必殺仕掛人

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テンプレート:Pathnav テンプレート:Pathnav テンプレート:基礎情報 テレビ番組 テンプレート:Sidebar with collapsible lists必殺仕掛人』(ひっさつしかけにん)は、1972年9月2日より1973年4月14日まで毎週土曜日22:00 - 22:56[1]に、ABC松竹(京都映画撮影所、現・松竹撮影所)が共同製作・TBS系列(現在とネットワーク編成が異なる)で放送された時代劇。全33話。主演は林与一緒形拳

必殺シリーズの第1作目である。

人足口入稼業の音羽屋半右衛門を元締に、浪人剣客の西村左内、針医者の藤枝梅安の仕掛人(殺し屋)チームが金をもらい、人でなしどもを抹殺していく。

概要

池波正太郎の連作小説『仕掛人・藤枝梅安』と、その基になった短編『殺しの掟』(短編集『殺しの掟』に収録)を原作としている。『仕掛人・藤枝梅安』は当時連載が始まったばかりで、テレビ放送と平行して原作が書かれるという一種のメディアミックスの様相を呈していた。そのため、原作の主要人物である彦次郎や小杉十五郎が登場しないなど、『仕掛人・藤枝梅安』とは異なる部分も多く、『殺しの掟』の登場人物である西村左内・音羽屋半右衛門・岬の千蔵に藤枝梅安が加わった形になっている。逆に、ドラマの人気を受けて、音羽屋半右衛門が『仕掛人・藤枝梅安』でレギュラー化するという逆転現象も起こった。

当時人気時代劇であった『木枯し紋次郎』に対抗すると同時に、新しい時代劇を作るというコンセプトの下に作られており、金をもらって人を殺す者達を主人公とする、当時としては異例な作品であった。これらの取り組みは功を奏して視聴者に受け入れられ、以後「必殺シリーズ」として長く続くこととなる。

以後のシリーズ作品は3作目の『助け人走る』を除いて完全なテレビオリジナル作品であるが、その登場人物の設定や殺し技は、本作のそれを受け継いでいる。

製作背景

当時、時代劇フジテレビの『木枯し紋次郎』が躍進しており、朝日放送はその対抗策として、人気時代劇『鬼平犯科帳』の原作者である池波正太郎作品を原作とした番組企画を立てた[2]。これは池波の短編『殺しの掟』『おんなごろし』を基に「闇の殺し屋たち」を主役にした時代劇ドラマであった。

当時のテレビ時代劇では勧善懲悪が基本であり、金をもらって人を殺す側が主人公というのは異例であった。テンプレート:要出典範囲。また、原作自体もこの時点ではパイロット版に近い状態であり、作品としての『仕掛人・藤枝梅安』は確固としたものでは無かった。このため、原作は『仕掛人・藤枝梅安』としつつも、登場人物は『殺しの掟』がベースとなっており、その登場人物である西村左内、音羽屋半右衛門、岬の千蔵に、連載を始めたばかりの原作から主人公の藤枝梅安を加えた構成となっている。以上の事由により、TV版『必殺仕掛人』は西村左内が主人公として扱われた。

企画段階では、当時の時代劇製作を主導しており、朝日放送とも関係の深い東映と、現代劇やホームドラマを数多く撮影していながら、時代劇製作の経験が皆無に等しい松竹に企画書を送り、コンペを開いた。

局では、東映に撮らせることを考えていたが、山内には、東映に撮らせた場合の映像や仕掛けの際の演出が、完成されてはいるが、ある意味型に嵌った時代劇になるのを嫌い、新しいコンセプトの時代劇を作るという観点から、ホームドラマの要素を取り入れた時代劇をと考え、松竹にも企画書を送ったと言う。プレゼンテーションでは、手馴れていた東映[3]に対し、松竹はテレビ部の1人しか来ないという状態であったが、山内は松竹を選んだという。実際にコンペ前日に山内と松竹のスタッフで話し合い談合を行い、どのような作品を作りたいかを説明していた。[4]

なお第1~2回の監督は、山内の意向で東映の深作欣二が起用された[5]。本作でも、深作作品の代名詞となった手持ちカメラの多用などの撮影手法が見られる。また深作は、撮影開始前にカメラテストを行い、撮影対象全体に光が当たるノーマルなものと、陰影を際立たせたものの2通りのライティングを設定して比較したが、石原興カメラマンの「闇が撮りたい」との意見が決め手となって、陰影を強調した設定を採用したという。陰影を強調する撮影手法は、その後の必殺シリーズにも引き継がれ、代名詞ともなった。

キャスティングでは、前述の理由から、当時ホームドラマで活躍していた人物が検討された。藤枝梅安には、新国劇で活躍し、当時映画やテレビに多数出演して人気も高い緒形拳が起用され、音羽屋半右衛門には、当時のホームドラマで父親役を数多く演じ、人気の高かった山村聰を迎えた。しかし、西村左内は当初予定していた竹脇無我が断ったため、剣劇俳優であった林与一が選ばれた。これら草案(竹脇・緒形・山村)は、コンペの前から山内と松竹で既に決められていた。

この後、第1話の完成後に当時の関東地区ネット局であったTBSが放送反対を表明するなどの問題に見舞われたが、1972年9月2日、無事放送開始にこぎつけた。

周りの予想に反し、革新的なコンセプトの『必殺仕掛人』は大きな支持を得て、高視聴率を叩き出した。特に当時のTBS系列は、『8時だョ!全員集合』を代表として土曜のゴールデンタイムが非常に強く、土曜22時の本作は、それをさらに確固なものとした。また、対抗相手であった『木枯し紋次郎』が、主演の中村敦夫の怪我によって一旦放送を中断するなどの影響もあって、視聴率も上回るようになった。テンプレート:要出典範囲

当初2クールの予定であった本作は、2カ月延長されて最終回を迎え、以後必殺シリーズとして、長く続くヒット作となった。

放送終了後には、映画が3作作られており、特に2作目の『必殺仕掛人 梅安蟻地獄』以降は小杉十五郎が登場し、林与一が演じている(詳しくは映画版を参照)。

登場人物

仕掛人

音羽屋半右衛門
演 - 山村聰[6]
表稼業は口入屋、裏稼業は仕掛人の元締をしている男。
人当たりのいい初老の人物で、面倒見も良く様々な人から信頼されている。かつては自身も仕掛人で、その失敗により島送りにされた過去がある。裏稼業の元締であるが「世のため人のためにならない奴だけを殺す」という強い信念を持っており、梅安や左内からも信頼されている。相手が大物でも自分の信念は曲げず、大胆不敵な行動を取ることもある。裏の仕事で得た多額の報酬は、蘭学医など社会の役に立つ人々に寄付されており、手元にはほとんど無い[7]
基本的に殺しはしないが、かつて自身が仕掛人だったこともあり、仕込み竿を持っている。第1話など自分で殺しを行うことも稀にだがあり、腕っ節も強い。
原作では、『殺しの掟』などに登場する香具師の元締で、「音羽の半右衛門[8]」として登場する。元々『仕掛人・藤枝梅安』の登場人物では無く、何人かいる元締めの1人としての登場であったが、後に本作の人気を受けてレギュラー化している。
西村左内
演 - 林与一[9][10]
妻子持ちの浪人。辻斬りで生計を立てていたが第1話で音羽屋に仕掛人としてスカウトされる。
真面目な性格で、何より家族を第一に考えている。気負ったところもなく釣りをしていることが多いが、一皮むけば熱い性格が見え隠れする。元々横暴な上役を斬ったことが脱藩した理由であり、自分の生き方に悩むことが多く、理想に燃える人物と出会うとそれが標的であっても感化されてしまう。
仕掛人稼業で得た報酬は、必要な分を除き、全ておくらに預けている。妻子には剣道場で師範代のアルバイトをしていると嘘をついている。
『殺しの掟』の登場人物だが、ほぼドラマオリジナルのキャラクターである。
藤枝梅安
演 - 緒形拳
表向きは腕のいい針医者として、裏では仕掛人として有名な男。音羽屋以外にも様々な元締の依頼を受けて仕掛けを行っている。西村夫婦からは「梅安殿」と呼ばれる。
仕掛人・藤枝梅安』の主人公であり、基本的な設定は踏襲されているが、原作よりも欲望に忠実で明朗快活な人物として描かれる。社会の構造を熟知しており、義憤にかられ物事の全貌を見誤りやすい左内によく忠告をする。
仕掛人としての腕は一流でプライドも高い。自分の武器である針で相手を仕留めることを譲らず、他の得物を使うことを嫌う。
岬の千蔵
演 - 津坂匡章[11]
半右衛門の部下で密偵。
お調子者で女好きの男。そのため、梅安とは気が合い行動を共にすることが多い。かつては盗賊だったらしく、密偵としてはとても優秀で、屋根裏に忍び込んだり、伝馬町の牢破りをしたりしている。ただし血を見るのが嫌い(梅安によると「赤ん坊の鼻血を見るだけて青ざめてしまうような男」)な為、仕掛人にはならず殺しも行わない。一度拷問に掛けられて命を落としたが、梅安の鍼によって蘇生した。
演じた津坂は以後も「おひろめの半次」や「油紙の利吉」として同様のコンセプトの役を演じた。
櫓の万吉
演 - 太田博之[12]
半右衛門の部下で密偵。千蔵の弟分。
真面目な性格の青年。左内への連絡役などで登場することが多い。千蔵と同じく密偵として様々な任務をこなすが、彼と異なり、失敗することが稀にある。
おくら
演 - 中村玉緒[13]
半右衛門の妻。
夫想いの良妻。夫同様島帰りの身で、裏稼業に直接関わることは少ないが、仕掛人のことを知ってはいる。原作でも「音羽の半右衛門」の妻として登場し、音羽で料理茶屋を経営している。

その他

西村美代 / 西村彦次郎
演 - 松本留美[14] / 岡本健[15]
西村左内の妻子。
良妻で半右衛門夫婦や梅安とも付き合いがある。
最終話で左内の裏稼業を知らされるが受け入れ、夫と共に江戸を旅立つ。
おぎん
演 - 野川由美子[16]
第1話の標的の愛人。梅安は仕掛けのために彼女に近づくが、標的の暗殺後もそのまま関係を持ち続ける。
第24話でたまたま仕掛人の存在を知り、一儲けするために自称仕掛人となる。しかし、しょせん素人のために問題を起こし、事態を知った梅安と千蔵が陰でフォローする。その時、梅安が仕掛人であると知ってしまい、梅安に記憶を消すツボを刺されるが、効き目が強すぎたため、梅安の正体だけではなく梅安のこと自体を忘れてしまう。以後は登場しない。
お初
演 - 西山恵子[17]
神谷兵十郎
演 - 田村高廣
第21話と第30話に登場する浪人。
藩が取り潰しとなり浪人となるが、貧乏ながらも最愛の妻と仲慎ましく生きていた腕の立つ剣客。梅安の殺しを目撃したことが縁で半右衛門に仕掛人としてスカウトされる。当初は断るも新たな奉公先を得るのに必要な支度金を得るため、回数限定で仕掛人となる。しかし、最初の標的が妻の密会の相手であり、標的と妻を斬って行方不明となる。
第30話で酒浸りの落ちぶれた姿となって再登場する。半右衛門が裏の仕事で溜め込んであろう大金を狙う悪党・四つ玉の勘次(米倉斉加年)に雇われ、半右衛門を斬りつけ重傷を負わせる。最期は、半右衛門とおくらの夫婦愛を目の当たりにし、半右衛門に感謝の言葉を残して刺殺される。
演じた田村高廣は後に『助け人走る』の主演として中山文十郎を演じる。
ナレーション
語り - 睦五郎
作 - 早坂暁

ゲスト

第1話 「仕掛けて仕損じなし」
第2話 「暗闘仕掛人殺し」
第3話 「仕掛られた仕掛人」
第4話 「殺しの掟」
第5話 「女の恨みはらします」
第6話 「消す顔消される顔」
第7話 「ひとでなし消します」
第8話 「過去に追われる仕掛人」
第9話 「地獄極楽紙ひとえ」
第10話 「命売りますもらいます」
第11話 「大奥女中殺し」
第12話 「秋風二人旅」
第13話 「汚れた二人の顔役」
第14話 「掟を破った仕掛人」
第15話 「人殺し人助け」
第16話 「命かけて訴えます」
第17話 「花の吉原地獄の手形」
第18話 「夢を買います恨みも買います」
第19話 「理想に仕掛けろ」
第20話 「ゆすりたかり殺される」
第21話 「地獄花」
第22話 「大荷物小荷物仕掛の手伝い」
第23話 「おんな殺し」
第24話 「士農工商大仕掛け」
第25話 「仇討ちます討たせます」
第26話 「沙汰なしに沙汰あり」
  • 加東金五郎 - 平井昌一
  • 里枝 - 青柳三枝子
  • 石屋儀右衛門 - 伊達三郎
  • 又七 - 江角英明
  • 加賀屋伝兵衛 - 西山辰夫
  • 遠藤忠晴 - 柳沢真一
第27話 「横をむいた仕掛人」
第28話 「地獄へ送れ狂った血」
第29話 「罠に仕掛ける」
第30話 「仕掛けに来た死んだ男」
第31話 「嘘の仕掛けに仕掛けの誠」
第32話 「正義にからまれた仕掛人」
最終話 「仕掛人掟に挑戦!」

殺し技

西村左内
刀で相手を斬り殺す正当な殺陣。殺す前に笹笛を吹き、自ら「仕掛人 西村左内」と名乗りあげるのが特徴。なお、笹笛は精神を落ち着かせるためと説明されている。
第17話において、刀が使えず、三味線の撥で相手の首筋を斬っている。これは後に『暗闇仕留人』の糸井貢を始め、何人もの登場人物の殺し技として定番化している。
藤枝梅安
表稼業の治療用の物より大きめの鉄針で、悪人の首筋や眉間を刺す。
悪人を殺すばかりでは無く、相手を記憶喪失にしたり(第24話)、悪人に責め殺された仲間の心臓を蘇生させたりもする(第30話)。
音羽屋半右衛門
悪人に直接手を出すことは少ないが、仕掛人時代の武器の短刀、針を仕込んだ煙管(第14話)、釣竿の柄の仕込み匕首(第5・14話)、護身用の短筒(第33話)を使用して、殺しを行った。

スタッフ

主題歌

  • 山下雄三「荒野の果てに」(ミノルフォンレコード(現・徳間ジャパンコミュニケーションズ[18]))
    作詞:山口あかり、作曲:平尾昌晃、編曲:竜崎孝路
    なお、第1 - 5話までは曲のみが用いられており、山下による歌が入ったのは6話以降である。この曲のみバージョン、BGMは「必殺!」として、以後シリーズに何度も用いられており、シリーズ全体のテーマとして扱われている(詳しくは当該項目を参照)。本作でも「必殺!」以外にもアレンジされたBGMがいくつか用いられている(「仕掛針」「仕掛人梅安」など、タイトルはいずれも後に発売されたサントラから)。また、先に「仕掛人・梅安」と「必殺!」が製作され、この2曲を元に「荒野の果てに」が製作された。

放送日程

  • 第2、4、12、23、28話は原作付きエピソード。
  • 第1話は冒頭のシーンのみ原作からの引用。
話数 放送日 サブタイトル 脚本 監督
第1話 1972年テンプレート:09月テンプレート:02日 仕掛けて仕損じなし 池上金男 深作欣二
第2話 9月テンプレート:09日 暗闘仕掛人殺し 國弘威雄
第3話 9月16日 仕掛られた仕掛人 安倍徹郎 三隅研次
第4話 9月23日 殺しの掟 池上金男
第5話 9月30日 女の恨みはらします 大熊邦也
第6話 10月テンプレート:07日 消す顔消される顔 山田隆之 松本明
第7話 10月14日 ひとでなし消します
第8話 10月21日 過去に追われる仕掛人 安倍徹郎 大熊邦也
第9話 10月28日 地獄極楽紙ひとえ 山田隆之 三隅研次
第10話 11月テンプレート:04日 命売りますもらいます 國弘威雄 松野宏軌
第11話 11月11日 大奥女中殺し
第12話 11月18日 秋風二人旅 安倍徹郎 三隅研次
第13話 11月25日 汚れた二人の顔役 山田隆之 松野宏軌
第14話 12月テンプレート:02日 掟を破った仕掛人 石堂淑朗 大熊邦也
第15話 12月テンプレート:09日 人殺し人助け 山田隆之 松本明
第16話 12月16日 命かけて訴えます 早坂暁 大熊邦也
第17話 12月23日 花の吉原地獄の手形 松田司 松野宏軌
第18話 12月30日 夢を買います恨みも買います 國弘威雄 長谷和夫
第19話 1973年テンプレート:01月テンプレート:06日 理想に仕掛けろ 山田隆之 松本明
第20話 1月13日 ゆすりたかり殺される 安倍徹郎
山崎かず子
松野宏軌
第21話 1月20日 地獄花 安倍徹郎 三隅研次
第22話 1月27日 大荷物小荷物仕掛の手伝い 本田英郎 長谷和夫
第23話 2月テンプレート:03日 おんな殺し 山田隆之 松本明
第24話 2月10日 士農工商大仕掛け 池田雄一 深作欣二
第25話 2月17日 仇討ちます討たせます 國弘威雄
鈴木安
松野宏軌
第26話 2月24日 沙汰なしに沙汰あり 本田英郎 長谷和夫
第27話 3月テンプレート:03日 横をむいた仕掛人 石堂淑朗 大熊邦也
第28話 3月10日 地獄へ送れ狂った血 安倍徹郎 松野宏軌
第29話 3月17日 罠に仕掛ける 津田幸夫 長谷和夫
第30話 3月24日 仕掛けに来た死んだ男 早坂暁 大熊邦也
第31話 3月31日 嘘の仕掛けに仕掛けの誠 國弘威雄
鈴木安
長谷和夫
第32話 4月テンプレート:07日 正義にからまれた仕掛人 山田隆之 松本明
最終話 4月14日 仕掛人掟に挑戦! 國弘威雄 三隅研次

放送自粛エピソードについて

『必殺仕掛人』では下記4作品が放送自粛により再放送を見合わせられることが多い。

第4話「殺しの掟」
西村左内が登場した同名の原作をベースにした作品。再放送では長らく自粛されていたが、その内容については明確にされてこなかった。DVD『必殺仕掛人』上巻ブックレットには、この直前にテレビ放送されていた『鬼平犯科帳』において当該エピソードが既に使用されており、二重使用を考慮して自粛した旨が記載されている。
第21話「地獄花」
本作も放送自粛作品として、長らく再放送では日の目を見なかったエピソード。オー・ヘンリー賢者の贈り物』をベースにしたテレビオリジナルのストーリー。再放送が自粛されてきた理由について、DVD『必殺仕掛人』中巻ブックレットでは「最後に妻を斬った、本作のゲストキャラクター・神谷兵十郎の理由に対するフォローがないから」という旨の説明がなされている。
第24話「士農工商大仕掛け」
士農工商」が放送禁止用語に当たるため。
第28話「地獄へ送れ狂った血」
原作のエピソード「梅安晦日蕎麦」の映像化であるが、闇に葬むる城主の異常に残忍な性格を、「遺伝(血筋)による精神障害」としているため、再放送の際に、放送局によっては自主規制によりこの回を放送しないことがある。
ただし、原作は2010年現在も発売され(文庫版第1巻に収録)、本編はDVD『必殺仕掛人』BOX下巻、『必殺仕掛人』(単品)VOL.8に収録されており、特に封印されているという事実はない。2006年のテレビ埼玉での再放送(6月15日)では放送されている一方、2007年のWOWOW、2012年のテレビ埼玉での再放送では自粛された。

ネット局

系列は放送当時のもの。
放送対象地域 放送局 系列 備考
近畿広域圏 朝日放送 TBS系列 制作局
関東広域圏 東京放送 現・TBSテレビ
北海道 北海道放送
青森県 青森テレビ NETテレビ系列
TBS系列
[19]
岩手県 岩手放送 TBS系列 現・IBC岩手放送
宮城県 東北放送
秋田県 秋田放送 日本テレビ系列
山形県 山形放送
福島県 福島テレビ TBS系列
フジテレビ系列
新潟県 新潟放送 TBS系列
長野県 信越放送
山梨県 テレビ山梨
富山県 富山テレビ フジテレビ系列
石川県 北陸放送 TBS系列
福井県 福井テレビ フジテレビ系列
静岡県 静岡放送 TBS系列
中京広域圏 中部日本放送 現・CBCテレビ
島根県
→島根県・鳥取県
山陰放送 第3話までの放送エリアは島根県のみ
第4話から相互乗り入れに伴い鳥取県でも放送[20]
岡山県 山陽放送 当時の放送エリアは岡山県のみ[21]
広島県 中国放送
山口県 テレビ山口 TBS系列
フジテレビ系列
NETテレビ系列
徳島県 四国放送 日本テレビ系列
愛媛県 南海放送
高知県 テレビ高知 TBS系列
福岡県 RKB毎日放送
長崎県 長崎放送
熊本県 熊本放送
大分県 大分放送
宮崎県 宮崎放送
鹿児島県 南日本放送
沖縄県 琉球放送

テンプレート:前後番組

テンプレート:必殺シリーズ テンプレート:深作欣二 テンプレート:TBS土曜10時枠の連続ドラマ

映画版

テレビシリーズの終了後、3作が制作され、松竹系にて公開された。

必殺仕掛人

テンプレート:Infobox Film

1973年6月9日公開。

テレビシリーズの大人気を受けて制作された劇場版仕掛人第1作。各種設定はテレビシリーズを元にしている。注目点は主人公2名、梅安と左内のキャストが変更されていることで、梅安は田宮二郎、左内を高橋幸治が演じている。半右衛門はテレビ版と同じく山村聡が演じた。原作「おんなごろし」と短編「梅雨の湯豆腐」をミックスしたストーリー。なお梅安が結果的に手に掛けることになる実の妹・お吉について、原作・テレビ版とは異なり梅安が自分の妹だと最後まではっきり悟らないといったアレンジがなされている。

キャスト
スタッフ
  • 監督 - 渡辺祐介
  • 脚本 - 渡辺祐介、安倍徹郎
  • 原作 - 池波正太郎
  • 製作 - 織田明
  • 撮影 - 小杉正雄
  • 美術 - 森田郷平
  • 音楽 - 鏑木創
  • 録音 - 中村寛
  • 照明 - 佐久間丈彦
  • 編集 - 寺田昭光
  • 助監督 - 白木慶二
  • スチール - 長谷川宗平

必殺仕掛人 梅安蟻地獄

テンプレート:Infobox Film

1973年9月29日公開。

第1作の好評を受けて制作された劇場版第2弾で原作「梅安蟻地獄」の映画化。観客の要望によりメインキャスト2人がテレビシリーズの緒形拳、林与一に戻された。原作「梅安」で活躍した浪人剣士、小杉十五郎がついに映像作品初登場。そのため西村左内は登場せず、林が十五郎を演じている。また前作やテレビシリーズのキャストにはなかった、梅安の妾おもんも登場。後述の次作ともにひろみどりが演じた。仇役の佐藤慶小池朝雄が、狡猾な悪役・伊豆屋長兵衛とその弟・山崎宗伯をそれぞれ演じた。

キャスト
スタッフ
  • 監督 - 渡辺祐介
  • 脚本 - 宮川一郎、渡辺祐介
  • 原作 - 池波正太郎
  • 製作 - 織田明
  • 撮影 - 小杉正雄
  • 美術 - 森田郷平
  • 音楽 - 鏑木創
  • 録音 - 中村寛
  • 照明 - 佐久間丈彦
  • 編集 - 寺田昭光
  • 助監督 - 白木慶二
  • スチール - 小尾健彦

必殺仕掛人 春雪仕掛針

テンプレート:Infobox Film

1974年2月16日公開。

仇役に岩下志麻を迎えて制作された、劇場版仕掛人第3作にして最終作。原作「春雪仕掛針」の名を冠しているが、原作の内容とは全く違うオリジナルストーリーである[22]。前作「梅安蟻地獄」に続いて梅安=緒形、十五郎=林、半右衛門=山村のキャスティング。

キャスト
スタッフ
  • 監督 - 貞永方久
  • 脚本 - 安倍徹郎
  • 原作 - 池波正太郎
  • 製作 - 織田明
  • 撮影 - 丸川恵司
  • 美術 - 梅田千代夫
  • 音楽 - 鏑木創
  • 録音 - 平松時夫
  • 照明 - 三浦礼
  • 編集 - 太田和夫
  • 助監督 - 熊谷勲
  • スチール - 長谷川宗平

脚注

テンプレート:Reflist

外部リンク

  • 第6話以降は、22:00 - 22:55。
  • 当時は、まだ池波作品のテレビドラマ化は少なかった。
  • 東映では、藤枝梅安に天知茂を予定していたと言う。天知の主演はならなかったが、後にゲスト出演している。
  • 『必殺を斬る~必殺シリーズをめぐる13の物語~』
  • 当時の深作は、『仁義なき戦い』がヒットする前で東映では不遇な時代であり、東映在籍ながら松竹作品などを撮っていた。なお深作の妻の中原早苗は、山内がプロデューサーを務めた「お荷物小荷物」に出演しており、深作とも旧知の仲だったという。
  • 第10、12、19、25、28、31話除く
  • ただし、ドラマ中に何度か釣りをしている池は、半右衛門の所有物であり、池の底には、かつて裏の仕事で稼いだ小判を隠しているという設定がある。
  • 現在の小石川から雑司が谷一帯を取り纏めていたことから、「音羽の」の名前が付いていた。
  • 第21、23、24、27、28、30 - 32話除く
  • 林と緒形は、初期はクレジットの順番が逆になることもあった。
  • 第3、12、13、19、25、26、28、29、31 - 33話除く
  • 第4 - 8、12、16、19 - 24、32話除く
  • 第1、2、4、5、7、14、15、22、30、33話
  • 第1 - 5、7、8、10、14、18、20、25、33話
  • 第1 - 5、7、8、10、13、14、18、20、25、33話
  • 第1、2、10、18、24話
  • 第1、2話
  • 第6話のみテイチクレコードと表記
  • 1975年3月まではJNNには番販で加盟していた。
  • 但し、鳥取県ではBSSやABCなどと通じて第1話から視聴可能だった。
  • 香川県では周辺局で視聴可能だった。
  • むしろ同じ池波作品の短編「女賊」をベースにしたものと考えてよい。