京王電鉄バス
京王電鉄バス株式会社(けいおうでんてつバス、英称:Keio Dentetsu Bus Co.,Ltd.)は、2002年2月1日に設立(京王バスとしては1997年から)され、同年8月1日に京王電鉄自動車事業部の事業一切を継承して営業を開始した京王グループの中核バス会社である。
京王バス東、京王バス南、京王バス中央、京王バス小金井の4つの子会社を持ち、これらを加えた5社から京王電鉄バスグループを形成している(本稿では各子会社についても扱う)。本社は5社とも東京都府中市晴見町2-22、京王府中晴見町ビルに所在する。ただし、登記上の本店は東京都多摩市関戸一丁目9番地1の京王電鉄本社にある。
一般路線バスの営業エリアは、東京都多摩地域を中心とし、子会社各社への管理委託路線も含めると京王電鉄沿線のほぼ全域に及ぶ。そのほとんどが東京都内完結路線であるが、京王バス南には神奈川県相模原市に乗り入れる路線もある。また、新宿駅西口をターミナルに山梨県、長野県、岐阜県、愛知県への中央高速バス、長野市への関越道経由の高速バス、静岡県への東名高速経由の高速バス、大阪府、兵庫県、宮城県への長距離高速バス、東京スカイツリー・土気駅方面への高速バスを運行。さらに、京王線沿線およびJR中央線沿線から羽田空港、成田空港への空港連絡バスも運行している。加えて、新宿駅、渋谷駅から京王線沿線およびJR中央線沿線方面への深夜中距離バスや深夜急行バスも充実している。
沿革
京王電気軌道のバス事業
京王のバスの歴史は1913年4月15日、京王電気軌道が鉄道未成区間の新宿駅〜笹塚駅間および調布駅〜府中〜国分寺駅間に乗合バスを開業したことに始まる。これらは東京における最初のバス営業であるが、暫定的な輸送手段の色合いが濃く、1914年に調布駅〜国分寺駅間を運休(のち廃止)、1915年には新宿駅〜笹塚駅間も鉄道開業に伴い廃止され、いずれも短期間で幕を下ろしている。
京王が再びバス事業に乗り出すのは、昭和初期のことである。大正の末から、萬歳自動車という会社が甲州街道の新宿三丁目〜新町〜代々幡間、新町〜青山四丁目間にバスを運行していた。同社は1924年7月に社名を甲州街道乗合自動車に改称し、路線を烏山・調布を経て多磨村東京市営公園墓地(現・多磨霊園)まで延長していったが、甲州街道に並行して軌道線をもつ京王電軌はこれを脅威と感じ、1927年5月に同社の持株の過半数以上を取得、関連会社とした。
さらに京王電軌は、1937年に甲州街道乗合を完全買収して事業の一切を吸収、さらに同日高尾遊覧自動車も買収した。これにより自動車課および同課笹塚営業所が設置され、現在の京王電鉄バスグループにつながる直営のバス事業が再開された。なお、甲州街道乗合は買収までに山之手乗合自動車ならびに小金井乗合自動車を合併しており、路線は甲州街道沿いだけでなく東京市内の音羽や武蔵小金井駅北側など、広範囲にわたっていた。
その後も多摩地域における周辺事業者の買収を積極的に進めていく。1938年には、武蔵中央電気鉄道傘下にあった八王子市街自動車を買収し、八王子営業所を開設した。また、同年に高幡乗合を、翌1939年に由木乗合自動車を買収し、事業を吸収している。
こうした矢先、太平洋戦争が開戦し、1942年2月1日には陸上交通事業調整法に基づく戦時統合のため、山手線以内の路線が3区間東京市へ譲渡された。譲渡路線は、新町〜青山四丁目(のちの都営バス東72の一部→1977年廃線)、原宿駅〜千駄ヶ谷駅(現在は同早81の一部)、新宿駅〜音羽九丁目(現在は同白61の一部)である。また、1944年5月31日、京王電軌は東京急行電鉄に合併されるに至った。
京王電軌以外のバス事業
京王電軌が運行していたバス路線は概ね甲州街道上または新宿区十二社周辺、及び現在の多摩地区であり、現在の京王バス東が運行する大部分の路線は、東京横浜電鉄傘下の東横乗合が中野・杉並両区の事業者を統合して運行していたものである。このうち、現在の三鷹線(鷹64)の原型路線は1935年に帝都電鉄(井の頭線の前身)に譲渡され、帝都電鉄バスとして運行されていた。東急バスの項を参照のこと。
年譜
- 1913年4月15日 - 京王電気軌道、鉄道未成区間の新宿駅〜笹塚駅間および調布駅〜府中〜国分寺駅間に乗合バスを開業。
- 1914年2月 - 調布駅〜府中〜国分寺駅間を運休。そのまま廃止。
- 1915年2月15日 - 新宿駅〜笹塚駅間、鉄道開業に伴い廃止。
- 1937年12月1日 - 甲州街道乗合自動車(新宿駅〜八王子駅〜高尾山間他)を完全買収し、事業一切を吸収。京王バス復活。
- 1938年3月21日 - 八王子市街自動車を買収し、京王バスとして運営。
- 1938年8月1日 - 高幡乗合(高幡〜立川間)を買収し、事業を吸収。
- 1939年3月1日 - 由木乗合自動車(現在の京王バス南の路線)を買収し、事業を吸収。
- 1942年2月1日 - 陸上交通事業調整法に基づく戦時統合のため、山手線以内の路線を東京市へ譲渡。
- 1944年5月31日 - 東京急行電鉄に合併。
- 1944年8月1日 - 府中乗合自動車商会(現在の京王バス中央の路線)を買収し、事業を吸収。
- 1948年6月1日 - 京王帝都電鉄が設立され、東京急行電鉄から分離。京王線以北を中心とするバス路線を東急から譲受。
- 1949年4月 - 都内で初のディーゼルバスを導入。
- 1949年10月 - 東京都交通局と協定を結び、都心乗り入れ線新橋駅〜下高井戸間を開業。
- 1951年6月1日 - 観光バス事業を開始。
- 1960年4月1日 - 八王子地区でワンマンカーを導入。
- 1976年4月 - ワンマン化が完了。
- 1976年7月 - 乗合バスに冷房車を導入。
- 1980年4月6日 - 深夜バスの運行を開始。
- 1986年8月20日 - 日野市内においてミニバスの運行を開始。
- 1989年6月28日 バス運行管理システム導入完了。
- 1989年10月14日 - 夜行高速バスに参入、新宿駅西口〜高松駅のハローブリッジ運行開始。
- 1989年12月11日 - 深夜急行バスに参入、新宿駅西口〜京王八王子駅間運行開始。
- 1990年10月12日 - 新宿駅西口〜西鉄天神バスセンター間に夜行高速バスはかた号運行開始(西日本鉄道との共同運行)。日本最長路線の誕生。
- 1996年9月1日 - 多摩営業所において乗降方式を変更。
- 1996年11月1日 - バス共通カードの全車導入完了。府中営業所において乗降方式を変更。
- 1997年4月1日 - 京王バス株式会社を設立。
- 1997年10月1日 - 京王バス営業開始。京王帝都電鉄調布営業所の移管を行う。
- 1998年7月1日 - 京王帝都電鉄が京王電鉄と改称。
- 1998年10月16日 - 京王バスが京王電鉄の一部路線の受託運行を開始。
- 2002年2月1日 - 京王電鉄バス株式会社を設立。本社を府中市府中町1-9の京王府中1丁目ビルに置く。
- 2002年8月1日 - 京王電鉄バスが京王電鉄より乗合バス事業および一部の高速バス事業を譲受し、営業開始。
- 2003年10月1日 - 府中地区路線の一部を京王バス中央に、八王子西南部地区路線を京王バス南にそれぞれ移管。
- 2005年11月1日 - 小金井地区路線の一部の運行を京王バス小金井に移管。
- 2007年3月18日 - 京王電鉄バス 府中営業所・京王バス東 中野営業所・京王バス東 永福町営業所・京王バス中央 府中営業所・京王バス小金井 小金井営業所の路線バスにPASMOを導入(これにより、導入車両ではSuicaも利用可能に)。
- 2007年9月30日 - 子会社も含む全営業所(一部コミュニティバス等を除く)においてPASMOの導入が完了。
- 2010年7月31日 - バス共通カードの取り扱いを終了。
- 2014年5月 - 本社を現在地に移転。
子会社
京王では、バス事業の抜本的な経営効率化を図るため、京王帝都電鉄時代の1997年4月に京王バス株式会社を設立して以来、段階的分社方式により、地域ごとに子会社への路線移管を進めている。バス事業が完全に電鉄会社から切り離された現在、これらの会社は京王電鉄バスの子会社に位置づけられており、独自の路線のほか、京王電鉄バスからの委託路線も運行する。以下の4社が営業している。
京王バス東
京王バス東(けいおうばすひがし)は、1997年4月に京王バスとして設立された最初の分離バス子会社であり、同年10月より調布営業所の一部路線を当時の京王帝都電鉄から譲渡されて営業を開始した。その後、都区内の永福町営業所・中野営業所の路線の譲渡・委託を受け、現在はこれら3営業所の全運営業務をおこなっている。杉並区、調布市、渋谷区、新宿区、三鷹市においてコミュニティバスの運行を受託している。2003年10月に現社名に変更された。世田谷営業所は高速バス、深夜急行バスのみを担当する。
京王バス南
京王バス南(けいおうばすみなみ)は、多摩ニュータウン南大沢地区における旅客サービスの向上を図るべく、2001年12月に南大沢京王バスの社名で設立され、翌2002年4月1日に営業を開始した。その後、営業地域の拡大と子会社間の社名整合化のため2003年10月に現社名に変更されている。管轄営業所は当初南大沢営業所のみであったが、2008年8月1日に多摩営業所、2014年4月14日寺田支所が営業を開始した。
京王バス中央
京王バス中央(けいおうばすちゅうおう)は、府中地区を担当する子会社であり、府中営業所のみを有する。2003年5月に設立され、同年10月に営業を開始した。コミュニティバスとして、ちゅうバス(府中市)、CoCoバス(小金井市)、ぶんバス(国分寺市)の運行も担当する。
京王バス小金井
京王バス小金井(けいおうばすこがねい)は、2004年11月に設立された子会社4社の中では最も新しい会社である。翌05年11月に京王電鉄バスの小金井地区における路線の一部を移管されて営業を開始した。営業所は、小金井営業所のみである。
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京王バス東の一般路線バス
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京王バス南の一般路線バス
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京王バス中央の一般路線バス
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京王バス小金井の一般路線バス
営業所
京王電鉄バスグループの営業所は、以下の通りである。営業所毎に識別記号が与えられ、車番の頭に付加される(世田谷営業所は高速バスのみのため独自の記号はなく、貸切・高速車に与えられる「K」が便宜的に割り当てられている)。
京王電鉄バス
京王バス東
- 調布営業所 記号:L(東京都調布市国領町6丁目6番)
- 永福町営業所 記号:D(東京都杉並区永福2丁目60番19号)
- 中野営業所 記号:A(東京都中野区弥生町2丁目51番9号)
- 世田谷営業所 記号:K(東京都世田谷区上北沢5丁目9番1号)
京王バス南
京王バス中央
- 府中営業所 記号:B(東京都府中市晴見町2丁目22番地)
京王バス小金井
- 小金井営業所 記号:G(東京都小金井市本町5丁目3番31号)
かつて存在した営業所
高速路線
昼行高速路線
京王電鉄バスグループは、主に中央自動車道を経由して山梨・長野方面への昼行高速バスネットワークを有する。京王は昭和30年代初頭から富士方面への路線拡張に積極的で、1956年10月6日に富士山麓電気鉄道(現在の富士急行)と乗り入れ協定を結び、新宿駅 - 山中湖・河口湖間(季節運行。1965年7月から毎日運行に変更)、1959年7月5日に富士山麓電気鉄道・山梨交通との3社共同運行で新宿駅 - 昇仙峡間定期急行バスをそれぞれ運行開始した。これらの急行路線を中央道の開通後、高速道路経由に変更したのが、現在の中央高速バスである。
- 京王電鉄バス
同社が運行する昼行高速路線は以下の通りである。
- 松本線:新宿高速バスターミナル - 長野道みどり湖・松本バスターミナル (アルピコ交通と共同運行)
- 伊那線:新宿高速バスターミナル - 伊那市・駒ヶ根車庫 (フジエクスプレス・山梨交通・伊那バス・信南交通と共同運行)
- 飯田線:新宿高速バスターミナル - 飯田駅・飯田商工会館(アルピコ交通・伊那バス・信南交通と共同運行)
- 飛騨高山線:新宿高速バスターミナル - 平湯温泉・丹生川・高山濃飛バスセンター (濃飛乗合自動車と共同運行)
- 京王バス東
1999年10月1日に京王電鉄より諏訪岡谷線の移管を受けて以来、一部の高速バス路線の運行を行っている。2006年7月14日には、富士急シティバスと共同で裾野・沼津線の運行を開始した。同社が運行する昼行高速路線は以下の通りである。
- 富士五湖線:新宿高速バスターミナル - 河口湖駅・富士山駅・山中湖・本栖湖 (富士急山梨バス・フジエクスプレスと共同運行)
- 富士山五合目線:新宿高速バスターミナル - 富士山三合目・富士山五合目 (富士急山梨バス・フジエクスプレスと共同運行。季節運行)
- 裾野・三島・沼津線:新宿高速バスターミナル - 裾野市民文化センター前・三島駅・沼津駅北口・富士急沼津営業所 (富士急シティバスと共同運行)
- 甲府線:新宿高速バスターミナル - 甲府駅・湯村温泉 (富士急平和観光・山梨交通と共同運行)
- 身延線:新宿高速バスターミナル - 南アルプス市役所・身延山・身延 (山梨交通と共同運行)
- 諏訪岡谷線:新宿高速バスターミナル - 上諏訪駅・下諏訪・岡谷駅 ・茅野駅(フジエクスプレス・山梨交通・アルピコ交通・JRバス関東と共同運行)
- 白馬線:新宿高速バスターミナル - 信濃大町駅前・白馬町・白馬八方・栂池高原・扇沢 (アルピコ交通と共同運行)
- 木曽福島線:新宿高速バスターミナル - 漆の里平沢・木曽福島駅前 (おんたけ交通と共同運行)
- 名古屋線:新宿高速バスターミナル~中津川・桃花台・栄・名鉄バスセンター (名鉄バスと共同運行 ※夜行便も運行)
- 渋谷・新宿ライナー浜松号:新宿高速バスターミナル - 浜松駅 (ジェイアール東海バス・遠州鉄道と共同運行)
- 渋谷・新宿ライナー静岡号:新宿高速バスターミナル - 清水駅・静岡駅・東静岡駅(ジェイアール東海バスと共同運行)
- 土気線:新宿高速バスターミナル - 東京スカイツリー - 松ヶ丘・千葉営業所・鎌取駅・誉田駅・土気駅(千葉中央バスと共同運行)
- 調布TDR線:調布駅北口 - 東京ディズニーリゾート(京成トランジットバスと共同運行)
- 京王バス南
同社はこれまで空港連絡路線は運行していたが、高速路線は運行していなかった。2011年3月19日から中央高速バス多摩 - 河口湖線を土曜日・休日・学校の長期休暇期間に運行している[1]。2013年11月22日からは中央高速バス立川 - 飯田線を運行している。
- 多摩 - 河口湖線:南大沢駅・多摩センター駅・聖蹟桜ヶ丘駅 - 富士急ハイランド・富士山駅・河口湖駅(富士急山梨バスと共同運行)
- 立川 - 飯田線:南大沢駅・八王子工業団地・立川駅 - 中央道伊那インター・飯田駅(立川バス・伊那バスと共同運行)
夜行高速路線
夜行高速バスは、1989年10月14日に新宿駅西口 - 高松駅線、1990年10月12日に日本最長の路線である新宿駅西口 - 西鉄天神バスセンター線「はかた号」(西日本鉄道との共同運行)を開業するなど、一時は4路線を運行していた。しかし、運用効率の悪さや、他の交通機関との競争から拡張には至らず、1996年10月1日に福岡線以外の夜行路線をグループ会社の西東京バスに移管(2003年9月から2008年9月までは、さらに同社子会社の多摩バスに移管)、さらに1999年1月18日に福岡線の運行も終了(西日本鉄道が単独で運行へ)し、一時は夜行路線から撤退した。尚車齢の若い車両は座席を4列シートに改造の上中央高速バスへ転用された。
しかし、2000年代に入り、子会社の京王バス(現・京王バス東)が2003年7月18日に阪急バスと共同で新宿駅西口 - 大阪梅田線を、同年12月には神姫バスと共同で新宿駅西口 - 三ノ宮駅 - 姫路駅線を相次いで開業、2006年3月31日には、京王電鉄バスが新宿駅西口 - 仙台駅 - 石巻駅間の夜行路線を開業し、夜行バスは再開の兆しを見せている。大阪線は一旦撤退したのち(前述のとおり、西東京バス→多摩バス→西東京バスに移管)相手の会社を変えて「復活」したため、「ねじれ」を生じている。また、神戸・姫路線は神姫バスが単独で渋谷 - 三ノ宮・姫路に路線を持っていたが、ツアーバスの進出による競争激化で輸送力過剰となり結局は京王・神姫担当系統を渋谷経由に変更し統合された(もとは東急バスと共同だったが、同社が撤退したため単独化)。
京王電鉄バスグループが運行する夜行路線は以下の通りである。なお、既述の通り名古屋線にも夜行便がある。
仙台・石巻線
- 歴史
- 2006年3月31日 - 運行開始。
- 2008年1月16日 - この日より同年2月15日まで、「Winterキャンペーン」として新宿 - 仙台間の片道運賃を5,000円(通常6,200円)に、新宿 - 石巻間の片道運賃を6,000円(通常6,900円)にそれぞれ割り引いた。
- 2008年3月20日 - 宮城県内に幸町五丁目、利府役場前、蛇田歩道橋前の各停留所を追加。
- 2008年12月1日 - 2009年3月31日までの期間限定で、「早期決済割引」と「冬期キャンペーン」を開始(同様のキャンペーンを2009年5月15日〜同年8月6日にも実施)。
- 2010年4月1日 - この日の出発便より渋谷マークシティに停車。
- 2011年3月11日 - この日発生した東北地方太平洋沖地震の影響により運休。
- 2011年3月19日 - 京王電鉄バスの単独運行で、臨時ダイヤにて新宿高速バスターミナル - 仙台駅前間で運行(新宿発は朝9:00の昼行便、仙台駅前発は22:00の夜行便)。また、この臨時ダイヤ運行中は横4列シートタイプの車両が使用され、料金は片道4,700円(往復割引は設定なし)であった。
- 2011年4月25日 - 通常の運行区間・運行体制に戻る。
- 2012年10月1日 - 昼行便の運行を開始。京王電鉄バスは仙台・石巻行昼行便と新宿行夜行便の運行を担当。
- 2014年7月25日 - 運賃改定。曜日・便別の運賃体系となり、往復割引・早期決済割引を終了、WEB決済割引(「ネット割」)を導入[2]。
- 原則三菱ふそう・エアロバス(独立3列シート)が使用される。
- ただし、上記の東北地方太平洋沖地震の臨時ダイヤ運行の際には、輸送力増強の緊急措置として、通常中央高速バス路線に使用する京王バス東の車両や、フジエクスプレスの貸切車が投入されたこともあった。
- 利用状況
年度 運行日数 運行便数 年間輸送人員 1日平均人員 1便平均人員 2006(平成18)年度 365 780 10,748 29.4 13.8 2007(平成19)年度 366 736 8,981 24.5 12.2
大阪線
神戸姫路線
かつて運行していた高速バス
はかた号・高遠線以外は西東京バスへ移管された。該当する3路線の現況については、西東京バス#高速バス路線を参照。
- 京王帝都電鉄(当時)では初の夜行高速バスであると共に、同日に開業したドリーム高松号と共に、東京と四国を瀬戸大橋経由で結ぶ初の夜行高速バスでもある[4]。また、四国高速バスは本路線の運行に際して設立されたバス事業者である。京王は夜行高速バスへの参入事業者としては後発であったが、居住性の向上には意欲的で、西日本車体工業製以外を架装するバス車両では初めて杉本工業製のスリーピングシートを装備した車両を投入した[5]。運行開始当初は京王・四国高速バスとも日野ブルーリボングランデッカを導入していた。
空港連絡・深夜急行路線
空港連絡路線
空港連絡路線は、計7路線ある。
- 京王バス東
- 同社は以下の2路線を運行している。3路線とも調布営業所が担当。
- 京王バス中央
- 同社は以下の2路線を運行している。
- 京王バス南
- 同社は以下の3路線を運行している。
- 成田多摩センター線:南大沢駅 - 京王多摩センター駅 - 聖蹟桜ヶ丘駅 - 成田空港 東京空港交通と共管
- 羽田八王子線:高尾駅南口 - 西八王子駅入口 - 京王八王子駅 - 八王子駅北口 - 羽田空港 東京空港交通・西東京バスと共管
- 羽田多摩センター線:南大沢駅 - 多摩センター駅 - 聖蹟桜ヶ丘駅 - 羽田空港 東京空港交通と共管
羽田多摩センター線は2007年6月1日に、成田多摩センター線は、2006年3月16日に南大沢駅発着に変わり、それに伴い、京王バス東から京王バス南に移管された。
深夜急行路線
深夜急行は6路線を運行している。
- 京王バス東
- 同社は以下の5路線を運行している。新宿駅発の路線は世田谷営業所が担当、渋谷駅発の路線は調布営業所が担当。
- 聖蹟桜ヶ丘・八王子系統:新宿駅西口→聖蹟桜ヶ丘駅・高幡不動駅・京王八王子駅・八王子駅北口
- 調布・府中系統:新宿駅西口→千歳烏山・調布駅南口・東府中駅・府中駅
- 府中・国立系統:新宿駅西口→府中駅・武蔵小金井駅・国分寺駅南口・国立駅
- 井の頭線沿線経由:渋谷駅→明大前入口・永福町・高井戸駅入口・吉祥寺駅北口
- 京王線沿線経由:渋谷駅→千歳烏山・調布駅南口・東府中駅・府中駅
- 京王バス南
- 同社は以下の1路線を運行している。
車両
車両全般
京王電鉄バスグループでは、2012年12月現在はいすゞ自動車[7]、日野自動車、日産ディーゼル工業(現・UDトラックス)、三菱ふそうトラック・バス[8] の4メーカーより導入した車両を保有している。
一般路線車はこれら4メーカー全てから導入しているが、日産ディーゼル製車両の割合がやや高い。これは1995年以降車両の低床化を進めるに当たり、同社より狭幅・長尺のワンステップ車両(JP)を一括購入したこと、および同社と共同で小型車両(RN)を開発し、1996年より多数導入したことによる。特徴的な仕様としては、深夜急行バス用車両や高尾駅発着の山間路線で使用する極一部の車両を除き、メーカーへの特別注文によりフォグランプを非装着としている点で、かつては東京都内の東急バスや関東バスでもフォグランプ非装着仕様のバスが導入されていたが、現在日本国内のバス事業者で、フォグランプ非装着仕様の新車を導入しているのは京王電鉄バスグループのみである。高速路線車は三菱ふそうトラック・バス、日野自動車の両社製車両を導入している。なお、いすゞ車は2000年にエルガミオが2両導入されて以来、しばらく導入されず[9]、2012年11月までに全て置き換えられたことで配置がなくなったが、2013年8月に永福町営業所にエルガハイブリッドが納車され、いすゞ車の配置が復活した。 日産ディーゼルも2011年3月までにバスの製造販売を終了したため、以降は一般路線車も全て三菱ふそうトラック・バスや日野自動車から導入されている[10]。
一般路線車両のカラーリングは、京王帝都電鉄の発足直後から黄・赤・白の3色を用いたカラー(現在の西東京バスとほぼ同じ)が使われてきたが、1975年に黄・赤の2色に簡略化されたのち、1990年6月のコーポレート・アイデンティティ(CI)導入により、アイボリーを基調に青・ローズピンクのアクセントを加えた京王グループ共通の塗装となった。また、1997年に設立された京王バス株式会社の車両は、これとは異なる青色を基調としたものが採用された。
現在では、原則として京王電鉄バスの車両がアイボリーを基調とした塗装、子会社の京王バス4社の車両が青色を基調とした塗装となっているが、実際には京王電鉄バスが所有し京王バス各社に管理を委託している車両の中に青色塗装のものがあるほか、塗装変更されないまま京王電鉄バスから京王バス各社に譲渡された車両もあり、外見から所属会社を見分けることは困難である。2013年に入り、京王電鉄創業100周年を記念して、京王帝都電鉄発足(いわゆる大東急解体)の1940年代から現塗色になる1990年代までの旧塗装を復刻したエアロスターが11台導入された[6]。
過去の特徴的な車両としては、高速・路線兼用車「ワンロマ」が挙げられる。詳細は中央高速バス#高速・路線兼用車「ワンロマ」を参照のこと。
高速バスでは2010年から、一般路線バスでは2012年からWi2 300(ワイヤ・アンド・ワイヤレス)の公衆無線LANアクセスポイントを車両に搭載している[11]。一般路線についてはau Wi-Fi SPOTも利用できる[12]。
廃車車両の譲渡
京王電鉄バス(系列の西東京バスを含む)で役目を終えた車両は全国の地方事業者に譲渡されているが、以前は東急バスや小田急バスなどのようにあまり広範囲には広まっていなかった。しかし、2000年以降に東京都を含む首都圏が自動車NOx・PM法による特定区域に指定されたことなどから近年は少しずつではあるが増加している。
最近では1995年以降に購入した日産ディーゼル・JPおよびRNワンステップなどが地方の事業者に移籍し始めているほか、系列の西東京バスでも前者を中心に地方事業者への譲渡が増加している。
また、一部の車両はミャンマーなど海外へも輸出されている。
社番
D | 3 | 06 | 01 |
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営業所 | メーカー | 年式 | 導入数 |
所属営業所を表す英字1字と5桁の数字で表している。 数字の一万の位はメーカー及び車両の用途、千の位と百の位は購入年度(西暦下2桁)、十の位と一の位が整理番号となる。 例えば、社番がD30601であれば、
- 最初のDは永福町営業所所属(その他の営業所の記号については #営業所 を参照)
- 3は三菱ふそう製の一般路線車(1:いすゞ、2:日野一般路線車、4:日産ディーゼル、5:三菱高速路線車、6:日野高速路線車、7:日産ディーゼル小型車)
- 06は2006年導入
- 01はその年に1番目に導入した車両
を表す[13]。なお、同じく京王グループの西東京バス(2006年より)・多摩バスが、これに似た附番方法を採用している。西東京バス#社番、多摩バス#社番も参照のこと。
運賃・乗降方式と乗車券
- 東京都区内(23区および武蔵野市・三鷹市・調布市・狛江市全域と府中市の一部地域)は武相地区へ乗り入れる路線を除いて前乗り後ろ降り運賃前払い式で、運賃は210円(PASMOなどのIC乗車券で乗車する場合は206円)と都内の他の民営バスと比べて10円安い。
- 武相地区(都区内地域を除いた多摩地域)は後ろ乗り前降り運賃後払い式で運賃は乗車する区間によって異なる。なお、都区内へ乗り入れる路線は都区内の運賃を210円にしており、両地域にまたがって乗車する場合は武相地区との運賃を比較して200円を超える場合は武相地区の運賃を、超えない場合は210円を徴収する。
- ただし、京王バス東・調布営業所が運行する一部路線は、武相地区に乗り入れる場合でも前乗り後ろ降り運賃前払い式を採用し、乗車時に降車停留所を申告の上で運賃を支払う。
- 土・日・祝日と小学校長期休暇期間中は、小児運賃が現金で支払いの場合に限り50円となる(高速バス・深夜急行バス・イベントバス・都庁線・一部のコミュニティバス等を除く)。他社でも同様のサービスを実施しているが、土・日・祝日の設定がない場合が多い。
- 一日乗車券は「全線一日フリー乗車券」(大人700円・小児350円)と「都区内一日フリー乗車券」(大人500円・小児250円)が発売されている。前者は京王バスの路線バス全線、後者は都区内均一運賃地区(都区内・三鷹市・狛江市・武蔵野市・調布市)の路線バス全線を利用できる(いずれの乗車券も高速バス・深夜急行バス・イベントバス・コミュニティバス等を除く)。乗車券はスクラッチ式となっており、利用時に利用日を指定する。
- 路線バス車内・各営業所・案内所で発売している。「都区内一日フリー乗車券」は都区内均一運賃地区の路線バス車内・営業所・案内所のみ取扱う。
- 深夜バスに乗車する場合は、乗車区間の普通運賃相当額を追加運賃として支払う。
- 「都区内一日フリー乗車券」利用で、都区内を越えて武相地区まで乗車する場合は、均一運賃区間と対キロ運賃区間の区界停留所からの普通運賃を別途支払う。
- 「新宿WEバス」では専用の一日乗車券(300円)と、東京都第一本庁舎駐車場に駐車した利用者にパーク&バスライド一日乗車券(400円、一枚につき8名まで利用可能)を発売している。
定期券
- PASMO・Suicaをタッチさせるだけで利用できる金額式IC定期券「モットクパス」を発売しており、京王バスであれば乗車区間に関係なく設定運賃内の全路線・全区間を利用できる。また、設定運賃を越える区間を利用した場合はIC運賃との差額をPASMO・Suicaのチャージ(SF)から自動で精算される。
- 深夜バスに乗車する場合は、設定区間を超える分の差額運賃のほかに、乗車区間の普通運賃相当額(IC運賃)を追加運賃としてPASMO・Suicaのチャージ(SF)から精算される。
- 例として、設定運賃210円区間のモットクパスを購入すると、運賃が210円までの区間は追加運賃を支払わずに利用でき、210円を超える区間はその差額のみ(230円区間の場合はIC運賃が227円のためIC運賃との差額である17円)を支払うことで利用できる。このモットクパスで230円区間の深夜バスを利用すると差額の17円と深夜運賃の227円の合計244円が精算される。
- また、360円区間のモットクパスを購入すると、運賃が370円以上であっても差額の精算を行わず、全線フリー定期券として高速バス・深夜急行バス・イベントバス・コミュニティバス等を除く京王バスの一般路線バス全線を利用できる。
- 深夜バスに乗車する場合は、設定区間を超える分の差額運賃のほかに、乗車区間の普通運賃相当額(IC運賃)を追加運賃としてPASMO・Suicaのチャージ(SF)から精算される。
- 紙式の定期券は記名式と持参人式(通勤定期のみ)を発売している。原則として、武相地区は利用区間が指定されており、都区内地区はフリー定期券として発売する。
- なお、モットクパス発売以降、紙式定期券は他社との共通定期券を発売していない窓口での発売を順次終了し、2013年以降は新宿駅・渋谷駅周辺で紙式の定期券の購入はできなくなった。
- 通勤定期券利用者に同伴する家族が土・日・祝日、お盆休み、年末年始期間中に利用する場合は1乗車現金100円(紙式定期券利用者が定期券区間外を利用する場合も1乗車現金100円)で利用できる休日家族割引を実施している。
脚注
関連項目
参考文献
- 『BJハンドブックシリーズR62 京王電鉄バス・西東京バス』 BJエディターズ/星雲社、2007年9月1日、ISBN 978-4-434-10234-9
外部リンク
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テンプレート:京王グループ- ↑ 中央高速バス「多摩 - 河口湖線」を新設!(認可申請中) - 2011年2月15日
- ↑ 【仙台石巻線】平日はますますお得に!運賃改定を実施(7/25~)(2014年7月2日 京王バスニュース)
- ↑ 2013年3月31日までは親会社の阪急バスが担当していたが、同年4月1日より同社に移管された。
- ↑ フェリー経由であれば、1989年7月14日開業のエディ号が存在した。
- ↑ テンプレート:Cite book
- ↑ 6.0 6.1 テンプレート:Cite journal
- ↑ 純正車体のほか富士重工業製の車体も導入していた。
- ↑ 大型路線車「エアロスター」においては三菱ふそうバス製造(当時:三菱自動車バス製造)に一本化されるまでは、当時の三菱自動車工業名古屋製作所大江工場製の車体(エアロスターM)を導入していた。
- ↑ 但し、いすゞとの統合車種である日野・ブルーリボンIIや日野・レインボーIIの導入はある。
- ↑ 一方、系列の西東京バスでは現在もいすゞ車が導入されている反面、日産ディーゼルのバス製造販売終了後も一般路線用の三菱ふそう車は導入されていない状況になっている。
- ↑ Wi2 300、京王路線バスでサービス開始 -ワイヤ・アンド・ワイヤレス 2012年3月21日
- ↑ バス車内での公衆無線LANサービスを路線バス全車両に導入します - 京王電鉄プレスリリース 2012年3月21日
- ↑ テンプレート:Cite book