東武動物公園
テンプレート:動物園 東武動物公園(とうぶどうぶつこうえん)は、埼玉県南埼玉郡宮代町と白岡市にまたがって立地している遊園地・動物園・プールからなる大規模アミューズメント・レジャー施設。東武鉄道グループの東武レジャー企画株式会社が経営している。
目次
概要
開園時に上野動物園の名物飼育係でカバの飼育で名を馳せた“カバ園長”こと西山登志雄を園長に迎えて目玉とする一方、芸能人のコンサートなどのイベント会場としても運営することで、集客を図る経営をとったことで知られる。
カピバラ・リスザルなどの飼育動物のうち草食獣を積極的に走らせるなどの工夫を行い、動物園としての運営を中心としている一方で、絶叫マシンなど多数のアトラクションの設置や夏期の大型プール運営など、テーマパークとしての評価も高い。同パークでは2000年3月より「ハイブリッド・レジャーランド」と銘打っている(1990年代は「ZOO & PLAYLAND」であった)。
なお、同園の最寄り駅である東武鉄道の東武動物公園駅は、竣工当時「杉戸駅」という名称であったが、開園直前の1981年3月16日より駅名を改称された。同時に営団地下鉄日比谷線(現・東京メトロ日比谷線)との直通運転を同駅まで延長(従前は北春日部まで、現在は日光線の南栗橋まで再延長)、2003年3月19日には東京メトロ半蔵門線・渋谷駅経由、東急田園都市線・中央林間駅まで直通運転を開始し、利便性が向上されている。東ゲートの出入口付近には、東武動物公園駅の時刻表が掲載されている。
同園には「東武動物公園の歌」(東武動物公園テーマソング)というテーマソングが存在し、主に園内放送やラジオCMで流れている。また東武動物公園駅では、2013年8月1日の午前10時より同曲をアレンジした楽曲を発車メロディとして採用されている。
園内
大きく分けると東側が遊園地、西側が動物園とプールからなる。東側と西側をつなぐ園内の交通手段として開園当初は存在しなかったが、1986年に動物園東端から西ゲート手前を結ぶロープウェイ「スカイウェイ[1]」が開通。1989年に東ゲートから遊園地までの約1kmを結ぶ「イースタントレイン(現:太陽の恵み鉄道〜パークライン〜)」が開通した。2003年9月30日でスカイウェイが廃止され、代替策として翌月10月から東武バスの廃車車両を利用してシャトルバス「アニ丸ぶ〜ぶ」が運行を開始した。
姫宮落川が公園内を横切り、笠原沼落が公園の池から流れ出る。公園内には広い池が多く、世界初の水上木製コースター「レジーナ」など池を利用した遊具がある。これらの池はかつて東武動物公園周辺に存在していた笠原沼に由来するものである。
動物園にはホワイトタイガー(白毛のベンガルトラ)が2003年3月に来園し、関東地方では見かけられなかったこともあり動物園のシンボル的存在になった。2003年来園の「リュウ」は2012年に国内飼育最高齢で死亡したが、2008年10月18日来園の2頭が飼育展示されている。
沿革
- 1981年3月28日 - 東武鉄道創立80周年記念事業として開園、初代園長に西山登志雄就任。
- 1986年4月2日 - 園内敷地に乗馬クラブ「東武乗馬クラブ(現:東武乗馬クラブ&クレイン)」オープン。
- 1986年7月27日 - 「スカイウェイ(索道)」開通。
- 1988年1月2日 - 「オットセイショー」開始。
- 1989年8月13日 - 「イースタントレイン」運行開始。
- 1989年5月2日 - 「マウントロッキーコースター」竣工。
- 1990年7月7日 - 「東武スーパープール」オープン。
- 1994年9月4日 - 入園者数が2000万人突破。
- 1997年4月24日 - 東武鉄道創立95周年記念事業として「G-max」、レストラン「G's」オープン。
- 1999年3月1日 - 堆肥化、汚水処理施設を導入。
- 2000年3月18日 - 水上木製コースター「レジーナ」オープン。
- 2000年3月28日 - マスコットキャラクター「トッピー」登場。
- 2000年5月 - 西山登志雄、名誉園長に就任。
- 2001年3月28日 - 開業20周年。入園無料とする。
- 2002年4月1日 - 東武鉄道が同年1月に策定した中期経営計画「東武グループ再構築プラン」による経営効率化を目的に、施設営業権を東武鉄道(直営)からそれまで運営受託の立場であった東武レジャー企画に譲渡[2][3][4]。
- 2002年6月30日 - 東武鉄道が再構築プランに基づき、東武レジャー企画に対して施設不動産を約30億6300万円で売却[5]。子会社による独立採算制へ移行。
- 2003年3月12日 - ホワイトタイガー「リュウ」を宝塚ファミリーランドから譲受。
- 2003年3月20日 - ホワイトタイガー舎を設置し、「リュウ」を一般公開。
- 2003年3月28日 - 開園22周年を記念し、当日は入園料を1円以上のチャリティとした。4月に収益の77万円をWWFジャパンへ寄付[6]。以後、開園記念日は同様の施策を実行。
- 2003年9月30日 - 「スカイウェイ」が老朽化により営業終了。索道営業廃止。
- 2003年10月 - 「シャトルバス(現:アニ丸ぶ〜ぶ〜)」運行開始。
- 2003年11月 - 「マウントロッキーコースター」が老朽化により営業終了。
- 2004年9月23日 - 「ほたリウム」オープン。
- 2005年3月 - 西山登志雄、名誉園長を退任(2006年没)。
- 2005年10月 - マウントロッキーコースターを解体。
- 2006年3月18日 - 開園25周年記念として、ペンギン舎リニューアルオープン。
- 2007年5月6日 - エキスポランドの死亡事故を受け、クレイジーマウスとレジーナの営業を一時休止。
- 2007年11月23日 - 日本産動物舎 〜ふる里の動物たち〜 オープン
- 2008年3月2日 - 新コースター「カワセミ」オープン。
- 2008年10月18日 - ホワイトタイガー新獣舎オープン。
- 2009年9月19日 - 新ライオン舎「プライド オブ ライオン」オープン
- 2010年7月10日 - 東武スーパープール「じゃぶじゃぶアドベンチャー」オープン
- 2010年7月17日 - イベントプラザにおいて「恐竜ワールド」オープン
- 2011年3月11日 - 東日本大震災により発生後から3月25日まで臨時休園。
- 2011年3月26日 - 営業再開。開業30周年記念として同月19日から順延した「ふれあい動物の森」オープン。東武博物館・東武ワールドスクウェアと合同で、同年4月6日まで小学生以下の入園料を無料化。
- 2011年3月28日 - 開園30周年。「入園料は1円からの募金でOK」と称し、当日は入園料を1円以上のチャリティとした。収益はWWFジャパンおよび東日本大震災の義捐金として寄付。
- 2012年1月11日 - ホワイトタイガー「リュウ」、国内飼育最高齢の20歳で死亡。
- 2012年3月19日 - 遊園地新エリア「ハートフルファーム」オープン
- 2013年3月20日 - ハートフルファーム第2区画(大観覧車「エマさんのチーズ風車」・「ブーニーさんの野菜工場」)オープン
料金
公式サイト上の料金・チケットを参照のこと。
東武線(東上線を除く)各駅からの鉄道と路線バスの往復乗車券と入園券をセットにした「東武動物公園きっぷ」が出発地の駅窓口もしくは東武トラベル各店で発売されている。
遊園地施設
- 太陽の恵み鉄道〜パークライン〜(旧:イースタントレイン)
- ボート(スワンボート)
- ギャラクシーウォーカーズ
- コンボイ
- 大観覧車
- イベントプラザ
- スカイラブ
- カルーセルウォータリリー
- ファンタジーオルゴール
- フライングエレファント
- ビックリハウス
- メリーゴーランド
- ダックス
- コーヒーカップ
- 3Dシアター
- スリラー2
- アニ丸ぶーぶー(シャトルバス)
- ピラミッドの謎
- オドンゴの砦
- ムーゲンの大冒険
- ミニSL
- スカイサイクル
- ファミリーコースター てんとう虫
- アストロファイター
- G-max
- ミュージックエキスプレス
- 新滑空コースター カワセミ
- スタークロス
- ウェーブスインガー
- 木製コースター レジーナ
- アフリカート
- ファイアーバード
- ホルンさんのファーム鉄道
- ピギーさんのとことこトラクター
- ブーニーさんの野菜工場
- エマさんのチーズ風車
動物園施設・主な動物
アフリカサバンナ
どきどきストリート
- フラミンゴコーナー
- アフリカの水辺エリア
- アフリカゾウ舎
- カバ舎
- サル山
- キャットワールド
- 走鳥類エリア
- シカ舎
- クマ舎
- アジア舎
- ペンギンの大地
- ふれあい動物の森
ほのぼのストリート
- レッサーパンダ舎
- アメリカ舎
- オットセイショープール
- モンキーワールド
- ワニ館
- ほたリウム
- リスザルの楽園
- ガチョウ広場
- ラマ舎
- ラクダ舎
- 小獣舎
- マレーバク舎
わくわくストリート
- 猛禽舎
- 水鳥の楽園
- バードドーム
- ふる里の動物たち
- ポニー乗馬コーナー
- わんこヴィレッジ
トッピー
当園のシンボルキャラクター。開業19周年の2000年3月28日に登場。デザイナーは秋山孝である。
後に園内の「トッピー広場」や年間パスポート「トッピー倶楽部」などの名称にも使われている。
その他
動物のエサの一部は、吉野家より寄付されている。加須市にある吉野家の東京工場では、1日約2tの白菜とキャベツの外葉が廃棄される。その中から190kgが使用されている。また動物園までの運搬も、吉野家の運搬車が使用されている[7]。
開園当初は東武鉄道で活躍していた鉄道車両が保存展示されていたが、1989年の東武博物館開業に際してほとんどの車両が同館へ移転された。唯一残ったものに貴賓車のトク500が存在したが、こちらも老朽化に伴い1996年に解体されている。
アクセス
- 鉄道・徒歩
- 東武スカイツリーライン・伊勢崎線・日光線 東武動物公園駅西口より、路線バス(茨城急行自動車)で3分(大人160円)、もしくは徒歩で道なり約10分。
- JR宇都宮線(東北線)・湘南新宿ライン 新白岡駅より、タクシーで約10分(公式には案内されていない)。
- 自動車
- 埼玉県道65号さいたま幸手線上にある「東武動物公園入口」交差点を東へ入るルートが主となる。
- インターチェンジの最寄は東北自動車道の久喜ICで、久喜ICの出口側ゲートの前には最寄であることをPRするカバの像が設置されている。所要時間は約20分。
- 川口・浦和方面からは蓮田スマートIC退出で所要時間は約15分。岩槻ICから約25分。
- 中央自動車道・関越自動車道と接続する圏央道桶川北本ICからは所要時間約40分。
- 東武動物公園直営の駐車場は西ゲート側に在り、収容台数は3000台。カーナビによっては「東武動物公園」名称では正門の東ゲート前となる場合があるため、西ゲート側にある東武スーパープールを指定するよう公式サイトで喚起されている 。
- 東ゲート手前には地主らによる私設駐車場が複数存在する。
脚注
関連項目
外部リンク
テンプレート:日本の遊園地- ↑ ゴンドラ部分はつくば科学博で使用されたものを購入。
- ↑ 『東武グループ、「再構築プラン」を策定、財務体質の強化図る』ニッキン 2002年2月1日
- ↑ 『東武鉄道 ワールドスクウェアと東武動物公園を子会社に譲渡』日刊建設工業新聞 2002年3月28日
- ↑ ブロードキャスター(2006年8月12日)で当園の入園者増加策を取り上げた特集では「2002年に経営が子会社に異動しリストラ…」と表現されている
- ↑ 『東武鉄道、東武動物公園の固定資産譲渡』日本工業新聞2002年5月31日
- ↑ 『チャリティー企画の77万円、WWFに寄付 東武動物公園』読売新聞東京本社埼玉版 2003年4月10日
- ↑ 株式会社 吉野家ホールディングスCSR報告書2009-31ページ参照