製図

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

製図(せいず, drafting, drawing)とは、器具を用いて図面を製作することである。

解説

製図は、物(建築物、機械電気回路など)を作るにあたって、その物の形を詳細に示すために描かれる。設計者と製作者が異なる場合、製図は設計の意図を伝えるために極めて重要な情報である。そのため、製図する際には日本工業規格(JIS)によって規格化されており、の種類や描き方に意味が定められている。また、製図と言っても建築製図、機械製図、電気製図など様々な種類があり、それぞれに規格も違う。製図を行う際は、製図用の鉛筆三角定規コンパス分度器等が必要であるが、近年はコンピューターを利用した製図(CAD)も普及している。

物を表す用途に応じて線の太さ、種類は使い分けされる。

線の太さ

  • 極太線
  • 太線
  • 細線

極太線:太線:細線=4:2:1

太線 中線 細線 仮線(手描きの場合)

線の種類

  • 実線(連続した線)
  • 破線(短い長さの線を並べたもの)
  • 一点鎖線(線と1つの点を交互に並べたもの)
  • 二点鎖線(線と2つの点を交互に並べたもの)
  • 破断線ジグザグ線心電図のような線))

線の用途

外形線
品物の見える部分の形状を表すのに用いる。
寸法線
寸法を記入するのに用いる。
寸法補助線
寸法を記入するために図形から引き出すのに用いる。
引出線
記述・記号などを示すために引き出すのに用いる。
中心線
図形の中心線を簡略に表すのに用いる。
隠れ線
品物の見えない部分の形状を表すのに用いる。
破断線
品物の一部を破った境界、または一部を取り去った境界を表すのに用いる。
切断線
断面図をえがく場合、その断面位置を対応する図に表すのに用いる。
ハッチング
図形の限定された特定の部分を他の部分と区別するのに用いる。

製図用具

関連する日本工業規格(JIS)

製図の基本的な規格

  • 製図総則:JIS Z 8310
  • 製図 - 製図用語:JIS Z 8114
  • 製図 - 製図用紙のサイズ及び図面の様式:JIS Z 8311
  • 製図 - 表示の一般原則-線の基本原則:JIS Z 8312
  • 製図 - 文字:JIS Z 8313
  • 製図 - 尺度:JIS Z 8314
  • 製図 - 投影法:JIS Z 8315

製図の一般的な規格

  • 製図 - 図形の表し方の原則:JIS Z 8316
  • 製図 - 寸法記入方法 - 一般原則、定義、記入方法及び特殊な指示方法:JIS Z 8317
  • 製図 - 長さ寸法及び角度寸法の許容限界記入方法:JIS Z 8318
  • 寸法公差及びはめあいの方式:JIS B 0401
  • 製品の幾何特性仕様(GPS) - 幾何公差表示方式 - 形状、姿勢、位置及び振れの公差表示方式:JIS B 0021
  • 製品の幾何特性仕様(GPS) - 表面性状:輪郭曲線方式 - 用語、定義及び表面性状パラメータ:JIS B 0601
  • 製品の幾何特性仕様(GPS) - 表面性状の図示方法:JIS B 0031

機械製図の規格

その他各分野の製図規格

  • 土木製図通則:JIS A 0101
  • 建築製図通則:JIS A 0150

図記号の規格

  • 溶接記号:JIS Z3021
  • 加工方法記号:JIS B 0122
  • 電気用図記号:JIS C 0617
  • 構内電気設備の配線用図記号:JIS C 0303

関連項目

外部リンク