ヘビクイワシ
テンプレート:生物分類表 ヘビクイワシ(蛇食鷲、Sagittarius serpentarius)は、動物界脊索動物門鳥綱タカ目ヘビクイワシ科ヘビクイワシ属に分類される鳥類。本種のみでヘビクイワシ属を構成する。
名称
和名はその食生から。別名として、フランス語名:secrétaire、英名:secretary bird 等を訳し書記官鳥とも呼ばれる。これらの命名は一般に「冠羽が書記用の羽根ペンを連想させることに由来する」と言われることが多いが、また別の説として、テンプレート:Lang-ar((aṣ-)ṣaqr aṭ-ṭayr「鳥の狩猟者」)の音訳が民間語源化を経て定着した形であるともいう。
分布
アフリカ大陸中部以南
形態
全長:100-150cm。翼開張:200cm。体重:2-4kg。メスよりもオスの方が大型になる。全身は灰色の羽毛で覆われる。後頭には黒い羽毛が伸長(冠羽)する。英名:secretaryは「書記官の」の意で、冠羽が耳に留めたペンのように見える事が由来。風切羽は黒い。
眼の周囲には羽毛が無く、オレンジ色の皮膚が露出する。後肢は非常に長い。
生態
サバンナに生息する。単独もしくはペアで生活するが、野火が起こると逃げる獲物目当てに集まることはある。地上を徘徊して獲物を捕らえるが、翼が退化して飛べないタカヘやダチョウなどとは異なり、飛翔能力はある。
和名は食性にヘビが含まれる事が由来だが、専食するわけではなく、食性は動物食で昆虫・爬虫類・鳥類とこれらの卵、ネズミ・ウサギなどを食べる。パフアダーなどの獲物を見つけるとその頭部に蹴りを連発で入れ弱らせてから食す。獲物を蹴飛ばす際には翼を左右に広げてバランスをとり、ソウゲンワシなどと獲物を取り合いになった時は、飛び上がって蹴り、追い払う。獲物を掴んで上空から落としてから食べることもある。
繁殖形態は卵生。ペアは一生解消されない。樹上に木の枝を組み合わせた巣を作る。巣は同じ物を使い続けるため、時に巨大な巣を形成することもある。
人間との関係
日本国内では千葉市動物公園で飼育下繁殖に成功している。静岡県掛川市に2003年開園した鳥類、植物のテーマパーク「掛川花鳥園」では、同園で飼育されている「キックちゃん」によるショーで、得意技のキックを間近に見ることが出来る。
参考文献
- 黒田長久監修 C.M.ペリンズ、A.L.A.ミドルトン編 『動物大百科7 鳥I』、平凡社、1986年
- 中村登流監修 『原色ワイド図鑑4 鳥』、学習研究社、1984年、109、221頁。
- 『小学館の図鑑NEO 鳥』、小学館、2002年、127頁。
関連項目
外部リンク
- CITES homepage
- IUCN Red List - Home Page -
- BirdLife International 2008. Sagittarius serpentarius. In: IUCN 2009. IUCN Red List of Threatened Species.