東成瀬村
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東成瀬村(ひがしなるせむら)は秋田県の南東端に位置する村。住民アンケートを受けて、ほかの市町村とは合併しない道を選んだ。
目次
概要
- 栗駒国定公園を擁する奥羽山脈の懐に抱かれた緑豊かで星が煌めく村。
- 行政区は、田子内(たごない)、岩井川(いわいかわ)、椿川(つばきかわ)の3地区に分かれている。村の中央部を成瀬川が縦断し、これに沿って大小20の集落が点在している。
- 役場所在地は田子内地区で、周辺には、小学校、中学校、保育園、村民体育館、診療所、薬局、農協、郵便局など行政機能が集中している。
- 気候は一般に冷涼で、年平均気温は11度前後で1~2月は寒さが厳しい、積雪は2m、多いときは3〜4m に達し、積雪期間が5 ヶ月におよぶ特別豪雪地帯となっている。四八豪雪では1974年(昭和49年)2月14日に田子内地区の観測地点で420cmの積雪を記録し、観測史上最高積雪となっている。
- キャッチフレーズは「さわやかなるせ 仙人の郷」
地理
- 秋田県庁から約100km 離れた東南端に位置し、東は奥羽山脈を境に岩手県に、南は宮城県に接し、東西に17km 南北に30km と細長い地形をなし、総面積203.57km2のうち山林原野が93%、このうち国有林がほぼ半分を占めている。
- 標高は最低で160m(田子内橋)、最高1,424m の秣岳(まぐさだけ)となっている。
歴史
- 1876年(明治9年)
- 11月 - 手倉川原村、椿台村、桧山台村が合併。椿川村が成立。
- 1889年(明治22年)
- 1954年(昭和29年)
- 1967年(昭和42年)
- 1989年(平成元年)
- 2003年(平成15年)
- 2009年(平成21年)
- 10月 - 日本で最も美しい村連合に加盟。
- 12月 - 平和首長会議に加盟。
村政
- 村長:佐々木哲男(1941年生まれ)
- 1998年(平成10年)5月、32年ぶり新人2人による一騎打ちを制し初当選となる。現在5期目。
- 主な役職:秋田県町村会副会長(平成17年6月〜)、秋田県市町村総合事務組合管理者(平成17年10月〜)、湯沢雄勝広域市町村圏組合副管理者(平成17年3月〜)
- 2014年(平成26年)5月20日に村長選が告示され無投票で再選となった。
- 副村長:谷藤眞吾(2011年4月1日~)
歴代村長
代 | 氏名 | 就任 | 退任 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | 平良直松 | 1889年(明治22年)5月 | 1893年(明治26年)5月 | |
2 | 佐々木吉郎右エ門 | 1893年(明治26年)7月 | 1897年(明治30年)7月 | |
3 | 志賀茂助 | 1897年(明治30年)10月 | 1901年(明治34年)10月 | |
4 | 佐々木惣治 | 1901年(明治34年)10月 | 1913年(大正2年)10月 | |
5 | 小松俊三 | 1913年(大正2年)10月 | 1916年(大正5年)3月 | |
6 | 高橋倉太 | 1917年(大正6年)3月 | 1920年(大正9年)4月 | |
7 | 谷藤平治 | 1921年(大正10年)6月 | 1937年(昭和12年)6月 | |
8 | 備前善蔵 | 1937年(昭和12年)9月 | 1941年(昭和16年)5月 | |
9 | 佐々木吉郎右エ門 | 1941年(昭和16年)6月 | 1946年(昭和21年)11月 | |
10 | 平良伝之助 | 1947年(昭和22年)4月 | 1928年(昭和25年)4月 | |
11 | 佐藤又一 | 1928年(昭和25年)5月 | 1966年(昭和41年)5月 | |
12 | 菊地壽吉 | 1966年(昭和41年)6月 | 1982年(昭和57年)5月 | |
13 | 後藤幸司 | 1982年(昭和57年)6月 | 1998年(平成10年)5月 | |
14 | 佐々木哲男 | 1998年(平成10年)6月 | 現職(4期目) |
行政機構
- 総務財政課
- 企画商工課
- 税務会計課
- 民生課
- 農林課
- 建設課
- 成瀬ダム課
- 事務局(議会・選挙管理委員会・監査委員・農業委員会・教育委員会)
財政
- 当初予算規模(2014年度)
- 一般会計 31億200万円
- 特別会計 15億2,165万円
- (合計 46億2,365万円)
議会
- 定数:10人(2003年(平成15年)1月1日施行)
- 任期:2011年(平成23年)4月30日~2015年(平成27年)4月29日
- 議長:冨田義行(現在3期目)
- 副議長:佐々木謙吉(現在3期目)
- 2014年(平成26年1月)から地方自治法第102条を運用した「通年議会」を施行している。
産業
2010年(平成22年)時点の就業人口は、1,443人。うち第一次産業は238人(16.5%)、第二次産業は534人(37.0%)、第三次産業は671人(46.5%)となっている[4]。
2009年(平成21年)現在の経済センサスによる産業区分で最も多い従事者数は建設業で182人。以下、製造業70人、運輸・通信業69人、卸売・小売業・飲食店66人の順となっている。
企業
- 秋田栗駒リゾート株式会社
金融機関
- JAバンク:こまち農業協同組合東成瀬支店(ATM有)-指定金融機関
- ゆうちょ銀行:日本郵政株式会社東成瀬郵便局(ATM有)
地域
人口
- 1876年(明治9年)の記録では、戸数の合計528軒、人口3,001人であった。その後の戸数と人口の変遷は1923年(大正12年)には697軒・4,596人、1933年(昭和8年)では750軒・5,222人であり、戦前は増加していた。
- 1947年(昭和22年)の6,220人をピークに年々減少し、2008年(平成20年)3月末現在で3,000人となり、ピーク時の48%まで落ち込んだ。
- 1970年(昭和45年)には過疎地域に指定されている。
教育
- 乳幼児から成人まで幅広い教育施策に取り組んでいる。特に学校教育においては、村営塾の開設や村単独で外国語教師を設置するなど「教育の村」として県内外や韓国など海外からの視察が多い。
- 村独自で高校以降の学業に対する無利子の奨学金制度を創設しており手厚い人材育成を行っている。
小学校
- 東成瀬村立 東成瀬小学校
- 2001年(平成13年)4月3日、東成瀬小学校・岩井川小学校・椿川小学校・大柳小学校の4校が統合して、新生「東成瀬小学校」が誕生した。
中学校
- 東成瀬村立 東成瀬中学校
- 1947年(昭和22年)4月1日に創設し、本校を田子内地区に、分校を岩井川・椿川・大柳のそれぞれの小学校に併設していた。
- 1962年(昭和37年)1月には桧山台分校が新築され5校舎となった。
- 1975年(昭和50年)11月28日に統合中学校の起工式が挙行され、1977年(昭和52年)4月1日から各分校を新校舎に統合し現在に至っている。
社会施設
医療
- 東成瀬村国民健康保険診療所
- 大柳へき地診療所
- ジュネス・デンタルクリニック
- 東成瀬調剤薬局
保健
- 東成瀬村保健センター
老人福祉
- 特別養護老人ホーム 幸寿苑
- 東成瀬村ケアサポート 仙人の杜
- 東成瀬村訪問介護事業所 仙人の杜
- 東成瀬村訪問入浴介護事業所 仙人の杜
- デイサービスセンター なるせ
児童福祉
- なるせ保育園
- なるせ児童館
教育・文化
- 東成瀬小学校
- 東成瀬中学校
- 学校給食センター
- ふる里館
- まるごと自然館
- 青少年山の家
スポーツ・レジャー施設
- ジュネス栗駒スキー場
- ジュネス栗駒パークゴルフ場(夏期)
- 村民体育館
- 多目的グラウンド
- 総合グラウンド
- 東成瀬球場
- ライフル射撃場
- 須川湖キャンプ場(夏期)
- ぽよよんの森オートキャンプ場(民間)
公営住宅
- 村営住宅「二階野」
コミュニティ
- 地域交流センター「ゆるるん」
- 成瀬川交流館
- 大柳センター
- 農村交流センター
- 岩井川コミュニティ広場
- 平良交流センター
産業
- 農村交流センター
- 畜産センター
- 農産物加工所
- ミニライスセンター(3箇所)
- 育苗センター
消防・防災
- 湯沢雄勝広域消防東成瀬分署
- 防災情報センター
- 岩井川地区防災センター
公園・展望台
- ジュネス栗駒カントリーパーク
- 不動滝ほたるの里公園
- 農村公園「たいら」
- 農村公園「じょうか」
- 農村公園「てぐら」
- 農村公園「つばきかわ」
- 農村公園「ひるかわ」
- ビューポイント栗駒
- 大柳沼自然公園
- 天正の滝自然公園
宿泊
- 須川温泉 栗駒山荘
- やまゆり温泉 ホテル・ブラン
- 後藤旅館
- なるせ温泉 東仙歩(とうせんぼ)
- クラフトペンションきのこ小舎(こや)
- グルメペンションお山の大将
- 民宿 はんだ
- 民宿 天郷乃湯(てんごうのゆ)
その他
- 建設機械車庫(除雪センター)
- 永伝寺
- 龍泉寺
交通
道路
バス
生活圏
- 当村は雄勝郡に属しており、湯沢市と地域行政が一体となっている(県議会議員の選挙区も「湯沢市・雄勝郡選挙区」)。しかし、湯沢市と同村の間には山々が連なり、主要道路はすべて横手市と通じていることから、生活圏は横手市との関係が強い。
- 電話
- 郵便
- 警察
- 路線バス
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
自然公園・景勝
- 栗駒国定公園…栗駒山・秣岳・昭和湖・須川湖・野鳥の森・イワカガミ湿原・シラタマノキ湿原・焼石岳。
- 天正の滝自然公園…郷土の森、天正の滝。
- 赤滝…能恵姫伝説が残る神秘の滝。雨乞いの滝。
- 不動滝…仙人修行のハイライト「滝打たれ」はこの滝で行われる。
- 栗駒山・栃ケ森山周辺森林生態系保護地域…登山道以外は入山禁止地域。
- すずこやの森…若木から樹齢200年ほどの母樹が村の管理により育っているブナ林、映画釣りキチ三平のロケ地となっている。
- 仙北街道
温泉
- やまゆり温泉
- 須川温泉
- なるせ温泉
イベント
- 仙人修行
出身有名人
脚注
外部リンク
- 東成瀬村ホームページ (東成瀬村役場)