近江国

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テンプレート:Pathnav テンプレート:基礎情報 令制国 近江国(おうみのくに)は、かつて日本の地方行政区分だった令制国の一つ。東山道に属する。

「近江」の名称と由来

近江は、『古事記』では「近淡海(ちかつあはうみ)」「淡海(あはうみ)」と記されている。7世紀、飛鳥京から藤原宮期の遺跡から見つかった木簡の中には、「淡海」と読めそうな字のほか、「近淡」や「近水海」という語が見えるものがある。「近淡」はこの後にも字が続いて近淡海となると推測される[1]。これらは、当時の琵琶湖の呼称をそのまま国名にしたもので、遠い浜名湖を指す遠淡海(遠江国)に対して「近つ」という。おおよそ大宝令の制定(701年)・施行を境にして、近江国の表記が登場し、定着する。

沿革

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近世以降の沿革

国内の施設

近江国は畿内に隣接し、これまでに3度天皇の住居(宮)が構えられている。

国府

栗太郡勢多に所在。1964年昭和39年)に現在の大津市三大寺で遺跡が発見された。国府の遺跡が発見された最初の例である。

国分寺・国分尼寺

国分僧寺は、はじめ甲可寺(現 甲賀市信楽町、紫香楽宮跡とされてきた)に設置された。その後、瀬田廃寺(大津市神領)にうつり、焼失の後、820年弘仁11年)に国昌寺跡(大津市国分)に移された。ここでは最澄が若き日に修学しているとされる。

神社

延喜式内社
延喜式神名帳』には、大社13座10社・小社142座132社の計155座142社が記されている。大社10社は以下に示すもので、全て名神大社である。
総社一宮以下

地域

江戸時代の藩

近江国の藩の一覧
藩名 居城 藩主
彦根藩 佐和山城
(1600年~1606年)
彦根城
(1606年~1871年)
井伊家(1600年~1871年、18万石→15万石→20万石→25万石→30万石(35万石格)→20万石→23万石)
膳所藩 膳所城

戸田家(1601年~1616年、3万石)
本多家(1616年~1621年、3万石)
菅沼家(1621年~1634年、3万1千石)
石川家(1634年~1651年、7万石→5万3千石)
本多家(1651年~1671年、7万石)

水口藩 水口城

加藤家(1682年~1695年、2万石)
鳥居家(1695年~1712年、2万石)
加藤家(1712年~1871年、2万5千石)

大溝藩 大溝陣屋

分部家(1619年~1871年、2万石)

仁正寺藩 仁正寺陣屋

市橋家(1620年~1871年、2万石→1万8,000石→1万7,000石)

山上藩 山上陣屋

安藤家(1604年~1695年、1万石)
稲垣家(1698年~1871年、1万3千石)

近江宮川藩 宮川陣屋

堀田家(1698年~1871年、1万石→1万3千石)

三上藩 三上陣屋

遠藤家(1698年~1870年、1万石→1万2千石)

堅田藩 堅田陣屋

堀田家(1698年~1826年、1万石→1万3千石)
下野佐野藩に転封、堅田藩は廃藩

朽木藩 朽木陣屋

朽木稙綱(1636年~1648年、1万石)
朽木家は下野鹿沼藩に転封、朽木藩は廃藩

大森藩 大森陣屋

最上義俊(1622年~1632年、1万石)
嗣子・義智が幼年のため5千石の交代寄合とされ、大森藩は廃藩

近江高島藩

佐久間安政(1600年~1616年、1万5千石→2万石)
信濃飯山藩に加増転封、近江高島は飯山藩領の飛び地となったが、後に佐久間氏は無嗣改易となり近江高島は天領となった

近江小室藩 小室陣屋

小堀家(1619年~1788年、1万2460石→1万1460石→1万630石)
不正のため改易・廃藩

人物

国司

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近江守

近江介

近江掾

守護

鎌倉幕府

室町幕府

戦国大名

武家官位としての近江守

江戸時代以前

江戸時代

近江国の合戦

その他

2009年12月8日の滋賀県議会一般質問で無所属議員の木沢成人が、県内外での滋賀ブランドを向上させるため、「滋賀県」から「近江県」への改名を提議したことがある[6]

関連氏族

脚注

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参考文献

関連項目

テンプレート:令制国一覧

テンプレート:近江国の郡
  1. 舘野和己「『古事記』と木簡に見える国名表記の対比」、『古代学』4号、2012年、17頁・19-20頁。
  2. 2.0 2.1 「旧高旧領取調帳」の記載は大津県。本項では「角川日本地名大辞典」の記述による。
  3. 狭山藩は明治2年12月26日(1870年1月27日)に廃藩。
  4. 丸亀藩は明治4年4月10日(1871年5月28日)に廃藩。
  5. 大溝藩は明治4年6月3日(1871年4月16日)に廃藩。
  6. 近江の人 木沢まさと: ブランド構築に向けて、木沢成人、2009年12月11日更新、2011年3月8日閲覧。