米倉斉加年
テンプレート:ActorActress テンプレート:Portal 米倉 斉加年(よねくら まさかね、1934年7月10日 - )は、日本の俳優・演出家・絵本作家・絵師。
来歴・人物
福岡県福岡市出身。福岡県立福岡中央高等学校でバスケットボール部で主将を務めた。西南学院大学文学部英文科在学中に演劇に目覚め、大学を中退して1957年に劇団民藝入団、俳優としてだけでなく演出家としても活躍、2000年退団。
もとの本名は正扶三(まさふみ)だったが、幼い頃に旅の僧侶により「斉加年」と命名されて以降この名を名乗り続け、後に戸籍上も改名した。
著書『おとなになれなかった弟たちに…』は、中学1年生の国語教科書(光村図書)に採用されている(挿絵も本人によるもの)。第1回、第23回紀伊国屋演劇賞、第11回「新劇」演技賞。
繊細な奇人芸術家、または善良だが内気なインテリといった役柄を得意とする。NHKへの出演は多く、大河ドラマではしばしば大役を演じた。『風と雲と虹と』では国司でありながら将門の乱をたきつける皇族・興世王を演じ、『花神』の桂小五郎などは、民放や現在のNHKでは考えられない起用であり、高い知性やリーダーシップと神経質さをあわせ持つ桂像を構築してみせた。『明智探偵事務所』での準レギュラー、博多訛りの怪人二十面相役も知られている。善人としての持ち味は山田洋次監督に愛され、『男はつらいよ』シリーズに2度、恋敵役で登板したほか、端役でもしばしば顔出ししている。山田監督の愛弟子・高橋正圀が脚本を書いたNHKドラマ『僕の姉さん』二部作では、倍賞千恵子の夫となる美術教師役。これも善良なインテリであった。
絵師としては、ボローニャ国際児童図書展にて、1976年『魔法おしえます』で、1977年『多毛留』で、2年連続グラフィック大賞を受賞。この展覧会で大賞を2年連続で受賞したのは彼が初めてである。
「世田谷・九条の会」呼びかけ人を務めている[1]。
出演作品
テレビドラマ
- 東京のプリンスたち(1959年、NET)
- バス通り裏(1958年 - 1963年、NHK)
- 口笛が冬の空に…(1961年、NHK)
- 大河ドラマ(NHK)
- われら弁護士(1968年、NTV)
- あしたこそ(1968年、NHK)
- 黒部の太陽(1969年、NTV)
- 独身のスキャット 第4話(1970年、TBS / 円谷プロ)
- 男は度胸(1970年、NHK)
- 坊っちゃん(1970年、NTV) - 赤シャツ
- おれは男だ!(1971年、NTV)
- 藍より青く(1972年、NHK)
- 地獄の辰捕物控 第5話「御用提灯が闇に泣く」(1972年、NET)
- 大岡越前(TBS / C.A.L)
- 必殺シリーズ(ABC / 松竹)
- 必殺仕掛人 第30話「仕掛けに来て死んだ男」(1973年)
- 必殺仕置屋稼業 第14話「一筆啓上不義が見えた」(1975年) - 長門屋治平
- 必殺スペシャル・秋! 仕事人vsオール江戸警察(1990年) - 鳥居耀蔵
- 剣客商売 第9話「決斗、見付宿」(1973年、CX)
- 風の中のあいつ(1973年 - 1974年、TBS) - 清水次郎長
- 水色の時(1975年、NHK)
- 人魚亭異聞 無法街の素浪人 第4話「横浜どんたく人魚の館」(1976年、NET / 三船プロ) - 村野信吾
- 夫婦旅日記 さらば浪人 (CX)
- 第24話「ふるさとへの旅路」(1976年)
- 第25話「ふるさとの空はふたたび」(1976年)
- 横溝正史シリーズ / 三つ首塔(1977年、MBS / 東宝) - 佐竹建彦
- 土曜ワイド劇場(ANB)
- 松本清張の「声」 ダイヤルは死の囁き(1978年)
- 涙・暗くなるまで待って(1978年)
- NHK特集 炎の海 画家青木繁の愛と死(1978年、NHK)- 青木繁
- 太陽にほえろ!(NTV / 東宝)
- 第320話「翔べないカナリア」(1978年) - 立花シンスケ
- 第368話「事件の背景」(1979年) - 松平圭介
- 獅子のごとく(1978、TBS) - 乃木希典
- 白い巨塔(1978年 - 1979年、CX) - 菊川昇
- 裸の大将放浪記 / 青い目の涙だったので(1981年、KTV)
- ドラマ人間模様 / 夕暮れて(1983年、NHK)
- 新・なにわの源蔵事件帳 第14話「三人組の正体」(1984年、NHK)
- 月曜ワイド劇場 / ガラスの家の暴力少女(1984年、ANB)
- 火曜サスペンス劇場 (日本テレビ)
- 凍る風景(1986年)
- ラブレター(1995年)
- 取調室(2002年2月) - 松島総一郎
- うさぎと亀・川の流れのように(2004年6月)
- 太陽にほえろ! PART2 第12話「さらば! 七曲署」(1987年、NTV)
- 鬼平犯科帳(CX / 松竹)
- 第1シリーズ 第9話「兇賊」(1989年) - 鷺原の九平
- 第5シリーズ 第3話「蛙の長助」(1994年) - 蛙の長助
- 直木賞作家サスペンス「夜の探偵」(1990年、KTV)
- 影武者 ・織田信長(1996年、ANB) - 千利休
- 水戸黄門 第29部 第12話「父を呼ぶ子の鯖街道 -小浜-」(2001年、TBS / C.A.L) - 三方屋清左衛門
- 剣客商売 第3シリーズ 第5話「金貸し幸右衛門」(2001年、CX / 松竹) - 浅野幸右衛門
- 御家人斬九郎 第5シリーズ 第4話「盗賊見習い」(2002年、CX / 映像京都) - 長五郎
- こちら本池上署 第1シリーズ(2002年、TBS)
- 新春ドラマスペシャル / 秋刀魚の味(2003年1月3日、CX) - 河合秀三
- 救命病棟24時 第3シリーズ(2005年、CX) - 岡山の町医者
- 芋たこなんきん(2007年、NHK) - 矢木沢久米夫
- 夫婦道(2007年、TBS) - 杉本辰司
- ちりとてちん(2007年、NHK) - 和田正太郎
- 刺客請負人 第2シリーズ(2008年、TX) - 嘉助
- 坂の上の雲(2009年 - 2011年、NHK)- 大山巌
- 相棒season9(2010年、テレビ朝日) - 榊隆平
- 松本清張ドラマスペシャル 砂の器(2011年9月10、11日、テレビ朝日) - 桐原小十郎
- 月曜ゴールデン / 弁護士高見沢響子11(2011年10月17日、TBS) - 佐藤市郎
- 水曜ミステリー9 (テレビ東京)
- 捜査検事・近松茂道11(2012年2月15日) - 関根惣一
- 湯けむりドクター華岡万里子の温泉事件簿6(2012年7月4日) - 松岡善吉
- 金曜プレステージ / 浅見光彦シリーズ46(2013年1月11日、フジテレビ) - 吉永宮司
- とんび(2013年、TBS) - 島野
- 東京が戦場になった日(2014年3月15日、NHKスペシャル特集ドラマ) - 神部正明 役 (主演)
- サイレント・プア(2014年4月8日 - 、NHK) - 吉岡一郎 役
映画
- 女子大学生 私は勝負する(1959年、東宝)
- 警察日記 ブタ箱は満員(1961年、日活)
- 喜劇 駅前飯店(1962年、東宝)
- 真田風雲録(1963年、東映) - 根津甚八
- 君が青春のとき(1967年、日活)
- 座頭市と用心棒(1970年、東宝) - 小仏の政五郎
- 無頼漢(1970年、東宝)
- 戦争と人間 第二部 愛と悲しみの山河(1971年、日活)- *ノンクレジット
- 喜劇 女売出します(1972年、松竹)
- 男はつらいよ 寅次郎夢枕(1972年、松竹)
- 沖田総司(1974年、東宝) - 近藤勇
- 男はつらいよ 寅次郎相合い傘(1975年、松竹)
- 男はつらいよ 葛飾立志篇(1975年、松竹)
- 超高層ホテル殺人事件(1976年、松竹)
- 凍河(1976年、松竹)
- 坊っちゃん(1977年、松竹)
- 男はつらいよ 寅次郎頑張れ!(1977年、松竹)
- 聖職の碑(1978年、東宝)
- 配達されない三通の手紙(1979年、松竹)
- 動乱(1980年、東映) - 島憲兵曹長
- わるいやつら(1980年、松竹) - 横武常次郎
- 男はつらいよ 寅次郎かもめ歌(1980年、松竹)
- 真夜中の招待状(1981年、松竹)
- もどり川(1983年、東宝)
- 男はつらいよ 寅次郎真実一路(1984年、松竹)
- 彩り河(1984年、松竹) - 清水四郎太
- ムッちゃんの詩(1985年、関西共同映画社)
- 人間の約束(1986年、東宝東和)
- あいつに恋して(1987年、東宝)
- パンダ物語(1988年、東宝)
- 学校の怪談2(1996年、東宝) - 住職・真行
- 老親(2000年、企画制作パオ)
- ひとりね(2002年、アルゴ・ピクチャーズ)
- 母のいる場所(2003年、企画制作パオ)
- パッチギ! LOVE&PEACE(2007年、シネカノン) - 枝川の長老
- 星の国から孫ふたり(2009年、企画制作パオ/星の国から孫ふたり製作委員会)
- RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ(2011年、松竹) - 吉原満
- ALWAYS 三丁目の夕日'64(2012年、東宝) - 茶川林太郎
- 小さいおうち(2014年、松竹) - 平井恭一(晩年)
舞台
- ゴドーを待ちながら
- 私の可哀そうなマラート
- ラブ(劇団民藝)
- 晩秋
- 放浪記
- ジョン・ガブリエルと呼ばれた男
バラエティ
CM
著書
- Omara & komara 画と話 (東名企画 1972年)
- 多毛留(たける) (偕成社 1976年)
- 人魚物語 まさかね絵草紙 (角川書店 1977年)
- 憂気世絵草紙 (大和書房 1978年4月)
- 大麻羅小麻羅 (未来工房 1979年10月)
- MASAKANE 米倉斉加年画集 (集英社 1981年6月)
- 風よついて来い (松永伍一との対談集 小学館 1983年3月)
- おとなになれなかった弟たちに…(偕成社、1983年)
- 道化口上 (影書房 1985年8月)
- おんな憂気世絵 (講談社 1986年12月)
- 多毛留・おとなになれなかった弟たちに… (1989年3月 偕成社文庫)
- 演ずるとは (旬報社 1997年11月)
- いま、普通に生きる (新日本出版社 2006年4月)
挿画
- 魔法おしえます (奥田継夫著 偕成社 1975年)
- 『ドグラ・マグラ』ほか、角川文庫における夢野久作作品全般
- 吉行淳之介の集英社文庫版著書
- DEAD END (バンド) アルバム“Dream Demon Analyzer”ジャケット挿絵