はまなす (列車)

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テンプレート:出典の明記 テンプレート:独自研究 テンプレート:列車名 はまなすは、北海道旅客鉄道(JR北海道)が青森駅 - 札幌駅間を津軽海峡線津軽線海峡線江差線)・函館本線室蘭本線千歳線経由で運行する夜行急行列車である。

概要

津軽海峡線青函トンネル)開通により廃止された青函連絡船の深夜便の代替として、1988年に運転が開始された。2012年3月17日のダイヤ改正で「きたぐに」(大阪駅 - 新潟駅)が臨時列車に格下げされたことによりテンプレート:RefnestJRグループでは唯一の定期急行列車となり[注 1]、なおかつ2014年3月15日以降は、青森駅を発着する唯一の定期夜行列車となった。

本列車は東日本旅客鉄道(JR東日本)が運営する青森駅 - 中小国駅間を経由するが、当該区間を含む全区間においてJR北海道の運転士・車掌が担当しており、JR東日本は本列車の運行に一切関与していない。

列車名の由来

植物のハマナスから。寝台特急北斗星」・快速海峡」とともに、一般公募により決定された。

なお、過去には1955年から1966年まで函館駅小樽駅札幌駅旭川駅 - 網走駅間を函館本線石北本線経由で運転していた準急列車急行列車の名称として「はまなす」の名称が使用されていた(「オホーツク (列車)#沿革」も参照)。

また本列車の運転開始時には、全国で行なわれた都市圏短距離普通列車増発のうち、北海道内のものに愛称がつけられ、石北本線網走着のものが「はまなす」を名乗っていた。さらに、鹿島臨海鉄道大洗鹿島線の快速「はまなす」がJR東日本鹿島線北鹿島駅 - 鹿島神宮駅間)に乗り入れていたため、JR線上を同名の別列車が3系統も走るという珍しい事態になっていた。

架線電圧変更と存続問題

北海道新幹線開業に伴う青函トンネルの架線電圧の変更に伴い従来の電気機関車は使えなくなるため、寝台特急「北斗星」や寝台特急「カシオペア」とともに‎2016年3月に予定されている北海道新幹線開業前に廃止となる公算が大きくなっているという見方もあり存続問題に関心が集まっている[1]

運行概況

青森駅 - 札幌駅間を1日1往復、所要約7時間30分で運行されている。函館本線の大沼駅 - 森駅間は上下列車で走行ルートが異なり、上り青森行きが渡島砂原駅(通称"砂原線")経由、下り札幌行きが大沼公園駅(通称"駒ヶ岳廻り")を経由する。青森側、札幌側双方の到着時間を両エリアの始発列車運転時間帯に合わせる都合から、昼行列車に比較して所要時間が長い[注 2]

2010年12月4日東北新幹線八戸駅 - 新青森駅間開業後も新青森駅には乗り入れず、従来通り青森駅始発・終着で運行されている。開業後の新幹線とは青森駅 - 新青森駅間を奥羽本線の列車[注 3]を介しての乗り継ぎになるが、新幹線との乗り継ぎ割引は適用される。

特急「利尻」(札幌駅 - 稚内駅)、「オホーツク9・10号」(札幌駅 - 網走駅)と「まりも」(札幌駅 - 釧路駅)廃止後は北海道内において、また本州 - 北海道連絡系統の夜行列車で座席車を連結する唯一の定期夜行列車でもある(「北斗星」は寝台車のみ連結)。

また、各種特別企画乗車券でも利用可能な列車であり、主なものとして「北海道&東日本パス[注 4]」「青森往復きっぷ(札幌市内発)」「札幌・小樽フリーきっぷ(青森・盛岡・仙台地区発)」などの商品がある。函館駅 - 札幌駅間は、利用可能列車限定の割引商品「得割きっぷ」が使用できる。

停車駅

青森駅 - 函館駅 - 長万部駅 - (伊達紋別駅) - 東室蘭駅 - (登別駅) - 苫小牧駅 - 南千歳駅 - 千歳駅 - 新札幌駅 - 札幌駅

使用車両・編成

2012年6月1日現在の編成図
はまなす
テンプレート:TrainDirection
14系+24系
1 2 3 4 5 6 7
B B
  • 青森駅 - 函館駅間は逆向き。
  • ドリームカーとカーペットカーは連結されない場合がある。
  • 3号車と7号車および増結に用いられる座席車(スハフ14形)には飲料自動販売機が設置されている。
  • 全車両禁煙で、喫煙ルームも無し。
座席種別凡例
B=B寝台開放式2段)
カ=のびのびカーペットカー(座席指定席
指=ドリームカー(座席指定席)
自=普通車自由席

JR北海道札幌運転所に所属する14系客車および24系客車が使用されている。青森駅 - 函館駅間はJR北海道函館運輸所青函派出所に所属するED79形電気機関車が、函館駅 - 札幌駅間はJR北海道函館運輸所に所属するDD51形ディーゼル機関車が牽引する。

基本編成は7両で、自由席2両、指定席3両、B寝台2両。多客時は最大12両[注 5]まで増結される。8両編成以上で運転される日は自由席車両の連結位置が異なり、自由席車を3両としたり、寝台車を1両増結する場合もある。寝台車を増結する場合、1号車 - 増21号車[2] - 2号車の順となる。

  • 指定席車のうち、5・6号車の2両は「ドリームカー」と称し、183系気動車グリーン車用座席を転用したリクライニングシートを備える。それぞれの車両の4号車寄りにミニラウンジがある。
  • 4号車の1両は横になって就寝できる「のびのびカーペットカー」で、5号車寄りに更衣室が設けられている。なお、このカーペットカーは通常の寝台券と同様に、一部区間のみを乗車する指定券が発券された場合でも、座席予約・発券システム(マルス)上では、当該座席は青森駅 - 札幌駅間の全区間において予約・発券済の扱いとなる。
    • このため特別企画乗車券などを組み合わせて、函館駅以南(以北)と函館駅以北(以南)を跨って乗車し、かつ乗車全区間で「カーペットカー」の同一座席を利用する場合、一方の特別企画乗車券に対して交付される指定券は、「全乗車区間の指定券」と「追加料金徴収区間の席無し急行券・指定席券」の計2枚での発券となる。なお、これらの「ドリームカー」や「カーペットカー」は点検等の都合で連結されない日がある[注 6]
  • 寝台車2両のうち、1両は24系客車が使用されている。2両とも24系客車を使用する場合があり、このときは1号車の前に電源供給車として14系座席車を連結する。この車両は回送車両として締切扱いの場合もあれば、混雑時に自由席として開放する場合もある。
  • また、女性専用席が設置されており、座席および寝台の番号は以下のとおりである。
    • B寝台(2号車15・16番 上・下段)計4席
    • ドリームカー (5号車1・2・3番 A・B・C・D席)計12席
    • のびのびカーペットカー(4号車1・2・3・4番下席 21・22番上席)計6席
  • 2002年12月1日のダイヤ改正までは、青森駅での折り返しの間に、座席車が快速「海峡」の一部列車に間合い運用された。
  • 繁忙期などに客車を増結した場合、北海道内の一部の駅ではプラットホームの有効長が列車の長さよりも短く、進行方向後ろ寄りに連結されている車両のうちホームからはみ出した分をドアカットする。そのため乗客は別の車両より乗り降りすることになる。

沿革

ファイル:Midnight-Kiha 27 02.jpg
56系気動車による快速「ミッドナイト」(1996年)
ファイル:Rapid-Midnight kiha183.jpg
183系気動車(国鉄色)による快速「ミッドナイト」(2002年)
  • 1988年昭和63年)
    • 3月13日:津軽海峡線開業に伴い、青森駅 - 札幌駅間を運行する夜行急行列車として「はまなす」5両で運行開始。
    • 夏:函館駅 - 札幌駅間に快速「ミッドナイト」運転開始。当初は毎日運転の臨時列車扱いで専用車両を使用。(カーペットカー連結)全車座席指定席とした。また、「青春18きっぷ」シーズンは一般形車両で自由席を連結した[注 7]
      • 「ミッドナイト」停車駅:( )の停車駅は「青春18きっぷ」シーズンのみ停車。ただし新札幌駅以外の途中駅からの乗降は、増結された自由席(一般型車両)に限り利用できたテンプレート:Refnest
        • 函館駅 - (森駅 - 八雲駅 - 長万部駅 - 東室蘭駅 - 苫小牧駅 - 千歳駅) - 新札幌駅 - (白石駅) - 札幌駅
  • 1989年平成元年):「はまなす」を補完するべく夏季を中心に青森駅 - 函館間駅で臨時急行「せいかんナイト」が運行される(1991年まで)。
  • 1990年(平成2年):「はまなす」を奥羽本線秋田駅まで臨時延長運転。この年は冬期のみの運転だったが、翌年以降は夏・冬に運転した。
  • 1991年(平成3年):「はまなす」B寝台車を連結。8両運転。
  • 1992年(平成4年):「はまなす」7両運転に縮小。
  • 1993年(平成5年)3月18日:急行「まりも」の特急格上げに伴い「まりも」に連結していたドリームカーを「はまなす」に連結。
  • 1996年(平成8年):「はまなす」秋田駅臨時延長運転を終了。
  • 1997年(平成9年):「はまなす」指定席車にカーペットカーを連結。女性専用席設置。
  • 2000年(平成12年):快速「ミッドナイト」の使用車両を56系気動車より183系気動車に変更。
  • 2001年(平成13年)
    • 3月3日:「はまなす」の弘前・秋田方面の接続列車を「白鳥」より「いなほ」に変更。
    • 春(3月ごろ):「ミッドナイト」を季節列車に変更(主に「青春18きっぷ」シーズンの運転とする)。
  • 2002年(平成14年)12月1日:「ミッドナイト」廃止[3]。「はまなす」の八戸・盛岡方面の接続列車を「はつかり」より「つがる」に変更。
  • 2004年(平成16年)3月13日:「はまなす」が新たに長万部駅に停車するようになる[4]
  • 2006年(平成18年)3月18日:「はまなす」が全車禁煙化[5]
  • 2009年(平成21年)8月:石狩湾新港で開催されるライジング・サン・ロックフェスティバル(RSR)に合わせ、このシーズンから函館 - 札幌間に臨時急行を運転。
    • 2009年は復路・札幌発のみで夜行列車として運転。RSR最終日オールナイト終了後に夜の「はまなす」に続行し、停車駅も同様。RSR参加者以外も利用可能。
    • 2010年からは列車名「RSR号」となり、往路・函館発は夜行列車として運転、「ミッドナイト」のダイヤを踏襲しRSR初日朝に札幌駅に到着。復路・札幌発は昼行列車として運転、RSR最終日のオールナイト終了後朝に出発。往路・復路とも途中無停車、全車普通車自由席。
    • 2011年は復路・札幌発のみ苫小牧駅、東室蘭駅、長万部駅、八雲駅に停車。
  • 2010年(平成22年)12月4日東北新幹線新青森駅延伸(全通)に伴い、青森駅方面での「はまなす」接続列車が東北新幹線「はやて」(下り39号・上り12号)となるが、青森駅 - 新青森駅間は奥羽本線普通列車連絡となる。
  • 2011年(平成23年)3月5日:新幹線「はやぶさ」の運転開始に伴い、上り列車は「はやぶさ4号」に接続することになり、八戸駅以南の到着時間が繰り上がる。この場合、青森駅 - 新青森駅間は特急「つがる2号」が連絡列車となる(乗車券のみで同区間を自由席利用可能)。
  • 2012年(平成24年)3月17日:ダイヤ改正で急行「きたぐに」が定期運転を終了したため、当列車は唯一定期運転を行なう急行列車となる。
  • 2014年(平成26年)3月15日北海道新幹線工事の時間確保のため、下り列車(青森発札幌行き)の青森駅 - 函館駅間の時刻を20分程度繰り上げ[6]

脚注

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注釈

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出典

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関連項目

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外部リンク


テンプレート:JR北海道の優等列車 テンプレート:現存する夜行列車


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  2. 『列車編成席番表 JR・私鉄 '06冬春』(ジェー・アール・アール)。
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