シアトル
シアトル(テンプレート:Lang-en、テンプレート:IPA-enスィアトゥル)は、アメリカ合衆国ワシントン州北西部キング郡にある都市。同州最大の都市かつ同郡の郡庁所在地である。また、太平洋岸北西部最大の都市かつアメリカ西海岸有数の世界都市でもある。
目次
歴史
- 主要記事:シアトルの歴史
市名はこの地に先住したインディアン部族であるスクアミシュ族のシアトル酋長の名に因んでいる。スクアミシュ族は19世紀にアメリカ連邦政府によって保留地へ強制移住させられ、彼らの土地にシアトルが建設された。強制移住を受け入れさせられた部族がこの地を離れる際の、シアトル酋長の演説は非常に有名である。そして「グレート・ノーザン鉄道を父とし、日本郵船を母とする。」の言葉で有名なように、この両社によって発展を遂げた。
地理
シアトルはピュージェット湾とワシントン湖の中間にあたる北緯47度37分35秒、西経122度19分59秒(47.626353, −122.333144)に位置している。
アメリカ合衆国統計局によると、この都市は総面積369.2km²(142.5mi²)である。このうち217.2km²(83.9mi²)が陸地で152.0km²(58.7mi²)が水地域である。総面積の41.17%が水地域となっている。
気候
夏は涼しく冬も緯度の割に寒くない。秋から春にかけては雨が多く、1週間雨の降る日が続く事もあるが傘が必要な雨ではない。雨が多い街として有名だが、それは霧雨が何日も降り続くからで降水量そのものはそれほど多くは無い。夏は暑くても日陰にいれば涼しいと感じる程度であり、海水は年中冷たく基本的に泳ぐことはできない。夏でも朝晩は冷え込むことがあるので、薄い上着を用意しておくのが無難である。
雪はめったに降らないがフィヨルドとして形成されたピュージェット湾岸全域は坂が多いため雪に弱く、数センチ程度の積雪でバスが止まり、学校が休みになることが年に数回ある。冬はダウンタウンから車で30分くらいで雪景色に変わり、1時間くらいでスキー場に行くことができる。 テンプレート:Weather box
人口動勢
- 主要記事:シアトルの人口動勢
2000年現在の国勢調査で、この都市は人口563,374人である。この都市の人種的な構成は白人73.40%、アフリカン・アメリカン8.44%、インディアン1.10%、アジア13.71%、太平洋諸島系0.50%、その他の人種6.84%および混血4.70%である。
この都市の世帯ごとの平均的な収入は45,736米ドルであり、家族ごとの平均的な収入は62,195米ドルである。男性は40,929米ドルに対して女性は35,134米ドルの平均的な収入がある。この都市一人当たりの収入(per capita income)は30,306米ドルである。人口の11.8%および家族の6.9%は貧困線以下である。全人口のうち18歳未満の13.8%および65歳以上の10.2%は貧困線以下の生活を送っている。
文化
音楽では、ニルヴァーナ、パール・ジャムに代表されるグランジ・ロックの発祥の地である。また、伝説的ギタリストジミ・ヘンドリックスもシアトルの生まれで、彼の墓が近郊のレントンにある。先述のグランジ・ロック隆盛のきっかけともなったレーベルであるサブ・ポップの拠点でもあり、現在でも同レーベルからはフリート・フォクシーズやザ・ポスタル・サービス、郊外からもデス・キャブ・フォー・キューティーやモデスト・マウスなどの良質なオルタナティヴ・ロックバンドを数多く輩出している土地である。
州立のワシントン大学は、優秀なコンピュータ技術者をよく育てていることでも知られている。また、ブルース・リーはワシントン大学在学中にジークンドーを開き、その後も親子でシアトルに住んでいた。彼とその息子、ブランドン・リーの墓もシアトルにある。
美術では、ダウンタウンにシアトル美術館(Seattle Art Museum、通称SAM(サム))と呼ばれる美術館がある。
メディア
主要記事:シアトル内のメディア
シアトルの主要な新聞は日刊紙シアトル・タイムズおよびSeattle Post-Intelligencerである。これらはタイムズが閉鎖または譲渡する事を求めていた事から(2004年)、Joint Operating Agreement下で広告およびビジネス部門を共有している。日系メディアとして「Junglecity.com[1]」「北米報知[2]」、「YOUMAGA[3]」、「Soy Source[4]」、「IBUKI Magazine[5]」などがある。
シアトルはテレビジョン放送局およびラジオ放送局によってもサービスされている。主要ネットワーク・テレビジョン系列はKOMO4(ABC)、KING-TV5(NBC)、KIRO7(CBS)、KCTS9(PBS)、KSTW11(CW)、KCPQ13(FOX)、KMYQ22/10(MyNetworkTV)および KWPX33/3(i)である。
主要なラジオ放送局はKUBE93.3、KNDD107.7、KBKS106.1、KIRO-AM710、KOMO-AM1000、KUOW-FM94.9(NPR系列)、KPLU-FM88.5(タコマ)およびKBCS91.3(ベルビュー)が含まれる。このほか、KEXP-FM90.3(EMP系列)および公立学校システムが所有者でありネイサン・ヘール高等学校の生徒によって運営されているKNHC-FM89.5が含まれる。
スポーツ
チーム | スポーツ | リーグ | 競技場 |
---|---|---|---|
シアトル・マリナーズ | 野球 | MLB - AL | セーフコ・フィールド |
シアトル・シーホークス | フットボール | NFL - NFC | センチュリーリンク・フィールド |
シアトル・サウンダーズ | サッカー | MLS(男子) | センチュリーリンク・フィールド |
シアトル・ストーム | バスケットボール | WNBA | キーアリーナ |
シアトル・サンダーバーズ | アイスホッケー | WHL | キーアリーナ |
ラット・シティー・ローラーガールス[6] | ローラーゲーム | WFTDA[7] | マグノリア公園ハンガー30[8] |
公園
都市の景観
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経済
狭い海峡に守られたピュージェット湾は大陸氷河によって削られてできた天然の良港で、古くから貿易港、軍港として栄えた。暖流のアラスカ海流の影響で、高緯度の割には気候は穏やかで年間を通して安定した降水量がある。そのため、森林資源が豊富で木材工業、紙・パルプ工業が発展した。日本との貿易の歴史も古く、第二次世界大戦前、戦後まもなくの間氷川丸が寄港していた。
また、シアトルは世界の航空・宇宙産業の中核をなすボーイングをはじめ、マイクロソフト、アマゾン、スターバックスなど、世界に名を知られる大企業の誕生の地である。
ボーイング
戦後は航空機産業が発達し、とりわけボーイング社の誕生はシアトルを大きく変えた。ボーイング社の発展におけるシアトルへの影響は計り知れないほど大きく、関係者は人口のおよそ3割を占めるともいわれ、ボーイング社の経営が市経済を大きく左右している。1971年のボーイング・ショックは市財政を大きく揺るがした出来事でもあった。また、2001年の本社のシカゴ移転は大きな衝撃となった。
IT関連産業とシリコンフォレスト
シアトルに本拠地を構えるアマゾンの他、世界最大のコンピューター・ソフトウェア会社のマイクロソフトとニンテンドー・オブ・アメリカがシアトル近郊のレドモンドに本拠地を置いていることもあり、シアトルを含めた一帯ではIT関連産業の成長が著しく、シリコンバレーに対応してポートランドと共にシリコンフォレストと名乗っており、内陸のスポケーンやアイダホ州のボイシにまで影響している。
シアトル系コーヒー
シアトルを中心にアメリカ西海岸から発展したスペシャルティコーヒーは、シアトル系コーヒーと呼ばれている。シアトルで開業したスターバックスがシアトル系コーヒーショップの代表的存在である。タリーズコーヒーもシアトルに本拠地を置いている。
その他の産業と優良企業
1962年の万国博覧会会場跡地であるシアトル・センターには、シアトルのシンボルタワーであるスペースニードル、パシフィック・サイエンス・センターがある。前述のボーイング、スターバックス、IT関係の企業の他、ノードストローム、ウェアハウス・クラブ(会員制倉庫型卸売小売)チェーンのコストコ(Costco Wholesale Corporation)など優良企業がシアトルおよびその近郊に本社を置いている。
さらに、ワシントン・ステイト・フェリーは全米最大のフェリー会社である。トッド・パシフィック造船所など、軍需・民需の造船業も古くから盛んである。
交通
道路
- 州間高速道路5号線(I-5)
- 州間高速道路90号線(I-90)
空港
- シアトル・タコマ国際空港(通称シータック空港)
鉄道
ダウンタウン南端にキングストリート駅があり、アムトラックのシカゴとの間を結ぶ大陸横断長距離列車エンパイア・ビルダーやシアトル - ポートランド - オークランド - ロサンゼルス間を結ぶコースト・スターライト、国境を越えたカナダのバンクーバー - シアトル - ポートランド - ユージーンを結ぶアムトラック・カスケードなどが発着する。
サウンド・トランジットの通勤列車Sounderがタコマとエバレットとの間に平日の朝夕に数便運行されている。
フェリー
ダウンタウンからベインブリッジアイランドなどへ向かう路線がある。ほとんどの路線がピュージェット湾の中を走っているため、事故や遅延が少ない。
船内アナウンスでは「世界でもっとも安全なフェリーシステムのひとつ」と案内している。
バス
2012年9月まではダウンタウンで無料乗車区間があり、平日休日に関わらず6時から19時の間は無料でバスに乗車できた。キング郡メトロの路線では相互間で乗継制度もある。コミュニティ・トランジット、サウンド・トランジットの路線ではゾーン制運賃となる。いずれの路線においてもORCA(One Regional Card for All)が使用できる。
また、RAPID RAID系統を中心に、無料でインターネットが使えるバスもある(Wi-FiBus)。
トンネルバス・ライトレール
ダウンタウンの地下には、地上道路の渋滞を避けるためのバス・ライトレール専用のダウンタウン・トランジット・トンネルと呼ばれるトンネルが作られ、I-90経由のバスやレントンなどへ向かうバスなど一部がこのトンネル経由で運行されている。トンネル内にはインターナショナル・ディストリクト、パイオニア・スクウェア、ユニバーシティー・ストリート、ウェストレイク、コンベンション・プレイスの5つの駅があり、全線が6時から19時の間のみバス無料区間に含まれる。2011年8月にキング郡行政長官ダウ・コンスタンティンは、バス無料区間を2012年10月をもって終了する予定を発表した。
トンネル内ではバスはディーゼルエンジンから電気(トロリーバス)に切り換えて走っていたが、ライトレール乗り入れ対応工事終了後はトロリーバスが走ることができなくなり、電力線を必要としないハイブリッドバスに置き換えられた。もともと、トンネルは軌道系の交通機関が走ることを想定されて建設され、レールなども敷かれていたが、ライトレール建設が長年実現しない間に技術など取り巻く環境が変化したため、2年間に渡るトンネル閉鎖を含む工事が必要とされた。
サウンドトランジット社により、セントラル・リンク・ライトレールと呼ばれるライトレール路線がダウンタウンとシアトル・タコマ国際空港の間で2009年12月に開業した。車両は近畿車輛製の車両をアメリカ本土でノックダウン生産したものが使われている。セントラルリンク開業後はバスとライトレールがトンネルを共用している。
マーサーアイランドを経由し、ベルビューに至る路線と、ユニバーシティ・ディストリクトに至る路線の建設が決定しているが、開業は前者は2016年ごろ、後者は2030年ごろになると見られる。ユニバーシティ・ディストリクト延伸に向けた27編成の車両の増備は段階的にだがすでに始まっており、現在開業中の路線規模に対して異常なまでに広大な車両基地は、このことを視野に入れて計画されたと思われる。
モノレール
シアトル・センターとウェストレイク・センターを結ぶ約1.6キロメートルの区間をシアトル・センター・モノレールが走っている。このモノレールには軌道が2本あり、複線のように見えるが、複線ではなく単線並列である。1962年の開業からかなり年月が経過しており、近年は故障も多発しているが、車両の置き換え計画は発表されていない。
姉妹都市
シアトルは以下の21つの姉妹都市を有している[9][10]。 テンプレート:Col-begin テンプレート:Col-3
- テンプレート:Flagicon ベエルシェバ(イスラエル国)
- テンプレート:Flagicon ベルゲン(ノルウェー王国ホルダラン県)
- テンプレート:Flagicon セブ(フィリピン共和国セブ州)
- テンプレート:Flagicon 重慶市(中華人民共和国)
- テンプレート:Flagicon クライストチャーチ(ニュージーランド)
- テンプレート:Flagicon 大田広域市(大韓民国)
- テンプレート:Flagicon ゴールウェイ(アイルランド)
- テンプレート:Flagicon グディニャ(ポーランド共和国)
- テンプレート:Flagicon ハイフォン(ベトナム社会主義共和国)
- テンプレート:Flagicon 高雄市(台湾)
- テンプレート:Flagicon 神戸市(日本)
- テンプレート:Flagicon リンベ(カメルーン共和国)
- テンプレート:Flagicon マサトラン(メキシコ合衆国)
- テンプレート:Flagicon モンバサ(ケニア共和国)
- テンプレート:Flagicon ナント(フランス共和国)
- テンプレート:Flagicon ペーチ(ハンガリー共和国)
- テンプレート:Flagicon ペルージャ(イタリア共和国)
- テンプレート:Flagicon レイキャヴィーク(アイスランド共和国)
- テンプレート:Flagicon シアヌークビル特別市(カンボジア王国)
- テンプレート:Flagicon スラバヤ(インドネシア共和国)
- テンプレート:Flagicon タシュケント(ウズベキスタン共和国)
ギャラリー
- Seattle at night1.jpg
夜景1
- Seattle from Elliott Bay 09.jpg
昼間1
- Seattle skyline day.jpg
昼間2
- Seattle spm.jpeg
昼間3
- Seattleskyline1.jpg
昼間4
- Seattle, Washington, skyline.jpg
昼間パノラマ
- Seattle from kerry park.jpg
夜景2
- UBC120029.JPG
夜景3
脚注
外部リンク
- 公式
- 日本政府
- 観光
- シアトル観光局 テンプレート:En icon
- ワシントン州観光局 - シアトル テンプレート:En icon
- シアトル・ワシントン州観光事務所 テンプレート:Ja icon
- ディスカバーアメリカ - シアトル テンプレート:Ja iconテンプレート:En iconテンプレート:Es iconテンプレート:Fr iconテンプレート:Pt iconテンプレート:De icon
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