逆転イッパツマン
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『タイムボカンシリーズ 逆転イッパツマン』(ぎゃくてんイッパツマン、英語表記:Ippatsuman)は、『タイムボカンシリーズ』第6作目としてフジテレビ系列で1982年2月13日から1983年3月26日まで毎週土曜夜6時30分 - 7時00分に全58話が放映された、タツノコプロで制作されたテレビアニメである。
目次
概要
前作『ヤットデタマン』に続いて、巨大ヒーローロボが活躍。主人公がこれまでの少年少女から青年となり、ドラマもシリアス味が増した作品となった。主人公のイッパツマンの正体など、視聴者の興味をひこうといくつかの謎をちりばめてシリーズのマンネリを打破しようと工夫がこらされた。ついには「シリーズ初!悪が勝つ」という後まで語り草となるエピソードを生んでいる。
主人公の声優には、長年シリーズでナレーターを務めていた富山敬が満を持しての登板。時に20%を越える視聴率を記録し、好評につき放送回数は6話延長された。うち3回はストーリー本編とは関係のない番外編的なストーリーが含まれていた[1]。歴代シリーズとしては『ヤッターマン』以来の放送回数の延長であり、マンネリの声も上がりはじめていたタイムボカンシリーズの人気が息を吹き返した作品だった。土曜18時30分の時間帯も本作で最後になるなど、シリーズの転機となった作品でもある。
富山に代わってのナレーションには鈴置洋孝を起用。鈴置独特の絶妙な語り口が物語を盛り上げている。また本作からCM後にアイキャッチが挿入されるようになった。
登場する人物、組織等固有名詞に野球用語が多用されている。
ストーリー
西暦1990年、国際企業番付でトップに立つタイムリース社は、依頼があれば時空を越えて、過去でも未来でも現代でも世界各地に荷物を届ける、「タイム運搬」事業を開始。一方タイムリース社のすぐそばにある業界第2位の大手・シャレコーベリース社のオストアンデル北部支社は業績絶不調。会長のコン・コルドーは、支社の重役3人にタイム運搬の妨害を命じた。重役3人が変身した「クリーン悪トリオ」に襲われたハル坊がピンチ通信を出すと必ずイッパツマンが助けにやって来る。
登場人物
タイムリース社
オストアンデル市にある常に業界トップの業績を誇る会社。所在する市名の由来は、平賀源内がまんじゅうを外来語っぽく称した「押すと餡出る」から。社員は福利厚生施設ビーナスタウンに居住している。
タイムリース社の運営には、国際平和機構という団体が深く関わっている。この団体は来るべき宇宙開発時代に備え、念動力で遠隔操作できるサイキックロボットの開発を進めていたが、シャレコーベリース社の会長のコン・コルドーがその技術を執拗に狙っていた。そのため、シャレコーベリース社はタイムリース社に妨害を仕掛け、その妨害に対抗するためのイッパツマン、という構図が出来上がった。バレルトコマール山脈のチチハハ湖の湖底に基地があるが第53話でレイケツナイトの攻撃により大損害を出した。
- 豪 速九(ごう そっきゅう) / イッパツマン
- 声 - 富山敬 / 松本保典(バンプレスト・タイムボカンゲームシリーズ) / 加藤将之(タツノコ VS. CAPCOM)
- タイムリース社でメカの整備を担当している20歳の青年。女性社員たちにとっては憧れの男性で、社員たちからは「豪さん」と呼ばれている。オープニングの冒頭は、豪が変身する部屋に入るシーンから始まるので、ほとんどの視聴者は、往年のタツノコヒーローを彷彿とさせる謎のヒーロー・イッパツマンの正体と思っていたが、実は容姿こそ酷似していたものの、豪がサイキックウェーブで操るサイキックロボットであった。しかし、第31話以降からは、豪自らイッパツマンとなって戦う。とはいうものの、豪自身が変身して以後には、今度は全く違う謎が終盤まで解かれずに残ることとなる。物語の中盤で星ハルカと出会い第54話で結婚するが、実はこの結婚は敵の目を欺くための演技で、新婚旅行と偽り、極秘でサイキックウェーブの波長変更訓練を行う目的があった。
- 生まれて間もなく両親に捨てられたところを、ビクトリアナンダースホームの園長に拾われ、幼少時代はそこで生活していたが、その頃からすでに超能力の素質を持っていた。イッパツマンの戦力となったのも、その素質を見いだされてのことであった。
- イッパツマンの主な武器は、アイキャッチにも使われている野球ボール型の武器で投げた後でサイキックパワーで誘導することも可能な「レインボール」と、敵の飛び道具を打ち返したり、攻撃を受け止めるのに用いる「逆転バット」だが、中盤以降はほとんど使用されなくなった。後者は絵面が悪いので人を殴るのに使うことはない。マシンガンの弾をも跳ね返す硬質フォームラバースーツに身を包み、背中のマントを広げて滑空する。新イッパツマンはダイヤモンド弾丸にも耐える超硬質フォームラバースーツにバージョンアップされているが、このスーツには変更前の波長のサイキックウェーブを阻害してしまうという弱点もある。
- 毎回弾丸ヘッド号のコクピットからガッチャマンのように飛んで現れ、等身大のままクリーン悪トリオと戦闘に突入。第31話以降は弾丸ブースター号のコックピットから現れる。自らのピンチになると額のVマーク(発信器)が輝き、トッキュウザウルスを逆転王、トッキュウマンモスを三冠王へと変形させる。
- 名前の由来は「豪速球」で笹川ひろし曰く「野球そのもののネーミング」[2]。
- 放夢 ラン(ほうむ ラン)
- 声 - 原えりこ
- 時間航行輸送メカ「トッキュウザウルス」、「トッキュウマンモス」のメインドライバーを担当する18歳の少女で気が強い。豪に想いを寄せており、彼にだけはデレデレしてしまう。その豪からは「ランちゃん」、ヒゲノ部長からは「ラン君」、ハル坊からは「ラン姉ちゃん」と呼ばれている。塩と砂糖を間違えるなど、料理の腕はイマイチ。新たに配属されたハルカと豪のコンビぶりを見るたびに嫉妬心と対抗心が入り混じるようになり、ついには「イッパツマンの力にはハルカが必要。」という豪の言葉を「自分はもう豪に愛されてない。」と曲解し会社を飛び出してしまったが、豪に「今のままで辞めるのは君らしくない。」と諭されて再び元の鞘に収まったが、豪とハルカの結婚を聞かされショックを受けた。
- 本作は原のデビュー作でもある。名前の由来は「ホームラン」[2]。
- ハル坊(ハルぼう)
- 声 - つかせのりこ
- タイムリース社に勤務する6歳の少年。両親はタイムリース社の社員であり、19世紀のオーストラリアに駐在している。ランとは、いとこ同士で弟分である。また、ランと豪の恋を応援する。一人称は主に「オイラ」で、稀に「俺」、ハルカに対しては一人称が「僕」になることがある。緊急時にイッパツマンを呼ぶためのピンチ通信機を持っている。
- 名前の由来は「ファウルボール」[2]。
- 2-3(ツー・スリー)
- 声 - 山本正之
- タイムリース社に勤務するロボット。「トッキュウザウルス」「トッキュウマンモス」のサブドライバー。三河弁でしゃべり歌が得意で気の利く性格をしているが、お調子者で少々口軽なところもある。一人称は主に「ワタイ」で、たまに「僕」や「俺(おり)」の場合もある。胸にテープデッキが内蔵されており、データを読み取ったり音楽を再生することができる。
- ムンムンから「ヤカンのできそこない」、コスイネンから「ヤカン人形」とおちょくられている。
- 『タイムボカン王道復古』でも歴代山本キャラの唯一の善玉キャラとして登場。
- 名前の由来は「ボールカウント2-3」[2]。
- 星 ハルカ(ほし ハルカ)
- 声 - 幸田直子
- 第31話よりヒゲノ部長の秘書及び管理主任としてヒネルトジャー支社から赴任した女性。1975年3月17日生まれの24歳。豪と同じ超能力者であり、新イッパツマンのサポートを行う。名前の由来は『巨人の星』から。これは、同作で伴宙太の台詞を、演じていたコスイネン役の八奈見乗児に言わせるための、シリーズ構成の小山高男のお遊びである。なお、第46話では球四郎たちに捕らわれた豪に代わって彼女がイッパツマンとなって参戦したこともあった。ランとは対照的な大人の女性として描かれ、豪との息の合ったコンビでランをきりきり舞いさせる。当然ラン自身はハルカに対して嫉妬の炎を燃やすようになる。そして、豪と結婚をし、新婚旅行に旅立っている。これは敵を目を欺くために仕掛けた演技だったが、新婚旅行に旅立つ二人は幸せそうだった。物語が佳境に進むに従ってその過去が明らかになっていくが、最後の最後で彼女にまつわる大どんでん返しが描かれた。
- ハルカは幼少の頃より超能力者(サイキッカー)であり、幼い頃はそれをテレビ番組などで見世物のように扱われていた。しかし、10歳の時に若い頃のヒゲノと出会い、「自分を大切にしなさい!」と叱責され、それ以来、人前で超能力を使うことは避けるようになった。その後、ヒゲノと共に国際平和機構のサイキック関連技術の開発に携わるようになるが、当初、それほど超能力の力は高くなかった。しかし、物語開始の8年前、当時16歳だった1991年7月18日を境に、急激に能力が向上していく。実は、7月10日から17日までの一週間、コルドーに拉致され、洗脳と能力強化を受けていたが、ハルカ自身はその間の記憶は一切なかった。最終話では国際平和機構・タイムリース社を裏切って、完成したサイキックロボットのデータをコルドーの元に運び、自らはイッパツマンの最大の敵として立ちふさがる。イッパツマンをかばうランの姿を目にして洗脳が解けるが、コルドーがさらなる能力強化を行った際、超能力限界点を超えてしまい(同時にアーマーが消失)、罪の意識からその場を走り去り、霧の中に消えていった。生死も含め、その後の消息は不明。
- ヒゲノ 濃造(ヒゲノ こいぞう)
- 声 - 長堀芳夫
- 通称ヒゲノ部長。タイムリース社の技術部長で、豪の上司であり、割に合わない仕事を断ろうとする他の部課長との折衝も行う。実はサイキックロボット計画の責任者であり、物語後半では実質のイッパツマンチームの指揮官として活躍。重要な枠柄だが三悪同様、なにかと格好つけようとするがいちいち決まらないギャグ要員でもある。妻子持ちで家のローンに振り回されるなど、同じ部長のコスイネンと共通点が多い。終盤ではハルカとの過去が次第に明らかになっていく。名前の由来は「ヒゲが濃い」である。
- 豪速九、星ハルカと共に国際平和機構のエージェントである。若い頃、超能力を見世物にされているハルカと出会い、その後、共にサイキック関連技術の開発に携わるようになる。しかし、ハルカがコルドーの洗脳を受けていた事には気付かなかった。結局、自分もハルカの超能力を利用し、彼女の人生を狂わせてしまったという自責の念に駆られ、全てが終わった後、職を辞し、消息不明のハルカを探す旅に出た。
シャレコーベリース社
創業わずか8年でタイムリース社に次ぐ業界第2位の規模と実績を誇る巨大企業に成長したリース会社。本社はヒネルトジャー市所在。この市名は「オストアンデル」と同じように蛇口を外来語っぽく呼んだ言い方。会長はコン・コルドー。
第2話の全支社長会議の描写では相当な数の支社長(設定では、支社は1000社有る)が出席していたため、規模的に大きなグループ企業であることが分かる。しかし第12話では、ヒゲノ部長やマジ営業部員といったタイムリース社の面々は「卑劣」呼ばわりし、更に第35話では、花咲か爺こと善吉の財産を奪おうと企んだ意地悪爺・悪兵衛に協力するなど、かなりあくどい事をやったと思われる。終盤、コルドー会長は突如悪トリオと球四郎に解雇を言い渡した直後、計画倒産した。ちなみに球四郎には5,000万円が彼の口座に振り込まれ、ムンムンにはコンピューターお見合いの案内状が、コスイネンにはアルバイト情報誌が、キョカンチンにはあんマンが退職金代わりとして支給された。
業績万年最下位のオストアンデル北部支社の三役は「クリーン悪トリオ」。支社長のムンムンの下、タイムリース社への営業妨害・信用失墜のために毎回悪事を働くが、いつも失敗する。そして、各話の最後、トリオはビル近隣に出る屋台「うえだや」で酩酊しくだを巻きながら「人間やめて何になる!?」と人間以外の生き方を想像するが、結局は「今の状態がまだマシ」に落ち着く。ちなみに名前の由来は「クリーンアップトリオ」のもじりである[2]。最終回では3人そろって幸福行きの列車に乗って新たな人生へと旅立っていった。
ワンポイントキャラが出てきたり、拍子抜けするような事態が発生すると、3人が「シビビン、シビビン、シビビンビン!」と言いながらコクピット内を飛び回る(ただし当初は「ドヒャーッ!!」と叫んで倒れるだけだった)。
オストアンデル北部支社
オストアンデル北部支社の社屋は、外から見るとたいそう立派で、タイムリース社の社屋に負けないくらい未来的なビルだが、一歩門をくぐると、その外見はハリボテで、門の中にある実際の社屋は今にも崩れそうなオンボロビルである。また、敷地内には廃車置き場があり、クリーン悪トリオのシャレコーベダチョウはここから出動する。そして、屋内の様子もどこにでもある中小企業のオフィスと大して変わっておらず、コンピュータもほとんど導入されていない、といった有様である。別名「オシてもアンもでない敗北社」。
- ムンムン
- 声 - 小原乃梨子
- 26歳。チャイナドレスを着こなすスタイル抜群の美女で、若くしてシャレコーベリース社オストアンデル北部支社の支社長になるほど有能だが、ろくな仕事も与えられず最低を記録し続ける支社の業績をなんとか挽回しようと、会長の裏稼業に手を貸し悪戦苦闘している。
- 第4話で通勤中に助けてくれた謎の男性ミスターXに会うのが夢だったが、第25話でそのミスターXが豪速九だと思い込んでしまう。その後も豪に想いを抱き続けていたが、第46話でその献身的な想いをコルドーと球四郎に利用されてしまい、それをきっかけに豪との関係を半ば諦める。だが、まだ豪に未練があるらしく第54話では豪とハルカが結婚したと知って動揺したり、第55話では二人の結婚が自分達を欺くための演技と知って喜んだりしている。
- コスイネン
- 声 - 八奈見乗児
- シャレコーベリース社オストアンデル北部支社の部長。30歳。妻帯者だが、オストアンデル北部支社へは単身赴任中。そのため、北部支社独身寮オケイラ寮に間借しており、いつも会社に遅刻寸前の日々である。そば作りが得意なため、「月見(そば)のコスイネン」の異名を持つことが第14話で明かされた。また、OVA『タイムボカン王道復古』ではボヤッキーにそば作りを教えたという設定になっている。
- 基本的には名前の通りズル賢い性格だが、第28話で自らサンパツマンに変身してイッパツマンに一騎打ちを挑んだり、第40話では「仲人を務める(部下の)結婚式をぶち壊せるか!」とコルドーに逆らうなど、それなりの気概も持ち合わせている。また、対イッパツマン兵器の研究開発については、合体を阻止しようと磁場分解光線砲を開発したり(第23話)、瞬間硬化弾で逆転王の動きを封じ込めたりする(第30話)などかなり的を射たものが多く、空気中のイオンから武器を生成する機能を不完全ながらコピーする(第28話)など敵側に通用するレベルには達しなかったものの技術開発そのものには成功しているケースも少なくなく、後半ではスピードで三冠王を翻弄したスキーメカのように、武装や特殊能力においてはイッパツマンを上回るメカを開発したことも少なからず存在する。謀略面でも同期の男に協力を要請して罠を張る、球四郎の正体を本人にばらし動揺を誘うなど、球四郎の陰に霞みがちだが、歴代の八奈見キャラの中でも屈指の有能な人物として描かれている。また脱サラ願望もあり「いざとなったら脱サラしてソバ屋をやればいい」といった趣旨の発言が、本人や周囲から何度か聞かれる。シャレコーベリース社解散後は実際にソバ屋の屋台で日銭を稼いでいた他、ムンムンが想像した50年後のコスイネンは全世界にチェーン展開する立ち食いソバ屋の社長になっていた。
- 一人称は「アタシ」や「俺」が基本だがごくまれに「ワタシ」や「ボクちゃん」になることもある。ボタンを押す際には「コスっとな」(または「コスっと!」)と言う。チャップリンの履く薄汚いドタ靴のような形をした赤い長鼻がトレードマーク。ただし、幼少期は赤くて大きい団子形の鼻でどちらかと言えば完全ではないが『ヤットデタマン』のジュリー・コケマツの顔に近い。なお、現在のドタ靴形の赤い長鼻になったのは青年期になってから。また、彼が怒った感情を露わにした際、ときどき額に赤い×印が浮かび上がることがある。名前の由来は「狡い」と、ソ連のアレクセイ・コスイギン首相と推測される。なお、このコスイネンの顔つきは次回作の『イタダキマン』のダサイネンにほぼ引き継がれることになる。
- リメイク版『ヤッターマン』第26話では他のゲストキャラにほとんど台詞が無い中、「いつか逆転してやるからな!」と叫んでいた。
- キョカンチン
- 声 - たてかべ和也
- シャレコーベリース社オストアンデル北部支社の課長。30歳。独身。部長同様、オケイラ寮に間借している。元軍人という経歴のせいか上司に忠実で生真面目な性格であり、セリフも常に「であります」と丁寧口調。一人称は「自分」または「俺」で、まれに「私」も。ときどきセリフに関西訛りが出る。第1話では定時前にオフィスにいてだらけている部下に活を入れるなど、真面目さが顕著だったが、ムンムンやコスイネンと行動するうちに感化されていったのか、回が進むと彼らと同じような生活態度になってしまった。
- 三悪のうち男性2人のデザインが従来と大きく異なった『ヤットデタマン』に比べて、コスイネンがほぼ『オタスケマン』以前のデザインに戻されたのに対し、キョカンチンはカミソリ負けの肌が戻ったものの、目は前作のアラン・スカドンと同様に黒点のままにされた。さらに顔が丸くやや小さくなったおかげで厳つさが削がれ、実直な性格と合わせて歴代たてかべキャラに見られたガラの悪さはかなり希薄。巨体を理由としてやられかけたメカのコクピットから放り出されそうになるなど、階級に運命を左右されるという描写も一度なされたことがある。
- コスイネンほど顕著ではないが、実はレスリングに転向したいという脱サラ願望がある。
- 名前の由来は「巨漢」からとったと推測される。
- 千波(ちなみ)
- 声 - 二又一成
- シャレコーベリース社オストアンデル北部支社社員。「ちなみに」が口癖。なんの因果か第40話で同僚のセーコと社内結婚した。
- ピーコ
- 声 - 横尾まり
- シャレコーベリース社オストアンデル北部支社社員。いわゆるセクハラ要員で、コスイネンは彼女のパンティを毎日見ることが生き甲斐だという。
- セーコ
- 声 - 青木和代
- シャレコーベリース社オストアンデル北部支社社員。太めのOLで顔も態度もでかい。第40話で同僚の千波と社内結婚した。
- OLさん(オーエルさん)
- 声 - 勝生真沙子
- シャレコーベリース社オストアンデル北部支社社員。仕事もせずいつも鏡の前で化粧に勤しんでいる。本名不明。
- 熟年さん(じゅくねんさん)
- 声 - 千葉繁 → 広瀬正志
- シャレコーベリース社オストアンデル北部支社社員。本名不明。勤務中にいつも競馬新聞を片手に競馬予想に勤しんでいる。この会社を象徴するような人。
- ヤング
- 声 - 千葉繁
- 窓際さん(まどぎわさん)
- 声 - 広瀬正志 → 龍田直樹
- オトシマさん
- 声 - 勝生真沙子 → 鈴木れい子
- 守衛
- 声 - 千葉繁
- 顔がガイコツのロボット。
- 東北 アンナ(とうほく アンナ)
- 声 - 小宮和枝
- コスイネンの妻。東北弁訛りが強い。第40話のみの登場。金髪で声は全然違うが、ムンムンと同じ顔である。極度の浪費癖がありコスイネンはそのローン払いのやりくりに苦労している。コスイネンいわく、「結婚した理由はムンムンと顔が同じだったから」。名前の由来は1955年(昭和30年)にヒットした大津美子の楽曲『東京アンナ』から。
- ソーリャ
- コスイネンとアンナの長男でコーリャとは双子。第40話のみの登場。
- コーリャ
- コスイネンとアンナの長女でソーリャとは双子。第40話のみの登場。ソーリャとコーリャの二人は生まれた時から父親のコスイネンに似た赤いドタ靴のような鼻をしているためにムンムンから「薄汚い子供たち」とおちょくられていた。
オストアンデル西部支社
オストアンデル西部支社は常に業績トップという事もあって、その社屋は近未来的なデザインの高層ビルになっている。なお、作中に登場するのは大半は支社長隠球四郎のいる支社長室で、社内の様子に関しての描写はほとんど無いが、室内の様子からもコンピュータ導入のかなり進んだ最新鋭のオフィスである事がわかる。
- 隠 球四郎(かくれ たましろう)
- 声 - 小滝進
- 第2話より登場したシャレコーベリース社のエリート社員。若くしてオストアンデル西部支社長を任され、業績は全支社中常にトップ。キザでニヒルな性格で、ことあるごとにクリーン悪トリオに嫌味を言う。冷静で狂いのない行動力によって幾度となくイッパツマンを追い詰め、一度はダイヤモンド弾丸で逆転王と初代イッパツマンを完全に倒すなど、真の好敵手と言える実力を発揮した、シリーズ中でも屈指の異色キャラクター。後半からはギャグ要員に回ることもあった。名前の由来は「隠し球」と「四死球」から。1956年2月29日生まれの26歳。
- 根っからのエリートだったが、展開が進むに従って、球四郎自身も見知らない彼の過去と正体が明らかにされていく。中学と高校を優秀な成績で卒業し、名門ドエリート大学に進学したが、幼少の頃から肥満体型だったことにコンプレックスを抱いていた。そのため、大学在学中にダイエットを強行するが、無理な絶食で栄養失調に陥り、命を落としてしまう。葬儀が行われ、墓も建てられたが、コルドーが自分の手駒とするため、球四郎の脳を摘出してアンドロイドボディに移植する事で、サイボーグとして復活させた。その際に過去の記憶を総て消去され、体型も標準的な筋肉質の体型に変わった。
- 球四郎自身はこの事実を知らず、生身の人間では致命的な傷を負っても出血すらしなかったことを目の当たりにし、レントゲン検査の際、頭脳部分の映像からサイボーグであることを知り動揺した。そして、一度は錯乱状態に陥り側近が動揺するほどの大酒を飲み逃避するが、態度を一変させたコルドーの振舞いに逆に自らの存在意義をイッパツマン打倒と決め、立ち直りかける。しかし、その直後にシャレコーベリース社を計画倒産しようとしていたコルドーに「用済み」と言われ、解雇。納得できない球四郎は単身でイッパツマンに挑み、片腕だけの少林寺拳法メカで三冠王と互角以上の戦いを見せたが、コルドーに再び「用済み」と言われ、見捨てられた。遂に逆上した球四郎はコルドーの人工島(飛行可能)にミサイル攻撃を仕掛け、破壊する。だが、これを反逆と見なしたコルドーによってタイム空間へ飛ばされ、永遠に時空の狭間の中を彷徨うこととなった。
- スパイ000(スパイ ぜろぜろぜろ)
- 声 - 鈴置洋孝
- 球四郎の側近で、超能力を持った産業スパイ。タイムリース社に潜入してさまざまな情報を球四郎に流していた。コルドーへの忠誠心は厚く、最終回ではコルドーによって洗脳されたハルカと共闘してイッパツマンを追い詰めるが、トッキュウマンモスの鼻による攻撃により呆気なく沼に転落。その後の生死は不明。
本社・会長周辺
- コン・コルドー
- 声 - 肝付兼太
- シャレコーベリース社会長で、本作における悪トリオの親玉、というより黒幕。67歳。中国服姿の外観と声からはほとんど想像つかないが、れっきとした女性である。「いないいないバババー」と現れてはクリーン悪トリオにタイムリース社の営業妨害を行うように指令を下し、定番の台詞を残して去ってゆく。名前の由来は1982年当時存在していた超音速旅客機「コンコルド」から(コンコルドの異名「怪鳥」が「会長」とかけてある)。
- 優秀な社員は厚遇し、クリーン悪トリオなど無能と見なされた者でも実績を上げれば相応に評価するが、実績の上がらない者には月例支社長会議で茶も出さないなど冷遇する。自分の意に沿わない社員に対しては排除を行い、社員の離反に対しては容赦なく徹底的に処罰する。第57話で隠球四郎が反旗を翻した報いとして球四郎をタイム空間へ消し去るなど経営者としての冷酷非情な一面を見せる。
- 正体は地球人の宇宙進出阻止を目論む宇宙人であり、普段は変身術でコン・コルドーに、もしくはミンミンに化けていた。作品開始の8年前にヨウトホエール岬(名前の由来は「酔うと吼える」から)の近海に飛行可能な人工島を作り、そこを「1200番目の別荘」と称して実質的な本拠地にしていた。シャレコーベリース倒産後は8年前にすでに洗脳していたハルカを使ってイッパツマンを無力化し倒そうとするが、失敗。宇宙船で逃げ出そうとするところを三冠王が放った三冠アームガンで撃墜され爆死。彼女はタイムボカンシリーズ史上初めて、素性が(ある程度)明らかな状態で前線に参戦した黒幕で、異彩を放つ存在だった(厳密にはオタスケマンのゲキガスキーが前線に出た初の大ボスであるが、彼が真の黒幕であるという事実は終盤まで伏せられていた)。また、シリーズ史上、明確に死亡の描写がされたのは『ゼンダマン』のニャラボルタに次いで2例目となった。
- コルドーがサイキックロボットのノウハウを手に入れ、地球人の宇宙進出を遅らせようとしたその理由は、「未だ欲深い地球人が宇宙に進出すれば、宇宙の多くが食い物にされてしまう」というものだった。
- ミンミン
- 声 - 土井美加
- コン・コルドーの孫娘。第16話よりオストアンデル北部支社に押しかけ、クリーン悪トリオに同行するようになった。傍若無人で世間知らずで毒舌で天真爛漫な女の子。ムンムンにそっくりで、彼女を「お姉さん」と呼んでいるが、姉妹な訳では無い。羞恥心をあまり感じないのか、人目を気にせずに裸や下着姿でいることもある。職責として悪トリオと一緒にいるわけではないのでかなり気ままな行動を取る他、会長の一族だけあって金には困らず、金欠のコスイネンとキョカンチンに昼食をおごるなど面倒見が良い。敵側だがイッパツマンに一目惚れし、時に追い詰められたイッパツマンをかばったり、サインをねだるという描写もあった。しかし、終盤にかけて不審な行動が目立つようになり、最終回では、今市の持ってきたつづらの中から出てきたほどである。その正体は先述のとおりコン・コルドーの変身した姿。
- 名前の由来は、スタッフがアフレコ終了後に通っていた中華料理店から[2]。
マシンフレンド社
シャレコーベリース社下請けの巨大メカ工房。コスイネンの設計要求に基づき、巨大メカを製作している。社名の由来は、本作の制作に携わったアニメフレンドから。
- 今井 市郎(いまい いちろう)
- 声 - 千葉繁
- 第32話より登場。マシンフレンド尼崎第三工場長で通称:今市。巨大メカ製造を担当しており、前期に登場した「メカレスラー」と呼ばれる戦闘メカと後期に登場したスポーツメカを開発し、コスイネンの要請に応じて戦いの現場へ送っていた。だが、腕前はイマイチのようで、荷物は発送する際にバラバラと部品を落とす(巨大なナットやネジが飛んできて今市が潰される)、大き過ぎてタイムホールに入りきれず巨大な足型メカで無理やり押し込むなどまともに発送されないことがほとんどでその際に「イマイチだな」と言うのがお決まり。水中呼吸用のアクアラングを配送し忘れたために息継ぎの隙を突かれて敗北した水泳メカ、ネジが外れて分解したマラソンメカなど度々敗北の原因を作っている。しかし、コスイネンが製作費をケチったために安物のワイヤーを掴まされ、戦闘中に腕のワイヤーが切れて敗北したアーチェリーメカダイアタリーのようなケースもあり、単純に今井だけの責任とは言い切れない部分もあると思われる。妻のモモエ(声優:つかせのりこ)に頭が上がらない。他にトメ(声優:稲葉実)という助手がいる。『佐武と市捕物控』の市がモデル。ただし、元ネタと違い盲目ではない。語尾に「でヤス」とつけて話すことが多い。
- コスイネンとはお互いに「市っつぁん」、「コッチー」あるいは「コスの旦那」と呼び合う仲だったが、メカの能力や完成度に不満のあるコスイネンと、料金を払ってもらえない今市の仲はだんだんと険悪になっていき、球四郎に「2倍の額を払う」と言われ、コスイネンの発注で製作していたメカを球四郎に渡してしまう。
その他
- ささやきレポーター
- 声 - 富山敬
- 「あっちでボソボソ、こっちでボソボソ」のフレーズで現れ中継を行う小柄なレポーター。大柄な小山カメラマンとのコンビで数話にゲスト出演。第41話ではトッキュウイモムシに搭乗してレポートした。初出はヤットデタマン。
- オタスケマン
- 声 - オタスケマン1号:水島裕 オタスケマン2号:島津冴子
- 第41話にゲスト出演。歴史の改変を防ぐためにオタスケサンデー号に乗って登場。本編同様のバカップルを披露した。
- ナレーター
- 声 - 鈴置洋孝
- 前任の富山敬に劣らぬナレーションは評価が高かった。また、ごくまれにクリーン悪トリオにツッコミを入れることもある。次回予告は「絶対に見てくれよ、なっ!」が決め台詞だった。サブタイトルの読み上げ及びCM後のアイキャッチコールも担当している。
登場メカ
タイムリース社
- ホームベーサー
- 海に面しているタイムリース社社屋の地下に接続されている、イッパツマンとそれに関連する全ての保守点検・研究開発が行われている秘密基地。弾丸ヘッド号や弾丸ブースター号を高速で目的地に送り出すための二門の大砲を備えている。一門は時間移動を伴わない移動用、もう一門は時空移動用の次元砲である。底部には緊急避難のためのキャタピラが備えられており、部外者がタイムリース社社屋から侵入しようとした場合や、直接攻撃を受けた場合などに社屋から分離する。
トッキュウザウルス / 逆転王(ぎゃくてんおう)
- 声 - 富山敬
- ランたちがタイムワープに使うタイヤのついた恐竜型タイム運搬メカ。しっぽに繋いだカーゴユニット(トッキュウトレーラー)に積まれた卵形のコンテナにリース品を積み込む。
- 緊急時には腕と胴体の部分が分離し、イッパツマンが操縦する戦闘機の弾丸ヘッド号と合体して逆転王となる。
- 胸部のダイヤモンドで空気中のイオンを合成し武器を召喚(または成形)するが、レスラーメカへのとどめはバックブリーカーなどのプロレス技で刺すことが多い。
- なお、トッキュウザウルスの残った部分は変形してリリーフドンとなる。
- 第30話で球四郎がライフルから放ったダイヤモンド弾丸を眉間(=コクピット)に受け、変形システムを破壊されるなどの被害を受けたため、戦線離脱。第32話では弾丸ヘッド号の修理がなされており、また、最終回のラストシーンで修復しているのが確認されている。
- 武器・技
- 魔伸棒(ましんぼう)
- 最もよく用いられる武器。両端に槍がついた棒状の武器だがたくさんの関節で構成されていてしなり、伸び縮みするので、打撃武器として用いる他に先端部で突き刺しそのままぶん投げるなど、さまざまな応用ができる。
- 正義刀
- 青龍刀のような剣。重さがあり、さらに切れ味もあるため、切断能力は高い。初期は「正義刀、見参!」と見得を切っていた。
- 逆転シールド
- どことなくキャッチャーマスク風の装飾が施された盾。
- 大逆転光線
- 一度だけ使用した。胸部のダイヤモンドより発射される最強の破壊光線。ただし、あまりにも破壊力が高いため、クリーン悪トリオを殺さないよう敵メカへの攻撃には使用されず、敵メカが発射した大型爆弾を空中で消滅させるのに使用された。
トッキュウマンモス / 三冠王(さんかんおう)
- 声 - 稲葉実
- 使用不能となったトッキュウザウルスに代わって第31話から最終回まで登場したマンモス型タイム運搬メカ。リース品は背中のカーゴスペースに積みこむ。車輪駆動だったトッキュウザウルスと異なり四足歩行で進行するが、ホバリングによる走行が可能であり、空を飛ぶことも可能になっている。弾丸ブースター号と同等の速度で、かなりの長距離を飛行することも多い。
- 緊急時には銃座、次いで本体上部が分離。残った本体下部が豪の変身した新(二代目)イッパツマンの搭乗する戦闘機・弾丸ブースター号と合体して三冠王となる。合体完了時の名乗りも三冠王自身が「三冠王飛来、ここに参上!」と上げる。
- 白兵(近距離)戦タイプの逆転王と異なり大小の銃火器をメインにした武装でなおかつ空中戦にも対応し、外観も全盛期を迎えつつあったリアルロボットアニメのメカニックにより近くなった。逆転王とは違い胸にダイヤモンド状の合成装置はないものの、武器の召喚は逆転王と同様にイオンから形成されるようで、形成装置が本体に内蔵されていると推測される。AIを内蔵しているため、イッパツマンが乗っていなくても行動が可能。
- なお本体上部は牙や鼻が格納されるなどの変形をしてリリーフカーとなり、2-3が操縦して三冠王のサポートを行う。カーゴハッチを開けて三冠王を上に乗せて移動したり、ロボ戦から引き離されたイッパツマンを乗せて三冠王のもとに運ぶなど、活躍の場は多い。
- 武器
- 三冠ミサイル砲
- 左右の胸に合体した連装銃座から射撃を浴びせる。名前はミサイル砲だが実際には機関砲で、「対ミサイル用砲座」という意味合いの模様。その性能をいかんなく発揮して飛び道具を撃墜するなど、イッパツマンと三冠王のピンチをたびたび救っている。銃座にはランとハル坊が搭乗(変形時にコクピットが移動)している。
- 三冠シールド
- マンモスの顔の骨のような形をした盾。
- 三冠トマホーク
- 大型の斧。ブーメランとして投げつけることも可能。
- 三冠アームガン
- 必殺の威力を誇るビームライフル。劇中では最も多く使用されており、後期オープニングのフィニッシュの場面ではコスイネンにぶちかましている。
- 三冠炎熱ブースター
- 弾丸ブースター号の主翼にあたる、背部にある三日月型のウイングを炎熱エネルギーで飛ばして敵メカを一刀両断にする。終盤で主に使用された。
その他のタイム運搬メカ
- トッキュウモモイロネコ(以下、第41話に登場)
- トッキュウペリカン
- トッキュウカンガルー
- トッキュウドッグ
シャレコーベリース社
- シャレコーベバギー(第1話 - 第30話まで、ただし、第12話と第28話は除く)
- クリーン悪トリオの専用マシンである三輪バギー。
- 主武装はマシンガンくらいしかないが、時折ミサイルランチャーなどを搭載して登場することもある。トッキュウザウルスを妨害するには十分だが、イッパツマンが登場すると抵抗できない。破壊されたり、ピンチに陥るとコクピット部が分離し、北部支社内の基地から転送される巨大メカと合体する。ただし、自力でタイムワープすることができず、タイム落とし穴を使ってタイムワープする。
- タイムボカン王道復古ではクリーン悪トリオの愛機として再登場し、ミレンジョ一味を食い止めるために逆転王を呼び出して大巨神と戦わせたが、結局、逆転王に破壊されてしまう。
- シャレコーベフォーミュラ(第12話のみ)
- トッキュウザウルスとのリース競争に勝つべく投入された四輪のフォーミュラカーに似たマシン。製作者およびドライバーはコスイネン。
- 主武装は先端に装備された大型カッター。シャレコーベバギー同様コクピット部が分離し、巨大メカと合体する。
- ドンコウシャレコーベ(第28話のみ)
- コスイネンが製作したトッキュウザウルスのバッタモン。シャレコーベバギーの代用マシンとしてサンパツマンことコスイネンのノリで使用された。
- サンパツマンの額のVマークのスイッチを押すと搭載されている小包状に梱包された大逆転王のボディを発進させる。
- シャレコーベダチョウ(第31話 - 第57話まで)
- イッパツマン撃破のご褒美として与えられたシャレコーベバギーに代わるクリーン悪トリオの新専用マシン。やはりコクピット部が分離し巨大メカと合体する。ダチョウという名ではあるが空も飛べる。ただし、空中を高速で飛行することができない。自力でタイムワープが可能など、シャレコーベバギーに比べてかなりパワーアップしているが、イッパツマンが登場するとやはり対抗できない。第40話のみ球四郎が一時的に使用した。武装は頭部に内蔵された小型のビーム砲および尻部に内蔵された卵形ボムなど。
レスラーメカ
- 第1話から第29話、第31話に登場。
- クリーン悪トリオが逆転王と戦うための大型ロボット。小包状に梱包された状態でタイム落とし穴に放り込まれて送られてくる。到着後、シャレコーベバギーのコクピットが合体し、梱包が燃え上がってその姿を現す。第31話のみシャレコーベダチョウのコクピットと合体し、三冠王と死闘を繰り広げた。外見は今までの悪玉メカと大きく異なり、モチーフになっているものをデフォルメしている。また、劇中では名前が無いメカも結構有った(ただし、後に発売されたガイドブックなどにおいて名称不明のメカレスラーにも総監督である笹川が正式に名称をつけている)。
スポーツメカ
- 第32話から第57話まで登場。
- 三冠王の登場に伴いパワーアップした、クリーン悪トリオのロボット。シャレコーベダチョウのコクピットと合体する。第57話に登場した少林寺拳法メカだけは球四郎専用のマシンと合体。さまざまなスポーツをモチーフにしている。ただし、どう考えてもスポーツとは関係がないパチンコをモチーフにしたメカも現れた。物語の後半はタイムボカンシリーズとは思えないほどドラマ部分に尺が割かれたため、活躍する場面は物語がクライマックスに近づくにつれてどんどん短くなっていった。しかも終盤は予算が足りなくなったために未完成のメカで出撃することが目立つようになった。第43話と第44話に至ってはメカ戦が2話にまたがることになる。終盤は予算不足が眼に見えて多くなり、マラソンメカや最後の少林寺拳法メカは予算の都合で前者は下半身のみ、後者は右手首だけの登場になった。
隠球四郎のメカ
- タイムマシン
- 球四郎が乗る、2人乗りのエアカー型のタイムマシン。飛行機能も備えている他、航空機銃を備え、空戦性能を持つ。また、クリーン悪トリオのメカと合体することもできる。
- ゴリラメカ(仮称)
- 第50話で登場。タイムリース社の第1工場を襲撃した。
- 本当の目的はイッパツマンの秘密基地(=ホームベーサー)の位置を暴露させるための囮のメカである。
- 炎を吐くことができるが、トッキュウマンモスの敵ではなく、逆に串刺しにされて破壊されてしまった。
- レイケツナイト
- 第53話に登場。チチハハ湖底の国際平和機構の基地を襲撃した。
- 本当の目的は、イッパツマンを誘い出すための囮、そして用済みとなったクリーン悪トリオの抹殺というものである。
- 武器としては短剣と両肩に装備された連射可能なレーザー砲で、迎撃してきた戦闘機多数を撃墜した。
- その体内は10分しかもたない燃料(切れたら自爆する仕組み)のほか、なぜかトイレとキッチンが備わっている。
- その正体は巨大オロカブであり、制限時間が近づくにつれて鎧がはがれていき、最後に正体を現してオロカー、ブ!と叫んで自爆した。
コン・コルドーのメカ
- 宇宙船
- コルドーが乗る大型の円盤型の宇宙船。8年前にヨウトホエール沖150kmに飛来、人工島に改造しここを拠点に活動を開始した。瞬間移動能力も備わっており第57話で隠球四郎の操る少林寺拳法メカの攻撃で破壊されたと見せかけてバレルトコマール山脈・ロウバ山に移動した。最期は三冠王の三冠アームガンによって破壊された。
ワンポイントキャラ / コクピットメカ
- イケマスイタチ
- 声 - 二又一成
- クリーン悪トリオ攻勢時、メカ戦優勢時など調子の良い時に、そろばんを弾きながら登場する、関西商人(あきんど)風のイタチ型メカ。時々、冷やかす場合もある。
- 女子高生(じょしこうせい)メカ
- 声 - 原えりこ、横尾まり、青木和代
- 主にイッパツマン側のメカが登場した際に出る3体の女子高生型メカ。1982年 - 1983年の放送当時の女子高生に実際に多用されていた話し方をそのまま劇中に取り込んだもの。また、第28話ではマンガの世界の次元に合わせて赤ん坊化している。また第52話ではメカでない人間の女子高生トリオが登場した。リメイク版『ヤッターマン』にも登場しているが、こちらは放送された2000年代風のいわゆるギャル語である。
- おばさんメカ
- 主にクリーン悪トリオに対しての冷やかしを担当する3体の中高年のおばさん型メカ。女子高生メカと比較すると出番が少ない。
- びっくり主水(びっくりもんど)
- 声 - 千葉繁
- 物語中登場キャラが驚いたときに登場するキャラクター。容姿は頭の上に栗(びっクリ)が載った下駄(たまゲタ)のダジャレで、セリフも「えぇーっ!?びっくりたまげたもんざえもん!」である。本編に登場するワンポイントキャラ中、登場する頻度が高い。コン・コルドーがこのキャラのパロディを演じたこともある。
- 『タイムボカン王道復古』ではEDにてもんざえもんと表記されていた。
- くちびるメカ
- 声 - 千葉繁
- びっくり主水と同様に登場キャラが驚いたときに登場するキャラクター。大きな口にパッチリ開いた目と短い手足がついた姿をしている。開いた口の中には必ず「あ」もしくは「え」(エッと驚いたとき)の文字が入る。アッと驚いたときに現れる。ごくまれに「い」や「お」の場合もある。
- 子々竹破多子(ここだけはだし)
- 声 - 秋山るな
- 五本指が家族の顔になっている足のキャラクター。名前とデザインは「はなし→裸足」にひっかけたダジャレ。物語中で視聴者に説明が必要な場合に登場し、親指(お母さん)が「ここだけの話」と、他の指(家族)や視聴者にだけわかるように解説し、他の指は「うん、うん。」と相づちをうつ。
- 暗い天使(暗いホタル)
- 声 - 小原乃梨子
- 物語中、「暗い、暗いなー」というセリフとともに、暗い背景をバックにズボン(パンツ)を下ろしてお尻を光らせる。クリーン悪トリオの貧乏に満ちた暗い哀愁を表現するネクラな性格の蛍風天使型キャラ。びっくり主水同様、登場する頻度が高い。その後『イタダキマン』の第4話にも登場している。
- オロカブ
- 声 - 横尾まり
- クリーン悪トリオが進退きわまり、あとはやられるだけ、あるいはやられた直後、メカが爆発する寸前に登場する、着物を着たカブ(野菜)型のメカ。セリフの「愚か…ブ」からもわかるように、「愚か」と野菜の「カブ」を掛けている。前作『ヤットデタマン』から引き続いての登場。本作では主に座って肘掛けに肩肘を着き、扇子を掲げるなどさらに退廃的なキャラクターになった。オープニングで着物が脱げたり、メカ爆発時にパラシュートで降りてきたり、恐竜の卵の中から出てきたり、はては入浴中やレオタード姿のバージョンもあり。また第54話では、レイケツナイトの外装が剥がれて登場し、直後に「愚かーブ!!」と叫んで自爆。その後『イタダキマン』の第18話やOVA『タイムボカン王道復古』、『タイムボカン2000 怪盗きらめきマン』にも登場している。リメイク版『ヤッターマン』にも登場しているが、コスチュームが若干異なっている。その他、OVA『鴉 -KARAS-』にはオロカブによく似た姿の妖怪が登場している。
- ブタ
- 声 - 富山敬
- おだてブタから発展した雄ブタ型のメカでバリエーションはおおむねことわざがネタ。主にクリーン悪トリオの冷やかし担当。また、「スーパーマン」風の格好をした「スーバートンブタ」のバリエーションもあり、OP、EDに登場。また、第15話ではトッキューザウルスのコクピットにまで登場した。
- そりゃソーダ
- 声 - 龍田直樹
- 「そうでしょ?」と問いかけると現れ、ソーダを飲み干して顔をソーダ色に染め「そりゃソーダ、ん、ん。」と言って頷く、水夫のキャラクター。
- ヤカンメカ
- 声 - 長堀芳夫
- やかんに目がついたメカ。主にイケマスイタチに続いて出現し、「あかんやかん、あかんがな~」と叫ぶ。後にリメイク版『ヤッターマン』にも登場している。
- 救われないドジョウ
- ドジョウすくいをやっているドジョウ。「スクわれない」というダジャレで、やはり悪トリオがつまづくことを暗示する冷やかしキャラクター。神父ブタとコンビで登場することも。
- 結ばれないタコ
- 声 - 秋山るな
- 「結ばれない」と言いつつ複数の紐を結ぼうとしているタコ。ミスターX(豪)に横恋慕しているムンムンが恋愛に対しつまづくことを暗示する冷やかしキャラクター。第41話のみの登場。
- ヤンバルクイナ
- 声 -土井美加
- 放送前年の1981年に新種として発見された、沖縄固有の飛べない鳥。劇中では「ヤンバルクイナ、ヤンバルクイナ」と鳴く。なにかと格好つけたがるクリーン悪トリオだが、全然決まらない情けなさを表現する冷やかし系キャラクター。主にギャグが決まらずシビビンに失敗したときに登場し、「飛べない飛べない」などとクリーン悪トリオが自嘲する。「飛べない」にひっかけたダジャレである。
- なお、ヤンバルクイナは次作のイタダキマンでは、EDソングにもネタで使われている。
- 人間やめておじさん
- 声 - 肝付兼太
- 各話の最後にて、クリーン悪トリオがヤケ酒をあおっている時に「人間やめて、どうするの!?」と言って銅鑼をたたく。「人間やめて何になる!?」が定番コーナーであるため、終盤を除いてほぼ全話に登場した。
設定
- サイキックウェーブ
- 豪とハルカが身に付けた一種の念力波。物語の序盤でその存在の可能性が示唆され、新イッパツマンの登場と共に明るみとなった。
- サイキックロボット計画
- 国際平和機構とタイムリース社が共同で進めていたプロジェクト。物語の終盤においてコルドーを倒す目的の一つとしてこのプロジェクトの実現が掲げられていた。実現すれば人間から発せられたサイキックウェーブでサイキックロボットを自由にコントロールすることで人間の力では不可能な宇宙開発作業を容易にすることができるはずであった。ノウハウ完成まで扱ぎ付けたが、ノウハウは計画の中心人物だったハルカの裏切りによってコルドーに渡り、ハルカ自身もイッパツマンとの対決の末失踪。そして責任者のヒゲノ部長も辞職してしまったため、計画の去就は不明。
エピソード
シリーズ初!悪が勝つ
第30話は、タイムボカンシリーズで唯一とされている、悪玉トリオが勝つ回である。
事の始まりはコスイネンが2週間の無断欠勤をしたことから始まる。自分達の活動を妨害するイッパツマンをまず排除すべきと考えたコスイネンは、一念発起し2週間の山篭りを決行、その結果打倒イッパツマンのアイデアを思いつき同僚を使ってニセの依頼をタイムリース社に出し、イッパツマンを誘い出すことにする。ニセの依頼によって出動したトッキュウザウルスの情報をもたらすべく、現れたコン・コルドーの前でコスイネンはその行き先を言い当て、コルドーやムンムン、キョカンチンらを驚愕させた。一方、同じくイッパツマン排除を画策していた隠球四郎は、イッパツマンを狙撃するためにダイヤモンド弾頭のライフル弾を用意していた。その矢先に、クリーン悪トリオが動き出し、球四郎はそれを追う。誘い出されたイッパツマンは、コスイネンの硬化剤によって逆転王もろとも身動きを取れなくされてしまう。逆転王から無事に脱出したイッパツマンだが、彼を球四郎のライフルが狙っていた。そしてイッパツマンはダイヤモンド弾丸をまともに受け粉々に砕け散ってしまう。しかし、同じ社に勤めるクリーン悪トリオと球四郎が番組内で共闘したことは一度もなく、この回もコスイネンのアイデアを球四郎が利用しただけである。
だがここで倒された初代イッパツマンは超能力者である豪が遠隔操作(サイキックウェーブ)でコントロールしていたサイキックロボットだった。豪の命を守るために作られたが、イッパツマンが倒された時に受けた衝撃が豪にも伝わったため、三日間豪は意識不明となっていた。そして、新(二代目)イッパツマンには体に、ダイヤモンド弾丸をも跳ね返す超硬質フォームラバーが備え付けられたが、このフォームラバーは豪の超能力を受け付けないため、豪自身がイッパツマンとなって戦わなければならなかった。しかしそれからは、悪玉トリオは二度と勝つことはできなかった。
『ゼンダマン』の第51話も、アクダマンが勝ったと言える回だが、このときは明確な勝利とされていない。また、『ヤッターマン』45話でも相打ちではあるがドロンボーはヤッターワンを破壊している。ただし、勝ったわけではなく単なる引き分け扱いであり、かつドクロストーンを得られなかったので、当然ドクロベーのお仕置きはあった(ただし、獲得できてもお仕置きの執行はされることも多い)。 『オタスケマン』の第52話でオジャママン達のジュゴンメカは、オタスケキンタの両足を切断した上、凍らせている。セコビッチはそのまま止めを刺そうとしたのだが、ゲキガスキーがオタスケマンの正体をあばく作戦が残っているからと、それをやめさせた。
なおこの時の映像はビデオに納めて保存してあり、そのマスターテープはスイス銀行に預けてある。しかし50年後にはこの時に使用したビデオのテープが使えるデッキがなくなってしまう(この話自体はムンムンの想像だったのだが)という、この当時VHS優勢が決まりかけていたVHS・ベータ戦争の先行きを暗示しているエピソードがある。
三悪、見限られる!?
第53話・第54話では、三悪が黒幕に見限られて殺されそうになるという、シリーズ初の事件が起こった。
事の始まりは、球四郎がホームベーサーからコンピューターディスクを盗み出し、イッパツマンのサイキックウエーブの波長を知って、イッパツマンを自在に操る作戦を画策、一方の三悪はコルドーから1年間の活動(この放送日は丁度番組開始1周年だった)の褒美として、1週間の有給休暇と小遣い1000万円を貰う。そして球四郎がコルドーに作戦を報告すると、コルドーは「あの『能無しトリオ』(三悪)に最後の有給休暇を与えた」と教え、球四郎は「あいつら(三悪)、生かしておくだけムダ!」などと発言、そして休暇が終わってムンムンの部屋に集合した三悪に対し、コルドーはその部屋を電車に改造して北部支社の地下まで送り込むと、ミンミンによって強制的に球四郎製作メカ・レイケツナイトに閉じ込め、コルドーは三悪に「1年間ご苦労であった! 後は地獄で苦しむが良い!!」と、それまでの黒幕(ドクロベー、トンマノマント)には無かった強烈な引導を渡して、レイケツナイトを出撃させたのであった。だがイッパツマンが球四郎のサイキックウエーブから逃れて三冠王に搭乗すると、レイケツナイトを攻撃、その結果三悪は下のハッチから命からがら脱出して助かったのであった。
それまで三悪を操っていた黒幕は三悪を見限る事は一度も無く、今回の件がシリーズ初である。これは元々、コルドーの最終目的が「地球人の宇宙進出阻止」、球四郎の目的が「サイキックロボットを悪用して世界征服」というのに対し、三悪の目的が「北部支社の業績アップ」「生活のため」という、あくまでも「陽動作戦」的な目的だったためである。しかし三悪は辛うじて生き延びる事が出来、そしてコルドーの命令に従わないと決意するが、三悪が生きていた事を知ったコルドーは、「北部支社の貧乏状態」「ムンムンの豪に対する失恋」という事を、ミンミンに変装して知っているため、三悪は再びコルドーの言いなりにならざるを得なかった。本作ではこの他にも、第14話ではコスイネンとキョカンチンが連敗に嫌気がさして、立ち食いそば屋を開こうとするも、ムンムンに知られて失敗、更に第35話では、仕事が無いためにコスイネンが「モウカル産業」に転職するも、モウカル産業はコルドーに買収されてコスイネンは元に戻るというなど、「黒幕から去ろうとしても上手くいかない」という件がかなり有った。
蛇足だが、第54話でレイケツナイト爆発後の瓦礫の山からコスイネンが出た際、コスイネンは「自分が支社長になれる!!」と糠喜びした事が有った(結局は三悪全て生き延びて失敗に)。三悪の部下は表向きは女ボスに忠実でも、実はかなり不満が多かった件がこの事からも分かる。
野球とのつながり
当初はサラリーマン生活をモチーフとして、「サラリーマン」というタイトル案も出ていた。「逆転サヨナラマン」という案もあったが、シリーズが終わるようで縁起が悪いということで、野球ファンでもある読売広告社の大野実の発案で「逆転イッパツマン」に決定。野球をモチーフにしたのは、当時読売ジャイアンツで活躍していた中畑清の愛称が「ヤッターマン」になったり、スランプでヒットが出なかったバッターがようやく打ったら「ヤットデタマン」がスポーツ新聞の見出しになるなど、プロ野球関係でタイムボカンシリーズのタイトルがよく使われていたことから、それなら最初から野球ネタで行こうと決められ、タイトルに沿って、キャラクター名も野球にちなんだものとなった。ただし、「イッパツマン」が本放送中、スポーツ新聞の見出しを飾ることはなかった。
実際の日本プロ野球界でも、オリックス・ブルーウェーブ(現:オリックス・バファローズ)所属の高橋智外野手の応援歌として使われ、その後オリックスのチャンステーマとして使用されている。
また、オリックス・バファローズの北川博敏内野手(当時)が、打席に入る際の登場テーマ曲として大阪近鉄バファローズ時代の2003年から逆転イッパツマンの主題歌を使用していた(但し、2009年以降はチャンスになった場合のみ)。これは北川が近鉄時代の2001年に代打逆転サヨナラ満塁ホームランを放ち、優勝を決めたことにちなむ。
- 主題歌の節も参照。
スタッフ
- 製作 - 吉田健二
- 原作 - タツノコプロ企画室
- 企画 - 九里一平(タツノコプロ)、岡正(フジテレビ)
- 音楽 - 神保正明(現・神保雅彰)、山本正之
- 担当ディレクター - 植田秀仁
- シリーズ構成 - 小山高男
- メインキャラクター - 天野嘉孝
- メカニックデザイン - 大河原邦男
- 美術デザイン - 岡田和夫
- 総監督 - 笹川ひろし
- プロデューサー - 井上明(タツノコプロ)、岩田弘(アニメフレンド)、内間稔(読売広告社)
- サブキャラクター - 上北実那、上北希沙
- 録音制作 - ザックプロモーション
- 録音ディレクター - 水本完、清水勝則
- 効果 - 加藤昭二(アニメサウンドプロダクション)
- 録音 - 金子芳博
- 現像 - 東京現像所
- 制作担当 - 山田良一、佐藤直人、中村正雄(アニメフレンド)、大野実(読売広告社)
- 制作デスク - 佐藤直人
- 制作 - フジテレビ、タツノコプロ
主題歌
- 山本正之によれば、「歌舞伎」のイメージで作曲したとのこと。
- イッパツマンの変身後の容姿や、「球四郎」などのりりしい名前が多いことから連想。
- 第31話まではOPのラストでムンムンのスーツが正義刀で切られ、胸が露わになったムンムンが「イヤ〜ン」と叫んだ。32話以降はOP画像がマイナーチェンジされ、コスイネンが三冠アームガンで黒焦げにされ、「イケズ…」と言うラストに変更された。
- エンディングテーマ『シビビーン・ラプソディ』
- 作詞・作曲 - 山本正之 / 編曲 - 神保正明 / 歌 - やまもとまさゆき、ピンク・ピッギーズ
- 「シビビーン」とは関根勤のギャグの一つでもある。
- 劇中クリーン悪トリオがずっこけた際に、画面中を縦横無尽に飛び回るリアクションと共に使われている。このシーンはリメイク版『ヤッターマン』でもヤッターマン1号・2号やドロンボー一味がずっこけたときに登場する事がある。
- 逆転王(三冠王)のテーマ『嗚呼!逆転王』
- 作詞・作曲 - 山本正之 / 編曲 - 神保正明 / 歌 - やまもとまさゆき
- 逆転王のテーマとして制作されたが、逆転王の時にはメロオケ版が主に使われ、ボーカル入りが流れたのは第29話のみである。
- 三冠王の登場以降は、歌詞の「逆転王」を「三冠王」に置き換えた「嗚呼!三冠王」が挿入されるようになる。こちらはボーカル入りも頻繁に使われた。これは山本正之がアフレコスタジオで即興で歌ったもので、正式な挿入歌としてはソフト化されていない。後に発売されたサウンドトラックCDにおいてはME素材(海外吹き替え用に声優の声のみ抜いたテープ)から抜き出した形で収録されており、三冠王合体時のSEが被さってしまっている。
- 挿入歌
- 『トッキューザウルスの歌』
- 作詞・作曲 - 山本正之 / 編曲 - 神保正明 / 歌 - やまもとまさゆき、ピンク・ピッギーズ
- トッキュウマンモスが登場してからは第52話を除きイントロのみ。
- 『タイムボカンの歌』
- 作詞・作曲 - 山本正之 / 編曲 - 市久 / 歌 - 山本正之、サカモト児童合唱団
- 元々は『タイムボカン』で使用された曲。2-3のカセットの音楽として使用された。
- 『チュク・チュク・チャン』
- 作詞・作曲 - 山本正之 / 編曲 - 市久 / 歌 - 山本正之、サカモト児童合唱団
- 元々は『タイムボカン』で使用された曲。2-3のカセットの音楽として使用された。
- 『ゼンダライオン』
- 作詞 - 松山貫之 / 作曲 - 山本正之 / 編曲 - 神保正明 / 歌 - 山本まさゆき
- 元々は『ゼンダマン』で使用された曲。2-3のカセットの音楽として使用された。
- 『オタスケマンの歌』
- 作詞・作曲 - 山本正之 / 編曲 - 神保正明 / 歌 - 山本正之、少年少女合唱団みずうみ
- 元々は『オタスケマン』で使用された曲。2-3のカセットの音楽として使用された。
- ナレーター役の鈴置洋孝が2006年8月6日に逝去した事を悼み、鈴置と、13回忌を翌年(2007年)に控えた豪 速九(イッパツマン)役の富山敬への想いをイメージした三番の歌詞を新たに追加。
- 鈴置逝去直後に開催された2006年夏のアニメイベント「ANIME JAPAN FES」で初披露し、2007年発売のオリジナルアルバム『才能の楽園』に収録された。
- アルバム版の間奏部分には富山と鈴置の生前の台詞が挿入されている。
- レギュラー陣では富山より前(1989年5月15日)にハル坊役のつかせのりこも亡くなっている。声は挿入されていないが、イッパツマン=富山の台詞は、ハル坊=つかせに話しかけるものが採用されている。
各話リスト
話数 | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | (コンテ) 演出 |
作画監督 | 動画作監 | 美術担当 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
第1話 | 1982年 2月13日 |
ピンチ一発 大逆転 | 小山高男 | (笹川ひろし) うえだひでひと |
鈴木英二 | 塚本あつし | 坂本信人 |
第2話 | 2月20日 | ライバルはすごいヤツ | (うえだひでひと) 藤原幸大 |
鄭雨英 | 宮川佳子 | ||
第3話 | 2月27日 | 人間やめた悪トリオ | 海老沼三郎 | 鴫野彰 | 鈴木英二 | 沢井裕滋 | |
第4話 | 3月6日 | ひとめぼれミスターX | 三宅直子 | (真砂智康) 古川順康 |
波戸根良昭 | 坂本信人 | |
第5話 | 3月13日 | ホームベーサーの秘密 | 久保田圭司 | 鴫野彰 | 井口忠一 | 塚本あつし | 沢井裕滋 |
第6話 | 3月20日 | 全公開! 部長の一日 | 高山鬼一 | 石山貴明 | 鄭雨英 | 坂本信人 | |
第7話 | 3月27日 | イッパツ急行医療隊 | 山本優 | (真砂智康) 古川順康 |
鈴木満 | 波戸根良昭 | 山元健生 |
第8話 | 4月3日 | 豪ピンチ通信応答せず | 海老沼三郎 | 石川康夫 | 鄭雨英 | 坂本信人 | |
第9話 | 4月10日 | ギョ!? 魚との遭遇 | 佐藤和男 | 鴫野彰 | 鈴木英二 | 塚本あつし | 山元健生 |
第10話 | 4月17日 | つらいなあ! 休日出勤 | 三宅直子 | 小島正幸 | 和泉絹子 | 小室詩香 | 市谷正夫 |
第11話 | 4月24日 | 打倒! アルプスの魔女 | 高山鬼一 | (真砂智康) 石山貴明 |
鄭雨英 | 山元健生 | |
第12話 | 5月1日 | 京都めざして大レース | 久保田圭司 | 鴫野彰 | 鈴木英二 | 波戸根良昭 | 市谷正夫 |
第13話 | 5月8日 | 豪・その出生の秘密 | 小山高男 | 石川康夫 | 鄭雨英 | 山元健生 | |
第14話 | 5月15日 | 太平洋無着陸気球横断 | 海老沼三郎 | (丸輪零) 小島正幸 |
和泉絹子 | 小室詩香 | 市谷正夫 |
第15話 | 5月22日 | にせリースで罠をはれ | 佐藤和男 | 石川康夫 | 鄭雨英 | 山元健生 | |
第16話 | 5月29日 | おしかけ美少女社員 | 海老沼三郎 | 鴫野彰 | 井口忠一 | 塚本あつし | 市谷正夫 |
第17話 | 6月5日 | 潜入! タイムリース社 | 高山鬼一 | 小島正幸 | 和泉絹子 | 小室詩香 | 山元健生 |
第18話 | 6月12日 | ハル坊の両親を捜せ! | 佐藤和男 | 鴫野彰 | 鈴木英二 | 波戸根良昭 | 市谷正夫 |
第19話 | 6月19日 | TV中継ベーブルース | 海老沼三郎 小山高男 |
石川康夫 | 鄭雨英 | 山元健生 | |
第20話 | 6月26日 | 石器時代にカネ送れ! | 海老沼三郎 | 神井裕行 | 和泉絹子 | 小室詩香 | 市谷正夫 |
第21話 | 7月3日 | 金欠部長コスイネン | 三宅直子 | 鴫野彰 | 鄭雨英 | 山元健生 | |
第22話 | 7月10日 | 魔法責めイッパツマン! | 久保田圭司 | 石川康夫 | 鈴木英二 | 安西慶江 | 市谷正夫 |
第23話 | 7月17日 | 合体不能! 逆転王 | 高山鬼一 | 小島正幸 | 和泉絹子 | 小室詩香 | 山元健生 |
第24話 | 7月24日 | 消えたホームベーサー | 小山高男 | 鴫野彰 | 井口忠一 | 安西慶江 | 市谷正夫 |
第25話 | 7月31日 | こまった! 大コマ回し | 海老沼三郎 | 石川康夫 | 鄭雨英 | 山元健生 | |
第26話 | 8月7日 | シビビーン大変身 | 小山高男 | 鴫野彰 | 鈴木英二 | 西堀ひろみ | 市谷正夫 |
第27話 | 8月14日 | 地球の底で大激戦! | 高山鬼一 | 石川康夫 | 鄭雨英 | 山元健生 | |
第28話 | 8月21日 | 見よ 逆転サンパツマン | 海老沼三郎 | 小島正幸 | 和泉絹子 | 小室詩香 | 市谷正夫 |
第29話 | 8月28日 | 幽霊屋敷は大にぎわい | 久保田圭司 小山高男 |
鴫野彰 | 鄭雨英 | 山元健生 | |
第30話 | 9月4日 | シリーズ初!悪が勝つ | 小山高男 | うえだひでひと | 井口忠一 | 安西慶江 金子美津江 | |
第31話 | 9月11日 | 登場! 新イッパツマン | (香川豊) うえだひでひと |
二宮常雄 | 市谷正夫 | ||
第32話 | 9月18日 | イッパツマンの大秘密 | 小島正幸 | 和泉絹子 | 小室詩香 | 山元健生 | |
第33話 | 9月25日 | モンタージュで御用だ | 三宅直子 | 鴫野彰 | 鄭雨英 | 市谷正夫 | |
第34話 | 10月2日 | ケッパレ研修 悪トリオ | 佐藤和男 | 石川康夫 | 鈴木英二 | 金子美津江 | 多田喜久子 |
第35話 | 10月9日 | 転職失敗! コスイネン | 高山鬼一 | 小島正幸 | 和泉絹子 | 小室詩香 | |
第36話 | 10月16日 | おまえは何者? 球四郎 | 佐藤和男 | 鴫野彰 | 鄭雨英 | ||
第37話 | 10月23日 | スパイにされた2-3 | 石川康夫 | 井口忠一 | 金子美津江 | 市谷正夫 | |
第38話 | 10月30日 | ミスターX 見つけた! | 小山高男 | 田代文夫 | 鈴木英二 | 橋本とよ子 沢田早苗 |
多田喜久子 |
第39話 | 11月6日 | 大ピンチ! 捕われた豪 | 海老沼三郎 | 石田昌久 | 鄭雨英 | 市谷正夫 | |
第40話 | 11月13日 | 仲人はコスイネン夫妻 | 高山鬼一 | 鴫野彰 | 二宮常雄 | 金子美津江 | |
第41話 | 11月20日 | 助っ人オタスケマン | 小山高男 中弘子 |
小島正幸 | 和泉絹子 | 小室詩香 | |
第42話 | 11月27日 | 暴かれたハルカの秘密 | 佐藤和男 | 古川順康 | 鄭雨英 | 多田喜久子 | |
第43話 | 12月4日 | 負傷! 狙われたハルカ | 小山高男 | 小島正幸 | 和泉絹子 | 小室詩香 | 市谷正夫 |
第44話 | 12月11日 | ああ ハルカと豪の秘密 | 鴫野彰 | 鈴木英二 | 金子美津江 | 多田喜久子 | |
第45話 | 12月18日 | コルドー会長の謎の島 | 古川順康 | 鄭雨英 | 市谷正夫 | ||
第46話 | 12月25日 | ムンムン 恋の終り | 佐藤和男 | 小島正幸 | 和泉絹子 | 小室詩香 | 多田喜久子 |
第47話 | 1983年 1月8日 |
初夢コスイネン四変化(番外編) | 小山高男 | うえだひでひと | 鈴木英二 | 金子美津江 | 市谷正夫 |
第48話 | 1月15日 | 78歳 ムンムン快調(番外編) | 鴫野彰 | 二宮常雄 | 岩瀬久代 | 多田喜久子 | |
第49話 | 1月22日 | 球四郎は死んでいた | 小島正幸 | 和泉絹子 | 小室詩香 | 市谷正夫 | |
第50話 | 1月29日 | ハルカの部下 ミンミン | 香川豊 | 鈴木英二 | 金子美津江 | 多田喜久子 | |
第51話 | 2月5日 | 謎の飛行物体をさがせ | 高山鬼一 | 鴫野彰 | 鄭雨英 | 市谷正夫 | |
第52話 | 2月12日 | コルドー監督の迷映画(番外編) | 小山高男 | うえだひでひと | 二宮常雄 | 多田喜久子 | |
第53話 | 2月19日 | 裏切ったイッパツマン | 小島正幸 | 和泉絹子 | 小室詩香 | 市谷正夫 | |
第54話 | 2月26日 | ああ結婚 ハルカと豪 | 香川豊 | 鄭雨英 | 金子美津江 | ||
第55話 | 3月5日 | 襲われたハネムーン | 小島正幸 | 和泉絹子 | 小室詩香 | ||
第56話 | 3月12日 | わかるか 球四郎の正体 | 鴫野彰 | 鈴木満 | 金子美津江 | 多田喜久子 | |
第57話 | 3月19日 | コルドーの意外な正体 | 津田義三 | 鄭雨英 | 市谷正夫 | ||
第58話 | 3月26日 | 大逆転! 愛ゆえの勝利 | 小島正幸 | 和泉絹子 | 小室詩香 | 多田喜久子 |
- 1983年1月1日は正月特番『スーパースター新春イントロ大作戦』(『クイズ・ドレミファドン!』の正月版。18:00 - 19:00)のため休止。
放映当時のネット局
系列は当時の系列。
放送地域 | 放送局 | 放送系列 | ネット形態 | 備考 |
---|---|---|---|---|
関東広域圏 | フジテレビ | フジテレビ系列 | キー局 | |
北海道 | 北海道文化放送 | 同時ネット | ||
青森県 | 青森テレビ | TBS系列 | 遅れネット | |
岩手県 | テレビ岩手 | 日本テレビ系列 | ||
宮城県 | 仙台放送 | フジテレビ系列 | 同時ネット | |
秋田県 | 秋田テレビ | フジテレビ系列 テレビ朝日系列 |
遅れネット | |
山形県 | 山形テレビ | フジテレビ系列 | 同時ネット | |
福島県 | 福島テレビ | TBS系列 フジテレビ系列 |
遅れネット | |
山梨県 | 山梨放送 | 日本テレビ系列 | ||
新潟県 | 新潟総合テレビ | フジテレビ系列 テレビ朝日系列 |
||
長野県 | 長野放送 | フジテレビ系列 | ||
静岡県 | テレビ静岡 | 同時ネット | ||
富山県 | 富山テレビ | |||
石川県 | 石川テレビ | |||
福井県 | 福井テレビ | |||
中京広域圏 | 東海テレビ | |||
近畿広域圏 | 関西テレビ | |||
鳥取県・島根県 | 山陰中央テレビ | |||
岡山県・香川県 | 岡山放送 | |||
広島県 | テレビ新広島 | |||
山口県 | テレビ山口 | TBS系列 フジテレビ系列 |
遅れネット | |
愛媛県 | テレビ愛媛 | フジテレビ系列 | ||
高知県 | テレビ高知 | TBS系列 | ||
福岡県 | テレビ西日本 | フジテレビ系列 | 同時ネット | |
佐賀県 | サガテレビ | 遅れネット | ||
長崎県 | テレビ長崎 | フジテレビ系列 日本テレビ系列 |
同時ネット | |
熊本県 | テレビ熊本 | フジテレビ系列 テレビ朝日系列 |
遅れネット | |
大分県 | 大分放送 | TBS系列 | ||
宮崎県 | テレビ宮崎 | フジテレビ系列 日本テレビ系列 テレビ朝日系列 |
||
鹿児島県 | 鹿児島テレビ | フジテレビ系列 日本テレビ系列 |
||
沖縄県 | 沖縄テレビ | フジテレビ系列 |
映像ソフト
- VHS
- DVD
- BD
その他の作品での登場
- 『タイムボカン王道復古』では、第1話にクリーン悪トリオが登場。搭乗するのはシャレコウベバギー。ミレンジョ一味が送り込んできた大巨神に対抗するため、コスイネンがイッパツマンから借りてきた逆転王を出撃させる。富山敬が逆転王の声としてクレジットされている事などから三冠王のようにAIを搭載していた可能性がある。逆転王と大巨神は互角の戦いを繰り広げ、決着はつかなかったものの、互いを認め合い友情を生むに至った。それを見たムンムンは気持ち悪がって非難し、怒りを買ってミレンジョ一味共々リタイアとなる。
- プレイステーション用ソフト『ボカンGoGoGo』では弾丸ヘッド号、シャレコウベバギーが登場。クリーン悪トリオはシュヤクノザを手に入れると、コスイネンの思いつきでドクロベエに従わず自分達で使ってイッパツマンの姿となる。しかしシュヤクノザは見た目を真似られるに過ぎず、本物のイッパツマンにボコボコにされる。それを見たドクロベエは「こんな中途半端なものはもう要らない」と言う。
脚注
テンプレート:脚注ヘルプ- ↑ Darts編「スタッフインタビュー シリーズ構成/小山高生」『タイムボカン大全集2 悪の華道』ソフトバンク、1998年6月30日、ISBN 4-7973-0562-2、83頁。
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 笹川ひろし「第24章 ここはおまかせ、逆転イッパツマン登場!」『ぶたもおだてりゃ木にのぼる』株式会社ワニブックス、2000年9月25日、ISBN 4-8470-1358-1、268-269頁。