ライオンのいただきます

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

テンプレート:複数の問題 テンプレート:基礎情報 テレビ番組

ライオンのいただきます』は、フジテレビ系列局ほかで放送されたトークショーを交えたバラエティ番組である。ライオンの一社提供。フジテレビ系列局では1984年10月1日から1989年9月29日まで、毎週月曜 - 金曜 13:00 - 13:30 (JST) に放送。

元々この枠は『ライオン奥様劇場』→『ライオン午後のサスペンス』→『ライオン劇場』とライオン一社提供による昼ドラが放送されていたが、1964年10月以来20年間続いたドラマ枠からバラエティ番組に路線変更した。

続編番組『ライオンのいただきますII』についても本項で述べる。

概要

番組は毎回、多彩な分野で活躍する「おばさま」たち(下記参照)をゲストに招き、「おばさま」が答えるお悩み相談(後述)や、視聴者のはがきを交えたトークなどを軸とした。本音をも辞さない「おばさま方」のトークと、まだ若手のイメージが残っていた小堺一機の司会者としての奮闘ぶりが見ものとなっていた。

当初ゲストとして登場する「おばさま方」は1回につき『オバサンA』『オバサンB』の原則2名だったが、番組の人気が高まるにつれ、1回につき3 - 4名程度になった。後、途中からゲスト紹介後に小堺から「今日のオバサン3人合わせて●●歳!」と毎回「おばさま方」の合計年齢を発表していた。

東京・新宿のスタジオアルタにおいて公開生放送を行っていた。前の時間帯(12:00 - 13:00)に放送していた『森田一義アワー 笑っていいとも!』の観客を入れたまま、同じスタジオを続けて利用した[1]。金曜日には、『笑っていいとも!』のレギュラーであり、小堺とも親交が深い明石家さんまが、いいとも!終了後の流れでほぼ毎週オープニングトークに出演し、小堺と漫才チックなトークを繰り広げた。これは最初からコーナーとして設定したわけではなく、番組初期に正に流れでさんまが本番組のオープニングに顔を出したのが、そのまま恒例化したものである。なお、当初は特に時間制限は無かったが、トークが白熱し過ぎて本編の開始が遅れたこともあったため、のちに5分程度を目処とした時間制限が設けられた。これ以降は時間切れを知らせるチャイムが鳴ると、即座にさんまが退場するようになった。

1990年には『笑っていいとも!』内のコーナー(恐らく『タモリンピック』)が本番内に収まりきらなかったため、こちらの頭に10分間程度食い込んでしまったことがあり、『いいとも!』非ネット局ではそのまま放送されたことがある。

多くの地域では、当番組の裏に日本テレビの『ごちそうさま』が放送されていた。

視聴者から寄せられたお悩みをドラマ仕立てで再現し、人生経験豊富なゲストの“おばさまのご意見”を伺うメインコーナー「いただきます劇場」には、ヒロシ & チーボー(=伊沢弘重田千穂子)・松金よね子らが出演。このコーナーから「エロガッパ」と言う流行語も生まれた。

ゲストの数々の往年の女優たちや歌手たち(下記参照)の本格的バラエティ番組出演が話題になったが、上記の予約録画により、彼女たちは若者層にも知名度を広げていった[2]

『ライオンのいただきますII』に改題してしばらくは、主なゲストを「おばさま」から「おじさま」に変えた以外は、従前のトーク番組のスタイルを踏襲していた。

番組冒頭で使われた音楽は、菊池ひみこ「Hollywood Illusion」である。この曲は「レディス4」でも使われていた。

なお、1989年1月7日の昭和天皇崩御からしばらくの間はライオンがCMを一時期自粛したこともあり、番組CM前のアタック音も一時期、穏和なものに切り替えられていた。2012年12月には1週間限定ではあるが、復活した。

「ごきげんよう」へリニューアル

1989年10月2日からは、一時廃止された会社キャッチフレーズが復活したことを機に番組タイトルが『ライオンのいただきますII』へと改題され、トーク番組からクイズを中心とした番組へと変更されたが、1990年12月28日放送分をもって終了。『ライオンのいただきます』時代を含めて6年3か月間の歴史に幕を閉じ、現在でも続く『ライオンのごきげんよう』へリニューアル。当番組終了と同時にアルタからの生放送も終了し、『ごきげんよう』ではフジテレビ局内での公開収録に変更されたが、2014年3月31日から毎週月曜日のみ23年3ヶ月ぶりに生放送が復活し、火曜日〜金曜日の放送分はこれまでどおり公開収録となっている。このリニューアルと同時に、ライオンのロゴが創業100周年を機にそれまでのカタカナ表記からアルファベットの「LION」表記(CI)に一新された。

出演者

司会

アシスタント

出演者(レギュラー)

主なゲスト(準レギュラー)

ライオンちゃん

マスコットとして、スポンサーのライオンのキャラクターである「ライオンちゃん」が登場。現在の『ライオンのごきげんよう』に至るまで、番組には欠かせない存在となっている。しかし、放送開始までに届く予定だったライオンちゃんの着ぐるみは結局間に合わず、当時のフジテレビの第1倉庫にあった、よれよれの着ぐるみで登場した。つまり、現在おなじみの着ぐるみが登場したのは3週目以降になる。また、当時ライオンが協賛した『東日本女子駅伝』でもライオンちゃんが中継中に何度か稀に映っていた。後に、『トリビアの泉 〜素晴らしきムダ知識〜』(ライオンが番組提供した水曜夜9時枠・レギュラー番組時代)で当時使用されていた着ぐるみの映像が放送されたが、現在ではその着ぐるみが所在不明となっていることも発覚した。なお、オープニングの提供クレジットには一家で登場するアニメが使われていた。

クイズいただきます(いただきますII)

1990年、夏休み特別企画としてスタート。 当初は番組前半の1コーナーだったが、好評につき秋からは30分に拡大され、年末の番組終了まで続けられた。

オープニングの小堺一機の決めぜりふは「運と知力とパーソナル、お昼のひととき、頭の体操、クイズいただきます!」であった。

出題される問題は、一般視聴者およびゲストが作成した問題。採用者には2500円を進呈。 クイズの種類は大きく分けて「一般問題」「なぞなぞ問題」「パーソナル問題」。 「パーソナル問題」とは“僕の星座は何座でしょう?”などという出題者個人に関わる問題であり、 多くの場合は2択や3択になっていた。

3、8、13…問目は挑戦者がボールを引き、そのボールに書かれている人がクイズに解答する。 ボールの種類は以下の4種類ある(時に例外あり)。

  • 「本人」挑戦者本人が解答する。
  • 「電話」制限時間60秒以内に誰かに電話をかけて解答してもらう。不正解はもちろん、電話がつながらなかった場合も失格。
  • 「会場」観客の中から一人を指名して、その人に解答してもらう。
  • 「ルー」アルタ前に中継に出ているルー大柴が、一般人を捉まえ、捉まった人が解答する。
  • 「ゲスト」ゲストの芸能人が解答する。

賞金は下表のとおり。いつでもドロップアウトが可能で、その場合はその時点での累計金額を持ち帰り。途中で不正解となった場合は賞金がすべて没収され、代わりに正解数×「ヤシの実洗剤・ナテラ」(現在は絶版)、または「Hiトップ」(現・酵素パワーのトップ)を持ち帰り。ただし、◎で獲得したボーナスは没収されない(10 - 14問正解していれば1万円+3万円=4万円を持ち帰り)。表は15問目までしか表示していないが、挑戦者が希望すればそれ以降の問題も挑戦できる。

正解数 賞金 ボーナス 累計金額
1問 3,000円 - 3,000円
2問 3,000円 - 6,000円
3問 3,000円 - 9,000円
4問 3,000円 - 12,000円
◎5問 3,000円 10,000円 25,000円
6問 3,000円 - 28,000円
7問 3,000円 - 31,000円
8問 3,000円 - 34,000円
9問 3,000円 - 37,000円
◎10問 3,000円 30,000円 70,000円
11問 3,000円 - 73,000円
12問 3,000円 - 76,000円
13問 3,000円 - 79,000円
14問 3,000円 - 82,000円
◎15問 3,000円 50,000円 135,000円

10問正解するとチャンピオンに認定され、番組セットの壁に額縁入りで顔写真が飾られた。チャンピオンの顔ぶれの中にはクイズ番組の常連も含まれてはいたものの、通常は「なぞなぞ問題」「パーソナル問題」「ボール問題」がネックとなり、知力だけで勝ち進むことは難しかった。一般の挑戦者に至っては、ことさら勝ち進むことが困難であったため、節目の5問を正解したところで25,000円を手堅く持ち帰る、という挑戦者が非常に多かった。

11月に入ってから、このクイズのコーナーで出題された問題や予選への参加方法、予選用練習問題(10問で1セットが3つ)などが掲載された台本形式の問題集が視聴者プレゼントとして、50名に送られた。

また、予選は5,6回行われ、日曜日に開催されていた。10名近くのスタッフがそれぞれ一人ずつ出題者となり、予選に参加したチャレンジャーに10問の問題を出題。そこで合格、不合格が告げられ、番組本番に出場することになった人には電話でその旨伝えられていた。

それぞれのチャレンジャーが何問目まで進むのか予測不可能だったため、毎回、ステージセット裏には10名近くのチャレンジャーがスタンバイしていた。

ネット局

系列は当放送終了時のもの。

放送対象地域 放送局 系列 ネット形態 備考
関東広域圏 フジテレビ フジテレビ系列 制作局
北海道 北海道文化放送 同時ネット
青森県 青森放送 日本テレビ系列
テレビ朝日系列
遅れネット
岩手県 岩手放送 TBS系列 現:IBC岩手放送
宮城県 仙台放送 フジテレビ系列 同時ネット
秋田県 秋田テレビ
山形県 山形テレビ
福島県 福島テレビ
山梨県 山梨放送 日本テレビ系列 遅れネット
新潟県 新潟総合テレビ フジテレビ系列 同時ネット
長野県 長野放送
静岡県 テレビ静岡
富山県 富山テレビ
石川県 石川テレビ
福井県 福井テレビ
中京広域圏 東海テレビ
近畿広域圏 関西テレビ
島根県鳥取県 山陰中央テレビ
広島県 テレビ新広島
山口県 山口放送 日本テレビ系列
テレビ朝日系列
遅れネット
徳島県 四国放送 日本テレビ系列
岡山県・香川県 岡山放送 フジテレビ系列 同時ネット
愛媛県 テレビ愛媛
高知県 高知放送 日本テレビ系列 遅れネット
福岡県 テレビ西日本 フジテレビ系列 同時ネット
佐賀県 サガテレビ
長崎県 テレビ長崎 1990年9月まで日本テレビ系列とのクロスネット局
熊本県 テレビ熊本 1989年9月までテレビ朝日系列とのクロスネット局
大分県 大分放送 TBS系列 遅れネット
宮崎県 テレビ宮崎 フジテレビ系列
日本テレビ系列
テレビ朝日系列
同時ネット
鹿児島県 南日本放送 TBS系列 遅れネット 1987年10月2日まで
鹿児島テレビ フジテレビ系列
日本テレビ系列
同時ネット 1987年10月5日から
沖縄県 沖縄テレビ フジテレビ系列

ネット局に関する備考

  • 本番組は前述のとおり『笑っていいとも!』の直後に続けてスタジオアルタを使用していたが、本番組と『笑っていいとも!』が放送順や放送局などが異なる地域もあった(系列や『笑っていいとも!』の放送時間は当時のもの)。
放送対象地域 系列 本番組の放送時間 いいとも!の放送局 系列 いいとも!の放送時間 備考
長崎県 テレビ長崎 同時ネット 同左 17:00から放送 1990年9月28日まで
『いいとも!』は1990年10月1日から同時ネット[3]
青森県 青森放送 13:30 - 14:00 青森テレビ TBS系列
山口県 山口放送 テレビ山口 tysは1987年9月までフジテレビ系列とのクロスネット局
高知県 高知放送 同左
山梨県 山梨放送 夕方から放送
徳島県 四国放送 放送なし [4]
岩手県 岩手放送 14:00 - 14:30 テレビ岩手
→放送なし
日本テレビ系列
→放送なし
16:00から放送
→放送なし
TVIにおける『いいとも!』の放送は1990年3月28日まで[5]
大分県 大分放送 同左 夕方から放送
鹿児島県 南日本放送 14:30 - 15:00 鹿児島テレビ フジテレビ系列
日本テレビ系列
同時ネット 1987年10月2日まで
本番組は1987年10月5日にKTSへ放映権移行
  • 時差ネットにおける放送時間は、日本テレビ系列非マストバイ局では1987年9月までは13:30 - 14:00の番組を差し替えて放送、同年10月以降は『午後は○○おもいッきりテレビ』を13:20で飛び降り(1990年9月までのテレビ長崎は13:00飛び降りの上同時ネットで放送)、TBS系列局では14:00 - 15:00のローカル枠でそれぞれ放送していた。
  • 本番組は系列のない地域にもスポンサードネット扱いで供給されていたのに対し、『いいとも!』は系列外では番販扱いでの供給であった。
  • 大分県で当番組が本来の系列局であるテレビ大分(TOS、当時はフジテレビ系列・日本テレビ系列・テレビ朝日系列とのトリプルネット局)ではなく、大分放送(OBS)で放送されていたのは、テレビ大分の当時の当該枠が日本テレビ系番組(『おしゃれ』→『三枝成章の気まぐれ』、『朝の連続ドラマ』の遅れネットなどを放送)ネットのため。また、直前番組である『笑っていいとも!』についてもテレビ大分の当時の当該枠がテレビ朝日系正午枠同時ネットのため、同じく大分放送で放送されていた[6]
  • 鹿児島テレビ(KTS)は1987年10月2日まで、平日13時台は日本テレビ番組(『ごちそうさま』、『おしゃれ』→『三枝成章の気まぐれ』)を同時ネット。『おもいッきりテレビ』開始による『ごちそうさま』内包に伴い、当番組が局移動の上、それまで時差ネットの『東海テレビ制作昼の帯ドラマ』とともに、1987年10月5日よりフジ系平日12・13時台が連続同時ネット化された。これに伴い、それまでの当番組ネット局南日本放送(MBC)は番組移動に伴い、系列外の帯番組枠を完全に廃止した。

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

テンプレート:前後番組

テンプレート:小堺一機
  1. 『笑っていいとも!』のエンディング提供紹介が入っている際にセットチェンジの様子が伺えた。同じスタジオを使用することから、セットの端に「テレフォンショッキング」のパネルなどが据えてあることからも、このことが分かる。
  2. 出演していたロミ山田は、地方の観光地で修学旅行の学生たちのサイン攻めにあったことを番組内で語っている。
  3. テレビ長崎での『笑っていいとも!』の放送は、テレビ長崎のNNN脱退に伴い1990年10月から同時ネットに変更された。
  4. 四国放送における『笑っていいとも!』の放送は1983年9月30日に打ち切り。
  5. 岩手県における『笑っていいとも!』の放送は1990年4月から1991年3月までは未ネット。1991年4月に岩手めんこいテレビ開局と同時に再開。
  6. テレビ大分(TOS)では『笑っていいとも!』は1993年10月に、ライオン一社提供枠(現在は『ライオンのごきげんよう』)は2000年4月に大分放送からそれぞれ移行を受ける形で同時ネット化された。