キングペンギン

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Aptenodytes patagonicus

キングペンギン、またはオウサマペンギン(学名:Aptenodytes patagonicus)は、ペンギン科・コウテイペンギン属に分類されるペンギンの一種。現生のペンギンではコウテイペンギンに次ぐ大型種である。

学名の由来は、1788年にJ.F.ミラーが、南米パタゴニアで発見された個体をもとに記載した事から。

他にオオサマペンギン王ペンギン王ペングインなどの別名があるが、これらの記述はやや古い図鑑にみられる。

形態

2番目に大きな種類のペンギンで、体長は85-95cmほどで体重は10-16kg。成鳥は頭部とフリッパーと尾羽が黒、背中は灰色、腹部は白色、下くちばしの嘴鞘(ししょう)と耳の周辺、喉が橙色をしている。なお、若鳥は嘴鞘が白やピンク色をしている。外見はコウテイペンギンに似るが小型で、頭部から喉にかけてのオレンジ色が強い。また、体に対するくちばしフリッパーの比率も大きい。

分布

繁殖地は南大西洋インド洋の、南緯45度から55度にかけて位置する亜南極の島嶼に点在する。

非繁殖期は繁殖地周辺の外洋で群れを作って生活しているが、たまに南米のパタゴニア地方やタスマニア島、ニュージーランドなどの沿岸にも現れる。種小名 patagonicusはパタゴニアに由来する。

なお、19世紀まではこの種が最大のペンギンとして知られ、名も"King"()が冠されたが、19世紀に南極大陸に探査の手が伸びた結果、さらに大きなコウテイペンギンが発見され、名に"Emperor"(皇帝)が当てられたという経緯がある。

亜種

南大西洋に生息する個体群は亜種ヒガシキングペンギン A. p. patagonicus、インド洋の個体群は亜種ニシキングペンギン A. p. halliとされている。

生態

繁殖行動

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赤色がヒガシキングペンギン、黄色がニシキングペンギンの分布域。黄緑色が繁殖地の島嶼

キングペンギンはヒナを育てる途中で越冬するのが特徴で、繁殖期間が1年以上に及ぶ。繁殖のペースは2年に1度、多くても3年に2度である。

産卵のピークは初夏にあたる12月半ばから1月頃である。この時期になると繁殖地の海岸には多くの親鳥が集まり、繁殖を始める。

コウテイペンギンと同じく産む卵は1つで、足の上にのせ、抱卵嚢(ほうらんのう)と呼ばれる腹部のだぶついた皮をかぶせて温める。足の上で卵を温めるので構造物としてのは持たないが、縄張り意識は強く、繁殖地では等間隔を保った親鳥たちが立って並ぶこととなる。

卵は54日ほどで孵化するが、それまではオスとメスが交代で抱卵する。夏の海は餌が多いので、オスとメスはこの機を活かしてヒナに多くの餌を与える。秋を迎える6月までには、ヒナの体重は成鳥の8割ほどになる。

給餌中の親は、昼夜を問わず潜水して餌取りを行い、ハダカイワシの仲間やタコ、イカを多く食べる。

しかし寒さが厳しくなると、親鳥はほぼ給餌をやめてしまい、2週間に1回ほどしかヒナに餌を与えなくなる。よってヒナは体に蓄えた脂肪を消費しながら寒さと飢えに耐えなければならない。ヒナはヒナ同士で集まる「クレイシ」を作り、身を寄せ合って寒さをしのぐ。春までにヒナの体重は半分にまで減少する。ちなみにヒナの体は半分以上を胃でしめている。

春となる9月頃には再び親鳥の給餌が始まる。ヒナが褐色の羽毛を換羽して巣立つのは、10月末から1月頃となる。

この後に2月頃から繁殖する親鳥もいるが、この場合はヒナが小さなうちに冬が来てしまうため、冬の間に多くのヒナが死んでしまう。これらのヒナが巣立つのは翌年の1月から4月頃である。

潜水記録

322mの潜水記録がある。

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Sibley分類体系上の位置

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展示

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エジンバラ動物園のキングペンギン

キングペンギンは同属のコウテイペンギンと異なり暖かい気候にもある程度の耐性があり、世界各地の動物園で飼育されている。これらの施設ではキングペンギンの散歩などを売り物にしている旭山動物園などもある。

関連項目

外部リンク

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