日本の、これから
『日本の、これから』(にっぽんの、これから)は、NHK総合テレビで放送されていた不定期の大型長時間特別番組。
目次
概要
2004年に発生したいわゆるNHKの不祥事問題を受け、広く一般市民の声を受け止める番組を作るべきだと数多くのドキュメンタリー番組を手がけてきた川良浩和らが中心となって立ち上げた[1]。
『NHKスペシャル』の枠で放送されてきた「21世紀日本の課題」をベースに、現在日本が直面している様々な諸問題、例えば経済不況、少子高齢化、学校の安全、自衛隊派遣などの安保問題などについてドキュメンタリーや視聴者から寄せられた意見(ファクシミリ、電子メール)を交えて、専門家・有識者と全国から集められた一般市民ら30-40名が本音で語り合う討論番組である。結論を出さず、様々な意見発表の場という形をとっている。
出演する市民は番組ホームページからアンケートに回答する形式で応募。応募した人の中からスタッフによる電話及び面談取材の上選ばれる。スタジオでは地域、年齢、職業、性別の他、その回で討論するテーマについての考え方別にだいたい10人ずつくらいのブロックに分けられており、対立する意見を持つ者が向かい合って討論するように演出されている。
司会の三宅民夫アナウンサーはスタジオで討論の進行を担当する。番組毎にその回のテーマに沿って、三宅が出演するユーモアのある番組宣伝映像が放映されるのも特徴。2010年4月からは番組の公式Twitterアカウントを開設、出演者や意見の募集を行うほか、番組へ双方向参加できる仕組みを導入している。
2010年度いっぱいで終了し、後継番組として当初は「変えなきゃにっぽん」へとリニューアルされる予定であったが、東日本大震災の影響で取材もそちらに特化している影響から、新番組の立ち上げの目処が立たない状況が続いたが、2011年8月から、この形式を踏襲し概ね毎月1回程度「NHKスペシャル・シリーズ 日本新生」と題して主に土曜単発枠の第2部(21:00~22:15、まれに19:30~20:45の第1部から)で放送されている。
放送日時
土曜日の19:30 - 22:30(JST)を中心に、2009年度からは加えて金曜日の22:00 - 23:30(JST)枠での放送も予定され、内容にあわせた時間枠で編成される[2]。そのため、通常放送される番組は休止となる。
土曜日20:45 - 21:00のニュースは通常通り放送(2007年度は当番組の後に放送)。2008年度22:00スタートだった『土曜スポーツタイム』は30分繰り下げ。なお、2007年3月3日放送分は『土曜ドラマハゲタカ』第3話を1時間繰り下げて放送、『@ヒューマン』が休止、その日のスポーツニュースは『スポーツニュース』として放送。
海外でもNHKワールド・プレミアムが総合テレビと同時放送を実施[3]。
出演者
- 進行
放送リスト
2005年
- 第1回放送(4月3日)「格差社会」
- 第2回放送(6月24日・25日)「人口減少社会」
- 第3回放送(8月15日) 「アジアの中の日本」(終戦60周年特番として17時台から放送)
- 第4回放送(10月22日)「若者」
2006年
- 第5回放送(1月21日)「本当に増税しかないのか」
- 第6回放送(4月1日)「聞こえていますか?女の怒り・知っていますか?男の本音」
- 第7回放送(6月10日)「米軍基地」
- 第8回放送(8月15日)「もう一度話そうアジアの中の日本」
- 第9回放送(10月14日)「医療~安心できますか?」
- 第10回放送(12月9日)「ネット社会」
2007年
第13回以降2007年度いっぱいは、「NHK地域応援キャンペーン」の一部として位置づけられ、随時これと関連した内容となることがあった。その場合は、前日に『地域発!どうする日本』が放送され、その最後に、三宅・武内が現れ予告した。
- 第11回放送(2月10日「団塊・大量退職へ」
- 第12回放送(3月3日)「いじめ」
- 第13回放送(5月19日)「地方衰退」 - 大阪局制作
- 第14回放送(6月23日)「納得していますか?あなたの働き方」
- 第15回放送(8月15日)「考えてみませんか?憲法9条」
- 第16回放送(10月20日)「食」
- 第17回放送(12月22日)「年金」
2008年
- 第18回放送(3月8日)「学力」
- 第19回放送(6月7日)「温暖化」 - 「SAVE THE FUTURE」の一環として
- 第20回放送(9月6日)「税金」
- 第21回放送(12月6日)「裁判員制度~あなたは人を裁けますか」 - 19:30から『NHKスペシャル』として模擬裁判のドキュメントを放送、20:35から討論
2009年
- 第22回放送(2月7日21:00 - )「雇用」
- 第23回放送(3月21日19:30 - )「テレビの、これから」
- 第24回放送(5月7日19:30 - )「未婚社会」
- 第25回放送(6月20日21:00 - )「環境と景気」(「SAVE THE FUTURE」の一環として)
- 第26回放送(8月15日19:30 - )「核廃絶(核兵器)」
- 第27回放送(10月3日20:00 - )「政治(鳩山新政権に問う)」
- 第28回放送 (12月4日22:00 - ) 「自殺」(金曜夜枠)
2010年
- 第29回放送(3月12日22:00 - )「日米同盟・安保」
- 第30回放送(5月6日19:30 - )「若者の草食化」
- 第31回放送 (8月14日20:00 - ) 「日韓の未来」
- 第32回放送 (10月30日21:00 - ) 「無縁社会(高齢者)」
- 第33回放送(12月25日21:00 - )「就職難」
- 出演:鈴木寛、和久井康明、ロバート・キャンベル、勝間和代、海老原嗣生
2011年
出来事
- テレビの、これから
- 2009年3月21日放送分は「テレビ」がテーマ。NHKは毎年放送記念日に「放送記念日特集」を放送していて、その一環として放送。「専門家・有識者」としてNHK・民放各局のプロデューサー・ディレクターなど制作者側の代表と、「一般市民」として一般視聴者の代表が出演。大手広告代理店の社員も参加したが、市民側(一般視聴者)として出演。
- 出演した制作者は、NHKの松尾雅隆(『日本の、これから』、『プロジェクトX』デスク)、日本テレビの福士睦(『世界一受けたい授業』)、TBSテレビ編成局長の吉崎隆(『NEWS23』)、フジテレビのきくち伸(音組)、テレビ朝日の松本基弘(『相棒』)、テレビ東京の加増良弘(『ガイアの夜明け』)、朝日放送の松本修(『探偵!ナイトスクープ』)、北海道テレビの藤村忠寿(『水曜どうでしょう』)、放送作家の鶴間政行(『SMAPxSMAP』他)今井義典NHK副会長と広瀬道貞民放連会長も生出演。
- VTRでは日本テレビやTBSが夜7時枠で放送される新番組の準備の模様や担当プロデューサーへのインタビューが放送された。
- 「新型インフルエンザ」ニュースに差し替え
- 2009年5月1日19:30からの放送を予定していたが、新型インフルエンザ関連のニュースに差し替えとなり、7日に延期となった。近畿地方はかんさい特集・上海万博特集に差し替えのため同日深夜(5月2日未明)に録画放送する予定だったが「かんさい特集」もニュースに差し替え。NHKワールド・プレミアムもニュースに差し替え、ノンスクランブルで国内同時放送。このため、番組初の収録放送。7日放送予定のドラマ8『ゴーストフレンズ』第6話は5月14日20:00に変更。通常、生放送では行われない字幕放送も初めて実施。
- 日韓の未来
- 2010年8月15日放送での出来事。歴史認識の討論の際に一般男性(古谷経衡。後に政治活動家)が、当時の日本人は韓国人が憎くて併合したわけではない。当時、世界は帝国主義列強の時代であり、植民地支配はあたり前だった。日本が韓国を併合したことはやむを得なかったとの趣旨の発言を行った。その反論として、崔洋一監督は「当時の日本のイデオロギーは、そういう方向に流れていた。国そのものがそうなっていた。だけど、36年間にわたる植民地支配がそれによって肯定されるという考え方は、基本的に歴史を語る資格がない」と強い口調で発言した。その後、小倉紀蔵から「歴史問題というのは、権力者が、あなたの考えは完全に間違いと言詮封鎖してはいけない」と発言を正される場面があった。このやりとりはインターネットを中心に波紋を広げ「討論番組で一般の参加者に『歴史を語る資格がない』はない」[4]とする意見があがった。NHKの広報局は、番組への電話やメールが2010年8月16日夕方までに約1800件に達したとしている。[5]
類似番組
地域情報番組の金曜日19:30 - 20:45放送分で、ほぼ毎月1回程度放映されている。
- こんぱす 東北の課題(東北地方向け)
- 岩手の、これから(岩手県向け)
- 金とく・東海の、これから(東海地方向け)
- 金とく・富山の、これから(富山県向け)
- かんさい特集・(府県名)の、これから(近畿地方向け、終了)
- 京都のこれから(京都府向け) 2012年10月6日放送、京都局開局80周年特別番組
- ふるさと発(中国地方向け)
- 「地域再生プロジェクト」(2007年度・2008年度、年3 - 4回ペース)
- 「ちゅうごく人口減少社会」(スペシャル、2006年度、全5回)
- 四国選択会議(四国向け 2009年-2010年度)
- 徹底討論 ふるさと再生スタジアム(九州地方向け)2007年4月27日放送開始