大河原邦男

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大河原 邦男(おおかわら くにお、テンプレート:生年月日と年齢 - )はアニメーション作品における日本最初の専門メカニックデザイナー。『機動戦士ガンダム』に登場するモビルスーツのデザインで知られる。東京都稲城市出身[1]。息子はアニメーターの大河原烈。

苗字はよく「おおわら」と発音や表記をされることがあるが、自筆イラストに入れられるサインは「K.Okawara」である。

略歴

東京都立町田高等学校卒業後、東京造形大学グラフィックデザイン科に入学。1年後にテキスタイルデザイン科に転科し、機織や染め物などを学ぶ。卒業後、オンワード樫山でテキスタイルデザイナーを経験後、転職しておとぎの国に企画担当として入社。東京支店の企画部廃止で専門店向け営業職を経験。

その後、タツノコプロに入社。当初はアルバイト同然の低待遇だったが、配属された美術部で背景を描いていたところ、美術部長の中村光毅の提案で『科学忍者隊ガッチャマン』からは敵メカなどを担当し、高い評価を得る。以後、メカデザイン専門になる。

デザイン時には木型で玩具を試作し、造形や変形・合体の各種機構の立体での検証を自ら行った[2]

『破裏拳ポリマー』『宇宙の騎士テッカマン』を担当した後、タツノコプロを退社し、中村光毅と「デザインオフィス・メカマン」を設立。『ゴワッパー5ゴーダム』で初のメインメカのデザインを担当。『タイムボカンシリーズ』、『ブロッカー軍団IVマシーンブラスター』、『合身戦隊メカンダーロボ』、『無敵超人ザンボット3』を経て、1978年にデザインオフィス・メカマンを退社してフリーに。

以降、『無敵鋼人ダイターン3』からサンライズ作品を手掛けるようになり、『機動戦士ガンダム』でモビルスーツのデザインを担当、作品の人気とメカニックのプラモデルの大ブームによりその名を広め、「メカニックデザイナー」という職種を認知させた。また版権イラストを手掛ける際にモビルスーツの機体に実在の兵器同様のマーキングやウェザリングを入れる手法を編み出し、いわゆる「リアルタイプ」として人気を博した。ガンダム以降もサンライズ制作の『勇者シリーズ』をはじめとするロボットアニメのメカデザインを手掛けた。

1981年にはNHKの子供向け情報番組『600こちら情報部』のアニメメカデザイン特集に出演。「ガンダムの初期案には口があった」との裏話や、他局で放送開始前の『ダグラム』のデザイン解説などを行った。

2009年、東京都八王子市八王子市夢美術館において回顧展「大河原邦男のメカデザイン ガンダム、ボトムズ、ダグラム」を開催。

2012年、東京都稲城市の稲城市立iプラザにて大河原邦男作品展(サイン会、上映会、講演会、大河原メカ バトルトーナメント)を開催。

2013年、兵庫県神戸市兵庫県立美術館にて「超・大河原邦男展―レジェンド・オブ・メカデザイン―」を開催。

発言

日経MJ紙のインタビューにて、「どんな作品でも、悪役のメカへの思い入れが強い」「もともとアニメは全然好きではなかった」「機械は子供のころから大好きだった」などと語っている。 又、同紙には、【大河原氏が好きなメカ ベスト3】が列記されており、機動戦士ガンダムからはザクハロムサイを、ガンダム以外として、装甲騎兵ボトムズに登場するAT(アーマードトルーパー)、銀河漂流バイファムに登場するバイファム蒼き流星SPTレイズナーに登場するレイズナーを挙げている。[3]

作品年譜

著書

  • 太陽の牙ダグラムメカニカルア-ト集 大河原邦男の世界 講談社 1983.8
  • 大河原邦男アイアンワークス バンダイ, 1989.11
  • 大河原邦男画集 ムービック, 1998.9
  • 大河原邦男画集2 ムービック, 1998.12
  • 大河原邦男Gundam design works ムービック, 1999.11
  • 大河原邦男Dougram & Votoms design works ムービック, 2000.4
  • 大河原邦男real robot design works ムービック, 2000.5
  • 大河原邦男brave series design works ムービック, 2000.8
  • 機動戦士ガンダム原典継承 ― 大河原邦男画集 角川書店 2009.3

関連項目

脚注

  1. 渋谷アニメランド
  2. テンプレート:Cite journal ja-jp
  3. 2012年5月18日付 日経MJ紙 16面 『「ガンダム」のデザイナー 大河原邦男氏に聞く』より

外部リンク

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