高梁市
高梁市(たかはしし)は岡山県の市である。県中西部に位置し、広島県と境を接する。
目次
地理
岡山県中西部に位置し、市域の大半が吉備高原上の丘陵地からなる中山間地域である。平成の大合併により広島県と接するようになるなど大幅に市域が広がったが、岡山市や倉敷市のように旧国を跨いでの合併は無かったため、全域が総社市と同じ旧備中国に属している。
その他、天気予報の区分では高梁地域に属し、岡山地域、東備地域、倉敷地域、井笠地域とともに岡山県南部(県南)として扱われる。ただ、メディアなど県域単位での天気予報では新見と倉敷は出ても、その間の高梁は出ないことが多いため、最寄の場所の予報を見るしかない。高梁の場合、市役所間の直線距離は倉敷市までが27km, 新見市までが24.6kmでわずかに新見の方が近いが、同じ県南に属するという理由から倉敷ないし岡山の天気予報を見ることになる。
地形
市内を高梁川が北から南に貫流し、支流の有漢川、成羽川が合流する。
中心市街地は高梁川と成羽川が合流する地点の北側に広がる盆地に位置し、城下町の古い町並みを残している。また、成羽地区の中心地も成羽川沿いの盆地で城下町であった。
標高は盆地部が50 - 100m, 丘陵部で300 - 500m程度。
- 山:臥牛山、愛宕山、稲荷山、高倉山、鵜足山、高村山、木野山、鶴首山、鵠ノ森山、高丸山、須志山、大岳山、弥高山、日野山、猪辻山、長松寺山、高山、小吹山、天神山、猿神山、大山、大池山
- 川:高梁川、有漢川、成羽川
- 湖沼:備中湖(新成羽川ダム)
- 峡谷:磐窟渓、羽山渓
隣接市町村
人口
人口は年々減少しており、年齢別に見ると典型的な中山間地域の特徴として高齢化率が全国平均よりも高い。しかし、市内にある吉備国際大学や同短期大学部の影響で19歳~23歳までの年齢別人口は突出して多く、学生の町であることが見てとれる。 テンプレート:人口統計
歴史
近代以前
江戸時代、四国の伊予松山藩に対し備中松山藩とよばれていたが、戊辰戦争において備中では旧幕府軍につき、いっぽう伊予側は新政府軍についた。そのため明治維新後の廃藩置県では伊予松山藩を松山藩とし、備中松山藩は高梁藩と呼称を改められて現在の高梁市の前身となった。
- 古代 - 現市域の高梁川以東の大部分は賀陽郡、以西の大部分は下道郡(時期によっては小田郡・後月郡も混在)であった。のちに東部は上房郡・西部は川上郡として分立。
- 江戸時代 - 備中松山藩・成羽藩が成立し、城下町・陣屋町が形成される。
- 1871年(明治4年) - 廃藩置県により高梁県・成羽県となる。
- 1871年(明治4年)11月15日 - 備中・備後の11県が統合して深津県(小田県)が設置される。
- 1875年(明治8年)12月10日 - 小田県が岡山県に統合される。
高梁市(初代)
- 1889年(明治22年)6月1日 - 町村制施行。上房郡高梁町ほか以下の村が発足。
- 1926年(大正15年)6月20日 - 伯備線の備中高梁駅が開業。
- 1929年(昭和4年)5月10日 - 高梁町が松山村を編入する。
- 1954年(昭和29年)5月1日 - 上房郡高梁町・津川村・川面村・巨瀬村と川上郡玉川村・宇治村・松原村・高倉村・落合村の1町8村が合併して市制施行、高梁市(旧)となる。
- 1955年(昭和30年)2月1日 - 上房郡中井村を編入する。
- 1970年(昭和45年)5月1日 - 上房郡賀陽町佐与谷地区の一部(大字上竹・西の各一部)を編入。
高梁市(2代)
経済
商業
- 主な商業施設
産業
農業
主な企業
地域
教育
大学・短大
高等学校
- 岡山県立高梁高等学校
- 岡山県立高梁城南高等学校
- 高梁市立宇治高等学校(定時制)
- 高梁市立松山高等学校(定時制)
- 岡山県高梁日新高等学校
中学校
- 高梁市立高梁中学校
- 高梁市立高梁北中学校
- 高梁市立高梁東中学校
- 高梁市立成羽中学校
- 高梁市立川上中学校
- 高梁市立備中中学校
- 高梁市立有漢中学校
小学校
- 高梁市立高梁小学校
- 高梁市立玉川小学校
- 高梁市立津川小学校
- 高梁市立中井小学校
- 高梁市立松原小学校
- 高梁市立宇治小学校
- 高梁市立落合小学校
- 高梁市立川面小学校
- 高梁市立巨瀬小学校
- 高梁市立福地小学校
- 高梁市立成羽小学校
- 高梁市立川上小学校
- 高梁市立富家小学校
- 高梁市立西山小学校
- 高梁市立平川小学校(2013年4月より富家小に統合)
- 高梁市立湯野小学校(2013年4月より富家小に統合)
- 高梁市立有漢西小学校
- 高梁市立有漢東小学校
行政
市
高梁市役所は議会や窓口業務を行う本庁舎のほか、総務部の一部が入る分庁舎、産業経済部や教育委員会などが入る第二庁舎の3箇所に点在している。その他、各種申請など窓口業務の一部は4箇所の地域局と、9箇所の地域市民センターでも取り扱っている。
なお、新庁舎を既存駐車場一帯に建設中である。完成後、既存庁舎及び隣接する元市民会館は解体後駐車場として使用する(建設中は元市民会館跡地のみ仮設駐車場として運用している)。
名称 | 所在地 | 管轄地域 | 備考 |
---|---|---|---|
有漢地域局 | 高梁市有漢町有漢3387 | 旧有漢町域 | 高梁市有漢地域センター内 |
成羽地域局 | 高梁市成羽町下原1068-1 | 旧成羽町域 | 旧成羽町役場 |
川上地域局 | 高梁市川上町地頭1819-1 | 旧川上町域 | 旧川上町役場 |
備中地域局 | 高梁市備中町布賀29-2 | 旧備中町域 | 旧備中町役場 |
県の出先機関
国の出先機関
生活
- 公共施設
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- 高梁中央図書館
- 高梁市民体育館
- 高梁市民プール
- 神原スポーツ公園
- 総合文化会館
- 文化交流館
- 郷土資料館
- 有漢社会教育センター
- 成羽文化センター
- 成羽図書館
- 成羽武道館
- 高梁市成羽美術館
- 成羽歴史史料館・成羽民俗資料館
- 成羽神楽館
- 青少年研修センター
- 吉備川上ふれあい漫画美術館
- 川上郷土資料館
- 備中郷土館
- 景年記念館
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- 高梁郵便局
- 高梁鍛冶屋町郵便局
- 高梁木野山郵便局
- 津川簡易郵便局
- 川面郵便局
- 巨瀬郵便局
- 高梁玉川郵便局
- 宇治郵便局
- 高梁松原郵便局
- 備中高倉簡易郵便局
- 備中落合簡易郵便局
- 福地簡易郵便局
- 中井郵便局
- 有漢郵便局
- 上有漢郵便局
- 成羽郵便局
- 中郵便局
- 吹屋郵便局
- 日名簡易郵便局
- 坂本簡易郵便局
- 備中郵便局
- 湯野郵便局
- 平川郵便局
- 西山郵便局
- 吉備川上郵便局
- 大賀簡易郵便局
- 高山簡易郵便局
交通
道路
- 一般国道
- 一般県道
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- 岡山県道106号布賀油木線
- 岡山県道107号奈良備中線
- 岡山県道156号賀陽有漢線
- 岡山県道169号西方巨瀬線
- 岡山県道196号高梁停車場線
- 岡山県道293号宇戸谷高梁線
- 岡山県道294号下鴫川上線
- 岡山県道297号高山芳井線
- 岡山県道298号上大竹種線
- 岡山県道299号布賀地頭線
- 岡山県道300号宇治下原線
- 岡山県道301号落合高倉線
- 岡山県道302号宇治鉄砲町線
- 岡山県道309号巨瀬高倉線
- 岡山県道310号西方北房線
- 岡山県道312号宮地有漢線
- 岡山県道313号大野部備中線
- 岡山県道320号若代方谷停車場線
鉄道
- 中心となる駅:備中高梁駅
バス
姉妹都市・提携都市
国際姉妹都市
友好都市
- テンプレート:Flagicon 筑西市(茨城県、1979年に合併前の旧下館市と締結し、筑西市とは2007年締結)
その他
通信
電話
市内は高梁MAに属し、市外局番は0866(20~29,40~59) となっている。
郵便
郵便番号(郵便区番号)と集配局の対応は以下の通り。
- 高梁郵便局:716-00xx、716-85xx、716-86xx、716-87xx、716-01xx、716-13xx、719-21xx
- 吉備川上郵便局:716-02xx
- 備中郵便局:716-03xx、719-23xx
- 宇治郵便局:719-22xx
- 中井郵便局:719-24xx
メディア
新聞
- 山陽新聞高梁支局
放送
- ケーブルテレビ
かつては公営の高梁市成羽有線テレビジョンも存在していたが、高梁市情報化計画により廃止となった。
- 地上波テレビ放送
市の中心部では高梁UHF局と高梁松山局が同じ場所にあるため、UHFアンテナ1本で全チャンネルを視聴することができるが、アナログ放送ではTSCテレビせとうちのみが中継局を設置していない。しかしデジタル放送ではTSCも置局しているため、ケーブルテレビに加入しなくても全チャンネルが視聴できるようになった。
高梁中継局が受信できる高梁市中心部では各世帯でアンテナを立てて直接受信で視聴している世帯が多いが、それ以外の山間地域では、設置されている中継局がNHKのみか、民放が置局していても在岡2局(RSK・OHK) しか置局していない場所が多いため、アンテナを立てずケーブルテレビに加入したり共同受信アンテナなどを経由して視聴している世帯が多い。
局名 | NHK岡山 | RSK | OHK | RNC | KSB | TSC | 出力 | 偏波面 | 送信 場所 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
総合 | 教育 | ||||||||||
デジタルリモコン番号 | 1ch | 2ch | 6ch | 8ch | 4ch | 5ch | 7ch | ||||
高梁 | デジタル | 33ch | 31ch | 19ch | 16ch | 15ch | 17ch | 14ch | 1W | 水平 | 愛宕山 |
高梁松山 | 39ch | 45ch | 37ch | - | - | - | - | 3W | |||
UHF | - | - | - | 22ch | 28ch | 26ch | - | 10W | |||
VHF | 2ch | 12ch | 7ch | - | - | - | - | 鶏足山 | |||
有漢 | デジタル | 22ch | 13ch | 19ch | 16ch | 34ch | 17ch | 14ch | 0.3W | 水平 | 権現山 |
アナログ | 49ch | 51ch | 41ch | 47ch | 43ch | - | - | 3W | |||
成羽 | デジタル | 22ch | 13ch | 43ch | 47ch | - | - | - | 0.1W | 水平 | - |
アナログ | 56ch | 54ch | 58ch | 62ch | - | - | - | 1W | |||
高梁中井 | アナログ | 50ch | 52ch | - | - | - | - | - | 1W | 水平 | - |
備中川上 | アナログ | 55ch | 53ch | 57ch | 59ch | - | - | - | 1W | 水平 | 宮ノ山 |
高梁木野山 | デジタル | 40ch | 13ch | 19ch | 47ch | - | - | - | 0.3W | 水平 | 木野山 |
アナログ | 48ch | 52ch | 46ch | 44ch | - | - | - | 3W | |||
高梁巨瀬 | デジタル | 24ch | 28ch | 36ch | 38ch | - | - | - | 0.3W | 水平 | - |
アナログ | 58ch | 56ch | 60ch | 62ch | - | - | - | 3W |
※成羽、高梁木野山、高梁巨瀬のデジタル放送は2010年開局予定。
- FMラジオ放送
- AMラジオ放送
NHKは中継局がないため岡山市にある本局を直接受信するが、夜間は混信妨害がある。山陽放送高梁ラジオ局はAMステレオ放送を実施していたが、2011年3月21日よりモノラル放送に戻った。
観光
名所・旧跡・観光スポット
美術館・資料館
祭事・催事
- 備中神楽
- たかはしお城まつり(4月中旬、10月)
- 備中たかはし松山踊り(8月14日 - 8月16日)
- 成羽愛宕大花火(7月下旬または8月上旬)
- マンガ絵ぶたまつり(8月上旬)
- ヒルクライムチャレンジシリーズ 高梁吹屋ふるさと村大会(10月)
- 吉備川上漫画グランプリ
スポーツチーム
電気
才賀藤吉が1911年(明治44年)11月に事業許可を受け[1]、1912年(明治45年)1月北備電気を設立[2]。発電所(瓦斯力、出力60Kw)を松山村に建設。1912年(明治45年)6月に事業開始し供給区域は上房郡高梁町、松山村、川上郡成羽町[1]。1915年(大正4年)3月には成羽町羽山に水力発電所(60kw)を建設し[3]、合併前年には供給区域が上房郡10か町村、川上郡5か町村、吉備郡3か村まで拡大した[4]。1923年(大正12年)6月に備中電気に合併する[5]。
高梁市出身(ゆかり)の著名人
- 三村家親(戦国大名。備中松山城主。永正14年(1517年) - 永禄9年2月5日(1566年2月24日))
- 三村元親(戦国大名。備中松山城主。生年未詳 - 天正3年6月2日(1575年7月9日))
- 三村親成(戦国武将。備中成羽〔鶴首〕城主。のち備後福山藩家老。生年未詳 - 慶長14年10月1日(1609年10月28日))
- 小堀遠州(戦国大名。備中代官。頼久寺庭園を作庭。天正7年(1579年) - 正保4年2月6日(1647年3月12日))
- 水谷勝宗(近世大名。備中松山藩主。現存する天守閣を建造するなど松山城の大修築を行う。元和9年〔1623年〕- 元禄2年〔1689年〕)
- 山田方谷(政治家・備中松山藩財政再建の功労者、1805年 - 1877年) - 方谷駅の名称の由来。
- 板倉勝静(幕末の老中・備中松山藩主1823年 - 1889年)
- 木口小平(軍人、1872年 - 1894年)
- 綱島梁川(思想家、1873年 - 1907年)
- 児島虎次郎(画家、1881年 - 1929年)
- 清水比庵(歌人・画家・書家、1883年 - 1975年)
- 団藤重光(法学者、1913年 - 2012年)
- 宮脇昭(生態学者、1928年 - )
- 水野晴郎(映画評論家・映画監督、1931年 - 2008年)
- 平松政次(元プロ野球選手・野球解説者、1947年 - )
- 葛城ユキ(歌手、1952年 - )
- 平松伸二(漫画家、1955年 - )
- 留岡幸助(教育家・宗教家、1864年 -1934年)
- 三島中洲(毅)(陽明学者・東京帝国大学教授・東宮侍講・二松学舎創設者・三村家親子孫、1830年 - 1919年)
マスコット
- まつ姫、山じい - 市の健康づくり推進キャラクター。
- ビッチュマン - 市青年経済協議会のローカルヒーロー。
- ヤマジーロ - 商工会議所青年部の備中松山城をモチーフとしたキャラクター。
- び~もちゃん - 市、JAびほく、高梁農業普及指導センター等による、備中牛のPRキャラクター。
- かざぐるまくん - 旧有漢町域のキャラクター。
- きじ丸 - 旧川上町域のキャラクター。
- ビスター - 旧備中町域のキャラクター。
2012年のヒルクライムチャレンジシリーズ高梁吹屋ふるさと村大会において、上記キャラクターが初めて集合した。
その他
- 歴史をテーマにしたイベント時には、藩主板倉氏の当主(十九代当主・板倉重徳)を招くことが多い。
- 1977年公開の松竹映画「八つ墓村」のロケ地。(落合町)
- 『男はつらいよ』シリーズでは『男はつらいよ 寅次郎恋歌』と『男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎』のロケ地になっている。
脚注
- ↑ 1.0 1.1 『電気事業要覧. 第〔6〕回』(国立国会図書館近代デジタルライブラリー)
- ↑ 『日本全国諸会社役員録. 第21回』(国立国会図書館近代デジタルライブラリー)
- ↑ 『中国地方電気事業史』中国電力、1974年、210頁
- ↑ 『電気事業要覧. 第13回』(国立国会図書館近代デジタルライブラリー)
- ↑ 『電気事業要覧. 第16回』(国立国会図書館近代デジタルライブラリー)