせて誘導される。自機が上昇すれば敵弾も上昇、自機が下降すれば敵弾も下降する。左右の移動も同様である。ただ、レバー入力から敵弾が軌道を変更するまでには若干のタイムラグあるため、これを利用して敵弾を回避する。具体的には、一定方向にレバーを入力して敵弾をその方向に誘導したあと、敵弾を引き付けてからレバーを先ほどとは逆に「軽く」入れる。
  • タイトル画面で特定のキー入力を行うことで、ゲーム画面の配色を自由にカスタマイズすることができるエディット画面を呼び出すことができる。やり方としては、タイトル文字が点滅している間にⅠコンのボタンを「セレクト、B、A、右、左、上、セレクト、B、下、右」の順に押す。

移植版

スターラスターは業務用のVS4筐体でも供給された。ファミリーコンピュータと異なる仕様上の都合から、スターノイドの召喚には筐体上のプレイヤーセレクトボタンの乱打を用いる、補給基地にドッキングしても補給を受けられる回数は各基地あたり一回のみに制限されている、などの違いがあった。

1998年6月4日プレイステーション用ソフト『ナムコアンソロジー1』にリメイク版と共に収録された。

シャープが発売したパソコンX68000シリーズ用に、電波新聞社が独自に移植したバージョンも存在する。 基本的には同一のゲームだがグラフィックが大幅に強化され、ビームのオート連射やMIDI音源対応サウンド、アナログパッド(XE-1AP)や操縦桿を模したサイバースティック(CZ-8NJ2)での操作に対応、エンジンなど機体各部の故障状況がX68000キーボードの「かな」「ローマ字」「コード入力」といったキーランプLEDに対応してインジケーター的な点灯、ゲーム進行では暗黒惑星破壊後の展開など一部差異が存在する。

ニンテンドーゲームキューブ(以下GC)版は、『スターフォックス アサルト』である条件を満たすことでFC版をプレイできる。

FC版とGC版・バーチャルコンソール版の相違点
敵を撃墜したときのフラッシュ効果が、FC版やバーチャルコンソール(3DS)版では「青く点滅」が、GC版では「青く点灯」になっている。またこちらが敵の攻撃を被弾したときのフラッシュ効果も同様に、FC版では「赤く点滅」が、GC版では「赤く点灯」に、バーチャルコンソール(3DS)版では赤い点滅時間が大幅に削減されている。ゲームオーバー時のビッグバンの演出も、FC版では「白黒が点滅」している場面が、バーチャルコンソール(Wii)版では削除されており、バーチャルコンソール(3DS)版では一瞬のみ白黒に点滅したのち灰色の点灯となっている。Wii・3DSとも、ゲームオーバー時のBGMが鳴り終わらないうちにスコア表示となる。テンプレート:See

その他

漫画家日渡早紀は、漫画『ぼくの地球を守って』を執筆するに当たって、このゲームから着想を得たと語っている。

関連項目

外部リンク


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