栗原市
栗原市(くりはらし)は、宮城県の北西部に所在する市である。2005年(平成17年)に栗原郡全町村が合併して発足した。
目次
地理
宮城県の北部、西側にあり、北部は岩手県、北西部は秋田県と境界を接する。最高地点は奥羽山脈に属する市域北西端に位置する標高1,627.4mの栗駒山である。市域は、奥羽山脈から流れ下る迫川・二迫川・三迫川および、旧迫川の支流の流域におさまる。北西部は山地。中部・南東部では河川沿いの低地と丘陵線が東西に伸びて入り混じる。低地部分のほとんどは水田として利用されている。
栗原市は、成立した2005年(平成17年)4月1日をもって宮城県最大の面積を持つ地方自治体となった[1]。栗駒山を含む栗駒山地は栗駒国定公園に指定されている[2](cf.)。伊豆沼と内沼はラムサール条約の日本の登録湿地である (cf.)。
市内には、合併前の町村を単位とする市街地が点在する。そのうちの最大は市役所が設けられている築館地区(旧・築館町)である。合併前には、北部の金成町は一関都市圏に、南部の高清水町は古川都市圏に含まれており、築館町を中心とする都市圏は形成されていなかった。また、築館町中心部寄りではあるが、東北新幹線のくりこま高原駅が、若柳町中心部とを結ぶ国道398号沿いの志波姫町にできるなど、築館の栗原郡全体に対する絶対的な求心力は無い。しかし、築館には、栗原市役所や栗原中央病院が置かれ、東北自動車道の築館インターチェンジ経由で仙台市と結ばれる高速バスが、栗原市役所以遠で市内各方面に分かれるなど、築館が相対的首位に立っている。
気象
アメダスは2ヶ所置かれている
- 最高気温極値(1976/11 - )37.3℃(1994年8月14日)
- 最低気温極値(1976/11 - )-18.3℃(2012年2月3日)[3]
ケッペンの気候区分で駒の湯は亜寒帯湿潤気候の本州では比較的珍しいdfbに属する。 テンプレート:Weather box
自然地形、ほか
- 山岳:栗駒山
- 河川:迫川(はさまかわ)、旧迫川(きゅうはさまかわ)、二迫川(にはさまかわ)、三迫川(さんはさまかわ)
- 湖沼:伊豆沼、内沼、昭和湖(栗駒山の火口湖)
- ダム:花山ダム(迫川)、荒砥沢ダム(二迫川)、栗駒ダム(三迫川)
隣接する自治体
- cf. 岩手県の市町村全図 :≪外部リンク≫ テンプレート:Cite web
- cf. 秋田県の市町村全図 :≪外部リンク≫ テンプレート:Cite web
- cf. 宮城県の市町村全図 :≪外部リンク≫ テンプレート:Cite web
市内の地域
- cf. テンプレート:Cite web
歴史
年表
近世以前
- テンプレート:Anchor神亀元年(724年):白山神社(在・築館地区)が建立されたと伝えられる[4]。
- テンプレート:Anchor神護景雲3年2月(769年3月):ヤマト王権が蝦夷征討の布石として城柵の一つ・伊治城(これはりじょう)を陸奥国伊治郡内(のちの栗原郡城生野村、現・宮城県栗原市築館城生野[つきだてじょうの]と推定される)に築き、坂東の民を移住させる。
- テンプレート:Anchor宝亀11年3月22日(780年5月1日):宝亀の乱(伊治呰麻呂の乱)が勃発(元・夷俘で陸奥国伊治郡[注 1]の大領を務める伊治呰麻呂が伊治城でヤマト王権に反旗を翻し、夷俘軍を率いて按察使・紀広純らを殺害。伊治城は焼失する)。
- テンプレート:Anchor延暦15年(796年):何度も再建が繰り返された伊治城の、最後の記述あり。
- 9世紀:細倉鉱山が発見されたとの伝承が残る。
- 平安時代末期:寒湯(温湯温泉の前身)が開湯される。
- 天文年間(1532- 1555年):この頃、大崎氏の居城として高清水城が築かれたと伝えられる。
- 16世紀後半:細倉鉱山が発見されたとの文献が残る。
- テンプレート:Anchor江戸時代初期:奥州街道の延長路として松前道が整備され、後世の栗原市にあたる地域の宿場としては高清水宿(現・高清水町地区内)・築館宿(現・築館地区内)・宮野宿(現・築館下宮野)・沢辺宿(現・金成沢辺)・金成宿(現・金成中町ほか)・有壁宿(ありかべしゅく、現・金成有壁)が成立する。cf. 国道4号#歴史。
近代以降
- 1895年(明治28年):細倉鉱山が鉛の生産量において日本一となる。
- 1918年(大正7年)12月15日:栗原軌道(のちの栗原鉄道、栗原電鉄。くりはら田園鉄道の前身)が設立される。
- 1921年(大正10年)12月20日:栗原軌道線(くりはら田園鉄道線の前身)の石越- 沢辺間が開業。
- 1934年(昭和9年):三菱鉱業が細倉鉱山の経営権を獲得し、本格的開発に乗り出す。
- 1941年(昭和16年)12月3日:栗原軌道が「栗原鉄道」に改称。
- 1944年(昭和19年)11月20日:栗駒山が小規模な水蒸気爆発による噴火を起こし、昭和湖が形成される。
- テンプレート:Anchor1955年(昭和30年):正藍染(最古の藍染め技術)の伝承者である千葉あやのが、文部省(現・文部科学省)により、重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定される。
- 1959年(昭和34年)9月27日:伊勢湾台風
- テンプレート:Anchor1967年(昭和42年):伊豆沼と内沼が水鳥の生息地としての評価から、国の天然記念物に「伊豆沼・内沼の鳥類及びその生息地」名義で指定される。
- テンプレート:Anchor1968年(昭和43年)7月22日:栗駒山を中心とした、岩手県・秋田県・宮城県・山形県にまたがる大規模な山岳地帯が、栗駒国定公園に指定される[2]。
- 1969年(昭和44年)2月25日:栗原鉄道が「栗原電鉄」に改称。
- 1971年(昭和46年)9月9日:山王囲遺跡が国の史跡に指定される。
- テンプレート:Anchor1982年(昭和57年):伊豆沼の広範な地域が、水鳥の集団渡来地としての評価から、国設鳥獣保護区(現・国指定鳥獣保護区)に「伊豆沼鳥獣保護区」名義で設定(指定)される。
- 1985年(昭和60年)2月11日:志波姫町(現・栗原市志波姫地区)が東京都の五日市町(現・あきる野市五日市)と友好姉妹都市盟約を締結。
- テンプレート:Anchor1985年(昭和60年)3月:高清水町桂葉(現・栗原市高清水桂葉)の湧水が名水百選(昭和の名水百選。環境庁[現・環境省])の一つに「桂葉清水」名義で選定される。
- テンプレート:Anchor1985年(昭和60年)9月13日:伊豆沼と内沼が共にラムサール条約に登録される(cf. 日本の登録湿地)。
- 1987年(昭和62年)2月:1970年代以降、経営困難となっていた細倉鉱山が、閉山する。
- テンプレート:Anchor1991年(平成3年):当時の築館町教育委員会等が伊治城址の発掘調査を開始(翌年まで)。
- 1993年(平成5年)12月15日:栗原電鉄(くりはら田園鉄道の前身)が第三セクターとなる。
- 1995年(平成7年)4月1日:栗原電鉄が「くりはら田園鉄道」に改称。電化を廃止し、ワンマン運転を開始する。
- テンプレート:Anchor1996年(平成8年):伊豆沼と内沼に形成されている、水鳥のいる音環境が、「日本の音風景100選」(環境庁[現・環境省])の「鳥」部門に「伊豆沼・内沼のマガン」名義で選定される。
- テンプレート:Anchor1999年(平成11年)7月16日:栗駒町松倉西山(現・栗原市栗駒松倉西山)にある棚田が「日本の棚田百選」(農林水産省)の一つに選定される。
- 2005年(平成17年)4月1日:栗原市が誕生[5]。
- 2005年(平成17年)9月15日:市章を制定[1][6]。
- 2006年(平成18年)2月10日:志波姫町(現・栗原市志波姫地区)とあきる野市との友好姉妹都市盟約を栗原市が引き継ぎ、栗原市とあきる野市が友好姉妹都市の盟約を締結。
- 2007年(平成19年)3月31日:くりはら田園鉄道が全線廃止される。
- 2007年(平成19年)4月1日:くりはら田園鉄道全廃後の栗原市が、県にバス代行事業を委託し、ミヤコーバスによる路線バス事業が市内で始まる。
- 2007年(平成19年)11月30日:明治以降の日本の近代化に、鉛・亜鉛等の非鉄金属の生産を通して貢献した細倉鉱山関連遺産が、遺構の良好な保存状況も併せて評価され、近代化産業遺産群33(経済産業省)に「東北鉱山」の一つとして認定される[7]。
- 2008年(平成20年)6月14日午前8時43分:栗原市近隣を震央とするマグニチュード7.2の岩手・宮城内陸地震が発生し、甚大な被害を受ける。栗原市一迫では最大震度6強を観測した。
- 2009年(平成21年)4月6日:北朝鮮のミサイル実験により、東北地方上空をミサイルが通過する。
- テンプレート:Anchor2011年(平成23年)3月11日午後2時46分:三陸沖を震源とするマグニチュード9.0の東北地方太平洋沖地震が発生し、栗原市は震度7〜震度5強(築館地区で7、若柳・高清水・一迫・志波姫の4地区で6強、栗駒・瀬峰・金成の3地区で6弱、鶯沢・花山の2地区で5強[8])の激しい揺れに襲われ、被災した[9]。
- 2011年(平成23年)9月21日:台風15号により、築館太田地区にて水田が決壊。土砂が民家に押し寄せ小屋1棟が倒壊、2トントラックが埋まる等の被害が出た。
- 2012年(平成24年)2月2日:大雪により、駒の湯地区で108cmの積雪。
行政区域の変遷(市町村制施行以後)
行政
合併後の選挙で市長が選出されるまでは佐藤覚次郎(前・一迫町長)が市長職務執行者を務めた。旧町村の各役場はそれぞれ総合支所として機能する。ただし、旧築館町役場は、栗原市役所と築館総合支所が併設されていたが、2010年(平成22年)1月に築館総合支所が移転し、栗原市役所本庁舎となった。旧金成町役場には栗原市役所金成庁舎と金成総合支所が併設される。
歴代市長
歴代 | 氏名 | 就任年月日 | 退任年月日 | 備考 |
---|---|---|---|---|
|
佐藤覚次郎 | 2005年(平成17年)4月1日 | 2005年(平成17年)4月30日 | 市長職務執行者(前・一迫町長) |
初代 | <center>佐藤勇 | 2005年(平成17年)5月1日 | <center>(現職) | 3期目在任中、東日本大震災が発生。後述 (1)。 |
姉妹都市・友好都市
- 1985年(昭和60年)2月11日、志波姫町(現・栗原市志波姫地区)と東京都の五日市町(現・あきる野市五日市)が友好姉妹都市の盟約を締結[11]。1995年(平成7年)9月に五日市町があきる野市に編入されたのを受けて、志波姫町は1996年(平成8年)1月28日に改めてあきる野市と友好姉妹都市盟約を締結した[11]。その後、2005年(平成17年)4月1日に志波姫町を含む栗原郡10町村が合併して栗原市が誕生したことから、栗原市とあきる野市は2006年(平成18年)2月10日、友好姉妹都市の盟約を締結した[11]。
警察
郵便
郵便局 テンプレート:Col テンプレート:Col 簡易郵便局 テンプレート:Col
医療
- 救急指定病院
- 宮城県立循環器・呼吸器病センター(地方独立行政法人宮城県立病院機構による運営)
- 栗原市立栗原中央病院:災害拠点病院。
- 栗原市立若柳病院
- 栗原市立栗駒病院
経済
農業
古くから稲作が中心の農業が営まれているが、近年テンプレート:いつではトマトやパプリカなどの作物も生産されている。
鉱業
1000年以上の歴史を誇る細倉鉱山のほか、20世紀初頭には褐炭を産出する岩倉炭鉱が稼働するなど、地下資源が豊富で盛んに開発が進められてきたが、現在は全ての事業が終了しており、鉱業施設の跡を偲ぶ細倉マインパークなどが残るのみである。
工業
ラムサール条約に登録された伊豆沼、内沼が築館地域を流れる荒川の下流に存在するため、市中心部の工業化は遅れている。一方で、迫川が流れる旧・金成町地区、旧・若柳町地区などに工場は集中している。 テンプレート:節stub
- 主要産業
トヨタ自動車東日本若柳工場
- 産業人口
縫製
1980年頃までは縫製工場が集中していたが、閉鎖などで現在はほとんど残っていない[1]。
地域
人口
テンプレート:人口統計 人口 74,149人 (2013年8月現在)
教育
学校名等は基本的に五十音順で記載している。
高等学校
中学校・小学校
小中学校については各旧自治体の項目を参照
特別支援学校
学校教育以外の施設
交通
市内には、東北自動車道、東北新幹線、東北本線、国道4号、398号、457号などの主要な交通線が存在している。 かつては仙北鉄道築館線が瀬峰駅から現在の宮城交通築館営業所付近にあった築館駅まで伸びていたが、アイオン台風によって路床に被害を受けて廃止され、バス路線に転換された。また、くりはら田園鉄道も2007年(平成19年)3月31日をもって廃止となり、バスに転換された。
鉄道路線
バス路線
詳細は、ミヤコーバス、グリーン観光バス、及び東日本急行を参照のこと。
- 高速バス
- 路線バス(栗原市民バス)
- 古川線 栗原中央病院 - 古川駅前(ミヤコーバス)
- 一関線 一関駅前 - 栗駒病院前(グリーン観光バス)
- 築館一関線 一関駅前 - 旧築館税務署前(ミヤコーバス)
- くりはら田園線 細倉荒町 - 栗駒病院前 - 石越駅前(ミヤコーバス)
- 若柳線 栗原中央病院 - 石越駅前(グリーン観光バス)
- 花山線 花山富野原 - 築館総合支所前(グリーン観光バス)
- 岩ヶ崎線 栗駒病院前 - 旧築館税務署前(グリーン観光バス)
- 玉沢線 栗原中央病院 - 県立瀬峰病院前(ミヤコーバス)
- 鶯沢線 細倉荒町 - 栗原中央病院(山口タクシー)
- 真坂岩ヶ崎線 栗駒病院前 - 一迫公民館(栗原観光タクシー)
- この他、各地区のタクシー会社等が運行する地域内路線や、地区民バス等がある。
道路
高速道路
- 東北自動車道
- 市内にあるインターチェンジ
- 市内にあるパーキングエリア
一般国道
県道
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
博物館
</div>- こもれびの森 森林科学館
- 愛藍人・文字(藍染の里)
その他の関連事象
栗原市にゆかりのある著名人
出身著名人
- 奈良時代の生まれ
- 江戸時代の生まれ
- 明治生まれ
- 鈴木文治:政治家(友愛会会長)、労働運動家。1885年9月4日、栗原郡金成村(のちの金成町域)生まれ。
- 真砂石三郎:元力士。1897年12月14日生まれ。
- 千葉あやの:染色職人(正藍染伝承者。重要無形文化財保持者[人間国宝。cf. 1955])。1889年11月14日生まれ。
- 白鳥省吾:詩人。1890年2月27日、栗原郡築館町生まれ。
- 長谷川峻:政治家(元・法務大臣)。1912年4月1日、栗原郡若柳町生まれ。
- 昭和生まれ
- みなみらんぼう:シンガーソングライター。1944年12月13日、栗原郡志波姫町生まれ。
- 星吉昭:シンセサイザー奏者(姫神のメンバー)。1946年3月16日、栗原郡若柳町生まれ。
- 二階堂正宏:漫画家。1948年2月10日、栗原郡若柳町生まれ。
- 大空遊平:漫才師。1951年5月3日、栗原郡金成村(のちの金成町内)生まれ。
- 高望山大造:元・大相撲力士。1957年8月15日、栗原郡築館町生まれ。
- 高橋ジョージ:タレント。歌手(THE 虎舞竜のメンバー)。俳優。1958年8月13日、栗原郡栗駒町生まれ。
- 蘇武幸志:元・バレーボール選手。1959年1月27日、栗原郡鶯沢町生まれ。
- 高山広:俳優指導作家。1963年10月29日生まれ。
- かの香織:歌手。1963年11月1日、栗原郡高清水町生まれ。当地において造り酒屋も経営。
- 櫻田淳:政治学者、評論家。1965年1月29日生まれ。
- 泉田純至:プロレスラー。元・大相撲力士。1965年10月28日、栗原郡一迫町生まれ。
- 宮藤官九郎:脚本家、放送作家、演出家。俳優。作詞家・作曲家。映画監督。ミュージシャン、ギタリスト。1970年7月19日、栗原郡若柳町生まれ。
- 高橋千恵美:陸上競技選手。1976年2月16日、栗原郡若柳町生まれ。
- 千田和江:地方競馬騎手。1981年7月10日、栗原郡金成町生まれ。
- 狩野英孝:お笑いタレント。1982年2月22日、栗原郡栗駒町生まれ。
- 佐藤弘祐:プロ野球選手。1985年11月29日生まれ。
- 村上世一:陶芸家。金成村(のちの金成町内)生まれ。
- 三浦明博 - 小説家
- ハルカ - ミュージシャン(ジン)
- 平成生まれ
- 生年・時代未確認
その他のゆかりある著名人
脚注
出典
関連項目
外部リンク
- ↑ 1.0 1.1 1.2 テンプレート:Cite web
- ↑ 2.0 2.1 テンプレート:Cite web
- ↑ 気象庁(築館の観測史上1 - 10位の値
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ 5.0 5.1 テンプレート:Cite web
- ↑ 図典 日本の市町村章 p36
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ 8.0 8.1 テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ 11.0 11.1 11.2 テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
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