日本工業大学
テンプレート:Infobox 日本工業大学(にっぽんこうぎょうだいがく、テンプレート:Lang-en、公用語表記: 日本工業大学)は、埼玉県南埼玉郡宮代町学園台4-1に本部を置く日本の私立大学である。1967年に設置された。大学の略称は日本工大(にほんこうだい)、日工大(にっこうだい)、NIT(エヌアイティー)。
目次
概観
大学全体
日本工業大学は工学部を中心とした大学である。1907年に創立し、後に付属となる日本工業大学駒場高等学校が母体となり新制大学として1967年に設立された。 在学生の大半は工業高等学校の出身者であり、それ引き続いて更に高度な専門教育が行われている。 全国的に鑑みてこの様な大学は非常に珍しいが、これは建学の精神に基づいたものであり、開学当時から続くこの経緯から、全国の工業高等学校から進学者が集まっている。 一方で全国の大学と比較すると相対的に少ないものの、普通高校からの進学者も多く存在し、一年次に専門科目の導入教育が行われ、、工業高校出身者は普通科目を補完する教育が行れる。 それぞれ不足分が補う様に教育が施された末、高度な専門教育へと移っていく。 社会人や帰国子女向け入試、留学生別科の設置により様々な方向へ門戸が開かれているため、多くの大学では普通高校の出身者で占められているのに対し、本学では多様な学生が在籍している。
建学の精神(理念)
建学の精神と理念は、教室・実習室やホールなど学内各所に掲示され訪問者に周知を図る。 学園創立100周年を契機に、「建学の精神」を要約した「日本工業大学の理念(下記においては太文字の部分)」を新たに設定し、二つを合わせて「日本工業大学綱領」として定めた。
- 工学・技術の深化と普及
- 技術教育の理想追及と実践
- 実践的技術創造人材の育成
- 国際交流・産学連携の推進
- 環境・共生社会への貢献
教育目標
- 工学理論を積極的に現実社会に活用しうる創造的技術能力を持った人材を育成する。
- 科学技術を愛し、その実体験豊富な人材に対し、その経験を生かした技術教育を行い、高度な技術能力を持った人材を育成する。
- 広く世界の人々と交流し相互理解を深め、工学技術を通じて地球共生社会に貢献しうる人材を育成する。
- 産業社会と工学教育の連携を密にし、広い実務的能力を持った実践的な人材を育成する。
- 豊かな工学知識と広い教養を修め、真理を愛し健全な思想を持つ建設的な社会人を育成する。
環境マネジメントシステム
大学全体で、環境マネジメントシステムの国際規格であるISO 14001を取得している。この規格の要求事項を満たす長期的な方針を定めた”環境方針”と、中期的に定めた”環境目的・目標”が文書化され、全学生、全職員及び学内関連機関に周知すると共に広く一般にも開示され[1]、これらの活動が推進されている。
特徴
- 大学入学後のカリキュラムは、高校の専門学科を卒業者を対象に基礎学力の強化を狙う「工学発展コース」と、高校の非専門学科を卒業者を対象に一からの工学知識を集中して学ぶ「工学集中コース」[2]がある。
- 教員総輩出数は1200人超で、工業大学では日本一である。
- 大学全体で国際規格のISO 14001を取得している。
- 大学の敷地内に博物館(工業技術博物館)が併設されている。
- 電気電子工学科が管理しているUHV(超高圧放電研究センター)は屋内の落雷実験場としては国内最大級の施設であり、マスコミ等の落雷実験でも利用される。
沿革
略歴
1907年(明治40年)、日本工業大学前身の東京工科学校が開校する。近代化を進める当時の日本は、技術を持った技術者が決定的に不足し、工業教育は学術的だが実践的でなく、その両方を理念に掲げて開校した。 高度経済成長期の昭和30年代後半、産業界での技能習得に加えて新技術導入への対応能力を有する人材要求から、その育成に工業高校出身者の受け皿となる高等教育機関が求められる。しかし該当大学は存在せず、1961年、『大学をつくろう』の表明に産学と保護者から支持を得て、1967年、日本工業大学駒場高等学校を母体に本学が開学される。 21世紀に入り世界的に環境問題が叫ばれる中、2001年6月、国際規格ISO 14001取得など環境問題にも取り組む。[3]
年表
明治
- 1907年12月18日 東京工科学校の校名で設立が認可される。
- 校舎は小石川水道端町に位置した。
- 1908年2月 東京工科学校が開校する。
- 生徒数は70名。季節に因み帽章は梅花を交錯する。
- 1908年4月 電工科、機械科、建築科、採鉱冶金科の4学科体制になる。
- 1911年8月 校舎神田錦町3丁目24番地に移る。
- 1912年3月 土木科を設置する。
大正
昭和
- 1930年6月 鉄筋コンクリート5階建校舎が落成する。
- 1931年6月 組織を変更し、財団法人東京工科学校を設立する。
- 実業高校令工業学校規定により、小学校卒業を入学資格とする5年制甲種工業学校の東京工業学校を設置する。
- 昼間部に機械科、夜間部[4]に土木科を設置する。
- 1935年3月 東京工科学校の校名を東京高等工科学校と改称する。
- 学制を改め、小学校卒を入学資格とする3年制乙種工業学校として前記の甲種工業学校に併設する。
- 昼間部に機械科、建築科を設置して夜間部は従来通りとする。
- 1935年10月 法人名を財団法人東工学園と改称する。
- 1939年12月 目黒区駒場に校地購入する。
- 1943年8月 長野県上高地に健康修練所を開設[5]する。
- 1943年12月 東京工業高校の学科を昼夜共に、機械科、建築科、土木科の3科とする。
- 1945年2月 戦災により木造校舎、実習工場および設備、鉄筋コンクリート校舎1・2階が全焼する。
- 1945年4月 新学制により、東工学園中学校を設置[6]する。
- 1948年4月 東京工業学校を廃止、東京工業高等学校を設置[7]する。
- 1948年4月 目黒区駒場町751番地の現在地に校舎落成して神田から駒場に移転する。
- 1948年5月 東京高等工学科学校設置[8]する。
- 1951年3月 法人名を学校法人東工学園と改称[9]する。
- 1957年4月 全日制土木科を廃止して機械工作科を設置する。
- 1962年4月 全日制課程に電気科と工業計測科、定時制課程に電気科を設置する。
- 1964年12月 鉄筋第3校舎が完成する。
- 1967年4月 日本工業大学を開学[10]する。
- 学園創立60周年を記念し開学する。
- 機械工学科、電気工学科、建築学科[11]を設置する。
- 1967年12月 日本工業大学後援会を設立する。
- 1969年4月 工学部に教職課程(工業)が認定される。
- 1969年11月 本館(1,2,3号館)が完工する。
- 1972年4月 4号館が完工する。
- 1972年12月 セミナーハウス天元山荘が完工する。
- 1975年4月 工学部システム工学科を設置[12]する。
- 1978年4月 機械工作センター、電気実験センター、電算機実験センターを設置する。
- 1979年4月 工学部に教職課程(技術)が認定される。
- 1979年8月 材料試験センターを設置する。
- 1980年4月 保険体育センターを設置する。
- 1982年3月 大学院工学研究科・修士課程(機械工学専攻、電気工学専攻、建築学専攻)を設置[13]する。
- 1983年10月 建築技術センターを設置する。
- 1985年4月 工業教育研究所を設置する。
- 1985年7月 超高圧放電研究センターを設置する。
- 1987年4月 電気工学科を電気電子工学科に名称変更し、大学院工学研究科・博士課程(機械工学専攻、建築学専攻)を設置[14]する。
- 1988年4月 工業技術博物館を宮代キャンパス内に設置する。
平成
- 1990年4月 法人名を学校法人日本工業大学、高校名を日本工業大学付属東京工業高等学校、中学校名を日本工業大学付属中学校にそれぞれ名称変更[15]する。
- 1993年4月 留学生別科(日本語研修課程)を設置する。
- 1993年9月 国鉄2100形蒸気機関車の動態保存を開始する。
- 1995年4月 工学部情報工学科を設置[16]する。
- 1997年5月 スチューデントセンターが完工する。
- 1999年10月 スチューデントラボを設置する。
- 2001年6月 国際規格ISO 14001を取得する。
- 2004年3月 財団法人大学基準協会より「適合」認定される。
- 2005年4月 大学院技術経営研究科(専門職大学院)技術経営専攻、専門学校を神田神保町に設置。教職教育センター、学修支援センターを設置する。
- 2006年4月 産学連携起業教育センターを設置する。
- 2007年 学園創立100周年を迎える。
- 2007年 4月 情報技術センターと事務システム管理室を統合し、システム管理室を設置する。
- 2009年4月 ものづくり環境学科、生活環境デザイン学科の2学科を設置し、システム工学科から創造システム工学科へ名称変更[17]する。
- 2009年4月 学科をまとめて学群を新たに設置し、各学群に学群共通科目を配置して、学群内の転学科を認める。
- 2011年3月 18号館が完工する。
- 2012年10月 第4回エコ大学ランキングで全国総合第1位に入賞する。
基礎データ
所在地
- 宮代キャンパス(埼玉県南埼玉郡宮代町学園台4-1)
- 神田キャンパス(東京都千代田区神田神保町2-5)
象徴
校章
校章は「日」と「工」の文字組み合わせで、本学モットーの誠実、勤勉、明朗が色彩で示され、白は誠実、ブルーは明朗、黒は勤勉で、色調は工科系に相応しいものとして野中宏親がデザインを手がける。
校歌
「日本工業大学校歌」は昭和45年、学園讃歌「我が学舎に栄光あれ」は昭和52年に制定され、それぞれ日本工業大学後援会のホームページ上で音楽ファイルが公開され視聴可能である。
組織
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設置学部は工学部のみで、全ての学群と学科(本科)は工学部に属する。学群内の転学科制度により、欠員発生時に志願者は選考の上許可される。コースは事前の本人希望を基に、二年次秋学期に振り分けられる。括弧内のアルファベットはその学科の略号で、実際には機械工学科はM科、電気電子工学科はE科などアルファベットの頭文字で呼称されることが多い。
機械システム学群
- 機械工学科(ME:Mechanical Engineering)
- ものづくり環境学科(PE:Product Engineering And Environmental Management)
- 創造システム工学科(SE:Innovative Systems Engineering)
電子情報メディア学群
建築デザイン学群
- 建築学科(ARC:Architecture)
- 生活環境デザイン学科(LED:Living Environment Design)
大学院
本大学院では、四年制大学卒業者相当向けの工学研究科と、実務経験を有する社会人向けの技術経営研究科が設置されている。工学研究科は学部同様に宮代キャンパス、技術経営研究科は神田キャンパスに設置され、両研究科は学生層と教員が異なる上、キャンパスも離れていることから、技術経営研究科は事実上異なる学校として運営されている。
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博士前期課程(修士課程)・博士後期課程を有する工学研究科が設置されている。 平成25年度、4年前に新設された学部新学科の卒業生に対応する為に工学研究科は改編され、これまで学科毎に対応していた専攻を学群毎に対応する専攻へとし、更に全学科から進学可能な環境共生システム専攻を加えた4専攻とした。それに伴い、工学研究科・博士前期課程の全体入学募集定員を40名から100名へ、収容定員も200名へと大幅に拡張された。 新しい研究科では、PBL(プロジェクト・ベースド・ラーニング)を本格的に取り入れた。工学研究科専用の研究スペースの整備を図り、課題発見能力や問題解決能力を養う実践的な教育を展開している。また、プロジェクトのテーマは一般企業からも受け付けている。1年次はPBLのプロジェクト科目を中心に専門領域を横断して幅広い分野を学ぶ。2年次は分野別に構成される専門領域を学修し、最終的には論文、設計を完成させる。
- 環境共生システム学専攻
- 生物応用デザインプロジェクト
- 社会環境デザインプロジェクト
- 機械システム工学専攻
- プロダクトデザインプロジェクト
- 次世代加工技術プロジェクト
- ロボット創造プロジェクト
- 電子情報メディア工学専攻
- 次世代デバイス応用プロジェクト
- 次世代情報技術プロジェクト
- 次世代メディア開発プロジェクト
- 建築デザイン学専攻
- 建築・都市環境デザインプロジェクト
- 住環境デザインプロジェクト
- 福祉環境デザインプロジェクト
- 旧専攻(新入生は平成24年度まで)
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専門職学位課程を有する一年制の専門職大学院である。対象は大学卒業後5年以上の実務経験を有する者で、9年以上の実務経験を有し十分な知識と実績を有する者も認められる場合もある。中堅や中小企業の技術経営に特化した高度な専門知識習得のため、実業家教員が実例やケーススタディなどをもとに実践的に指導する。開講は平日夜間と土曜日で、週3日程度の受講と最終試験の合格で技術経営修士(専門職)学位が授与される。
- 技術経営専攻(MOT)
- 中小企業技術経営コース
- プロジェクトマネジメントコース
- 新事業創造・起業コース
別科
留学生別科
留学生別科は、日本の理工系大学への留学を希望する外国人生に、日本語と大学教育受講の基礎学力育成が目的である。修了生は学修履歴や成績に応じ日本工業大学工学部または大学院工学研究科への推薦入学が認められる。
付属機関
先端材料技術研究センター
日本工業大学の研究拠点および産学コラボレーション拠点として大学・企業のニーズに対応した技術支援を行う。
超高電圧研究センター
国内大学中で最高レベルの機能を誇る、インパルス電圧の実験研究施設である。
ファインブランキングセンター
高速・高精度の新加工プロセスの開発を目指す産学連携研究の拠点で、2003年度文部科学省「産学連携推進事業」採択の研究プロジェクト拠点として建設される。
LCセンター
学園創立100周年を記念して建設され、図書情報複合施設「LCセンター」(Library and Communication Center)として2007年10月に開館し、図書館とカフェテリアや学習室が併設されている。
工業技術博物館
歴史的に価値ある産業の発展に貢献した工作機械等、250台以上の機械を機種別、製造年代順に展示しており、工作機械の7割は動態保存で、一般に公開している。本館・蒸気機関車館・別館で構成されており、展示品は機械・機器類、大小合わせて400点以上に及ぶ。また、かつての町工場も復元してあるのもこの博物館の特徴である。また、国家プロジェクトで開発されたガスタービンエンジンなども展示し、国鉄などに長年活躍した19世紀末英国製の蒸気機関車も動態保存して、時々運行している。
工業教育研究所
1971年4月に開設され、一貫して工業技術教育のあり方、特に中学校や工業高校から大学や大学院に至る工業技術教育の実践的研究をする。工業高校と日本工業大学との遠隔授業による研究成果の一般化に関し研究開発し、本学へ「ジュニアマイスター」取得後入学した学生の現況調査と研究する。各界有職者及び技術者による自由科目を開講している。
産学連携起業教育センター
企業の多彩な技術開発ニーズに呼応し、各種専門分野の技術相談に応ずる幅広い産業交流ネットワーク育成や、企業の研究開発拠点として産学共同研究ラボの開放などを行う。
生涯学習センター
教養講座、資格講座、本学と学外機関との協定あるいは連携事業を行う。多様な研究成果を広く一般に開放し、地域社会の生涯学習充実や産業界の発展に寄与することを目的に、1990年『公開講座センター』として発足し、1995年、『生涯学習センター』に名称を変更する。
外郭団体
工友会
卒業生の同窓会組織で、卒業生相互の連携と親陸や母校発展への貢献を目的に卒業生が運営する大学の外郭団体である。
- 事務局
宮代キャンパス1号館3階
- 学科支部
機械工学科同窓会、電気電子工学科支部、建築学科同窓会、システム工学科支部、情報工学科支部
- 地域支部
栃木県支部、神奈川県支部、静岡県支部、千葉県支部、岩手県支部、愛知県支部、沖縄県支部、広島県支部、山口県支部、青森県支部、長野県支部、秋田県支部、山形県支部、愛媛県支部、香川県支部、徳島県支部、高知県支部、埼玉県支部、福島県支部、大阪府支部、兵庫県支部、岡山県支部、山陰支部、群馬県支部、タイ・バンコク支部
- 活動内容
卒業後に工友会会員として積極的に活動する学生への奨学金の給付や、ホームカミングデーを大学と毎年共催する。
後援会
在学生父母または保証人が構成し、本学教育方針に則り大学と学生家庭間の連絡を密にして、大学後援、興隆発展へ寄与、会員相互の親睦を目的とする団体である。
- 事務局
宮代キャンパス1号館1階の総務部総務課内に設置する。
- 支部
青森、岩手、秋田、蔵王(山形、宮城)、福島、栃木、茨城、群馬、山梨、長野、新潟、静岡、東海(愛知、岐阜、三重)、近畿(滋賀、京都、大阪、奈良、和歌山、兵庫)、東中国(岡山、鳥取)、西中国(広島、山口、島根)、北陸(富山、石川、福井)、沖縄、千葉
- 活動内容
- 大学の施設および教育環境に関する援助
- 学生自治会等への援助
- 学生の課外活動を指導する教職員への援助
- 表彰記念品の贈呈
- 行事への協力
- 後援会文庫(図書館所蔵図書)の寄贈
- 健康診断料の負担
- 地域別教育懇談会の開催
- 後援会支部活動への援助
- 教職員と学生による環境に関する研究への助成
- 学生生活の環境整備協力
教育および研究
教育
基本は「実工学」で実験、実習、製図など体験学習で工学の本質に迫り、「実工学教育」で実践的エンジニア育成を図る。
- 工学集中コース・工学発展コース
普通高校出身者の学生は工学集中コース、工業高校出身者の学生は工学発展コースに属し、学習既往歴に応じるカリキュラム・コースでスムーズな個性育成を図る。
- 工房教育
小型旋盤や茶室など目標設定して企画から設計、製作、施工まで一貫して取り組む「工房教育」で2~3年の長期間取り組む。目標達成の学生は「カレッジマイスター」と称される。
- 環境教育
国際環境規格ISO 14001を全学で認証取得し、教養科目に環境系科目、専門科目に環境関連した科目が設置される。
- 出前授業
教員が高等学校訪問して高校生が興味や関心を持つ分かり易い授業を行い、高校生が来校して講義、実験、実習を体験する。
- 修業期間制度
修業期間は原則として工学部は4年間、工学研究科修士課程は2年、経営技術研究科は1年、工学研究科博士課程は3年となっている。 工学部には早期卒業(飛び級)できる制度が存在し、2年次までのGPAが3.5以上、修得単位が100単位以上の条件を満たした上で、本人の申し出により3年次から卒業研究に着手することが可能と判断された場合、3年間で学部を卒業できるが、大学院への進学が条件となる。 最大修業年限は原則の2倍となるが 留年という制度は存在せず、休学・退学・除籍がなければ進級でき、必修科目を修得できなかった場合は即留年という事態は避けられ、年次履修科目に制限を与えられることもない。 しかし、卒業研究着手条件(3年次終了時点で総修得100単位以上と指定科目の修得)を満たさなければ卒業の延期が確定し、実質的な留年が起こる。 例外として上記に加え、機械工学科と情報工学科は2年次終了時点で総修得60単位未満の場合、3年次ゼミナールの仮配属がされずに卒業研究着手条件を満たせなくなる。 毎期20単位以上修得するのが望ましいと案内されており、2年次終了時点で修得総単位が30単位未満、4年次終了時点で60単位未満の学生は自動的に退学となる。 卒業の延期や休学は学期(半年毎)で数えられている。
研究
- 科学研究費助成事業
平成24年度の科学研究費助成事業において本学の交付者は33名である。
情報工学科磯野春雄教授が、平成20年度の文部科学大臣表彰・科学技術賞(研究部門)を受賞[18]する。磯野研究室の研究成果が、第6回の日本聴覚障害学生高等教育支援シンポジウムで3年連続奨励賞を受賞し、NHK教育番組[19]に取材される。
建築学科那須秀行准教授が共同研究する住友林業のBig Frame構法が住宅構法初のグッドデザイン賞を受賞[20]する。
- 特別ゼミ
卒業研究着手前の1年生から3年生を対象に、希望する研究室(ゼミ)で研究を行える制度があり、担当する教員に認められれば特別ゼミとして単位が認定される。各研究室2名程度まで随時受け入れている。工業高校卒業の条件となった課題研究を学生が続けられるという側面もある。
学生生活
学生委員会
- 中央執行委員会
- 大学祭実行委員会
- 体育祭実行委員会
- 卒業アルバム委員会
- 学生生活向上委員会
- 学生環境推進委員会
- 体育会本部
- アーチェリー部、アメリカンフットボール部、硬式庭球部、軟式野球部、ゴルフ部、サッカー部、スキー部、ソフトテニス部、体操競技部、卓球部、バスケットボール部、バドミントン部、バレー部、ハンドボール部、ラグビー部、陸上競技部、ワンダーフォーゲル部、空手道部、弓道部、剣道部、柔道部、少林寺拳法部
- 文化団体連合会
- コミックイラスト研究部、写真部、車両製作部、新建築デザイン研究会、第三文明研究会、航空研究部、美術部、マイクロコンピュータ研究部、ユース・ホステル・クラブ、無線部、放送研究部、BJPフルバンド・ジャズ・サークル、モダン・フォーク・ソングクラブ、ロックフィール部、Sound of Music、友遊楽団
- 吹奏楽団
大学祭
「若杉祭」が毎年11月上旬に宮代キャンパスで3日間開催され大学祭実行委員会が準備と運営する。会期中にホームカミングデー、建築設計競技表彰式、工業技術博物館特別展を行う。
体育祭
毎年5月中旬、宮代キャンパスで学部一年生向けの競技会として行われる、玉入れ、騎馬戦、棒引きなどの競技が開催される。
年間の行事
- 4月上旬:春季入学式、春季オリエンテーション、春季授業開始
- 5月中旬 - 下旬:体育祭
- 5月下旬:学生総会
- 6月29日:学園創立記念日
- 7月下旬:春学期試験期間
- 8月上旬:夏祭り
- 9月中旬:秋季オリエンテーション、秋季学位記授与式、秋季入学式、秋学期授業開始
- 11月上旬:大学祭
- 11月下旬:学生総会
- 1月下旬:秋学期試験期間
- 3月下旬:学位記授与式、定期健康診断
施設
キャンパス
宮代キャンパス
宮代キャンパスは埼玉県の宮代町に所在しており、再開発が進む東武鉄道の主要駅、”東武動物公園駅”から徒歩14分程の場所である。 駅から徒歩圏内であるものの、敷地の一部が東武動物公園と隣接し、キャンパス内は緑が広がり、多種の野鳥を見てとれる程である。 面積は、東京ドーム約5倍の広大なキャンパスで、約4500名の学生が通っている。
キャンパスのエコミュージアム化を推進し、研究成果などが環境に与える影響や環境対策設備・機器などを目に見える形にしている。 例えば、本館屋上に採光型の太陽光発電システムが設置され、1号館の1階ホールにその発電状況がモニタリングされている。 その他にも、本学が中心となった共同研究をベースに最新技術を導入して開発された、高性能なハイブリッド風力発電装置も設置され、学内の夜間照明などに利用されており、発電能力が大学で日本一の523Kwである。
キャンパス内には、「クリーン・グリーン・エコキャンパス」という標語が掲げられた看板を複数設置し、学生の環境意識向上を図り、学生ボランティアによるキャンパスの清掃を行っている。 それらの試みが評価され、2012年にNPO法人による環境対策の評価を行う「第4回エコ大学ランキング」において、全国総合評価で第1位となった。
- 使用学部:工学部
- 使用研究科:工学研究科
- 敷地面積:282,118m²
交通アクセス
- 東武動物公園駅よりスクールバスで約5分、徒歩で約14分である。
- 東武スカイツリーライン(東京メトロ日比谷線直通。または、東京メトロ半蔵門線経由、東急田園都市線直通。)
- 東武伊勢崎線(東武桐生線直通。)
- 東武日光線(東武鬼怒川線、野岩鉄道会津鬼怒川線経由、会津鉄道会津線直通。)
- 新白岡駅よりスクールバスで約12分、自転車で約25分
神田キャンパス
神田キャンパスは東京都千代田区の東京メトロや都営地下鉄神保町駅から徒歩2分程度に位置して鉄道アクセスが非常に良好で各種路線が利用できる。皇居や日本武道館が徒歩圏内など周辺環境が充実し、最上階の日本庭園から神田が一望できる。系列の神田情報ビジネス専門学校とキャンパスを共有して併せて約400名が通学する。
- 使用研究科:技術経営研究科
- 敷地面積:507m²
交通アクセス
学生食堂
宮代キャンパス内学生食堂では、ICカード専用券売機などで学生証が備える電子マネー機能で支払いが可能である。メニューなどがイベント情報番組「プレミアの巣窟」で価格に比してボリュームが多いと評される。生ごみはコンポスト処理機で一日150kgを100%堆肥化して再資源化し、キャンパス外への排出はゼロでエコミュージアム化に貢献している。
第一食堂(学生ホール)
- 営業時間:平日10:00 - 18:30、土曜日10:00 - 15:00
約1000名を収容する大食堂で昼時は非常に混雑する。日替わりランチ(A定食、B定食、日工大ランチ)や、ラーメン、うどん、蕎麦等の麺類がありA定食と日工大ランチは数量限定で、寿司屋も営業されている。
第二食堂(ピザリアトレビ)
- 営業時間:平日10:00 - 17:00、土曜日10:00 - 14:00
約100名を収容する。屋根がテラスに設置され日中は座席が配されて利用できる。日替わりランチ(C定食、スペシャルランチ)や、パスタ系のメニューを中心に扱う。
カレーコーナー
- 営業時間:平日10:00 - 14:00
スチューデントセンターの1階に設営されている。
カフェテリア
- 営業時間:平日11:00 - 16:00
LCセンター内の1階に設営されている喫茶店であり、各種ドリンクを販売している。手作りピザ、スープ付きのピラフ、たこ焼きやパフェなどを扱う。
アルテリーベ(談話室)
- 営業時間:8:30 - 19:00(ランチタイム:11:00 - 14:00)
約80名を収容するレストランである。ティータイムやランチタイム向けのメニューを扱い、夕刻以降は酒類も扱う。
コンビニ売店(購買部)
- 営業時間:平日9:00 - 19:00、土曜日9:00 - 17:00
文房具や教科書、焼き立てパンやソフトクリームなど軽食を多く扱う。隣接する屋内テラスの座席で摂食できる。
付属施設
工業技術博物館
テンプレート:博物館 1987年、学園創立80周年記念事業の一環で宮代キャンパス敷地内に開設される。 ムーンライト計画で開発されたガスタービンエンジンの実物、FJR710ジェットエンジン、稼動状態の日本の産業を支えた工作機械が250台以上、機種別、製造年代順に展示され一般公開されている。1991年以降、毎年、身近なテーマをもとにした特別展を館内にて開催し、1993年9月から、1891年(明治24年)イギリス製の国鉄2100形蒸気機関車「2109号」が動態保存され、キャンパス内120m鉄路で定期的に有火運転を行いマスコミで紹介されることがある。1998年度、工学教育賞(文部大臣賞)を受賞し、展示物は登録有形文化財に178点、近代化産業遺産に63点が指定される。
利用情報
- 開館時間:9:30 - 16:30(入館は16:00まで)
- 休館日:日曜・祝日、8月中旬 - 下旬、年末年始
- 蒸気機関車の運転予定日:当館へ事前問い合わせ
- 入場料:無料
LCセンター図書館
宮代キャンパスLCセンター内にあり、私工大懇話会対象である。ゲートのカードリーダーに学生証または職員証を触れて入館するが、問題発生時は正面入口入館ゲートのインターフォンで対応する。貸出は学生証または職員証や利用者カードが必要で所属により貸出冊数が異なる。通常の閉館時間は20:30から19:00へと短縮されている。
利用情報
- 開館時間:平日、土曜日9:00 - 19:00、授業休講日9:00 - 17:00
- 休館日:日曜、祝祭日、本学休業日
- 蔵書数:214,707冊(平成24年4月1日現在)
- 閲覧座席数:642席
- 利用資格:本学学生(学部生、大学院生)、留学生別科学生、研究生、研究員、科目等履修生、教職員、本学卒業生、18歳以上の近隣住民・在勤者(宮代町、杉戸町、白岡市、久喜市、春日部市が目安)、私工大懇話会図書館連絡会加盟大学生、埼玉県大学・短期大学図書館協議会(SALA)加盟大学生、センター長が許可した者
学外施設
カナダ研修所
カナダのアルバータ州にある研修所で、「カナダ特別セミナー」や「2×4木造建築工房」履修時に利用する。学外施設だが「カナダキャンパス」と案内される場合もある。研修所本館建物は歴史的裁判所を保存修復したものである。
セミナーハウス
セミナーハウスはゼミや部活などの合宿に利用される施設で、在学生や付属校学生は割安な料金で宿泊できる。
下田寮
静岡県伊豆下田の白浜を見下ろせる高台にあり、大浴場を備える。
天元山荘
山形県磐梯朝日国立公園山麓にある。
赤倉山荘
新潟県の妙高高原にある。四季折々の風情が豊かで冬季はスキーなどウィンタースポーツも楽しめる。
大学関係者
大学関係者
- 理事長:大川陽康
- 学長:波多野 純
教員
卒業生
- 庚塚啓祐 (大末建設元常務執行役員、ジェイオー建設元取締役副社長)
- 三村康雄(日本テクニカルイラストレーション副会長)
- 沖山仁(墨田区議会議員)
- 品川典久(中央住宅代表取締役社長)
対外関係
企業
産学連携で下記の埼玉県内に拠点を置く金融機関と提携している。
独立行政法人
国立科学博物館大学パートナーシップ
学生のリテラシー向上やサイエンスコミュニケーション能力向上を目的に、国立科学博物館による教育機関との連携事業が行われ、学生は以下の国立科学博物館を初めとする常設展を無料、特別展を600円引きで利用できる。
公益財団法人
東京都歴史文化財団パートナーシップ
会員校の学生生活における様々な場面で、東京都歴史文化財団の人的資源及び、財団が管理運営する都立文化施設を活用できる制度で、学生証の呈示により以下の常設展や入館が無料で、一部の有料企画展で特別割引される。
- 東京都庭園美術館 - 全面改修のため平成26年まで休館予定
- 東京都江戸東京博物館 - 常設展無料
- 江戸東京たてもの園 - 入場無料
- 東京都写真美術館 - 収蔵展無料
- 東京都現代美術館 - 常設展無料
大学
私工大懇話会
首都圏に位置する私立工科系大学図書館のネットワークで、加盟大学図書館同士の相互協力の一環として資料の閲覧、貸出サービスが行われている。
単位互換協定校
大学間の交流と教育の充実を目的とし、埼玉県東部地区大学単位互換協定を締結している。
海外提携校
- 華中科技大学(1983年提携)中国
- 高苑科技大学(1990年提携)台湾
- キングモンクット工科大学(1991年提携)タイ
- レスブリッジカレッジ(1995年提携)カナダ
- 南台科技大学(1995年提携)台湾
- 国立交通大学(1997年提携)台湾
- イリノイ大学シカゴ校(1999年提携)アメリカ
- ノッティンガム大学・建築環境学科(2002年提携)イギリス
- カールスルーエ専門大学(2002年提携)ドイツ
- 中国科技大学(2003年提携)台湾
- チュラロンコン大学(2007年提携)タイ
- 中国海洋大学(2007年提携)中国
脚注
- ↑ 日本工業大学:環境への取り組み
- ↑ 一例では、機械工学科「工学集中コース」では一から製図を学習し、「工学発展コース」では製図作成経験を前提に製図実習が行われる。
- ↑ 沿革|日本工業大学
- ↑ 高等小学校卒業が入学資格の4年制
- ↑ 開設期間は1943~1944年である。
- ↑ 1947年4月1日に認可される。
- ↑ 1948年3月10日に認可される。
- ↑ 1948年5月13日に認可される。
- ↑ 1951年3月7日に認可される。
- ↑ 1967年3月25日に認可される。
- ↑ 入学定員は各160名である。
- ↑ 1974年12月に認可される。
- ↑ 1982年3月17日に認可される。
- ↑ 1987年3月18日に認可される。
- ↑ 1990年3月22日に認可される
- ↑ 1994年12月21日に認可される。
- ↑ 2008年6月に届出受理される。
- ↑ 情報工学科・磯野教授が文部科学大臣表彰の科学技術賞を受賞
- ↑ 情報工学科・磯野研究室の研究成果が「第6回日本聴覚障害学生高等教育支援シンポジウム」で奨励賞を受賞
- ↑ 本学建築学科那須秀行准教授が共同研究している住友林業のBig Frame構法が住宅構法として初めてのグッドデザイン賞を受賞
関連項目
- 神田情報ビジネス専門学校
- 日本工業大学駒場中学校・高等学校 - 附属校