タイ国際航空
テンプレート:航空会社情報ボックス タイ国際航空(タイこくさいこうくう、テンプレート:Lang-th、テンプレート:Lang-en)は、タイの航空会社である。
後述のように、かつて存在したタイ航空 (Thai Airways Company) とは別企業であるが、日本語ではタイ国際航空を指して「タイ航空」と称する表現が定着している例もある(「タイ航空機爆発事件」など)。
目次
概要
タイ王国を代表する大企業の一つで、スワンナプーム国際空港をハブ空港とするタイ王国の「フラッグ・キャリア」である。またアジアのみならず世界でも有数の規模を持つ航空会社でもある。
コンデナスト・トラベラーなどの旅行専門誌や、各国のビジネス誌などによるサービスランキングでは上位の常連であり、スカイトラックス社の「ベスト・キャビン・スタッフ&ベスト・エアライン」賞を2006年に受賞している。また、機材の新しさと整備技術の高さから航空会社の安全度ランキングでは「A」をマークする。
南アメリカを除く全大陸に就航しているほか、タイ王国の国内線にそのネットワークを広げている。なお、世界最大の規模を持つ航空会社アライアンスのスター・アライアンスに、ルフトハンザ航空やスカンジナビア航空、ユナイテッド航空らとともに発足当初からのスターティング・メンバーとして加盟しており、同アライアンスの代表的メンバーである。
2007年現在の株主構成は、タイ財務省54%、ワユパック・ファンド15.5%となっており、事実上の半官半民航空会社である。格安航空会社のノックエアの株式39%を所有する大株主で、同社の事実上の親会社でもある。
歴史
設立は1959年(タイ仏暦2503年)で、国内航空会社「タイ航空 (Thai Airways Company)」(70%) と「スカンジナビア航空(SAS)」(30%) の合弁事業として設立された。
1960年に国際線の運航を開始し、1971年にオーストラリアに、1972年にヨーロッパに、1980年には北アメリカへの運航を開始するなどそのネットワークを拡充した。1977年にタイ政府が全株式を取得したものの、その後もスカンジナビア航空と密接な関係を保っている。
1988年に国内航空会社「タイ航空 (Thai Airways Company)」と合併。その後株式を一部公開し半官半民事業会社となる(株主のほとんどは王室か政府である)。
沿革
- 1959年 : 設立。
- 1960年 : 運航開始。東京/羽田へ初就航。
- 1971年 : オーストラリアへ就航。
- 1972年 : ヨーロッパ(コペンハーゲン)へ就航。
- 1980年 : 北米路線開設。就航当時の路線はバンコク - 成田 - シアトル - ロサンゼルス。最終目的地をロサンゼルスからダラスへ変更。ダラスへ就航していた当時は、タイ国際航空しか就航しておらず好調だった。ところが、1987年にアメリカン航空がボーイング747SPでダラスからノンストップかつ毎日運航で成田へ乗入れを開始すると、客足が利便性が高いアメリカン航空へ流れるようになり、目的地をトロントに変更したが、バンコク - 成田 - シアトルはボーイング747-200、シアトル - トロントはエアバスA310と区間によって使用機材が異なり、シアトルで乗り換えしなければならないという不便が強いられることや、カナディアン航空がDC-10-30ERでトロントから成田へ直行便を飛ばしており、ここでも客足が伸びず、ソウル/金浦経由ロサンゼルス線と台北・シアトル経由ダラス線に変更するも、1993年に北米線の運航を一旦休止。
- 1997年 : エア・カナダ、スカンジナビア航空、ルフトハンザドイツ航空、ユナイテッド航空と共に航空連合「スターアライアンス」を立ち上げ。
- 2005年5月1日 : ニューヨーク/JFKへの直行便を開設。所要時間は約17時間。使用機材はエアバスA340-500。
- 2005年11月1日 : モスクワへ就航。当時の使用機材はMD-11で、現在はボーイング777-200ER。
- 2005年11月7日 : バンコク - 大阪/関西 - ロサンゼルス線を直行便に切り替え。使用機材はA340-500。なお、A340-500が検査等でA340-600が投入される時はロサンゼルス発のみ、関西やソウル/仁川に寄航し給油(テクニカルランディング)。
- 2006年9月28日 : バンコク・スワンナプーム国際空港が開港、移転。
- 2006年10月29日 : ヨハネスブルクへ就航。使用機材はA340-600。
- 2006年10月30日 : ハイデラバードへ就航。使用機材はエアバスA300-600R。また、バンコク発成田行きのTG640便を昼行便から夜行便にシフト。使用機材は現行と同じボーイング777-300。
- 2007年1月1日 : バンコク発関西行きのTG672便を昼行便から夜行便にシフト。使用機材は現行と同じボーイング777-200。
- 2007年3月25日 : 国内線の多くをドンムアン空港に再移転。チェンマイ、チェンライ、プーケット、クラビ線の一部はスワンナプーム国際空港を継続利用。
- 2007年4月27日 : バンコク - ロサンゼルス線が、5月1日からバンコク - ニューヨーク線がそれぞれ週5便から毎日運航に増便。使用機材は現行と同じA340-500。
- 2008年7月1日 : 燃料費高騰によるコスト高でバンコク - ニューヨーク線を廃止。同様の理由でバンコク - ロサンゼルス線は週5便に減便。
- 2008年7月17日 : 東京/成田 - プーケット線 運航再開(週2便・使用機材はボーイング777-200)。
- 2008年10月28日 : バンコク - ロサンゼルス線のノンストップ便からバンコク - 関西 - ロサンゼルスの1ストップフライトに変更する予定だったが、白紙撤回となった。
- 2009年6月15日 : バンコク - オスロ線を開設。使用機材はエアバスA340-500。
- 2010年3月27日 : バンコク - マニラ - 関西線のマニラ - 関西 間、バンコク - 香港 - 台北線の香港 - 台北 間をそれぞれ廃止。
- 2011年11月17日 : バンコク - ブリュッセル線を15年振りに運航再開。
- 2012年5月1日 : バンコク - ロサンゼルス線を直行便からソウル経由に変更。
- 2012年7月7日 : 新ブランド「タイ・スマイル」が就航。
- 2012年10月28日 : バンコク - 香港線、バンコク - シンガポール線にエアバスA380を投入。10月30日から、バンコク - 札幌線を週3便で就航。使用機材はエアバスA330-300型機。
- 2013年1月1日 : バンコク - 成田線にエアバスA380を投入。
- 2013年10月27日 : バンコク - 成田線をエアバスA380での運航を1日2便化[1]。
- 2013年12月2日 : バンコク - 関西線にエアバスA380を投入[2]。
- 2013年12月3日 : バンコク - 仙台線を週3便(季節便)就航。
就航都市
現在テンプレート:いつはタイ各地やアセアン諸国を中心に、一部の国を除くアジア全域、ヨーロッパ、中東、アフリカ、オセアニアと北アメリカに就航。タイ国内路線の競争激化を受けて、一部の路線を子会社の格安航空会社であるノックエアに委譲した。
運航機材
現在の運航機材
機材 | コード</abbr> | 保有数 | 発注数 | 座席数 | 就航都市 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
<abbr title="Royal First (ファーストクラス)">F</abbr> | <abbr title="Royal Silk (ビジネスクラス)">C</abbr> | <abbr title="Royal Silk (スペシャル エコノミークラス)">C</abbr> | <abbr title="Economy class (エコノミークラス)">Y</abbr> | 計 | |||||
エアバスA300-600R | AB7 | 3 | - | 0 | 28 | 0 | 232 | 260 | (AB7) : チエンマイ, チェンライ, プーケット, コンケン, ペナン, プノンペン (2014年7月31日をもって退役予定) |
エアバスA330-300 | A333 A330 A33H |
9 8 7 |
- | 0 0 0 |
42 36 36 |
0 | 263 263 263 |
305 299 299 |
A333 : マニラ, 昆明, クアラルンプール, イスラマバード, ホーチミン, ヤンゴン, 厦門, 成都, 広州, クラビ, チエンマイ, ハノイ, バンガロール, ムンバイ, コルカタ, デンパサール, プーケットテンプレート:Ndash ホンコン, ジャカルタ, ニューデリー, チェンナイ, カラチテンプレート:Ndash マスカット, マスカットテンプレート:Ndash カラチ, カラチ, ハートヤイ, プーケット, ラホール, ハイデラバード, イスラマバード, チェンナイ, ハートヤイ |
エアバスA340-500 | A345 | 4 | - | 0 | 60 | 42 | 113 | 215 | (飛行しない) |
エアバスA340-600 | A346 | 6 | - | 8 | 60 | 0 | 199 | 267 | チューリッヒ, フランク·フランクフルト, シンガポール , 東京·成田, ロンドン (2017年までに順次退役予定) |
エアバスA350-900 | 0 | 12 | n/a | (順次導入予定) | |||||
エアバスA380-800 | A380 | 6 | - | 12 | 60 | 0 | 435 | 507 | ホンコン, フランク·フランクフルト, 東京·成田, パリ , 大阪 |
ボーイング737-400 | B734 | 5 | - | 0 | 12 | 0 | 137 | 149 | プノンペン, ビエンチャン, ペナン, ハートヤイ, ブッダガヤ, ブッダガヤ-バラナシ, バラナシ-バンコク (2015年までに順次退役予定) |
ボーイング747-400 | B744 B74R B74N |
6 6 |
- | 10 9 |
40 40 |
0 | 325 325 |
375 374 |
B74R : チエンマイ, ミュンヘン , シャンハイ B74N : ロンドン, チエンマイ, プーケット, 東京·成田, 東京·羽田 |
ボーイング777-200 | B777 | 8 | - | 0 | 30 | 0 | 279 | 309 | ダッカ, デンパサール, メルボルン, 厦門, バンガロール, マニラ, クアラルンプール, ソウル, カトマンズ, ムンバイ, チエンマイ, ホーチミン, シンガポール, コロンボ ソウル, カトマンズ, 香港, 香港テンプレート:Ndash ソウル, デンパサール, バンガロール, クアラルンプール, シンガポール, メルボルン, ホーチミン |
ボーイング777-200ER | B77E | 6 | - | 0 | 30 | 0 | 262 | 292 | モスクワ, オスロ, ブリズベン, ヨハネスブルグ, シンガポール, 大阪, マドリード, 名古屋, オークランド, クアラルンプール |
ボーイング777-300 | B77R | 6 | - | 0 | 34 | 0 | 330 | 364 | ムンバイ, ソウル, モスクワ, ブリズベン, シンガポール, 厦門, 大阪, 名古屋, 札幌, 広州, シャンハイ, マニラ , ソウルテンプレート:Ndash ロサンゼルス クアラルンプール, プーケット, チエンマイ , 香港テンプレート:Ndash ソウル |
ボーイング777-300ER | B77B | 10 | 5 | 0 | 42 | 0 | 306 | 348 | オスロ, チエンマイ, コペンハーゲン, プーケット, シンガポール, クアラルンプール, ブリュッセル コペンハーゲンテンプレート:Ndash プーケット, ストックホルムテンプレート:Ndash プーケット[4] |
ボーイング787-8 | 1 | 5 | 0 | 24 | 0 | 240 | 264 | チエンマイ, マニラ (2014年8月31日 - 2014年7月8日) [5] | |
ボーイング787-9 | 0 | 2 | n/a | (2017年以降導入予定)[5] | |||||
貨物機材 | |||||||||
ボーイング747-400BCF | 2 | - | 112,760 キロ | ニューデリーテンプレート:Ndashフランク·フランクフルト, アムステルダム, 東京·成田テンプレート:Ndash台北, シドニー | |||||
計 | 91 | 24 |
- 2014年6月現在
過去の運航機材
- マクドネル・ダグラスMD-11
- マクドネル・ダグラスDC-10
- ダグラスDC-8
- ダグラスDC-6
- ボーイング747-200/-300
- ボーイング737-200
- エアバスA300B4
- エアバスA310-200
- エアバスA340-500
- シュド・カラベル
- ATR 72
なお、タイ国際航空が発注したボーイング社製航空機の顧客番号(カスタマーコード)はD7で、航空機の形式名は747-4D7, 777-2D7, 777-2D7ER, 777-3D7 などとなる。
サービス
機内サービス
専門誌やビジネス誌などによるサービスランキングでは上位の常連である。客室乗務員は女性乗務員はタイの民族衣装に身を包み、男性乗務員は、黒や灰色を基調としたスーツに身を包み、ワイ(タイの伝統的な合掌する挨拶)で乗客を迎える。着陸前には紫を基調とした洋服に着替える(ステイの場合のみ)。着陸間際に、蘭の花をプレゼントしている。女性優先であるが、数にあまりが有る場合、男性にも配るケースが有る。
機内食は鶏肉や豚肉をメインとしたタイ料理が主流であるが、便に合わせて各国の料理が提供される。ビジネスでも実施しているがエコノミークラスでは珍しく「事前の和食チョイスサービス」が実施されている。
エアバスA340-500/600、ボーイング777-200ER/300/300ERの全機種に、ボーイング747-400、エアバスA330-300の一部機種にオンデマンド式のシートテレビが装備されている。エコノミー席にもパソコン電源が装備されている。
クラスはロイヤルファーストクラス、ロイヤルシルククラス(ビジネスクラス)、プレミアムエコノミークラス(A340-500、コペンハーゲン線、ストックホルム線のみ)、エコノミークラスに分かれている。コペンハーゲンとストックホルムの各線ではボーイング747-400型機を使用しているが、ファーストクラスをビジネスクラス、ビジネスクラスをプレミアムエコノミーとして提供されており、ビジネスクラスのシートTVはプレミアムエコノミー運用時でも使用可能。
ラウンジ
主要空港を中心にロイヤル・オーキッド・ラウンジを設置。ハブ空港のスワンナプーム国際空港内のファーストクラスラウンジ「ロイヤル・オーキッドスパ・ラウンジ」は無料で本格的なスパ・トリートメントが味わえるほか、マンダリン・フットマッサージも受けられるなど最上のサービスを提供。これが認められ、2007年スカイトラックス社のファーストクラス・ラウンジ部門で1位を受賞した。同社は2007年のエアライン・オブ・ザイヤー部門で2位に輝いている。
運賃
正規割引運賃(PEX)として、「TG前売り」がある。バンコクをはじめとするタイ各都市、東南アジアの一部都市、デリー、ドバイ、ヨーロッパ、オセアニアへの設定がある。
共同運航パートナー
スターアライアンス加盟航空会社との共同運航も多いが、スターアライアンスに加盟していない航空会社との共同運航も多い。
スターアライアンス加盟航空会社
- アシアナ航空 : ソウル/仁川 - バンコク・プーケット・釜山
- エア・カナダ : 東京/成田 - バンクーバー・トロント、香港 - バンクーバー・トロント、フランクフルト - モントリオール、ロンドン - トロント、チューリッヒ - トロント
- オーストリア航空 : ウィーン - バンコク、インスブルック
- スイスインターナショナルエアラインズ : チューリッヒ・シンガポール - バンコク
- スカンジナビア航空 : コペンハーゲン - バンコク・ストックホルム・オスロ
- 全日本空輸 : 東京/成田 - バンコク・サンフランシスコ・ロサンゼルス・シカゴ・ニューヨーク/ケネディ・ワシントンD.C.・札幌/新千歳、仙台、東京/羽田 、名古屋/中部- バンコク・大阪/関西
- TAPポルトガル航空 :
- 南アフリカ航空 :
- ニュージーランド航空 : オークランド - クライストチャーチ・シドニー・香港
- ユナイテッド航空 : 東京/成田 - サンフランシスコ・シカゴ、ロンドン - シカゴ、ロサンゼルス - ニューヨーク/ケネディ・ワシントン・デンバー・シアトル
- ルフトハンザドイツ航空 : バンコク - フランクフルト・ミュンヘン・クアラルンプール、フランクフルト - コペンハーゲン・ミュンヘン・デュッセルドルフ・アムステルダム・ニューヨーク・ボストン・ワシントンD.C.・マイアミ・アトランタ・シカゴ・ダラス・フォートワース・ヒューストンなど
- エジプト航空 : バンコク - カイロ
- ブリュッセル航空:バンコク-ブリュッセル
- エア・インディア:
スターアライアンス非加盟航空会社
- アエロスヴィート航空 : バンコク - キエフ
- マカオ航空 : バンコク - マカオ
- マダガスカル航空 : バンコク - アンタナナリボ
- エミレーツ航空 : バンコク - ドバイ
- エル・アル航空 : バンコク - テルアビブ
- カタール航空 : バンコク - ドーハ
- ガルフエア : バンコク - アブダビ・香港
- S7航空 :
- チャイナエアライン : バンコク - 高雄
- 中国東方航空 : バンコク - 上海/浦東
- 中国南方航空 : バンコク - 北京-首都
- 日本航空 : バンコク - 大阪/関西・福岡
- bmi : ロンドン - マンチェスター・グラスゴー・エディンバラ
- マレーシア航空 : バンコク - クアラルンプール
- ロイヤル・ヨルダン航空 : バンコク - アンマン
グループ企業
関連項目
脚注
注釈
出典
外部リンク
- ↑ タイ国際航空、成田/バンコク線でA380の2便化を正式発表 FlyTeam ニュース 2013年8月24日付
- ↑ 関西国際空港の国際定期便運航計画について (2013 年冬期スケジュール) 新関西国際空港株式会社 2013年10月23日付
- ↑ タイ・スマイル、バンコク/コロンボ線に就航 10月下旬からデイリー運航 FlyTeam 2013年8月21日付
- ↑ http://info.flightmapper.net/flight/Thai_Airways_TG_963
- ↑ 5.0 5.1 テンプレート:Cite news