ミュンヘン国際空港
ミュンヘン国際空港(正式名:Flughafen München Franz Josef Strauß;フランツ・ヨーゼフ・シュトラウス空港)は、ドイツ南部のバイエルン州ミュンヘン郊外(市内から北東約28km)のフライジング近くに位置する国際空港である。空港コードはMUC:IATA/EDDM:ICAO。ルフトハンザドイツ航空とスターアライアンスのハブ空港でもある。1992年5月に開港した。正式名称は、バイエルン州の州首相やドイツの連邦財務大臣を務めた政治家、フランツ・ヨーゼフ・シュトラウスの名を冠したものである。 2006年には約3100万人の旅客人員があり、ドイツでは2番目、ヨーロッパでは7番目に旅客人員が多い空港であった。イギリスの調査会社SKYTRAXによる「AIRPORT of the YEAR 2006」でヨーロッパ一の空港に選ばれた。
目次
歴史
1955年には既に旧ミュンヘン・リーム空港の滑走路を拡張する計画があったが、1960年に軍用機の事故により55名が犠牲になり、郊外に新空港を建設する必要性が高まった。
1963年3月に新空港建設予定地の選定が始められ、3年後にHofoldingerの森林とErdinger Moosが適地として推薦された。 その時ケルン・ボン空港と同様、国際空港の需要バランスを良くするためミュンヘンやアウクスブルクの間の地域人口を考慮して上手く取り込めるよう議論された。
建設が始まった当時、Franzheimという村が空港予定地に存在したため、住民約500名が他の地域に移転した。ルフトハンザドイツ航空のメインハブ空港である、フランクフルト国際空港が飽和状態であるため、ミュンヘン国際空港は第二のハブ空港として機能している。
2003年6月にターミナル2がオープンし、ルフトハンザ航空をはじめスターアライアンス各社が利用している。ミュンヘン国際空港の離発着機数の増加により第三滑走路の計画も存在するが、近隣住民から反対の声もあがっている。
施設
旅客ターミナル
ミュンヘン国際空港には、開港時から供用されているターミナル1と2003年より供用され、主にルフトハンザ・ドイツ航空とスターアライアンス各社で利用されているターミネル2の2つのターミナルがある。ターミナル内には、空港内の自家醸造所で造ったビールを飲むことができるエアブロイ(Airbräu)がある。なお、このエアブロイのビールは毎年、名古屋・中部国際空港にルフトハンザ・カーゴにより空輸され、同空港内の店舗で味わうことができる。ドイツ以外でエアブロイを飲めるのは、中部国際空港のみである。
ターミナル1
ターミナル1 は現在、スターアライアンス以外の航空会社68社が利用しており、 Hallは中央部分とAからFの6つのスペースに分けて使用されている。 ボーディングブリッジは21あり、旅客エプロン西側に60の駐機場がある。1992年5月17日にオープンし、延床面積は198,000m²あり、年間約2500万人の旅客を取り扱っている。 Hall F はイスラエルの航空会社が使用する安全対策が強化されたエリアでドイツ連邦警察局、バイエルン州警察の下チェックされ、バスでゲートの外へ向かう。
ターミナル2
ターミナル2は2003年6月19日より供用され、現在ルフトハンザ・ドイツ航空やスターアライアンス加盟航空会社、地域提携航空会社計26社が利用している。260,000m²の延床面積があり、114のゲート、24のボーディングブリッジ、75の旅客エプロンで構成され、他に小型航空機のための47の搭乗場所がある。 年間2000万から2500万人の旅客を取り扱うことが可能である。将来的にはターミナル1とターミナル2で年間5000万人程度を取り扱えるよう計画されている。 ターミナル内での必要な最短接続時間は約30分であるとルフトハンザドイツ航空と空港側は公言している。ターミナル2は利便性の良さや快適さからミュンヘン国際空港のハブ空港としての地位を大きく押し上げた。
中央エリア
ターミナル1とターミナル2の2つのターミナルをつなぐ中央エリアは、ビジネスやショッピング、娯楽の場となっている。 延床面積は46,000m²あり、航空会社や多くの旅行会社も入っており37のチェックインカウンターがある。 ターミナル2と同時に造られた大きな外の空間と、テントのような部分的に透明な屋根も特徴的である。ケンピンスキーなどのホテルも含まれている。地下にはSバーンのホームがある。
ミュンヘンエアポートセンター
ミュンヘンエアポートセンター(MAC)は空港内にある商業施設やオフィスセンターで1999年にオープンした。 中央エリアとターミナル2の間にある。MACフォーラムはヨーロッパのオープンスペースとしては最大と考えられ、10,000m²のスペースがある。毎年、冬季にマーケットが開かれるが、その際スケートリンクも開設され、多くの人がやって来る。その他にもいろいろなイベントの会場として利用されている。
貨物地区
貨物取扱施設はターミナル1、ターミナル2の西側にあり、2007年には国際間取引のための建物が増設された。
利用状況
年 | 旅客数 | 貨物取扱量(t) | 航空機発着回数 |
---|---|---|---|
2007 | 33,959,422 | 251,075 | 431,815 |
2006 | 30,757,978 | 224,409 | 399,460 |
2005 | 28,619,427 | 202.844 | 398.838 |
2004 | 26,814,505 | 177,005 | 383,110 |
2003 | 24,193,304 | 156,123 | 355,602 |
2002 | 23,163,720 | 165,092 | 344,405 |
2001 | 23,646,900 | 135,000 | 337,653 |
2000 | 23,125,872 | 133,234 | 319,009 |
1995 | 14,867,922 | 70,519 | 213,951 |
1992 | 12,018,202 | 56,847 | 192,153 |
1990 | 11,423.838 | 61,221 | 191,856 |
1980 | 6,057,997 | 39,091 | 142,032 |
1970 | 3,550,929 | 31,943 | 102,907 |
1960 | 794,613 | 7,506 | 50,108 |
1950 | 69,044 | 1,273 | 5,332 |
就航路線
旅客
貨物
過去に就航していた航空会社
- テンプレート:Flagicon LTU国際航空
- テンプレート:Flagicon テンプレート:仮リンク
- テンプレート:Flagicon テンプレート:仮リンク
- テンプレート:Flagicon マレーヴ・ハンガリー航空
- テンプレート:Flagicon エアモーリシャス
- テンプレート:Flagicon テンプレート:仮リンク
- テンプレート:Flagicon テンプレート:仮リンク
- テンプレート:Flagicon チェコ航空
- テンプレート:Flagicon テンプレート:仮リンク
- テンプレート:Flagicon ベッレ・エアー
- テンプレート:Flagicon ユーロキプリア航空
- テンプレート:Flagicon テンプレート:仮リンク
- テンプレート:Flagicon テンプレート:仮リンク
- テンプレート:Flagicon タジキスタン航空
- テンプレート:Flagicon シリア・アラブ航空
- テンプレート:Flagicon テンプレート:仮リンク
- テンプレート:Flagicon ブリテール
- テンプレート:Flagicon クリックエアー
- テンプレート:Flagicon アリタリア・エキスプレス
- テンプレート:Flagicon テンプレート:仮リンク
- テンプレート:Flagicon オリンピック航空
- テンプレート:Flagicon ジャーマンウイングス
- テンプレート:Flagicon コンチネンタル航空
- テンプレート:Flagicon テンプレート:仮リンク
- テンプレート:Flagicon クロアチア航空
- テンプレート:Flagicon Jat航空
- テンプレート:Flagicon テンプレート:仮リンク
- テンプレート:Flagicon ユーロウイングス
- テンプレート:Flagicon テンプレート:仮リンク
- テンプレート:Flagicon スパンエア
- テンプレート:Flagicon ブルーバード・カーゴ
- テンプレート:Flagicon キャセイパシフィックカーゴ
- テンプレート:Flagicon エミレーツスカイカーゴ
- テンプレート:Flagicon カタール航空カーゴ
など
空港アクセス
- 道路
アウトバーンA92号線と州道2584号線が接続している。ルフトハンザ空港バスがインスブルック、リンツ、ザルツブルク、インゴルシュタット、レーゲンスブルク、ミュンヘン中心部を結んでいる。
- 鉄道
SバーンのS1、S8系統が空港とミュンヘン中心部を結んでいる。午前2時から4時までは運行していない。 ミュンヘン中央駅までの所要時間は約45分である。将来的にS2の空港への接続が計画されている。
なお、2007年には、ミュンヘンの都心と空港とを結ぶトランスラピッドの建設が正式決定されたが、2008年3月に建設の中止が決定している。
その他の情報
- 空港内に水素ステーションがあり、VIP向けの水素自動車が空港の周辺を走行している(一般人は使えない)。
- 2005年2月に中部国際空港と姉妹空港提携を結んだが、2008年現在、直行便は設定されていない。
- 着工を急ぐあまり、30年近くにわたって遺恨を残し、未だに完成していない成田国際空港(旧・新東京国際空港)の事例を反面教師として研究し、建設の決定から着工までに20年ほどかかったが、着工後はわずか5年ほどで完成した。そのため、ミュンヘン国際空港は大規模事業推進の模範例として注目された。
- 建設にいたる話題性と建築様式のため、空港自体がミュンヘンの大きな観光資源にもなっている。
- 両替システムが充実しており、UAEディルハムのような貨幣でも両替できる。
脚注
外部リンク
- Franz Josef Strauß International Airport(ドイツ語版)
- 空港情報(日本語PDF)
- 空港見取図(日本語PDF)
- All About ミュンヘン空港探訪記