ワオキツネザル

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ワオキツネザル(輪尾狐猿、学名 テンプレート:Snamei)は、霊長目キツネザル科に分類されるサルの1種。本種のみでワオキツネザル属 テンプレート:Snamei を形成する。

学名

テンプレート:Snameiは、ローマ神話死者の霊 テンプレート:La複数形 [[レムレース|テンプレート:La]] で言及されることが多い)から。テンプレート:Snameiラテン語ネコの意。

なお、キツネザル属 テンプレート:Snameiテンプレート:Snamei に含める説があり、その場合、テンプレート:Snamei の和名をキツネザル属とすることがある。

分布

マダガスカル島南部および南西部固有種。他のキツネザルの生息域より高地にも生息する。

形態

体長39cm-46cm。ワオキツネザルのトレードマークといえるふさふさした尾は体より長く、56cm-63cmにもなる。体重約5.5kg。背側は灰色で、腹や手足は淡い色をしている。顔は白、眼の周りと鼻に黒い模様がある。虹彩は黄色。尾は白地に黒の輪状の模様が14-15本あり、先端は黒い。

ほっそりとした体型。他のキツネザル科の種と同じように後肢は前肢より長く、足裏の皮膚は軟らかく、なめし皮のようである。前肢の指は細長く、平たく鋭い爪がある。彼らはそれらを器用に使いこなす。後肢の第2趾に鉤爪があるが、これはグルーミングのために特化したものである。

生態

落葉樹林の茂みに生息する。中でも原生林や、川沿いの森(拠水林)に生息することが多い。樹上生活に適した体を持つが、キツネザル科の中でも地上棲の傾向が強く、地上を疾走している姿がしばしば見られる。

社会性が強く、オス、メスそれぞれ4,5頭と数頭の子どもからなる15頭程度の群れを形成する。群れは6-23ヘクタールの広い行動域をもち、他の群れと縄張りが重複してしまうこともある。群れの階級は雌雄別の順位が決められる。メスははっきりとした階級があるが、オスの階級は不明瞭でよくランクが変わる。メスはオスより上位で、食事においても優先される。オスは群れの活動から離れる傾向があり、3年半ほどの周期で別の群れに移動する。メスとその子どもに優位なオスが加わってサブグループを形成する。

昼行性で、夜は樹上で数頭でかたまって眠る。地上を歩くときは尾を高く上げ、樹上で食事するときなどは下に垂れ下げる。また、尾は仲間同士の視覚的コミュニケーションに用いられている。オスは両手首に皮脂腺を持つ。この分泌物を木にこすり付け、においづけ行動を行う。これは果実が生る木の所有権を主張や、威嚇の意味があると考えられている。また、尾を皮脂腺になすりつけた後に、尾を前方に振りかざしながら上下に動かす「テールウェービング」という威嚇行動を他のオスに対してしばしば示す。

体温調節が苦手なため、冷え込む朝などに日光浴をすることが知られている。両手を左右に広げ、日光にお腹を向けるユーモラスな姿が人気である。愛知県犬山市の日本モンキーセンター(世界サル類動物園)のワオキツネザルたちは、冬期にストーブに向かって同じ行動をする。

食性は雑食で、果実、木の芽、昆虫などを食べる。彼らは1日5.6kmもの距離を歩きまわって食料を探す。

繁殖期は4-5月。メスの発情期は24-48時間である。妊娠期間はおよそ146日で、一度の出産で1-2子を産む。子供は生後2か月で母乳以外の食べ物も口にし始め、生後5か月で完全に離乳する。オスは30か月、メスは19.5か月ほどで成熟する。

ワオキツネザルは短い爪を使って縄張り争いのけんかをするが、闘うのはつねにメス同士である。。その様子は「ジャンプファイティング」と呼ばれていて、子供を背負ったままジャンプして蹴り合うなど、生傷が絶えない激しい闘いである。メスはまた当然のように、オスが食べているものを奪ったりする[1]


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外部リンク

  • Ganzhorn, J. & Members of the Primate Specialist Group 2000. Lemur catta. In: IUCN 2006. 2006 IUCN Red List of Threatened Species.

脚注

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  1. NHKワイルドライフ「珍獣の島 マダガスカル 子を守れ!ワオキツネザルの母は戦う」