日本製航空機の一覧

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これは日本のメーカーが製造した航空機の一覧である。日本の航空業界第二次世界大戦終結後、GHQによって航空機の製造を禁止されていたため、戦前と戦後をはっきりと区別することができる。

第二次世界大戦前-戦中

大日本帝国陸軍

陸軍の航空機は九三式以降「キ○○」と言う開発番号が振られている。陸軍は航空企業に開発仕様書を数多く提出し、要求も技術をはるかに上回ることが少なくなかった。このため、実現しなかった航空機、試作で終わった航空機がかなりの数に上るが、膨大な試作機を製作させることで、結果として国内各社の製造技術力を押し上げることとなった。「キ」は機体の略。1933年(昭和8)制定の試作呼称のこと。ちなみに「ク」はグライダー、「ハ」は発動機である。

番号 名称 製造者 生産数 備考
玉虫型飛行器 二宮忠八 0 制作中止
モ式四型偵察機 陸軍航空工廠 84 モーリス・ファルマン MF.11
甲式一型練習機 三菱造船 57 ニューポール81E2
甲式二型練習機 中島飛行機 85 ニューポール83E2
甲式三型戦闘機/練習機 陸軍/中島 308 ニューポール24C1
ソ式偵察機/戦闘機/練習機 陸軍 15 ソッピース バップ
乙式一型偵察機 930以上 サルムソン2A2
ライセンス生産
中島式五型練習機 中島飛行機 100 陸軍初の国産機
甲式四型戦闘機 654 ニューポール29C2
ライセンス生産
己式一型練習機 三菱造船/東京砲兵工廠 159 アンリオHD12F2
ライセンス生産
八七式重爆撃機 川崎航空機 34 設計はドルニエ
八七式軽爆撃機 三菱航空機 48 三菱一三式艦攻の陸軍型
八八式偵察/軽爆撃機 川崎 1,117
九一式戦闘機 中島 450
九二式偵察機 三菱 230
九二式戦闘機 川崎 385
キ1 九三式重爆撃機 三菱 118 ユンカースK37基本
キ2 九三式双発軽爆撃機 174
キ3 九三式単発軽爆撃機 川崎 243
キ4 九四式偵察機 中島 383
キ5 キ5試作戦闘機 川崎 1 不採用
キ6 九五式二型練習機 中島 20 準制式
キ7 キ7試作機上作業練習機 三菱 2 不採用
キ8 キ8試作複座戦闘機 中島 5
キ9 九五式一型練習機 石川島飛行機 2,618 愛称「赤とんぼ」
キ10 九五式戦闘機 川崎 588
キ11 キ11試作戦闘機 中島 4 不採用
キ12 キ12試作戦闘機 1
キ13 キ13試作襲撃機 0 計画のみ
キ14 キ14試作偵察機 三菱 0
キ15 九七式司令部偵察機 437
キ16 キ16試作輸送機 中島 0 計画のみ
キ17 九五式三型練習機 石川島 560 準制式
キ18 キ18試作戦闘機 三菱 1 不採用
キ19 キ19試作重爆撃機 中島 8
キ20 九二式重爆撃機 三菱 6
キ21 九七式重爆撃機 2,046
キ22 キ22試作爆撃機 川崎 0 計画のみ
キ23 キ23試作滑空機 福田軽飛行機 0
キ24 キ24試作滑空機 石川島 110 Gr9基本・準制式
キ25 キ25試作滑空機 2 ゲッヒンゲン3基本・不採用
キ26 キ26試作滑空機 1 開発中止
キ27 九七式戦闘機 中島 3382
キ28 キ28試作戦闘機 川崎 2 不採用
キ29 キ29試作軽爆撃機 立川(旧石川島) 2 開発中止
キ30 九七式軽爆撃機 三菱 820
キ31 キ31試作軽爆撃機 中島 0 開発中止
キ32 九八式軽爆撃機 川崎 846
キ33 キ33試作戦闘機 三菱 2 不採用(競争試作)
キ34 九七式輸送機 中島 332 中島AT-2
キ35 キ35試作直協偵察機 三菱 0 計画のみ
キ36 九八式直協偵察機 立川 1,333
キ37 キ37試作複座戦闘機 中島 0 計画のみ
キ38 キ38試作双発複座戦闘機 川崎 0
キ39 キ39試作複座戦闘機 三菱 0
キ40 キ40試作司令部偵察機 0
キ41 高速輸送機 中島 0
キ42 キ42試作重爆撃機 三菱 0
キ43 一式戦闘機「隼」 中島 5,751
キ44 二式単座戦闘機「鍾馗」 1,175
キ45 キ45試作複座戦闘機
キ45改 二式複座戦闘機「屠龍」 川崎 1,690
キ46 一〇〇式司令部偵察機 三菱 1,746
キ47 キ47試作軽爆撃機 0 計画のみ
キ48 九九式双発軽爆撃機 川崎 1,977
キ49 一〇〇式重爆撃機「呑龍」 中島 786
キ50 キ50試作重爆撃機 三菱 0 計画のみ
キ51 九九式襲撃機/九九式軍偵察機 約2,000
キ52 キ52試作攻撃機 中島 0 計画のみ
キ53 キ53試作多座戦闘機 0
キ54 一式双発高等練習機 立川 1,342
キ55 九九式高等練習機‎ 1,386
キ56 一式貨物輸送機 川崎 121 ロッキード14「スーパーエレクトラ」基本
キ57 一〇〇式輸送機 三菱 517
キ58 キ58試作多座掩護戦闘機 中島 3 不採用
キ59 一式輸送機 日本国際航空 19 民間機TK-3改造開発
キ60 キ60試作戦闘機 川崎 3 不採用
キ61 三式戦闘機「飛燕」 2,849
キ62 キ62試作戦闘機 中島 0 「隼」の性能向上型・計画のみ
キ63 キ63試作戦闘機 0 「鍾馗」の発動機転換・計画のみ
キ64 キ64試作戦闘機 川崎 1 不採用
キ65 キ65試作戦闘機 三菱/満州飛行機 0 開発中止
キ66 キ66試作急降下爆撃機 川崎 6 不採用
キ67 四式重爆撃機「飛龍」 三菱 707
キ68 キ68試作長距離爆撃機 中島 0 海軍13試大攻・不採用
キ69 キ69試作爆撃掩護機 三菱 0 計画のみ
キ70 キ70試作司令部偵察機 立川 3 開発中止
キ71 キ71試作軍偵/襲撃機 満州 3 不採用
キ72 キ72試作直協偵察機 立川 0 計画のみ
キ73 キ73試作戦闘機 三菱 0 計画のみ
キ74 キ74試作遠距離偵察爆撃機 立川 14 敗戦により開発中断
キ75 キ75試作多座戦闘機 中島 0 計画のみ
キ76 三式指揮連絡機 日本国際航空 STOL機、陸軍初の艦上固定翼機
キ77 キ77長距離研究機 立川 2 研究目的
キ78 キ78高速研究機 川崎 1
キ79 二式高等練習機 満州 3,710
キ80 キ80試作重爆指揮官機 中島 2 開発中止
キ81 キ81試作軽爆指揮官機 川崎 0
キ82 キ82試作爆撃機 中島 0 計画のみ
キ83 キ83試作遠距離戦闘機 三菱 4 敗戦により開発中断
キ84 四式戦闘機「疾風」 中島 3,421
キ85 キ85試作遠距離爆撃機 川崎 0 キ68の移転・計画中止
キ86 四式基本練習機 日本国際 1030
キ87 キ87試作高高度戦闘機 中島 2 敗戦により開発中断
キ88 キ88試作防空戦闘機 川崎 0 開発中止
キ89 キ89試作研究機 0 計画のみ
キ90 キ90試作遠距離爆撃機 三菱 0 開発中止
キ91 キ91試作遠距離爆撃機 川崎 0
キ92 キ92試作輸送機 立川 1
キ93 キ93試作襲撃機 陸軍航空工廠 1 敗戦により開発中断
キ94 キ94試作高高度防空戦闘機 立川 2
キ95 キ95試作司令部偵察機 三菱 0
キ96 キ96試作双発戦闘機 川崎 3 開発中止
キ97 キ97試作輸送機 三菱 0
キ98 キ98試作戦闘襲撃機 満州 0
キ99 キ99試作局地戦闘機 三菱 0 計画中止
キ100 五式戦闘機 川崎 393
キ101 キ101試作夜間戦闘機 中島 0 計画のみ
キ102 キ102試作戦闘/襲撃機 川崎 238 非制式で実戦投入
キ103 キ103試作襲撃機 三菱 0 計画のみ
キ104 キ104試作迎撃戦闘機 0
キ105 キ105試作輸送機「鴻」 日本国際 9 敗戦により開発中断
キ106 キ106試作戦闘機 立川 10 「疾風」木製化・敗戦により開発中断
キ107 キ107試作初歩練習機 東京航空 45 木製練習機
キ108 キ108試作高高度戦闘機 川崎 2 研究目的
キ109 キ109試作特殊防空戦闘機 三菱 22 非制式で実戦投入
キ110 キ110試作双発練習機 立川 0 キ54木製化・敗戦により開発中断
キ111 キ111試作燃料輸送機 0 計画のみ
キ112 キ112試作重爆撃機 三菱 0
キ113 キ113試作戦闘機 中島 0 「疾風」特殊鋼製化・敗戦により開発中断
キ114 キ114試作輸送機 立川 0 キ92木製化・計画のみ
キ115 特殊攻撃機「剣」 中島 105 敗戦により開発中断
キ116 キ116試作戦闘機 満州 1 「疾風」発動機転換・敗戦により開発中断
キ117 キ117試作戦闘機 中島 0
キ118 キ118試作戦闘機 三菱 0 計画のみ
キ119 キ119試作戦闘爆撃機 川崎 0 敗戦により開発中断
キ120 キ120試作輸送機 - - 未着手
キ128 キ128試作戦闘機 - -
キ147 イ号一型甲無線誘導弾 三菱 -
キ148 イ号一型乙無線誘導弾 川崎 -
キ167 キ167試作練習機 - - 未着手
キ174 キ174試作軽爆撃機 立川 - 未着手
キ200 キ200試作高高度局地戦闘機「秋水」 三菱 2 Me163の設計参考・海軍との共同開発
敗戦により開発中断
キ201 キ201試作戦闘爆撃機「火龍」 中島 0 Me262の設計参考・
敗戦により開発中断
キ202 キ202試作高高度局地戦闘機 三菱 0 計画のみ
ク1 二式小型輸送滑空機 前田航研 -
ク2 萱場二型滑空機 萱場製作所 1
ク3 萱場三型滑空機 1
ク4 萱場四型無尾翼軽飛行機 0 開発中止
ク6 特三号戦車 前田航研/三菱 0 開発中止
ク7 ク7試作輸送滑空機「まなづる」 日本国際 -
ク8 四式特殊輸送機 -
ク9 ク9試作輸送滑空機 福田軽飛行機 - 計画中止
ク11 ク11試作輸送滑空機 日本小型飛行機 - 不採用
陸軍小型患者輸送機 石川島 25 フォッカー スーパーユニバーサル基本
ロ式輸送機 立川 45 ロッキード・スーパーエレクトラ
ライセンス生産
タ号試作特殊攻撃機 立川/日本国際 立川製2、日本国際製1 敗戦により開発中断
カ号観測機 萱場製作所 98 オートジャイロテンプレート:仮リンク基本
テ号観測機 神戸製鋼 1 STOL機、テスト飛行中に墜落して開発中止
試作単座奇襲機 東京航空 0 開発中止・海軍との共同開発
萱場一型滑空機 萱場製作所 1
かつをどり 0 計画のみ
特殊蝶番レ号 横浜高工 1 敗戦により開発中断
ロ号B型高々度研究機 立川 - 研究目的
試作遠距離爆撃機「富嶽」 中島 0 未着手

大日本帝国海軍

海軍は陸軍ほどに仕様書を出さなかったものの、その要求の過酷さは陸軍をも上回るものであり、また開発内容も時によって次々に変更された。そのような海軍の要求に応えて製作された『零式艦上戦闘機(零戦)』は、世界で最も有名な日本製の航空機であるといえる。機体番号は先頭のローマ字が機種、次いで数字が開発順序、次のローマ字は開発会社(M・三菱、N・中島、K・川西など)で、派生型を示す数字が続き、機体によっては小規模改修を示す小文字のアルファベットが付加される。派生型の用途によってその後にローマ字がつくこともある。(例:局地戦闘機J1Nの派生である二式陸上偵察機は原型機のJ1N1に陸上偵察機を示すRを付加しJ1N1-Rと表記される)後年には制式名称が「○○式--」から固有名詞に変わった。名称の基準は、以下の通り。

  • 「甲戦闘機=風」・「乙戦闘機=電。雷」・「丙戦闘機=光」・「偵察機=雲」・「攻撃機=山」・「爆撃機=星」・「哨戒機=海。洋」・「輸送機=空」・「練習機=草木」・「滑空機=草木(草)」・「特攻機=草木(花)」
A:艦上戦闘機
番号 名称 製造者 備考
一〇式艦上戦闘機 三菱 最初の国産戦闘機(設計は英スミス氏)
A1N 三式艦上戦闘機 中島飛行機 中島グロースター式
A2N 九〇式艦上戦闘機 中島 最初の純国産戦闘機
A3N/M 七試艦上戦闘機 中島/三菱 両者不採用
A3N 九〇式練習戦闘機 中島
八試複座戦闘機 中島/三菱 両者不採用
A4N 九五式艦上戦闘機 中島
九試単座戦闘機 中島/三菱 三菱案が九六式に採用
A5M 九六式艦上戦闘機 三菱重工業 最初の全金属・単翼戦闘機
A6M 零式艦上戦闘機 三菱
A7M 17試艦上戦闘機「烈風」 敗戦により中断
B:艦上攻撃機
番号 名称 製造者 備考
一〇式艦上雷撃機 三菱
B1M 一三式艦上攻撃機
B2M 八九式艦上攻撃機
B3Y 九二式艦上攻撃機 海軍航空技術廠(空技廠)
B4Y 九六式艦上攻撃機
B5N 九七式一号艦上攻撃機 中島
B5M 九七式二号艦上攻撃機 三菱
B6N 艦上攻撃機「天山」 中島
B7A 艦上攻撃機「流星」 愛知航空機
C:(艦上)偵察機
番号 名称 製造者 備考
C1M 一〇式艦上偵察機 三菱
C2N フォッカー式偵察機 中島 フォッカー スーパーユニバーサル
ライセンス生産
C3N 九七式艦上偵察機 中島
C4A 13試高速陸上偵察機 愛知 計画中止
C5M 九八式陸上偵察機 三菱 九七司偵の海軍仕様
C6N 艦上偵察機「彩雲」 中島
D4Y1-C 二式艦上偵察機 空技廠
E4N2-C 九〇式二号艦上偵察機 中島
D:艦上爆撃機
番号 名称 製造者 備考
D1A1 九四式艦上爆撃機 愛知
D1A2 九六式艦上爆撃機
D2 8試特殊爆撃機 愛知・中島 不採用
D3N 十一試艦上爆撃機 中島
D3A 九九式艦上爆撃機 愛知
D3Y 練習用爆撃機「明星」 空技廠
D4Y 艦上爆撃機「彗星」
E:水上偵察機
番号 名称 製造者 備考
モーリス・ファルマン式大型水上機 横須賀海軍工廠 モーリス・ファルマン MF.11
横廠式ロ号甲型水上偵察機
ハンザ式水上偵察機 愛知 ハンザ・ブランデンブルク W.29
戦利品をコピー
二式水上偵察機 ハインケル HD-25
ライセンス生産
E1Y 一四式水上偵察機 横須賀海軍工廠
E2N 一五式水上偵察機 中島
E3A 九〇式一号水上偵察機 愛知
E4N 九〇式二号水上偵察機 中島
E5Y/K 九〇式三号水上偵察機 横須賀・川西航空機
E6Y 九一式水上偵察機 横須賀
E7K 九四式水上偵察機 川西
E8N 九五式水上偵察機 中島
E9W 九六式小型水上機 渡辺鉄工所
E10A 九六式水上偵察機 愛知
E10K 9試夜間偵察機
九四式輸送機
川西
E11A 九八式水上偵察機 愛知
E11K 11試特殊水上偵察機
九六式輸送機
川西
E12 12試三座水上偵察機 愛知・中島・川西 不採用
E13A 零式三座水上偵察機 愛知
E14Y 零式小型水上偵察機 空技廠
E15K 水上偵察機「紫雲」 川西
E16A 水上偵察機「瑞雲」 愛知
F:水上観測機
番号 名称 製造者 備考
F1A 10試水上観測機 愛知 不採用
F1M 零式水上観測機 三菱
G:陸上攻撃機
番号 名称 製造者 備考
G1M 九三式陸上攻撃機 三菱
G2H 九五式陸上攻撃機 広海軍工廠
G3M 九六式陸上攻撃機 三菱
LB-2長距離爆撃機 中島 試作のみ
G4M 一式陸上攻撃機 三菱
G5N 13試陸上攻撃機「深山」 中島 不採用
G6M 12試陸上攻撃機改(翼端掩護機) 三菱 計画のみ
G7M 16試陸上攻撃機「泰山」 計画中止
17試陸上攻撃機 川西
G8N 18試陸上攻撃機「連山」 中島 敗戦により中断
G10N 陸上攻撃機「富嶽」 未着手のまま中止
長距離爆撃機TB 川西 計画中止
H:飛行艇
番号 名称 製造者 備考
フェリックストウ F.5 愛知他 ライセンス生産
H1H 一五式飛行艇 広海軍工廠
H2H 八九式飛行艇
H3H 九〇式一号飛行艇
H3K 九〇式二号飛行艇 川西 設計はショート社
H4H 九一式飛行艇
H5Y 九九式飛行艇 空技廠
H6K 九七式飛行艇 川西
H7Y 十二試特殊飛行艇 空技廠 計画中止
H8K 二式飛行艇 川西
H9A 二式練習飛行艇 愛知
H10H 14試中型飛行艇 計画中止
J:陸上戦闘機
番号 名称 製造者 備考
J1N 夜間戦闘機「月光」 中島
J2M 局地戦闘機「雷電」 三菱
J3K 17試陸上戦闘機 川西 計画中止(陣風の元設計)
J4M 局地戦闘機「閃電」 三菱 計画中止
J5N 局地戦闘機「天雷」 中島
J6K 陸上戦闘機「陣風」 川西
J7W 18試局地戦闘機「震電」 九州飛行機 敗戦により中断
J8M 局地戦闘機「秋水」 三菱 Me163の設計参考・陸軍との共同開発
敗戦により中断
N1K1-J 局地戦闘機「紫電」 川西 水上戦闘機「強風」の陸上化・中翼
N1K2-J 局地戦闘機「紫電」改 川西 「紫電」機体の全面改修
K:練習機
番号 名称 製造者 備考
横廠式イ号甲型水上練習機 横須賀
アブロ式練習機 中島、愛知 アブロ 504 ライセンス生産
K1Y 一三式練習機 横須賀
K2Y 三式練習機 横須賀
K3M 九〇式機上作業練習機 三菱
K4Y 九〇式水上初歩練習機 横須賀
K5Y 九三式中間練習機
K6 11試水上中間練習機 川西・渡辺 不採用
K7M 11試機上作業練習機 三菱
K8K 零式水上初歩練習機 川西
K9W 陸上初歩練習機「紅葉」 渡辺
K10W 二式陸上中間練習機
K11W 機上作業練習機「白菊」
A5M4-K 二式練習用戦闘機 三菱
A6M2-K 零式練習用戦闘機
L:輸送機
番号 名称 製造者 備考
L1N 中島式双発輸送機 中島 中島AT-2の海軍仕様
L2D 零式輸送機 昭和飛行機 DC-3ライセンス生産
L3Y 九六式陸上輸送機 三菱
L4M 三菱双発輸送機 三菱MC-20の海軍仕様
L7P 13試小型輸送機 日本飛行機 不採用
G6M1-L 一式陸上輸送機 三菱
H6K2-L 九七式輸送飛行艇 川西
H8K2-L 二式輸送飛行艇「晴空」
H11K1-L 大型輸送飛行艇「蒼空」
M・MX:特殊機
番号 名称 製造者 備考
M6A 特殊攻撃機「晴嵐」 愛知 伊四〇〇型潜水艦搭載用の水上攻撃機
MXJ1 十七試初歩滑空練習機「若草」
MXY1 試作実験用飛行機第一号 空技廠
MXZ1 十七試初歩滑空練習機 美津濃
MXY2 試作実験用飛行機第二号 空技廠
MXY3 試作滑空標的機
MXY4 一式標的機
MXY5 16試特殊輸送機
MXY6 試作前翼滑空機
MXY7 特殊攻撃機「桜花」
MXY8 秋水滑空機
MXY9 「秋火」
特殊攻撃機「橘花」 中島 Me262の改造開発「皇国2号兵器」
敗戦により中断
特殊攻撃機「梅花」 空技廠 計画のみ
特殊攻撃機「藤花」 中島
特殊攻撃機「神龍」 艦政本部
N:水上戦闘機
番号 名称 製造者 備考
N1K 水上戦闘機「強風」 川西
A6M2-N 二式水上戦闘機 中島
P:陸上爆撃機
番号 名称 製造者 備考
P1Y 陸上爆撃機「銀河」 空技廠
Q:哨戒機
番号 名称 製造者 備考
Q1W 陸上哨戒機「東海」 九州
Q2M 陸上哨戒機「大洋」 三菱 計画中止
Q3W 陸上哨戒機「南海」 九州
R:陸上偵察機
番号 名称 製造者 備考
R1Y 陸上偵察機「暁雲」 空技廠 計画のみ
R2Y 陸上偵察機「景雲」
J1N1-R 二式陸上偵察機 中島
S:夜間戦闘機
番号 名称 製造者 備考
J1N-S 夜間戦闘機「月光」 中島
P1Y1-S 夜間戦闘機「白光」 空技廠・中島 仮称銀河二一型
P1Y2-S 夜間戦闘機「極光」 空技廠・川西 仮称銀河二六型
S1A 夜間戦闘機「電光」 愛知 敗戦により中断

民間機

試験機

第二次世界大戦後

1952年(昭和27)にGHQ/SCAPによって航空の運行と機体開発の一部再開が認められたことにより、日本の航空産業は新しい時代に入ったが、禁止の年月は日本から航空技術が失われるには十分であった。戦前戦中の航空技術者の大半は生活の糧を求めて鉄道自動車の分野に流出しており、また、ジェットエンジンの実用化や超音速の実現など、世界の航空技術は日本の終戦時の技術を遥かに上回る水準に達していた。日本はアメリカ合衆国製の機体をライセンス生産(ほとんどの部品を国内で調達・生産する方式)することにより、技術を再取得しなければならなかった。

さらに、第二次世界大戦後になると航空機の構造・機器は複雑化・高精度化していって開発にかかる金額も跳ね上がり、特に多目的・高性能を追求された戦闘機に関しては先進国でも独自開発が難しくなっていった。例として、イギリスでは1959年実戦配備されたライトニング以降、単独で超音速戦闘機を作り出せていない。

こういった理由から、戦後に日本が独自開発した機体は少ない。そのため、以下の表にはライセンス生産またはノックダウン生産(細分化された輸入部品の再組み立て)された機体、国際共同開発で製造された機体も含めている。国内再組み立て(大きなブロックパーツに分かれた輸入部品の再組み立て)のみの場合は記していない。

自衛隊

自衛隊では、ほとんどの航空装備品が同盟国であるアメリカ軍からの供与から始まったことから、米国製品の採用が多いが、国内生産が可能なものは、出来る限りライセンス生産によって国産化する方針を採っており、また独自の能力向上型も生産している。自国のみでも、多種の航空機を製造して実用化している。

自衛隊機のライセンス生産の場合、まず2機程度を完成品輸入(国内再組み立て)、数機をノックダウン生産してから、本格的なライセンス生産に移ることが多いが、近年は輸入の後に直接ライセンス生産することが多くなっている。

表では、名称は自衛隊での制式採用名、製造者は日本国内での機体生産メーカー、原製造者はライセンス生産及びノックダウン生産のライセンス供与者、備考は機体生産に関する情報を記した。

航空自衛隊
戦闘機
名称 製造者 生産数 原製造者 備考
F-86F戦闘機 三菱重工業 300 ノースアメリカン ライセンス生産
F-104J戦闘機 207 ロッキード ライセンス生産
(J:単座、複座のDJは再組み立てのみ)
F-4EJ/EJ改戦闘機 138/90 マクドネル・ダグラス ライセンス生産(EJ改:EJの改造)
F-15J/DJ戦闘機 163/36 ライセンス生産
(電子機器は国産、J:単座/DJ:複座)
F-1支援戦闘機 77 T-2ベースの改造開発
F-2A/B戦闘機 64/34 ロッキード・マーティン F-16ベースの共同開発
(A:単座/B:複座、試作機を含む)
偵察機
名称 製造者 生産数 原製造者 備考
RF-4EJ偵察機 三菱重工業 15 マクドネル・ダグラス F-4EJからの改造
YS-11EL/EB電子測定機 日本飛行機(改造) 4 日本航空機製造 YS-11C改造、EL→EB
輸送機
名称 製造者 生産数 原製造者 備考
YS-11C/P/PC輸送機 日本航空機製造 7/4/1 C:貨物/P:人員/PC:貨客混載
C-1中型輸送機 川崎重工業 30 設計・試作は日航製
(数字はC-1FTBを除く)
CH-47J輸送ヘリコプター 調達中 ボーイング ライセンス生産
C-X(XC-2)輸送機 開発中
救難機
名称 製造者 生産数 原製造者 備考
H-19救難ヘリコプター 三菱重工業 68※ シコルスキー ライセンス生産
MU-2S救難機 29
KV-107II-5/A-5救難ヘリコプター 川崎重工業 17/35 ボーイング・バートル 生産販売ライセンス(A-5:エンジン強化)
UH-60J救難ヘリコプター 三菱重工業 調達中 シコルスキー ライセンス生産
練習機
名称 製造者 生産数 原製造者 備考
T-33A中等練習機 川崎重工業 210 ロッキード ライセンス生産
T-34A初等練習機 富士重工業 124 ビーチクラフト
T-1A/B 中等練習機 46/20 B型は純国産
T-2 高等練習機 三菱重工業 96
T-3 初等練習機 富士重工業 50 ビーチクラフト KM-2Bベースの改造開発
T-4 中等練習機 川崎重工業 212 純国産
T-7 初等練習機 富士重工業 49 ビーチクラフト KM-2Fベースの改造開発
T-400 基本操縦練習機 レイセオン 13 三菱重工業 三菱MU-300の製造販売権買収
YS-11NT 航法訓練機 日本航空機製造 1 YS-11C改造
訓練支援機
名称 製造者 生産数 原製造者 備考
YS-11E/EA電子戦訓練支援機 日本飛行機(改造) 2 日航製 YS-11C改造、E→EA
EC-1電子戦訓練機 川崎重工業 1 C-1改造
飛行点検機
名称 製造者 生産数 原製造者 備考
YS-11FC 日航製 3 1機新造、2機はYS-11P改造
MU-2J 三菱重工業 4
試験機
名称 製造者 生産数 原製造者 備考
C-1FTB飛行試験機 川崎重工業 1 元・試作機XC-1

※H-19は3自衛隊の総数(個別の数字は不明)

海上自衛隊
固定翼対潜哨戒機/哨戒機
名称 製造者 生産数 原製造者 備考
P2V-7/P-2J対潜哨戒機 川崎重工業 48/82 ロッキード ライセンス生産(P-2Jは国内開発)
PS-1対潜哨戒飛行艇 新明和工業 23
P-3C哨戒機 川崎重工業 101 ロッキード ライセンス生産
P-1哨戒機 調達中 純国産
回転翼対潜哨戒機/哨戒機
名称 製造者 生産数 原製造者 備考
HSS-1対潜ヘリコプター 三菱重工業 20 シコルスキー ノックダウン生産
HSS-2/-2A/-2B対潜ヘリコプター 173 ライセンス生産(A/Bは国内開発)
SH-60J/SH-60K哨戒ヘリコプター 103/調達中 ライセンス生産
(電子機器は国産、Kは国内開発)
掃海機
名称 製造者 生産数 原製造者 備考
KV-107II-3掃海ヘリコプター 川崎重工業 9 ボーイング・バートル 生産販売ライセンス
MCH-101掃海輸送ヘリコプター 調達中 アグスタウェストランド ライセンス生産
偵察機
名称 製造者 生産数 原製造者 備考
EP-3電子戦データ収集機
OP-3C画像情報収集機
川崎重工業 5
5
ロッキード P-3Cベースに国内開発
輸送機
名称 製造者 生産数 原製造者 備考
YS-11M/M-A輸送機 日本航空機製造 2/2 M-A:YS-11-400ベース
S-61A南極観測ヘリコプター 三菱重工業 2(2) シコルスキー ライセンス生産
CH-101南極観測ヘリコプター 川崎重工業 調達中 アグスタウェストランド
救難機
名称 製造者 生産数 原製造者 備考
US-1/1A救難飛行艇 新明和工業 6/14 1A:エンジン転換
UH-60J救難ヘリコプター 三菱重工業 19 シコルスキー ライセンス生産
US-2救難飛行艇 新明和工業 調達中 US-1Aベースに改造開発
練習機
名称 製造者 生産数 原製造者 備考
KM-2初等練習機 富士重工業 62 ビーチクラフト T-34Aベースに国内開発
T-5初等練習機 37 KM-2Dベースに改造開発
YS-11T-A機上作業練習機 日航製 6
訓練支援機
名称 製造者 生産数 原製造者 備考
UP-2J 川崎重工業 4 ロッキード P-2Jベースに国内開発
U-36A訓練支援機 6 ゲイツ リアジェット36A改造
UP-3D電子訓練支援機 川崎重工業 3 ロッキード P-3Cベースに国内開発
試験機
名称 製造者 生産数 原製造者 備考
UP-3C試験評価機 川崎重工業 1 ロッキード P-3Cベースに国内開発

※生産数 () 内は既存機からの改造

陸上自衛隊
汎用ヘリコプター
名称 製造者 生産数 原製造者 備考
H-13H/H-13KH 川崎重工業 75/19 ベル・エアクラフト 生産販売ライセンス(KH:国内開発)
UH-1B/H/J 富士重工業 90/133/調達中 ライセンス生産(B:初代、H:2代、J:3代・国内開発)
UH-60JA 三菱重工業 調達中 シコルスキー ライセンス生産
攻撃ヘリコプター
名称 製造者 生産数 原製造者 備考
AH-1S対戦車ヘリコプター 富士重工業 89 ベルエアクラフト ライセンス生産
AH-64D戦闘ヘリコプター 調達中 ボーイング
輸送ヘリコプター
名称 製造者 生産数 原製造者 備考
S-55/H-19 三菱重工業 68※ シコルスキー ライセンス生産
KV-107II-4/A-4/A-4A 川崎重工業 41/18/1 ボーイング・バートル 生産販売ライセンス
(A-4:エンジン強化、A-4A:要人輸送)
CH-47J/JA 34/18 ボーイング ライセンス生産(JA:航続距離延長)
観測ヘリコプター
名称 製造者 生産数 原製造者 備考
OH-6J/D 川崎重工業 117/193 ヒューズ ライセンス生産(J:初代、D:2代)
OH-1 調達中 純国産
遠隔操縦観測システム(FFOS) 富士重工業 純国産、無人機
新無人偵察機システム(FFRS) 富士重工業 調達中 純国産、無人機
固定翼機
名称 製造者 生産数 原製造者 備考
L-19E連絡機 富士重工業 22 セスナ ライセンス生産
LM-1/2連絡機 24 ビーチクラフト T-34Aベースで国内開発(2:KM-2タイプへの改造)
TL-1練習連絡機 2 陸上自衛隊向けKM-2
LR-1偵察連絡機 三菱重工業 20 陸上自衛隊向けMU-2

※H-19は3自衛他の総数(個別の数字は不明)

自衛隊機の名称について

米軍機を採用した物については、基本的に米軍と同様の制式名称を付けており(F-15P-3Cなど多数)、独自開発した派生型でも、これに準じた名称を付けている(P-2JSH-60Kなど)。国産機の場合は、米軍の機体種別記号(F/C/Tなど)に、1から順に数字をつける(F-1T-1C-1PS-1US-1OH-1)が、T-3T-5T-7T-34の、F-2F-16の改造開発であり、何を基準に「国産」とするのかはっきりしない。

民間機を採用した場合、米軍と異なり、基本的に民間名称をそのまま使用する(YS-11KM-2MU-2V-107B-747など)か、または民間名称に米軍の種別記号を組み合わせている(E-767KC-767U-125U-4など)。ただし、陸上自衛隊ではMU-2をLR-1、KM-2をTL-1など独自の名称を付けており、名称基準は曖昧な点もある。

民間機

固定翼機

開発・生産協力

ボーイング

エアバス

ボンバルディア・エアロスペース三菱重工業が開発参加)

エンブラエル川崎重工業が開発参加)

ホーカー富士重工業が開発参加)

  • ホライゾン M4000

エクリプス・エビエーション(富士重工業が開発参加)

  • エクリプス500

回転翼機

生産・開発協力

シコルスキー三菱重工業が共同開発)

  • S-92ヘリコプター(胴体キャビン担当)

ベルエアクラフト富士重工業が共同開発)

ライセンス生産

試作・実験機

1952年(昭和27年)の航空一部解禁により、かつて航空産業に携わった企業や大学が新型機の自主開発を開始したが、概ね物にならず、アメリカ合衆国製品のライセンス生産を中心とするようになった。その後も自主開発の機会が少なかったため、試作機や研究機の製作数も少ない。

立川飛行機(現・新立川飛行機)
日本大学工学部
川崎重工業
東洋航空工業
萱場製作所
  • 萱場式ヘリプレーン
日本ヘリコプター研究会
新明和工業
  • UF-XS(グラマンUF-2改造:PS-1開発に先立つ研究)
防衛省
航空宇宙技術研究所
  • FA-200研究機(FA-200改造:STOL実験機)
  • 飛鳥(C-1ベース:STOL実験機)
  • HYFLEX(極超音速飛行実験機)
  • ALFLEX(小型自動着陸飛行実験機)
  • HSFD(高速飛行実証機)
  • LIFLEX(リフティングボディ飛行実験機)
  • NEXST-1(小型超音速実験機)
  • S3CM(超音速試験機)
  • MuPAL-α(Do228-202改造:多目的実証実験機)
  • 飛翔サイテーション・ソヴリン改造:ジェット飛行実験機)
本田技研工業
三菱重工業
  • RP1(シコルスキーS-76S改造:MH2000開発に先立つ研究)
トヨタ自動車
  • トヨタ・アドバンスド・エアクラフト(TAA:炭素繊維複合材と樹脂製の機体による概念実証機。詳細未公表)

脚注

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参考文献

  • 日本陸軍軍用機パーフェクトガイド 1901〜1945(学習研究社) - ISBN 4-05-603757-4
  • 帝国海軍艦上機・水上機パーフェクトガイド(同) - ISBN 4-05-604314-0
  • 日本航空機大図鑑1910年-1945年(国書刊行会、1993年7月28日刊行)- ISBN 4-336-03346-3

関連項目

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