南アメリカ

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南アメリカの地図

南アメリカ(みなみアメリカ、テンプレート:Lang-esテンプレート:Lang-ptテンプレート:Lang-nl)は、南アメリカ大陸とその周辺の島嶼海域を含む地域の総称で、六大州の一つ。南米(なんべい)ともいう。ラテンアメリカに含まれる。西半球南半球に位置し、西は太平洋に、東と北は大西洋に面している。北アメリカカリブ海が北西に横たわっている。

南アメリカは1507年、アメリカ州が東インドではなくヨーロッパ人にとっての新大陸であると指摘した最初のヨーロッパ人ヴァルトゼーミュラーリングマンによって、ヴェスプッチの名から付けられた。

17,780,000 km²、を占め、これは地球の陸地面積の約12%である。2005年の人口は、371,090,000人と見積もられている。南アメリカは六大州の中でアジア、アフリカ、ヨーロッパ、北アメリカに続いて5番目に人口が多い。

歴史

南アメリカに人類が出現したのは「氷河の時代」や「人類の時代」といわれる洪積世の末期である。その時期に東北アジアから野生の動物を追って渡来してきたモンゴロイドホモ・サピエンス・サピエンスの狩猟民が、気候の温暖化・乾燥化によって変化する環境に適応しながら、農耕を発明し、やがて文明を生み出し、中央アンデスを中心とする神殿文化を創り上げ、数百万人を擁する大国家を創り上げた。すなわち、クワンティンスーユ(四つの地方)と呼ばれ、現ペルー南部高原のクスコを首都にしたインカ帝国である。

地理

南アメリカはリャマ、アナコンダ、ピラニア、ジャガー、ビクーニャ、タピールといった多種多様な生物の故郷である。アマゾンの熱帯雨林は生物多様性が多角、地球の種族の主要な部分である。南アメリカにはアンデス諸国、ギアナ、コーノ・スール、ブラジルが含まれる。西インド諸島などのカリブ海地域やパナマは含めない。

総面積は1781万8500平方キロ、人口は3億7100万人(2005年)である。面積、人口共に南アメリカ最大の国はブラジルで面積855万平方キロ、人口は1億9300万人(2008年)であり、アルゼンチンが面積で続く。大陸の北端はコロンビアのグアヒラ半島ガイーナス岬で、北緯12度28分、南端はティエラ・フエゴ諸島のホーン(オルノス)岬で、南緯55度59分。

大陸の約三分の二が両回帰線の中にあり、熱帯性気候だが、大陸の南部では、温暖な地中海性気候から寒冷多雨な西岸海洋性気候に変わる。

地形は、西部に南北8500キロにわたって走るアンデス山脈があり、6960メートルに及ぶアコンカグアをはじめ5000~6000メートル級の高山が並んでいる。その山脈の間には、多くの河谷、盆地、高原が横たわっている。そこでは熱帯高地のために一年を通じて、人間が生活するのは可能である。かつては中央アンデスには、人口数百万を擁する古代国家が存在した。東部には、ギアナ高原、ブラジル高原、パタゴニア台地が存在し、西部のアンデス山脈との間には、広い平地が広がっている。そこにオリノコ川アマゾン川ラ・プラタ川の三水系がある。そのうちのアマゾン川は、延長6300キロで、流域面積は世界一である。川の勾配は河口から3450キロ上流のイキートスでも海抜100メートルで非常に緩やかである。ネグロ川以西の流域の大部分は、高温多湿の熱帯雨林で、標高200メートル以下の平地が広がっている。東のブラジル高原に近づくにしたがってサバンナ気候に移行する。南方面は熱帯半乾燥気候のグラン・チェコ地方、さらにその南には、アルゼンチンの温帯草原、いわゆるパンパが広がっている。アンデス山脈の西の狭い平地の内、ペルー北部からチリ北部にかけては、雨がほとんど降らない砂漠地帯で、アンデス山脈から太平洋に流れ出る川の流域だけが、人間が居住できる場所である。南米大陸西岸にあるペルーの首都リマと、北米大陸東岸にあるアメリカ合衆国の首都ワシントンとの経度を比べてみるとほぼ同経度にあることが分かる。つまり、南アメリカは北アメリカよりもヨーロッパに近いということができる。このことが南アメリカの大西洋岸地域をヨーロッパと密接に結びつけた。

地域

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南米共同体加盟国

独立国

独立国以外の地域

イギリス領

フランス領

経済

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ブラジル、サンパウロ市の金融地区
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アルゼンチン、ブエノスアイレスの金融地区

南米共同体はメルコスールとアンデス共同体の二つの関税同盟を統合して、大陸一体の自由貿易圏を計画している。

南米諸国の所得格差は、他の大陸を含めても最も大きいと考えられている。ベネズエラ、パラグアイ、ボリビア、及び他の南米諸国は上位20%の富裕層が60%の国富を有し、下位20%の最貧層は5%に満たない。この大きな較差は南アメリカの諸都市で摩天楼と上流階級の豪華なアパートに隣接する貧困層のスラムという形で目にすることができる。

言語と文化

南アメリカ人の約50%を占めるブラジル人はポルトガル語を話す。その他のほとんどの国[1]でスペイン語が公用語であり、スリナムではオランダ語、フランス植民地のギアナがフランス語、ガイアナでは英語が話されている。

その他の言語としては、ヒンディー語とインドネシア語がスリナムで話されている。イタリア語がアルゼンチン、ブラジル、ペルー、ウルグアイ、ベネズエラ、チリで話されている。ドイツ語がアルゼンチン、チリ、ベネズエラ、ペルー、パラグアイの極一部とブラジル南部各州の多くの地域で話されている(Riograndenser Hunsrückisch は国で最も話されているドイツ語の方言であり、その他のドイツ語の方言も広く話されている。ブラジル式ポメラニア語もリバイバルされている)。ウェールズ語はアルゼンチンのパタゴニアのトレレウ、ラウソンで話され、書かれている。少数の日本語話者もブラジル、ボリビア、コロンビア、パラグアイ、エクアドルにいる。レバノン系、シリア系、パレスチナ系のアラビア語話者はブラジル、エクアドル、チリ、アルゼンチンのアラブ人コミュニティーにおり、コロンビアとパラグアイには少ない。

ファイル:Rio de Janeiro from Sugarloaf mountain, May 2004.jpg
ブラジルは米州で唯一ポルトガル語を話す国であり、ポルトガル語はブラジルの重要な国民的アイデンティティとなっている。

上流階級と高等教育のある人々は一般に英語、フランス語、ドイツ語またはイタリア語を学習する。この地域で観光は大きな産業であり、英語や他のヨーロッパの言語はしばしば話されている。ウルグアイと近接しているため、南ブラジルの大半にはスペイン語の話される小さな地域がある。

ヨーロッパ、特にスペイン、ポルトガルとの歴史的な繋がりのため文化的に豊かであり、アメリカ合衆国の大衆文化からインパクトを受けている。


南アメリカのスペイン語圏アメリカの文学は1960年代、1970年代のラテンアメリカ文学ブームで大きな人気を得た。小説ではガブリエル・ガルシア=マルケスが、他のジャンルではパブロ・ネルーダやホルヘ・ルイス・ボルヘスといった作家が注目された。

南アメリカの広範な人種混合により、ラテンアメリカ料理は黒人、インディオ、アジア人、ヨーロッパ人の影響を受けている。西アフリカの影響を受けているブラジルのバイーアは特に有名である。アルゼンチン、チリ、ウルグアイでは一般にワインが好まれており、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイ、チリ南部とブラジル南部の住民は好んでマテ茶を飲み、パラグアイでは冷やしたテレレが飲まれる。ピスコはチリとペルーでグレープワインから生産される酒であるが、双方の国が起源を主張している。ペルー料理は中国、日本、スペイン、アフリカ、アンデス、アマゾンの料理の要素の混合である。

住人

インディヘナとしてはペルーとボリビアの人口の大多数を占めているケチュア族、アイマラ族は他のスペイン語圏諸国よりも注目されてしかる存在となっている。大陸南西部のアルゼンチンとウルグアイでは南ヨーロッパ人の子孫がマジョリティである。チリ、パラグアイ、コロンビア、エクアドル、ベネズエラではメスティーソが最大のエスニック・グループである。スリナムはアジア人が最大の唯一の国である。フランス領ギアナではクレオールが最大のエスニック・グループだが、ガイアナ、ベネズエラ、スリナム、コロンビア、ペルー、エクアドルでもまた大きな人種集団である。ブラジルは南アメリカで最も多様な人種構成の国であり、多くの黒人、白人、ムラートと、注目されるべき数のアジア人、アメリカインディアンの住人を抱えている。

脚注

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出典

地域機構

関連項目

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  1. ベネズエラ、コロンビア、エクアドル、ペルー、ボリビア、チリ、パラグアイ、アルゼンチン、ウルグァイ