2010年代
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2010年代(にせんじゅうねんだい)は2010年から2019年までの10年間を指す。2000年代をゼロ年代とするのにならって、2010年代をテン年代とする表現もある[1]。
目次
できごと
2010年
- 1月4日 - ドバイに世界一の超高層ビル、ブルジュ・ハリーファがオープンした[2]。
- 1月12日 - ハイチ地震が起こる。
- 2月4日 - 大相撲の横綱朝青龍明徳が引退。
- 2月13日〜28日 - バンクーバーオリンピック(第21回冬季オリンピック)開催。
- 2月27日 - チリ地震が起こる。
- 4月27日 - 日本において、殺人罪など死刑に当たる罪に対して公訴時効が撤廃される改正刑事訴訟法が成立・即日施行された。施行時点で公訴時効が成立していない事件に適用される。
- 5月1日〜10月31日 - 上海で万博開催。
- 5月20日 - 大相撲野球賭博問題が発覚する。
- 6月11日〜7月11日 - FIFAワールドカップ南アフリカ大会開催。
- 6月13日 - はやぶさ (探査機)が小惑星イトカワから地球へ帰還。
- 8月16日 - 4月〜6月期の実質GDPドルベースにて日本は中国に抜かれて世界3位になった。年間通期でも同状況となる見通し[3]。
- 9月7日 - 尖閣諸島中国漁船衝突事件発生。
- 9月27日 - 北朝鮮は現指導者・金正日総書記の三男である金正恩を、最高指導者の後継者にすると発表。
- 10月9日 - 根岸英一・鈴木章が日本人部門初となる2人同時によるノーベル化学賞を受賞する。また、日本人がノーベル賞受賞するのは2年ぶりである。
- 10月21日 - 羽田空港沖合の新滑走路(2,500m)と新国際ターミナル使用開始。
- 11月15日 - 大相撲で白鵬翔が歴代2位となる63連勝を達成。
- 12月18日 - チュニジアで暴動が発生し次第に大規模な反政府運動に発展、翌年の1月14日には23年間続いたベンアリ政権が崩壊した(ジャスミン革命)。以後、長期政権に対する大規模な反政府運動はアラブ世界の各国に波及する(アラブの春)。
- 菅内閣発足
- 記録的な猛暑(日本)
2011年
- 2月2日 - 大相撲八百長問題が発覚され、この年の3月場所が本場所として65年ぶりに開催中止となる。
- 2月3日 - IANAの管理するIPv4アドレスが枯渇した(IPアドレス枯渇問題)。
- 2月11日 - 30年間続いたエジプトのムバラク政権が崩壊した(2011年エジプト騒乱、アラブの春)。
- 2月15日 - リビアで拘留されている人権活動家弁護士の釈放を求めるデモが発生、以後大規模な反政府運動に拡大。カダフィ大佐は徹底抗戦に挑み、後にリビアを二分する内紛に発展、さらに米英仏などによる軍事介入にも進展する(2011年リビア内戦、アラブの春)。
- 3月11日 - 東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)が発生。日本における明治時代以降の観測において最大のMw9.0[注 1]。宮城県栗原市で震度7、関東地方でも広い地域で震度5弱以上の揺れを観測[4]。三陸海岸及び福島県の海岸部を中心に10m以上の津波が押し寄せ被害が広がった。また、この地震・津波により福島第一原子力発電所事故も発生した。
- 3月31日 - 東京における地上デジタル音声放送、実用化試験放送を終了(大阪は前年に終了済み)。
- 4月15日 - アジア・太平洋地域を管轄しているAPNICのIPv4アドレス在庫が地域インターネットレジストリ(RIR)の中で最初に枯渇した(IPアドレス枯渇問題)。
- 4月27日 - PlayStation Network個人情報流出事件が発覚。不正侵入によっておよそ7700万件の個人情報が流出した。ソニーや関連会社では同時期に他の流出事件も発生し、流出件数はグループ全体で1億件以上に及ぶ。
- 5月2日 - アメリカ同時多発テロ事件の主犯とされるウサーマ・ビン・ラーディンがアメリカ軍により殺害される。
- 7月17日 - FIFA女子ワールドカップドイツ大会が開催され、なでしこジャパンが優勝する。
- 7月24日 - 日本の地上アナログテレビ放送が停波し、地デジへ完全移行(被災3県では2012年3月31日に延期された)。
- 8月23日 - 内戦状態となっていたリビアで、反体制派組織「国民評議会」の攻勢により首都トリポリが制圧され、40年以上続いたカダフィ政権が事実上崩壊した。10月20日には残るシルトを制圧して国民評議会が全土を掌握、その際にカダフィも死去(2011年リビア内戦、アラブの春)。
- 8月26日〜9月4日 - IAAF世界陸上大邱大会開催。
- 9月9日〜10月23日 - IRBワールドカップニュージーランド大会開催。
- 10月31日 - 国連の推計で世界人口が70億人に達する[5]。同日、外国為替市場で1ドル=75円31銭を付け、円の戦後最高値を記録した。
- 11月23日 - イエメンのサーレハ大統領がサウジアラビアのリヤドにて、30日以内の大統領権限の委譲などが盛り込まれた湾岸協力会議(GCC)・欧米による調停案に署名。翌年の2月21日には暫定大統領選挙(任期2年)が実施され、ハーディー新大統領が誕生した。アラブ世界では2011年に入り、4例目の長期政権の終幕となる(2011年イエメン騒乱、アラブの春)。
- 12月17日 - 北朝鮮の最高指導者である金正日が死去。後継は三男の金正恩。
2012年
- 2月29日 - 自立式鉄塔としては世界一となる高さ634mの展望タワー「東京スカイツリー」竣工(オープンは5月22日)。
- 4月1日 - ISDB-Tmm方式による携帯端末向けマルチメディア放送「NOTTV」開始。
- 4月13日 - 北朝鮮が「人工衛星」と称する飛翔体を発射し、失敗に終わった。
- 4月15日 - 金日成生誕100周年を迎え、北朝鮮で祝賀行事が行われる。同国ではこの年までに「強盛大国の大門を開く」というスローガンを掲げていた。
- 5月6日 - フランスの大統領選挙で社会党出身としては17年ぶりとなるオランド大統領が当選。また、同日にはギリシャでも議会選挙が行われ、反財政緊縮派の急進左派連合が躍進し連立与党が過半数割れとなった。これにより、ユーロ安が優勢となった。共に財政緊縮路線にノーが突きつけられた格好。
- 5月20日 - 中国南部、日本列島、アメリカ合衆国西部などで金環食(日本時間では5月21日)。詳細は「2012年5月21日の日食」参照。
- 6月1日 - 欧州債務危機によりユーロが一時、11年半ぶりの円高ユーロ安水準となる1ユーロ=95円58銭を記録。対ドルでも円高が進み、1ドル=77円66銭を記録した。
- 7月24日 - 欧州債務危機によりユーロがまた急落し、一時11年8ヶ月ぶりの円高ユーロ水準となる1ユーロ=94円12銭を記録。
- 7月27日〜8月12日 - ロンドンオリンピックが開催。
- 10月8日 - 京都大学の山中伸弥教授が日本人として25年ぶり史上2人目となるにノーベル生理学・医学賞を受賞。
- 12月12日 - 北朝鮮が「人工衛星」と称する飛翔体を発射し、軌道投入に成功した。
2013年
- 3月16日 - 「リーヒ・スミス米国発明法案」の施行により、アメリカの特許制度において特許の出願が先発明主義から先願主義へと切り替わる。これ以降の有効出願日を有した特許出願に適用される。
- 3月16日 - 東京メトロ副都心線と東急東横線の直通運転を開始。これにより東武東上線小川町エリア・西武池袋線所沢、秩父エリアから横浜高速鉄道みなとみらい線の元町・中華街駅までが一本に繋がる。
- 3月23日 - 日本各地で使用されている交通系ICカード10種類が相互利用可能となる。
- 4月1日 - 2001年(平成13年)から段階的に引き上げられた厚生年金の定額部分における男性の支給開始年齢が65歳となる(なお、女性は5年遅れの2018年度に65歳となる予定)。また、報酬比例部分の支給についても本年度より2025年度にかけて段階的に65歳まで引き上げられる予定(こちらも女性は5年遅れとなる予定)[6][7]。
- 9月28日〜10月8日 - スポーツ祭東京2013開催。
- 太陽活動の極大期がこの年の半ば頃になると予測されており、約50年振りの太陽嵐の発生とそれに伴うGPSの破壊、数箇月間の停電も懸念されていた[8]。しかし、通常の極大期に比して黒点の数が少なく太陽活動は低調に推移している[9]。
2014年
- 1月29日 - 日本の理化学研究所発生・再生科学総合研究センターなど日米の共同研究チームは、マウスの体細胞を弱酸性の溶液で浸し外部刺激を加えることで、あらゆる細胞に分化可能となる新たな万能細胞「刺激惹起性多能性獲得細胞(STAP細胞)」の生成に成功したと発表した。
- 2月8日・14日 - 日本列島太平洋側を南岸低気圧が通過し、関東・甲信地方で2週続けて大雪となった(平成26年豪雪)。
- 3月7日 - 超高層ビル「あべのハルカス」が全面開業。本日時点で日本で最も高い、地上60階建て・高さ300mとなっている。
予定
2014年
- 神奈川県藤沢市辻堂元町のパナソニック(旧松下電器産業)グループ工場跡地にて、太陽光発電システムや家庭用蓄電池などを大規模配備する「スマートタウン構想」が計画されており、春の街開き(一部完成)を予定している[10]。
- 2001年(平成13年)の9.11アメリカ同時多発テロによって崩落した世界貿易センタービル跡地に、高さ約541mの「1_ワールドトレードセンター(英語:One World Trade Center / 1 WTC)」が完成予定。
- ソチオリンピック(第22回冬季オリンピック)開催。
- ソチパラリンピック(第11回冬季パラリンピック)開催。
- 3月21日に直径1.2キロの小惑星が地球に接近。衝突確率91万分の1。
- FIFAワールドカップブラジル大会開催。
- 長崎がんばらんば国体開催。
- 仁川アジア大会開催。
- パナマ運河拡張工事竣工予定。
- 高さ300m、地上60階建ての日本一高いビルとなる、阿部野橋ターミナルビル(あべのハルカス)が大阪に完成予定。
- 森ビルによる虎ノ門ヒルズ完成予定。
- 環状第2号線の新橋〜虎ノ門区間開通予定。
- 北陸新幹線の長野駅〜金沢駅間が年度内に開通予定。東京〜金沢間が約2時間20分で結ばれる。
- 東北縦貫線(上野駅〜東京駅、愛称:上野東京ライン)が年度内に開通予定。これにより40年ぶりに宇都宮・高崎・常磐線の東京駅乗り入れ定期列車が復活することになる。
- 中央リニア新幹線が2014年度中に着工予定。
- 希土類を使わない産業用モーターの発売を日立が目指している[11]。
2015年
- 地域インターネットレジストリ(RIR)におけるIPv4アドレス在庫のAfriNICを除く地域での枯渇が予測される[12](IPアドレス枯渇問題)。
- 北海道新幹線(新青森駅〜新函館駅)が年度内に開通予定。開通すると、北海道から九州まで新幹線で結ばれることになる。
- 仙台市地下鉄東西線開業予定。
- 築地市場に代わる新たな中央卸売市場として、東京都江東区豊洲に豊洲新市場が開場する予定。
- 米ゼネラルモーターズは燃料電池車の生産台数について、年間100万台を目指している。
- 700MHzの電波帯域をNTTドコモとKDDIは1月に、イー・アクセスは12月にLTE用に利用する[13]。
- NASAが2006年に打ち上げた初の冥王星無人探査機ニュー・ホライズンズが冥王星に到達。
- 国際連合が定めたミレニアム開発目標の達成目標年。
- 紀の国わかやま国体(和歌山国体)開催
2016年
- 日本で税や社会保障に関連した共通番号制度(マイナンバー)導入予定[14]。これと前後して、国や地方自治体の各機関におけるコンピュータ上の個人データを紐付ける国民ID制度も導入される[15][16][17]。
- 日本で民間宇宙旅行開始の予定。
- 環状第2号線の汐留〜豊洲区間開通予定。
- リオデジャネイロオリンピック(第31回夏季オリンピック)開催。
- リオデジャネイロパラリンピック(第15回夏季パラリンピック)開催。
- 希望郷いわて国体(岩手国体)開催
2017年
- 国民年金保険料はこの年までに月額16,900円の水準に引き上げられ、以降は物価水準に連動する。また、会社員の厚生年金保険料は18.3%に達し、以降は徴収率が固定される。
- 山手線で進めている線路への転落防止を目的とした可動式ホーム柵(ホームドア)の設置が、年度内に全駅で完了する予定[18] 。
- 中華人民共和国ではこの年内に人を月に送り込む計画がある。
- 愛顔つなぐえひめ国体(愛媛国体)開催
2018年
- 平昌オリンピック(第23回冬季オリンピック)開催。
- 平昌パラリンピック(第12回冬季パラリンピック)開催。
- ASEAN加盟10カ国の域内関税がゼロに。
- FIFAワールドカップロシア大会開催。
- アメリカ航空宇宙局がハッブル宇宙望遠鏡の後継機となるジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡を打ち上げ予定。ただし、2011年と2015年の打ち上げ延期に続き2018年の打ち上げも延期される可能性が有る。
- 福井しあわせ元気国体開催。
2019年
- 国立霞ヶ丘陸上競技場の建て替えによる新国立競技場完成予定。翌2020年に開催される東京オリンピックのメインス会場となる予定。
- 第18回アジア競技大会(開催地未定)。
- 現在の状態が続けば、日本の債務総額が家計の金融資産を上回り公的債務が支えられなく成る可能性がある[19]。
- インドの人口が中国を超え世界一になると予測される。
アニメーション
世相
世界
日本
- 福島第一原子力発電所事故をきっかけに原子力発電の是非を巡る議論がかつてない高まりとなった。
- 2011年より一部地域(東日本大震災で被災した地域)を除いて地上デジタル放送へ移行した(被災地域は翌年に移行)。
- 2010年代の始めには携帯電話の主流がフィーチャーフォンからスマートフォンへ移行した。また、同時期にはスマートフォンやタブレット端末の普及によりパソコンの売り上げが低下した[20]。
- 2013年には第2次安倍内閣による経済政策(アベノミクス)などにより円安・日経平均高が進んだ。
- 日本のメーカーのテレビの売り上げが、若年層のテレビ離れや海外メーカーとの競争に負けたことなどにより、低下が著しくなった[21]。
- 2000年代に引き続いて、都市部の若年層を中心に自動車に興味を示さない人間が増え続ける傾向にあり、自動車業界が不振に陥った。背景には、趣味・価値観の多様化や若者の所得の低下などが言われた[22]。
- 2000年代から問題になっていた振り込め詐欺が引き続いて猛威をふるう。
- 若年層の政治的無関心が2010年代に入って一層高まり続け、投票率の低下により組織票を持つ政党が有利になる傾向となった。
- 2014年の東京都知事選挙での田母神俊雄の善戦により、2000年代は軽く見られることもあったネット右翼(ネット保守)と呼ばれる若年層を無視できない段階に入ったと言われるようになった[23]。
脚注
注釈
出典
- ↑ 津田大介・牧村憲一 『未来型サバイバル音楽論―USTREAM、twitterは何を変えたのか』 中央公論新社、2010年、18頁など。ISBN 978-4121503701。
- ↑ World's tallest building opens in Dubai BBC News(2010年1月4日)
- ↑ 4-6月期の日本GDP、中国を下回る(The Wall Street Journal 日本版 2010年8月16日)
- ↑ テンプレート:Cite news
- ↑ 世界人口白書 2010
- ↑ 厚生年金の支給開始年齢(日本年金機構:年金用語集/更新日:2013年2月21日)
- ↑ 厚生年金の支給開始年齢が65歳に引き上げ(東京都電設工業厚生年金基金)
- ↑ ニュース - 環境 - 大規模な太陽嵐で電力停止の危険性(記事全文) - ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト
- ↑ 太陽活動に異常―黒点や磁極反転に異例の現象(ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 2013年11月12日)
- ↑ パナソニック、2013年(平成25年)に誕生する藤沢市の「スマートタウン構想」を発表(家電Watch 2011年5月26日)
- ↑ 日立 レアアース使わない産業用モーター開発 - SankeiBiz(サンケイビズ)
- ↑ IPv4 Address Report
- ↑ 携帯届きやすいプラチナバンド、3社に割り当て : 経済ニュース : マネー・経済 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
- ↑ 「マイナンバー」16年から 税や年金手続き簡単に 政府が法案提出(日本経済新聞 2013年3月1日)
- ↑ 「国民ID」制度の姿はこうなる(ITpro 2010年7月9日)
- ↑ 新IT戦略(2):国民ID制度の導入について(ITmedia:オルタナティブ・ブログ 2011年8月9日)
- ↑ マイナンバーと国民ID(CyberGovernment Online (HITACHI) 2012年6月27日)
- ↑ 山手線全29駅に転落防止のホームドア「可動式ホーム柵」導入へ(Garbagenews.com 2008年6月4日)
- ↑ レコードチャイナ:国民1人当たり750万円の借金!劣等生になった日本―台湾メディア
- ↑ 販売台数2けた減、PC需要は「近年になく落ち込み大きい」――“復活の処方箋”は?(ITmediaニュース 2013年11月13日)
- ↑ テンプレート:Citenews
- ↑ 若者はもはや「クルマ離れ」ではなく「クルマ嫌い」になったSAPIO(niftyニュース)2010年5月6日
- ↑ テンプレート:Citenews
関連項目
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