LOVE LOVEあいしてる
『LOVE LOVE あいしてる』(ラブラブあいしてる)は、フジテレビ系列で1996年10月5日から2001年3月31日まで放送された音楽番組。 『堂本兄弟』の前身番組に当たる。
概要
放送時間は、日本時間の毎週土曜日の23:30-24:00。毎週1組のゲストを迎え、トークコーナーと音楽コーナーで構成される。スポンサーは前番組の流れから引き続き、松下電器産業のみがスポンサーだった。
出演者はKinKi Kids、吉田拓郎、篠原ともえ、坂崎幸之助、ブラザー・トム(正式なレギュラーはKinKi Kids、吉田、篠原のみであったが、基本的に坂崎とブラザー・トムは毎週出演していた)。スポンサー読みも交代で出演者が行っていた(KinKi Kids、吉田、篠原が担当)。
そのほか、バックバンドであるLOVE LOVE ALL STARSには武部聡志、吉田建、高中正義、樋口宗孝(LOUDNESS)、松田弘(サザンオールスターズ)、野村義男、中西圭三など錚々たるメンバーが名を連ねた。
KinKi Kidsはこの番組で、吉田拓郎やLOVE LOVE ALL STARS等、大物ミュージシャンからギターの教えを請う等多大なる影響を受け、音楽的にも成長したと言われている。なお、1999年の大晦日から2000年元旦まで、この番組を軸とした年末長時間番組「ワールドカウントダウンスーパースペシャル24時間まるごとライブLOVE LOVE2000~世界中の子供たちに僕らが愛でできること」を行っている。音楽番組であるのにも関わらず、明石家さんまや志村けんら大御所芸人もゲスト出演している。また番組内の31日23:00 - 1日5:30には『めちゃ×2イケてるッ!』との合同企画『めちゃ2あいしてるッ!』を放送した。
番組成立の経緯
前番組である『めちゃ×2モテたいッ!』が20時に移るその空いた23時30分の枠で、KinKi Kidsで愛をテーマにした音楽番組をやらないかとプロデューサーきくち伸が編成から打診されたのがこの番組のきっかけである[1]。
当初、KinKi Kidsと組む予定だったのは玉置浩二であったが、スポンサーの松下電器とのプレゼンテーションで「玉置浩二はソニーのアーティストでは」と松下電器側が難色をしめしたため、プロデューサーのきくち伸が、とっさの思いつきで自身がファンだった「吉田拓郎ならどうでしょうか?」と言ってしまい「吉田拓郎ならいいんじゃないか」ということになったのが吉田の起用の経緯だった[2][3][4]。
元々きくちには吉田拓郎のテレビ番組を作りたいという希望があり[1]、吉田も『ザ・ヒットパレード』のような音楽番組をやってみたいという希望があった[5]。しかし、吉田にはテレビに対する恐怖心があり、出演交渉は難航した。きくちはそれを除くのに苦心したという。また当時はCDデビューもしていなかったジャニーズJr.のKinKi Kidsと組まされることにも抵抗したが、結局KinKi Kidsありきの番組で、きくちからも「拓郎さんひとりでは数字がとれない」とはっきり言われるなどして説得された。
吉田がこのようなタイプの番組にレギュラー出演するのは珍しいとして話題を呼び、"テレビ出演拒否の本尊"でもあったため大きな批判も受けた。若い世代には吉田の情けないおじさんキャラが受けたが、往年の彼がフォークの神様であった頃を知る団塊の世代には、あまりの変貌ぶりに大きな衝撃と晒し者にされたことへの反発も大きかった。ただし、吉田本人は「KinKi Kidsには感謝している」「番組に出演して本当に良かった」と後のインタビューで答えている[6]。
番組当初、世間からは「吉田拓郎とKinKi Kidsは違和感がある」、「3ヶ月もてばいい」などと言われていたが、当時ミュージックステーション、HEY!HEY!HEY!MUSIC CHAMP等当て振りの音楽番組が全盛期を迎えていた中、ハウスバンドである「LOVE LOVE ALL STARS」を結成し一流のミュージシャンを揃える等、生演奏に拘った姿勢が好評を得て4年半も続く人気番組となった。
番組の終了とその後
番組は視聴率が大きく落ちた訳でもなかったが、突如打ち切りとなった。吉田は著書[7]の中で、松下電器側から「もう長く放送されたので、そろそろいいのではないか」と打診されたと書いている。
2001年3月31日に生放送で「LOVE LOVE ALL STARS解散ライブ」を行って番組が終了。同年4月から時間帯とKinKi Kids以外の出演者を一新して後継番組『堂本兄弟』がスタートした。
2006年9月29日には、LOVE LOVE堂本兄弟10周年生スペシャルを放送。『LOVE LOVEあいしてる』の第1回ゲストだった安室奈美恵らをゲストに招き、『LOVE LOVEあいしてる』から『(新)堂本兄弟』でのライブ部分の総集編をカウントダウン形式で放送した。第1位は『LOVE LOVEあいしてる200回記念』の生放送で披露された吉田拓郎翻訳詞によるポルノグラフィティの「アポロ~広島弁バージョン~」。
コーナー
- プリプリプリティ
- 篠原ともえが毎回ゲストの楽屋を訪ねて、視聴者プレゼントとしてグッズや私物をもらおうというコーナー。国際版として「プリプリプリティInternational」があり、エアロスミスやロビン・ウィリアムズ、レオナルド・ディカプリオ、ジェームス・ブラウンなど、来日中の世界のスーパースターが数多く出演した。なぜかキスを迫られる事が多い(特に外国人ゲスト)。正月時期には、このコーナーのみをクローズアップした特番を放送した。
- カムカムギターキッズ
- KinKi Kidsの二人に、吉田拓郎や坂崎幸之助がギターを教えるコーナー。他にも、charやゲストが講師として出演。一時期、楽屋裏のトークコーナーのようになり、視聴者から「本当にギターを教えているのか」という指摘がなされた。
- ピカピカニューソング
- KinKi Kidsの二人に、番組の新テーマ曲を作らせようというコーナー。剛の作詞は早々に出来上がったが、光一の作曲がなかなか進展しないために箱根合宿を行い、小室等がゲスト出演した。
- GO! GO! BAND KIDS
- 「KinKi Kidsがギター、篠原ともえがベース、吉田拓郎がドラム」というバンドを作ろうというコーナーだったが、吉田が2回目にして脱退。「光一がドラム、篠原がベース、剛がギター」というバンド編成となってしまった。プロデューサーに松任谷正隆を迎え、1998年7月18日の「27時間テレビ夢列島 生LOVE LOVE あいしてる」にて『The Night before your Birthday』を披露した。ちなみに、この時の衣装は、篠原ともえによるデザイン。
- モアモアALL STARS
- 番組終了後に、前室でLOVE LOVE ALL STARSがゲストを囲んでトークするコーナー。視聴者から寄せられたメールなどにゆるゆると回答したりと、リラックスした雰囲気で行われた。不定期で放送。
番組の流れは基本的にオープニング→プリプリ→トーク→ラブラブな歌→ゲスト歌(→モアモア)→プレゼントという流れであった。上記の各コーナーは、トークの間に入ることもある。
オープニング
- 番組開始当初のオープニング曲は「全部だきしめて」。当初は吉田のオリジナル曲だったが、KinKi Kidsが歌詞等をアレンジしてシングルリリースした。また、『堂本兄弟』の特番等でも度々流される等、番組を代表する1曲となっている。
- その後、前述の「ピカピカニューソング」コーナーでの合宿で制作された、剛作詞・光一作曲による「好きになってく 愛してく」に変わったが(これもKinKi Kids名義でシングル化)、番組末期は再び「全部だきしめて」に戻った。
ゲストミュージシャン
- 番組の始まった当初は拓郎に相談してゲストを決めていたという[8]。
- ゲストミュージシャンはLOVE LOVEな歌に関連したミュージシャン、来日中のアーティストや話題のアーティストなどが出演する。99年7月10日のLOVE LOVEあいしてるで少年隊が歌うNai-nai16(シブがき隊)の演奏をメガデスのデイヴ・ムステインと元メガデス(当時は現メガデス)のマーティー・フリードマンがギターを弾き、その後ろでそうる透が笑顔でドラムを叩くという他の番組ではちょっと見られないような(というか、絶対見られないであろう)ライブ演奏が見られるというのが何よりこの番組の特徴である。因みにマーティはLOVE LOVEに出演出来ることを喜んでいたが、デイヴはこの番組に出るのはあまり乗り気でなかった事を後の音楽雑誌のインタビューで語っていた。
- イングヴェイ・マルムスティーンが登場した回はイングヴェイ本人がひたすら“イングヴェイ節”を炸裂させ、見るものを圧倒させた。その勢いは当日のゲストだった観月ありさをも食ってしまう程であった。
- このほか、当時天使の歌声といわれたシャルロット・チャーチや元ヴァニラ・ファッジ 、ベック・ボガート & アピス のカーマイン・アピスなど来日中のミュージシャンが、国内のミュージシャンでは忌野清志郎(ゲストとしても出演)、元C-C-Bの笠浩二、元LUNA SEAのSUGIZO(ギタリストではなく、ヴァイオリニストとして)などが参加している。
ネット局
放送対象地域 | 放送局 | 系列 | 備考 |
---|---|---|---|
関東広域圏 | フジテレビ (CX) 『LOVE LOVEあいしてる』制作局 |
フジテレビ系列 | |
北海道 | 北海道文化放送 (uhb) | ||
岩手県 | 岩手めんこいテレビ (mit) | ||
宮城県 | 仙台放送 (OX) | ||
秋田県 | 秋田テレビ (AKT) | ||
山形県 | テレビユー山形(TUY) | TBS系列 | 1997年3月まで |
さくらんぼテレビ (SAY) | フジテレビ系列 | 1997年4月開局から | |
福島県 | 福島テレビ (FTV) | ||
新潟県 | 新潟総合テレビ (NST) | ||
長野県 | 長野放送 (NBS) | ||
静岡県 | テレビ静岡 (SUT) | ||
中京広域圏 | 東海テレビ (THK) | ||
富山県 | 富山テレビ (BBT) | ||
石川県 | 石川テレビ (ITC) | ||
福井県 | 福井テレビ (FTB) | ||
近畿広域圏 | 関西テレビ (KTV) | ||
島根県 鳥取県 |
山陰中央テレビ (TSK) | ||
岡山県 香川県 |
岡山放送 (OHK) | ||
広島県 | テレビ新広島 (TSS) | ||
愛媛県 | テレビ愛媛 (EBC) | ||
高知県 | 高知放送(RKC) | 日本テレビ系列 | 1997年3月まで |
高知さんさんテレビ (KSS) | フジテレビ系列 | 1997年4月開局から | |
福岡県 | テレビ西日本 (TNC) | ||
佐賀県 | サガテレビ (STS) | ||
長崎県 | テレビ長崎 (KTN) | ||
熊本県 | テレビくまもと (TKU) | ||
宮崎県 | テレビ宮崎 (UMK) | フジテレビ系列 日本テレビ系列 テレビ朝日系列 |
|
鹿児島県 | 鹿児島テレビ (KTS) | フジテレビ系列 | |
沖縄県 | 沖縄テレビ (OTV) |
- なお、クロスネット局であるテレビ大分は特番以外未放送だった。
スタッフ
- 構成 : 高須光聖、津曲裕之、山内浩嗣
- TD (テクニカルディレクター) : 馬場直幸
- ディレクター : 深沢ボン、冨田哲朗
- 演出 : 城野智則
- プロデューサー : きくち伸
- 技術協力 : 共同テレビジョン、八峯テレビ、FLT、PRGアジアライティング、サンフォニックス
- 収録スタジオ : 東京メディアシティ
- 制作協力 : CONTROL、オフィス源
- 製作 : フジテレビ第二制作部
脚注
関連項目
外部リンク
テンプレート:前後番組 テンプレート:KinKi Kids テンプレート:吉田拓郎
テンプレート:FNSの日- ↑ http://www.musicman-net.com/relay/67-5.html#item-1
- ↑ きくち伸インタビュー
- ↑ きくちPの音組収録日記
- ↑ HEY!HEY!HEY![レポート]
- ↑ 晴れときどき拓郎 Younger than yesterday、2003年、小学館、p198
- ↑ nikkansports.com> 日刊スポーツ> 吉田拓郎インタビュー
- ↑ もういらない、2002年、祥伝社、p14-40
- ↑ 「LOVE LOVEあいしてる」完全読本、キンキ・オールスターズ、p140