紀元前4世紀
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千年紀: | 紀元前1千年紀 |
世紀: | 紀元前5世紀 - 紀元前4世紀 - 紀元前3世紀 |
10年紀: | 紀元前390年代 紀元前380年代 紀元前370年代 紀元前360年代紀元前350年代 紀元前340年代 紀元前330年代 紀元前320年代 紀元前310年代 紀元前300年代 |
紀元前4世紀(きげんぜんよんせいき)は、紀元前400年から紀元前301年までの100年間を指す。
目次
できごと
- 紀元前4世紀 - インドでシシュナーガ朝が興亡。この王朝のカーラーショーカ王の時代に第2回仏典結集が行われたか。
- 紀元前4世紀 - デンマークのビェルスコウのピート・ボグ(泥炭湿原)に埋められていたトーロンマンはこの時代の人物か。
- 紀元前400年頃 - メキシコのポポカテペトル山噴火。
- 紀元前396年 - エトルリア人の町ウェイイ、共和政ローマのマルクス・フリウス・カミルスにより陥落。
- 紀元前395年 - コリントス戦争勃発。
- 紀元前387年 - ケルト人、ローマを攻略、ローマが滅亡寸前になる。
- 紀元前387年 - 大王の和約(アンタルキダスの和約)によりコリントス戦争終結。
- 紀元前387年 - プラトン、アカデメイア学園を創設。
- 紀元前386年 - 太公望の子孫が公位を継承してきた斉(姜斉)に代わり、田和が新たに田斉を建て、周の安王により諸侯と認められた。
- 紀元前378年 - 最後の君主静公が退位を迫られ、晋が滅亡する。
- 紀元前375年 - 韓が鄭を滅ぼす。
- 紀元前371年 - レウクトラの戦いでテーバイがスパルタに勝利しギリシアの覇権を握る。
- 紀元前367年 - 共和政ローマでリキニウス・セクスティウス法成立。
- 紀元前359年 - フィリッポス2世がマケドニア王に即位。
- 紀元前356年 - ヘロストラトス、エフェソスのアルテミス神殿に放火。
- 紀元前353年 - 田斉と趙の連合軍が孫臏の計略により魏と宋と衛の連合軍を破る(桂陵の戦い)。
- 紀元前343年 - アケメネス朝ペルシアがエジプトを再征服。ファラオのネクタネボ2世は逃亡しエジプト第30王朝が滅亡。
- 紀元前341年 - 田斉が孫臏の計略により魏を破る(馬陵の戦い)。
- 紀元前338年 - カイロネイアの戦いでマケドニアがアテナイ・テーバイのギリシャ連合軍を破る。
- 紀元前337年 - マケドニアを盟主とするコリントス同盟が結成される。
- 紀元前336年 - アレクサンドロス3世(大王)がマケドニア王に即位。
- 紀元前334年 - アレクサンドロス3世が東方遠征に出発する。
- 紀元前334年 - 楚が越を滅ぼす。
- 紀元前333年 - イッソスの戦いでアレクサンドロス3世がペルシア王ダレイオス3世の軍に勝利。
- 紀元前331年 - ガウガメラの戦いでアレクサンドロス3世がペルシア王ダレイオス3世の軍に勝利。
- 紀元前329年 - アレクサンドロス3世によるソグディアナ・バクトリアの征服( - 紀元前327年)。
- 紀元前326年 - アレクサンドロス3世がヒュダスペス河畔の戦いでポロス王と戦う。インド中央への遠征は中止。
- 紀元前324年 - スサでの合同結婚式。アレクサンドロス3世とダレイオス3世皇女スタテイラの結婚。
- 紀元前323年 - アレクサンドロス3世死去。バビロン会議の後にディアドコイ戦争始まる。
- 紀元前321年 - カウディウムの屈辱、共和政ローマがサムニウム人に敗北、屈辱的な和議を結ぶ。
- 紀元前317年 - マガダ国のチャンドラグプタがマウリヤ朝を建国。
- 紀元前316年 - 秦が蜀を滅ぼす。
- 紀元前312年 - セレウコス朝シリアが開かれる。
- 紀元前312年 - 古代ローマでローマ街道の建設を開始。
- 紀元前310年頃 - 河北省平山県上三汲郷の中山王墓が造営されたか。
- 紀元前305年 - プトレマイオス朝エジプトが開かれる。
- 紀元前301年 - イプソスの戦いによるアンティゴノスの没落。ディアドコイの領土配分がほぼ確定する。
人物
地中海世界
ギリシア
- ソクラテス(前469年頃 - 前399年) - 哲学者・市井での対話を通じて「無知の知」を探求・弟子にプラトンやクセノポン・死刑にされる
- トラシュブロス(? - 前388年) - アテナイの政治家・三十人政権の寡頭政を打倒・僭主クリティアスらを戦死させ民主派政権を樹立
- アニュトス(生没年不詳) - アテナイの政治家・三十人政権を打倒しこの政権と関わったソクラテスを告発し刑死に追い込む
- アンタルキダス(? - 前367年) - スパルタの外交官・ペルシアのアルタクセルクセス2世と同盟しコリントス戦争を終結させる
- アゲシラオス2世(前444年頃 - 前360年) - スパルタ王(在位前400年頃 - 前360年)・マンティネアの戦いに勝利するもスパルタは没落
- イソクラテス(前436年 - 前338年) - 修辞学者でアッティカ十大雄弁家の一人・後年は親マケドニア派となりデモステネスと対立
- ディオニュシオス1世(前432年頃 - 前367年) - シチリア島のシュラクサイの僭主・アドリア海に覇を唱える・暴君で有名
- プラトン(前427年 - 前347年) - 哲学者・ソクラテスの弟子でアリストテレスの師・アカデメイア学園を創設・著作に『饗宴』ほか
- クセノポン(前427年? - 前355年?) - 軍人・著述家として『ソクラテスの思い出』『アナバシス』『ギリシア史』がある
- エパメイノンダス(前420年? - 前362年) - テーバイの将軍・政治家・レウクトラの戦いで神聖隊を率いスパルタ軍を破る
- イフィクラテス(前415年頃 - 前353年) - アテナイの将軍・軽装歩兵戦術でコリントス戦争でのレカイオンの戦いに勝利
- シノペのディオゲネス(前412年? - 前323年) - 哲学者・アンティステネスの弟子でソクラテスの孫弟子・キュニコス派の一人
- シュラクサイのディオン(前408年 - 前354年) - シュラクサイの政治家・プラトンを招き僭主打倒を訴えるが失敗し暗殺される
- プラクシテレス(生没年不詳) - アテナイの彫刻家・等身大女性裸像を最初に作ったか・「クニドスのアプロディーテー」他がある
- アリストテレス(前384年 - 前322年) - 哲学者・「万学の祖」・アレクサンドロス3世の家庭教師・著作に『形而上学』ほか
- デモステネス(前384年 - 前322年) - 政治家・弁論家・アテナイの指導者としてポリスの自立を訴え反マケドニア派を結集
- アペレス(生没年不詳) - 画家・アレクサンドロス大王の宮廷に仕える・大プリニウス『博物誌』では空前絶後の画家として評される
- テオプラストス(前371年 - 前287年) - 哲学者・植物学者としては『植物誌』『植物原因論』があり「植物学の祖」と呼ばれる
- ピュロン(前360年頃 - 前270年頃) - 哲学者・古代の最初の懐疑論(不可知論)を唱えピュロン主義の起源となる
- メナンドロス(前342年 - 前292年/前291年) - 喜劇作家(新喜劇)・「サモスの女」「髪を切られる女」ほか断片が残る
アレクサンドロス帝国とヘレニズム国家
- ピリッポス2世(前382年 - 前336年) - マケドニア国王(在位前359年 - 前336年)・カイロネイアで勝利・アレクサンドロス3世の父
- アレクサンドロス3世(大王)(前356年 - 前323年) - マケドニア国王(在位前336年 - 前323年)・東方遠征でアケメネス朝を滅ぼす
- ペルディッカス(? - 前321年/前320年) - マケドニアの将軍・アレクサンドロス3世死後にバビロン会議を主導・ディアドコイの一人
- アンティパトロス(前397年 - 前319年) - マケドニアの将軍・ペルディッカス死後は帝国摂政となる・ディアドコイの一人
- アンティゴノス1世(前382年 - 前301年) - アンティゴノス朝マケドニアの初代国王(在位前306年 - 前301年)・ディアドコイの一人
- プトレマイオス1世(前367年頃 - 前283年頃) - プトレマイオス朝エジプトの初代国王(在位前323年 - 前285年)・ディアドコイの一人
- リュシマコス(前360年 - 前281年) - トラキア・マケドニア国王(在位前306年 - 前281年)・ディアドコイの一人・コルペディオンの戦いで敗死
- セレウコス1世(前358年 - 前281年) - セレウコス朝シリアの初代国王(在位前312年 - 前281年)・ディアドコイの一人
- カッサンドロス(前350年 - 前297年) - マケドニア国王(在位前305年 - 前297年)・アレクサンドロス3世の遺族(母・妃・子)を滅ぼす
共和政ローマとその周辺
- ブレンヌス(生没年不詳) - ケルト系セノネス族族長・アッリアの戦いでローマ軍に勝利しローマ市を占領する・後にカミルスに敗北
- マルクス・フリウス・カミルス(前446年 - 前365年) - ローマの軍人・ケルト人を追い払い「ローマ第二の創建者」と呼ばれる
- ガイウス・リキニウス・ストロ(生没年不詳) - ローマの護民官(前376年 - 前367年)・リキニウス・セクスティウス法制定
- ルキウス・セクスティウス・ラテラヌス(生没年不詳) - ローマの護民官(前375年 - 前367年)・リキニウス・セクスティウス法制定
- マルクス・ウァレリウス・コルウス(前370年 - 前270年) - ローマの政治家・伝説的な英雄・農民出身で100歳まで生きたという
- アッピウス・クラウディウス・カエクス(前340年 - 前273年) - ローマの政治家・執政官・独裁官・アッピア街道やアッピア水道を整備
北アフリカ・西アジア・中央アジア
- アルタクセルクセス2世(前430年頃 - 前358年頃) - アケメネス朝ペルシア王(在位:前404年 - 前358年)・「大王の和約」を締結
- マウソロス(? - 前353年) - アケメネス朝支配下のカリアのサトラップ・死後に建てられたマウソロス霊廟は世界七不思議の一つ
- ネクタネボ2世(? - 前343年以降) - エジプト第30王朝のファラオ(在位前360年 - 前343年)・アケメネス朝に追われた最後のファラオ
- ダレイオス3世(前380年? - 前330年) - アケメネス朝ペルシア最後の王(在位前336年 - 前330年)・アレクサンドロス3世に敗退
- ベッソス(? - 前329年?) - アケメネス朝のバクトリアの総督・敗退したダレイオス3世を謀殺・アレクサンドロス3世に処刑される
南アジア
- ヴァールミーキ(紀元前4世紀?) - インドの聖仙(リシ)・叙事詩『ラーマーヤナ』(完成は紀元後4世紀か)の著者とされる
- ヴィヤーサ(紀元前4世紀?) - インドの聖仙(リシ)・叙事詩『マハーバーラタ』(完成は紀元後4世紀か)の著者とされる
- マハーパドマ(生没年不詳) - インドのマガダ国ナンダ朝の最初の王か・ヴェーダの権威を認めない宗教家たちを保護したとも
- ポロス(? - 前317年) - インドのパンジャーブ東部の王・ヒュダスペス河畔の戦いでは象部隊でアレクサンドロス3世と戦うが敗北
- チャンドラグプタ(生没年不明) - インドのマウリヤ朝の初代の王(在位前340年 - 前293年)・アレクサンドロス3世と親交あり?
- マハーデーヴァ(生没年不詳)- インドの仏教の僧侶・阿羅漢を低く見る「大天の五事」により仏教教団の根本分裂を引き起こし大衆部の祖となる
- パーニニ(生没年不詳) - インドの文法学者・「アシュターディヤーイー(パーニニ文典)」のサンスクリット形態論で旧来の文法を刷新
中国(周・戦国時代)
- 扁鵲(生没年不明) - 春秋戦国時代の医師・半ば伝説的な人物で『難経(黄帝八十一難経)』の執筆者にも仮託される
- 墨子(前450年 - 前390年頃?) - 戦国時代の墨家の始祖で『墨子』の著者・「兼愛」「交利」「尚賢」「非攻」などの思想で有名
- 列子(活躍時期は前400年頃) - 戦国時代の道家の思想家・荘子に先立つ・『列子』が残るが実在を否定する説もある
- 田和(? - 前385年) - 戦国時代の田斉の初代君主(太公)(在位前386年 - 前385年)・姜斉の康公を追放し自ら斉公を名乗る
- 呉起(? - 前381年) - 戦国時代の軍人・政治家・思想家(兵家)・魯の元公や魏の文侯そして楚の悼王に仕え国政改革を行う
- 静公(生没年不詳) - 戦国時代の晋の最後の君主(在位前377年 - 前376年)・晋の三侯(韓哀侯・魏武侯・趙敬侯)に滅ぼされる
- 威王(? - 前343年) - 戦国時代の田斉の君主で初代王・暗君を装って数年間雌伏の後に斉を強国にしたことで知られる
- 鄒忌(生没年不明) - 戦国時代の田斉の政治家・威王と宣王に宰相として仕え政敵の田忌を斥ける・美丈夫であったことも有名
- 淳于髠(生没年不詳) - 戦国時代の田斉の威王に仕える・稷下の学の中心人物で鄒衍や田駢らと交わる・「鳴かず飛ばず」の故事でも有名
- 孫臏(生没年不明) - 戦国時代の孫武の孫で兵法家・『孫臏兵法』の著者・斉の威王に仕え馬陵の戦いで魏の恵王を破る
- 恵王(前400年 - 前319年) - 戦国時代の魏の君主(在位前369年 - 前319年)・馬陵の戦いで敗北し秦の商鞅に攻撃され覇権喪失
- 申不害(? - 前337年) - 戦国時代の韓の政治家・昭侯に宰相として仕える・法家思想を援用し弱小国であった韓を安定させる
- 孝公(前381年 - 前338年) - 戦国時代の秦の君主(在位前361年 - 前338年)・商鞅の変法を支持し中央集権化策を推進
- 商鞅(? - 前338年) - 戦国時代の秦の政治家・法家思想による国政改革を進めるが反対派により車裂きの刑に処される
- 恵文王(? - 前311年) - 戦国時代の秦の君主で初代王(在位前338年 - 前311年)・孝公の子だが意に沿わぬ商鞅を粛清する
- 樗里疾(? - 前300年) - 戦国時代の秦の王族・恵文王の異母弟・韓・魏・趙・燕・斉連合軍を撃破・知者で「智嚢」と呼ばれる
- 宣王(? - 前324年) - 戦国時代の田斉の君主で威王の子・稷下の学を保護し孟子らを招聘・弟の靖郭君と甥孟嘗君を重用し全盛期を現出
- 蘇秦(? - 前317年?) - 戦国時代の縦横家・諸国を遊説し秦以外の燕・斉・趙・韓・魏・楚を同盟させた合従策で知られる
- 張儀(? - 前309年) - 戦国時代の縦横家・秦の恵文王に仕え宰相となる・蘇秦の合従策に対し連衡策で諸国を秦と同盟させる
- 司馬錯(生没年不詳) - 戦国時代の秦の将軍・恵文王・武王・昭襄王の3代に仕えた・張儀との論戦に勝ち蜀を併合する
- 懐王(? - 前299年) - 戦国時代の楚の王(在位前329年 - 前299年)・張儀の謀略で藍田で戦い秦に敗北・秦に幽閉され死去
- 武霊王(? - 紀元前295年) - 戦国時代の趙の王(在位前326年 - 前298年)・胡服騎射を取り入れて趙を軍事強国とした
- 孟子(前372年? - 前289年) - 戦国時代の儒家(性善説)・『孟子』を著し仁義に基づく王道政治を理想とする
- 楊朱(前370年頃? - 前319年頃?) - 戦国時代の思想家・個人主義的な思想である為我説(自愛説)を主張・孟子と対立
- 恵施(前370年頃? - 前310年頃?) - 戦国時代の思想家・政治家・名家に属すが公孫竜とは立場が異なる・荘子と接点あり
- 荘子(前369年? - 前286年?) - 戦国時代の道家の思想家・諸侯の招聘を拒否し隠棲・著作『荘子』では万物斉同の思想を展開
- 昭王(前335年 - 前279年) - 戦国時代の燕の王(在位前308年 - 前279年)・斉への復讐のため楽毅らの賢才を募る
- 郭隗(生没年不詳) - 戦国時代の燕の学者・昭王に仕え「隗より始めよ」の故事で知られるよう楽毅・劇辛・鄒衍らの賢才を集める端緒となった
発明・発見
- ローマ人、水道橋を初めて建設。
- 中国でふいごの使用が始まる。
- アレクサンドリアの大灯台の建設が始まる。
フィクションのできごと
- 紀元前382年 - オリバンダー杖店創業(ハリー・ポッターと賢者の石に登場する杖専門店)