東京都市大学

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テンプレート:Infobox 東京都市大学(とうきょうとしだいがく、テンプレート:Lang-en)は、東京都世田谷区玉堤1-28-1に本部を置く日本私立大学である。1949年に設置された。大学の略称は都市大(としだい)。なお、名称が類似しているが首都大学東京(公立、旧東京都立大学)とは全くの別組織である。

概観

大学全体

東京都市大学の前身校は、1929年(昭和4年)に創立された。武蔵高等工科学校として、及川恒忠西村有作らによって東京府荏原郡大崎町(現在の東京都品川区大崎)に創立された。その後、1939年(昭和14年)に現在の本部所在地である東京都世田谷区玉堤に移転。1949年学制改革により武蔵工業大学となる。1955年、創設者の要請により、大学は東京急行電鉄の創業者五島慶太の興した学校法人五島育英会に引き継がれた。

2009年に武蔵工業大学に同学校法人の運営する東横学園女子短期大学を統合して東京都市大学と改称し、工学部、知識工学部、環境情報学部に加え、文系学部である都市生活学部、人間科学部を新たに開設し、5学部16学科となった。

建学の精神(校訓・理念・学是)

東京都市大学では、前身校の創立以来「公正・自由・自治」を建学の精神として掲げている。

学風および特色

東京都市大学の前身校の武蔵工業大学は、工学部のみの工科系単科大学として設立されたが、1997年に文理融合型の「環境情報学部」、2007年には「知識工学部」が設置され3学部体制となった。2009年の東横学園女子短期大学との統合により、文系学部である都市生活学部、人間科学部を新たに開設して5学部体制の総合大学となった。工学部と知識工学部では、専門分野の選択肢を広げる「学群制」と「コース制」を導入している。

沿革

  • 1929年昭和4年) - 武蔵高等工科学校として創立(電気・土木・建築の3工学科を設置)
  • 1934年(昭和9年) - 機械工学科を増設
  • 1942年(昭和17年) - 実業学校令専門学校令による武蔵高等工業学校開設(機械・電気・土木・建築の4工学科を設置)
  • 1944年(昭和19年) - 武蔵工業専門学校と改称(機械・電気・土木・建築の4科に改称し電気通信科を増設)
  • 1949年(昭和24年) - 学制改革により大学に昇格(工学部機械工学科、電気工学科、建設工学科)
  • 1950年(昭和25年) - 短期大学部開設(機械科、電気科、建設科)
  • 1951年(昭和26年) - 武蔵工業学園高等学校開設
  • 1953年(昭和28年) - 武蔵工業学園高等学校を武蔵工業大学付属高等学校と改称
  • 1956年(昭和31年) - 武蔵工業大学付属中学校開設、信州電波専門学校を開校
  • 1957年(昭和32年) - 工学部に電気通信工学科を増設、建設工学科を建築工学科、土木工学科に分離
  • 1958年(昭和33年) - 信州電波専門学校を武蔵工業大学付属目黒高等無線学校信州分校に改称。
  • 1959年(昭和34年) - 工学部に生産機械工学科、経営工学科を増設
  • 1960年(昭和35年) - 付属原子力研究所発足
  • 1961年(昭和36年) - 武蔵工業大学付属目黒高等無線学校信州分校が武蔵工業大学付属信州工業高等学校となる
  • 1965年(昭和40年) - 工学部の機械工学科と生産機械工学科を合併(機械工学科)
  • 1966年(昭和41年) - 大学院修士課程開設(工学研究科機械工学専攻、生産機械工学専攻、電気工学専攻、建築学専攻)
  • 1968年(昭和43年) - 短期大学部廃止、大学院博士課程開設(工学研究科機械工学専攻、生産機械工学専攻、電気工学専攻、建築学専攻)
  • 1969年(昭和44年) - 工学部電気通信工学科を電子通信工学科に改称
  • 1972年(昭和47年) - 大学院修士課程工学研究科に土木工学専攻増設
  • 1977年(昭和52年) - 情報処理センター発足
  • 1981年(昭和56年) - 大学院博士課程工学研究科に土木工学専攻増設、大学院修士課程工学研究科に経営工学専攻、原子力工学専攻増設
  • 1985年(昭和60年) - 工学部電気工学科を電気電子工学科に改称
  • 1992年平成4年) - 水素エネルギー研究センター発足
  • 1994年(平成6年) - 五島記念館竣工
  • 1997年(平成9年) - 工学部に機械システム工学科、電子情報工学科、エネルギー基礎工学科を増設、環境情報学部開設(環境情報学科)、情報メディアセンター発足
  • 1999年(平成11年) - エネルギー環境技術開発センター開所
  • 2000年(平成12年) - 産官学交流センター発足
  • 2001年(平成13年) - 大学院修士課程に環境情報学研究科環境情報学専攻設置、大学院博士課程及び修士課程工学研究科生産機械工学専攻を機械システム工学専攻に改称、武蔵工業大学付属信州工業高等学校を武蔵工業大学第二高等学校に改称
  • 2002年(平成14年) - 大学院博士課程及び修士課程工学研究科土木工学専攻を都市基盤工学専攻に改称、工学部土木工学科を都市基盤工学科に改称、工学部経営工学科をシステム情報工学科に改称、 環境情報学部に情報メディア学科を増設、生涯学習センター発足
  • 2003年(平成15年) - 大学院博士後期課程開設(工学研究科エネルギー量子工学専攻)、工学部電気電子工学科を電気電子情報工学科に改称、工学部電子情報工学科をコンピュータ・メディア工学科に改称、工学部エネルギー基礎基礎工学科を環境エネルギー工学科に改称
  • 2004年(平成16年) - 総合研究所発足、新図書館竣工
  • 2007年(平成19年)
    • 知識工学部開設(情報科学科、情報ネットワーク工学科、応用情報工学科)、工学部に生体医工学科開設、工学部電気電子情報工学科を電気電子工学科に改称、工学部都市基盤工学科を都市工学科に改称
    • 室蘭工業大学と教育研究に係る学生・研究者交流、共同研究、施設の相互利用、学術・教育情報の交換、産業振興など連携合意
  • 2008年(平成20年)
    • 多摩美術大学と教育研究に係る学生・研究者交流、共同研究、施設の相互利用、学術・教育情報の交換、産業振興など連携合意
    • 昭和大学と教育研究に係る学生・研究者交流、共同研究、施設の相互利用、学術・教育情報の交換、保健・医療・福祉分野などでの連携合意
    • 工学部に原子力安全工学科を開設、工学部環境エネルギー工学科をエネルギー化学科に改称
  • 2009年(平成21年)
    • 大学名称を東京都市大学に改称。系列校の東横学園女子短期大学を統合、社会科学系の都市生活学部(都市生活学科)と人間科学部(児童学科)を新設。知識工学部に自然科学科を新設。総合大学に移行。また、知識工学部応用情報工学科を経営システム工学科に改称
    • 早稲田大学と教育・研究活動の交流と連携を目的とした包括協定を締結。原子力分野の共同教育課程の共同原子力専攻と未来エネルギー大学院フォーラムの設置に合意
  • 2010年(平成22年) - 東京大学生産技術研究所と教員の相互交流、教育活動の相互協力、共同研究の実施、学術に関する情報の交流・連携に合意

基礎データ

所在地

  • 世田谷キャンパス(東京都世田谷区玉堤1-28-1)
  • 横浜キャンパス(横浜市都筑区牛久保西3-3-1)
  • 等々力キャンパス(東京都世田谷区等々力8-9-18)
  • 王禅寺キャンパス(神奈川県川崎市麻生区王禅寺971)

象徴

校章

前身校の武蔵工業大学では、の木の葉をシンボル化したものに「工大」の文字を配したものを校章として制定していたが、東京都市大学への改称の際、それまでの歴史ある柏の葉のシンボルをそのまま使用して、新たにTokyo City Universityの頭文字「TCU」を配している。

スクールカラー

スクールカラーはTCUブルーで知性とサステナブルな明るい意味を表している。

校歌

東京都市大学への改称に際して、新たな校歌の制定について検討がなされた結果、建学時の校歌(昭和8年制定)が「東京都市大学校歌」として復活することになった。 歌詞には建学時の精神である「公正・自由・自治」の文言が現れるとともに、これを象徴する「三色旗」の文字も見られる。作詞:相場御風、作曲:山田耕筰東京都市大学グループ学園歌(夢に翼を)作詞・作曲:岩代浩一、編曲:岩代太郎

教育および研究

組織

学部

  • 工学部
    • 機械工学科
      • 自動車工学コース
      • 機械解析工学コース
      • 機械材料工学コース
    • 機械システム工学科
    • 原子力安全工学科
    • 生体医工学科
      • 治療メカトロニクスコース
      • 診断エレクトロニクスコース
    • 電気電子工学科
      • 先端デバイス工学コース
      • システムエレクトロニクス工学コース
      • 電力社会システム工学コース
    • エネルギー化学科
      • エネルギー材料化学コース
      • エネルギー変換工学コース
      • エネルギーシステム工学コース
    • 建築学科
      • 建築工学コース
      • 建築計画・設計コース
      • 都市デザインコース
    • 都市工学科
      • 都市デザインコース
      • 都市環境コース
      • 都市防災コース
  • 知識工学部
    • 情報科学
      • 計算機工学コース
      • メディア工学コース
      • 情報数理コース
    • 情報ネットワーク工学科
      • 通信ネットワークコース
      • 通信デバイスコース
    • 経営システム工学科
      • 金融財務・生産物流コース
      • 市場分析・企画コース
    • 自然科学科
      • 分子科学コース
      • 生命科学コース
      • 地球科学コース
  • 環境情報学部
    • 環境情報学科
      • 都市システムコース
      • エコシステムコース
      • 政策コース
      • 経営コース
    • 情報メディア学科
      • システムデザインコース
      • 情報デザインコース
      • メディア・コミュニケーションコース

大学院

  • 工学研究科(博士前期・後期課程)
    • 機械工学専攻
    • 機械システム工学専攻
    • 電気電子工学専攻
    • 生体医工学専攻
    • 情報工学専攻
    • エネルギー化学専攻
    • 建築学専攻
    • 都市工学専攻
    • システム情報工学専攻
    • エネルギー量子工学専攻
    • 共同原子力専攻 
  • 環境情報学研究科(博士前期・後期課程)
    • 環境情報学専攻

附属機関

  • 産官学交流センター
  • 工学部・知識工学部付属
    • 情報処理センター
    • 水素エネルギー研究センター
    • 原子力研究所
  • 環境情報学部付属
    • 情報メディアセンター
  • 都市生活学部・人間科学部付属
    • 都市フォーラム
    • 卒研スタジオ(2011年度完成予定)
    • スタジオシアター
    • 子育て支援センター「ぴっぴ」
    • 児童学科農業体験用畑
  • 総合研究所
    • シリコンナノ科学研究センター
    • エネルギー環境科学研究センター

研究

私立大学学術研究高度化推進事業

  • ハイテク・リサーチ・センター整備事業
    • シリコンナノ科学研究センター
  • 学術フロンティア推進事業
    • エネルギー環境科学研究センター

私立大学戦略的研究基盤形成支援事業

  • 次世代LSIに向けた新機能シリコン系ナノ電子・光・スピンデバイスの創出(2009年)

水素自動車

原子炉

TOPPERSプロジェクト

  • 計算機ソフトウェア研究室が,TOPPERSプロジェクトの特別会員になっている[4]

教育

学生生活

サークル活動

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学園祭

  • 世田谷祭(世田谷キャンパス)
  • 横浜祭(横浜キャンパス)
  • 等々力祭(等々力キャンパス)

スポーツ

大学関係者と組織

大学関係者組織

  • 武蔵工業会
    • 旧・武蔵工業大学とその前身校である武蔵工業専門学校の卒業生が主な会員である同窓会組織。国内に35の地方支部と28の職場支部及び国外(韓国/台湾)に支部があり,会員数約6万(平成22年時点)
  • 東京都市大学 校友会
    • 東京都市大学が第一期生を輩出するに当たり,武蔵工業大学の同窓会である「武蔵工業会」と,東横学園女子短期大学の同窓会である「美砂会」を統合,更に東京都市大学の卒業生を正会員とする「東京都市大学 校友会」が平成25年4月に発足.会員数は約9万人.

大学関係者一覧

施設

キャンパス

世田谷キャンパス

ファイル:Tokyo city university.JPG
世田谷キャンパス 旧1号館
  • 使用学部:工学部、知識工学部
  • 使用研究科:大学院工学研究科
  • 使用附属施設:図書館、産学交流センター、情報基盤センター、水素エネルギー研究センター
  • 交通アクセス:東急大井町線尾山台駅より徒歩12分。
  • 敷地面積:44,853.52m²(18号館および総合運動場を除く)

世田谷キャンパスは、東京23区内の私立理工学系大学キャンパスの中ではもっとも広い[6]。近くの多摩川河川敷には総合運動場(敷地面積23,283.00 m²(18号館を含む)がある。

世田谷キャンパスの行事には、工学部建築学科主催の「世田谷キャンパスイルミネーション」がある。初夏の夕暮れに建築学科の学生により世田谷キャンパス全体が光で装飾される。このイベントは建築学科の必修科目となっている。

SAKURA CENTER#14(新14号館)
大学創立75周年記念事業の第1期事業として、2003年に竣工した世田谷キャンパスの「コア施設」である。旧14号館(体育館)と旧9号館(食堂棟)などを一体化した複合施設となっており、計画・設計から完成に至るまで、教職員と学生が積極的に参加した設計コンセプトは、旧体育館の床フローリングを新食堂の床材に再利用するなど、環境に配慮した構造が高い評価を得たテンプレート:要出典。第45回BCS賞(建築業協会賞)受賞。
新図書館(新9号館)
大学創立75周年記念事業の第2期事業として、2005年に竣工した世田谷キャンパスの図書館である。館内にITを多用しており、キャンパスカード(ICカード)による入退館・施設予約をはじめ、自動貸出機による貸出のほか、館内のどこでもインターネットが利用できる。蔵書は図書25万冊、和洋雑誌約3,000タイトルで、学習の専門分野となる理工学関係の資料を中心に所蔵している。
新建築学科棟♯4(新4号館)
大学創立75周年記念事業を含む長期的なキャンパス全体構想のひとつとして2006年に竣工した。解体した旧図書館の一部を再利用しており、日壁や間仕切りがほとんどない。「デザインステージ」と名付けられた1階スペースは製図室のほか、展示会やイベントにも利用可能である。2008年日本建築学会賞(作品賞)、第50回BCS賞(建築業協会賞)受賞。

横浜キャンパス

ファイル:MusashitecYokohama.JPG
横浜キャンパス3号館
  • 使用学部:環境情報学部
  • 使用研究科:大学院環境情報学研究科
  • 使用附属施設:図書館、情報基盤センター
  • 交通アクセス:横浜市営地下鉄中川駅(東京都市大横浜キャンパス前)より徒歩5分。
  • 敷地面積:64,687.96m²

港北ニュータウンの一角に位置しており、周囲は閑静な住宅や緑に囲まれた地域開放型キャンパスとなっている。横浜キャンパスは日本の教育機関で初めて国際環境管理・監査規格ISO14001の認証を取得[7]し、第12回地球環境大賞で優秀環境大学賞を受賞した。

王禅寺キャンパス

  • 使用学部:Stub
  • 使用研究科:大学院工学研究科
  • 使用附属施設:原子力研究所
  • 敷地面積:83,804.00m²

王禅寺キャンパスには原子力研究所が設置されており、1963年TRIGA-II型研究用原子炉(武蔵工大炉、MITRR)の初回臨界を達成した。 1989年12月に炉心タンクから冷却水漏れが見つかり原子炉の運転を停止し、2003年5月に原子炉廃止の方針が決定され永久機能停止措置が取られた。2006年には使用済燃料が全て米国に返還され原子炉は廃止されたが、原子炉本体以外の施設・設備は残されており、現在も教育・研究で使用されている。

等々力キャンパス

ファイル:ToyokoGakuen Junoir College.JPG
等々力キャンパス(旧:東横女子短期大学)
  • 使用学部:都市生活学部、人間科学部
  • 使用研究科:Stub
  • 使用附属施設:図書館、総合研究所、都市フォーラム、スタジオシアター、子育て支援センター、児童学科農業体験用畑
  • 交通アクセス:東急大井町線等々力駅より徒歩10分。
  • 敷地面積:Stub

テンプレート:節stub

等々力キャンパスには総合研究所が設置されており、現在は、主に文部科学省私立大学学術研究高度化推進事業として選定されたハイテク・リサーチ・センター整備事業「シリコンナノ科学研究センター」ならびに学術フロンティア推進事業「エネルギー環境科学研究センター」の2つのプロジェクト研究を行っている。

シャトルバス

世田谷、等々力と横浜の3つのキャンパス間を結ぶ交通手段として無料のシャトルバスがある。運行は東急バスが担当する。ただし、等々力 - 横浜間は世田谷で乗り換えが必要。

対外関係

他大学との協定

国際・学術交流等協定校

かつての系列校

関連校

直接的な系列校ではないが、亜細亜大学とは、東急グループの関係者が関わったことで関係がある。

附属学校

東京都市大学は、以下の5つの附属学校を持つ。

公式サイト

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ

  1. 水素燃料エンジンバスの公道走行を実現
  2. 東京都市大学水素燃料エンジンバスの開発に成功
  3. 第1回原子力歴史構築賞受賞一覧
  4. TOPPERSプロジェクト
  5. テンプレート:Cite web
  6. 東京都市大学大学世田谷キャンパス紹介
  7. 東京都市大学大学横浜キャンパス紹介

参考文献

  • 東京都市大学Webサイト
  • 学校法人五島育英会Webサイト

テンプレート:学校法人五島育英会 テンプレート:東急グループ テンプレート:東京理工系4大学 テンプレート:世田谷6大学コンソーシアム テンプレート:横浜市内大学間学術・教育交流協議会


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