紀元前5世紀
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千年紀: | 紀元前1千年紀 |
世紀: | 紀元前6世紀 - 紀元前5世紀 - 紀元前4世紀 |
紀元前5世紀(きげんぜんごせいき)は、紀元前500年から紀元前401年までの100年間を指す。
目次
できごと
- 紀元前5世紀頃が弥生時代の始まりと考えられていたが、紀元前10世紀まで遡る可能性が高まってきた。それにつれて、縄文土器時代の終わりも遡ることになる。
- 紀元前500年頃 - ペルシアとギリシアの間でペルシア戦争( - 紀元前448年)
- 紀元前494年 - ローマで聖山事件。この事件後にプレブスとパトリキが和解。平民会と護民官が置かれる。
- 紀元前490年 - マラトンの戦いで、ミルティアデス率いるギリシア軍がペルシア軍を破る。
- 紀元前481年 - 紀元前460年 シチリア島のエトナ山が噴火。
- 紀元前481年 - 斉の陳桓(田成子)がその君簡公壬を殺す。斉の実権が事実上田氏に移る。この年で、魯の年代記『春秋』の筆がおかれる。
- 紀元前480年 - テルモピュライの戦いでペルシア軍がアテナイに侵攻。サラミスの海戦で、テミストクレス率いるギリシア軍がペルシア軍を破る。
- 紀元前479年 - プラタイアの戦いにギリシア軍が勝利する。
- 紀元前478年 - デロス同盟が結成される( - 紀元前404年)。スパルタ、主導権を放棄(内向化)。
- 紀元前473年 - 越が呉王夫差を自殺させ呉を滅ぼす。
- 紀元前466年 - 鳥海山が噴火し、大規模な山体崩壊を引き起こす。
- 紀元前461年 - 第一次ペロポネソス戦争が起こる。
- 紀元前453年 - 晋陽の戦いで晋が趙、韓、魏に分裂。
- 紀元前450年 - デロス同盟の同盟資金がアテナイに移される。
- 紀元前450年頃 - アルプス以北の中央ヨーロッパでラ・テーヌ文化広がる。
- 紀元前447年 - アテナイのパルテノン神殿着工。
- 紀元前445年 - ペルシアのアルタクセルクセス1世の許可を得てユダヤ総督ネヘミヤがエルサレムの城壁の再建を行う。
- 紀元前434年 - エピダムノスとケルキュラの紛争が起こる。
- 紀元前433年頃 - 曾侯乙墓の被葬者が埋葬される。
- 紀元前431年 - 第二次ペロポネソス戦争が起こる( - 紀元前404年)
- 紀元前413年 - アテネ、シチリアで敗北。
- 紀元前404年 - アテナイで三十人政権が政権を握る。
- 紀元前403年 - 趙、韓、魏が周王より諸侯として認定される。これより中国は戦国時代に入る。司馬光の『資治通鑑』はこの年より記述が始まる。
人物
中国(周・春秋時代)
- 老子(生没年不詳) - 春秋時代の周出身の思想家(道家)・孔子とほぼ同時期か先行するか・架空人物説もあり
- 左丘明(生没年不詳) - 春秋時代の魯の著述家・孔子に前後して活躍か・『春秋左氏伝(左伝)』『国語』の著者か
- 孔子(前551年 - 前479年) - 春秋時代の魯の思想家(儒家)・諸国遍歴後に教育に携わる・言行録に『論語』がある
- 孔門十哲
- 冉伯牛(前544年 - ?) - 春秋時代の儒者・孔門十哲の一人・徳行に優れる
- 子路(季路)(前543年 - 前481年) - 春秋時代の儒者・孔門十哲の一人・衛の高官となるが横死・二十四孝の一人
- 閔子騫(前536年 - 前487年) - 春秋時代の儒者・孔門十哲の一人・二十四孝の一人
- 子貢(端木賜)(前520年 - 前446年) - 春秋時代の儒者・孔門十哲の一人・魯の外交担当になる
- 顔回(前514年 - 前483年) - 春秋時代の儒者・孔門十哲の一人・孔子に将来を期待されるが早世する
- 子夏(卜商)(前504年頃 - 前420年頃) - 春秋時代の儒者・孔門十哲の一人・魏の文侯に仕え李克や西門豹を育成
- 闔閭(? - 前496年) - 春秋時代の呉の王(在位前514年 - 前496年)・越王勾践に敗れ夫差に復讐を誓わせる
- 夫差(? - 前473年) - 春秋時代の呉の王・春秋五覇の一人・父王闔閭の仇討ちのため越王勾践を捕虜とする
- 勾践(? - 前465年) - 春秋時代の越の王・范蠡の補佐を得て呉を滅ぼす・春秋五覇の一人
- 伍子胥(? - 前485年) - 春秋時代の呉の政治家・軍人・闔閭と夫差に仕え越王勾践を捕虜とする
- 孫武(前535年 - ?) - 春秋時代の呉の思想家(兵家)・兵法書『孫子』の著者・伍子胥とともに楚を攻撃
- 范蠡(生没年不詳) - 春秋時代の越の政治家・軍人・越王勾践に仕え伍子胥とは知略で争う
- 西施(生没年不詳) - 春秋時代の美女・越王勾践により呉王夫差を篭絡するために送り込まれる・中国四大美人の一人
- 申包胥(生没年不詳) - 春秋時代の楚の政治家・伍子胥とは旧友であったが後に離反・柏挙の戦いで呉に敗北した楚を立て直す
- 田成子(田常)(生没年不詳) - 春秋時代の斉の政治家・監止と簡公を殺害し平公を擁立・事実上の斉での田氏支配が始まる
- 曾子(前506年 - ?) - 春秋時代の儒者・『孝経』の著者・子思は弟子・呉起は破門された弟子か
- 子思(前483年? - 前402年?) - 春秋時代の儒者・孔子の孫で曾子の弟子・『中庸』の著者か
- 趙無恤(? - 前425年) - 春秋時代の晋の政治家・六卿の中で政敵だった智瑶を倒し魏や韓とともに晋から独立
- 文侯(? - 前396年) - 春秋戦国時代の魏の君主(在位前445年 - 前396年)・正式に晋から独立し諸侯に封じられる
- 西門豹(生没年不詳) - 春秋戦国時代の魏の政治家・子夏の弟子・文侯に仕え迷信を排し治水土木を行った故事で有名
- 李克(李悝)(? - 前395年) - 春秋戦国時代の魏の政治家・子夏の弟子・文侯に仕え成文法を定め富国強兵を進める
- 墨子(前450年 - 前390年頃?) - 戦国時代の思想家(墨家)・『墨子』の著者・「兼愛」「交利」「尚賢」「非攻」の思想で有名
地中海世界
ギリシア
- ミレトスのヘカタイオス(前550年頃 - 前476年頃) - 年代記作者(ロゴグラポス)・神話と歴史の分離を主張・イオニアの反乱で大使を務める
- アリスタゴラス(生没年不詳) - ミレトスの指導者・イオニアの反乱の黒幕となりペルシア帝国に抵抗・ギリシアの諸ポリスを紛争に巻き込む
- シモニデス(前556年頃 - 前468年) - ケオス島出身の抒情詩人・ペルシア戦争での勝利を歌う・記憶術でも有名
- ミルティアデス(前550年頃 - 前489年) - アテナイの軍人・ケルソネソスの僭主・マラトンの戦いでペルシア軍を破る
- パルメニデス(前540年頃 - ?) - エレア派の哲学者・ゼノンの師でプラトンのイデア論にも影響・教訓詩『自然について』断片が残存
- ヘラクレイトス(前540年頃 - 前480年頃?) - エペソス出身の哲学者・万物の根源を「火」とし「万物流転」を唱える
- レオニダス1世(? - 前480年) - スパルタ王(在位前489年 - 前480年)・テルモピュライの戦いでスパルタ人300人と玉砕を遂げる
- アイスキュロス(前525年 - 前456年) - アテナイの悲劇作家・三大悲劇詩人の一人・作品に『縛られたプロメテウス』などがある
- テミストクレス(前524年/前520年頃 - 前459年/前455年頃) - アテナイの政治家・軍人・サラミスの海戦でペルシア軍に勝利する
- パウサニアス(? - 前470年) - スパルタの王族・レオニダス1世の甥・ギリシア連合軍を率いプラタイアの戦いで勝利する
- ピンダロス(前522年/前518年 - 前442年/前438年)・テーバイ出身の詩人・祝勝歌に優れ「ピュティア勝利歌」が代表作
- カリアス2世(生没年不詳) - アテナイの政治家・ペルシア王アルタクセルクセス1世とのカリアスの和約でペルシア戦争を終結
- キモン(前510年 - 前450年) - アテナイの政治家・将軍・デロス同盟によるアテナイの海上覇権(アテナイ帝国)を現出させる
- プロタゴラス(前500年? - 前430年?) - アテナイの弁論家・ソフィストの一人・「万物の尺度は人間」の相対主義で知られる
- アナクサゴラス(前500年頃 - 前428年頃) - クラゾメナイ出身でアテナイで活躍した哲学者・多元論を唱える・ペリクレスは弟子
- ソポクレス(前496年 - 前406年) - アテナイの悲劇作家・三大悲劇詩人の一人・作品に『オイディプス王』などがある
- エフィアルテス(? - 前461年) - アテナイの政治家・ペリクレスらとともにキモンを追放しアレオパゴス会議の実権を奪う
- ペリクレス(前495年頃 - 前429年) - アテナイの政治家・キモンを追放し将軍として実権を握り全盛期のアテナイを指導
- エレアのゼノン(前490年頃 - 前430年頃) - エレア派の哲学者・パルメニデスの弟子・「アキレスと亀」のゼノンのパラドックスで有名
- エンペドクレス(前490年頃 - 前430年頃) - アクラガス出身の哲学者・四元素説を唱えた・エトナ山から投身したか
- ペイディアス(前490年頃 - 前430年頃) - アテナイの彫刻家・建築家・ペリクレスと知己でパルテノン神殿造営の総監督を務める
- ポリュクレイトス(生没年不詳) - アルゴス派の彫刻家・ペイディアスと並び古典主義様式を確立・「ドリュポーロス(槍を持つ人)」他がある
- ゴルギアス(前487年 - 前376年) - シチリア出身でアテナイで活躍した弁論家・ソフィストの一人・プラトンは『ゴルギアス』を執筆
- ヘロドトス(前485年頃 - 前425年頃) - ハリカルナッソス出身の歴史家・ペルシア戦争をもとに『歴史』を著し「歴史の父」と呼ばれる
- クレオン(? - 前422年) - アテナイの政治家・もとは靴製造業者・ペリクレス死没後の衆愚政治時代のデマゴーグとされる
- エウリピデス(前480年頃 - 前406年頃) - アテナイの悲劇作家・三大悲劇詩人の一人・作品に『メディア』などがある
- ミュロン(前480年頃 - 前445年) - アッティカ地方エレウテライ出身の彫刻家・「円盤を投げる人(ディスコボロス)」が有名
- ソクラテス(前469年頃 - 前399年) - アテナイの哲学者・対話を通じて「無知の知」を探求・弟子にプラトンやクセノポン・死刑にされる
- クリティアス(前460年頃 - 前403年) - アテナイの政治家・ソクラテスの弟子・アテナイの三十人政権の指導者となる
- ヒポクラテス(前460年 - 前370年頃) - エーゲ海のコス島出身の医師・迷信を排し四体液説を唱え「医学の父」と呼ばれる
- デモクリトス(前460年頃 - 前370年頃) - アブデラ出身の哲学者・レウキッポスの弟子で原子論を大成する
- ニキアス(前460年頃 - 前413年) - アテナイの政治家・ペロポネソス戦争の和平派でニキアスの和約を結ぶがシチリア遠征に失敗
- トゥキディデス(前460年頃 - 前395年) - アテナイの軍人・ペロポネソス戦争を指揮・後に歴史家としてこの戦争の記録『戦史』を執筆
- ヘルモクラテス(前450年頃 - 前407年) - シチリア島のシュラクサイの政治家・ペロポネソス戦争での反アテナイ陣営で活躍
- アルキビアデス(前450年頃 - 前404年頃) - アテナイの政治家・ペロポネソス戦争の主戦派・シチリア遠征を前に逃亡
- アギス2世(? - 前401年/前400年) - スパルタ王(在位前427年 - 前401年/前400年)・ペロポネソス戦争に勝利し覇権を握る
- アリストパネス(前446年 - 前385年) - アテナイの喜劇作家・ペロポネソス戦争への批判をこめた『女の平和』などで知られる
共和政ローマ
- アグリッパ・メネニウス・ラナトゥス(? - 前493年) - ローマの執政官(在任前503年)・聖山事件でプレブスをパトリキを和解させる
- ルキウス・クィンクティウス・キンキナトゥス(生没年不詳) - ローマの独裁官(在任前458年、前439年)・アエクイ族らを斥ける
- アッピウス・クラウディウス・クラッスス(生没年不詳) - ローマの執政官(在任前451年)で十人委員会の一人・十二表法を制定
- ガイウス・カヌレイウス(生没年不詳) - ローマの護民官(在任前445年)・貴族と平民の結婚を認めるカヌレイウス法を制定
- マルクス・フリウス・カミルス(前446年 - 前365年) - ローマの軍人・ケルト人を追い払い「ローマ第二の創建者」と呼ばれる
西アジア世界
- ダレイオス1世(前558年 - 前486年頃) - アケメネス朝ペルシア王(在位前521年 - 前486年)・王国の最盛期でペルセポリスを造営
- クセルクセス1世(前519年 - 前465年) - アケメネス朝ペルシア王(在位前486年 - 前465年)・ペルシア戦争に敗北する
- ダレイオス2世(? - 前405年) - アケメネス朝ペルシア王(在位前424年 - 前405年)・ペロポネソス戦争ではスパルタと手を結ぶ
- アルタクセルクセス2世(前430年頃‐前359年頃) - アケメネス朝ペルシア王(在位前404年‐前359年頃)・弟小キュロスの反乱鎮圧
- クニドスのクテシアス(生没年不詳) - ペルシア王アルタクセルクセス2世の侍医・『ペルシア誌』『インド誌』などの著作で知られる
- 小キュロス(?- 紀元前401年) - アケメネス朝ペルシアの王子でサルディス総督・兄アルタクセルクセス2世に反乱を起こすが戦死
- エズラ(生没年不詳) - エルサレムの律法書記官・バビロン捕囚から解放されたユダヤ人を指導し律法を復興・『エズラ記』に詳しい
- ネヘミヤ(生没年不詳) - ペルシアの総督・バビロン捕囚から帰還したユダヤ人とエルサレム城壁を再建・『ネヘミヤ記』に詳しい
南アジア
- ゴータマ・シッダッタ(シャカ)(前463年 - 前383年、生没年は諸説あり) - 仏教の開祖・釈迦(釈尊)や仏陀とも呼ばれる
- マハーヴィーラ(シャカと同時代) - ジャイナ教の開祖・ヴァルダマーナやニガンダとも呼ばれる・仏典では六師外道の一人
- マッカリ・ゴーサーラ(シャカと同時代) - インドのアージーヴィカ教の開祖・仏典では六師外道の一人・厳格な決定論と宿命論が特徴
- アジタ・ケーサカンバリン(シャカと同時代) - インドのチャールヴァーカ派(順世派)の思想家・仏典では六師外道の一人・唯物論と快楽主義が特徴
- サンジャヤ・ベーラッティプッタ(シャカと同時代) - インドの懐疑論者・仏典では六師外道の一人・サーリプッタらの師であったと伝わる
- プーラナ・カッサパ(シャカと同時代) - インドの道徳否定論者・仏典では六師外道の一人・因縁や業を否定し善悪の区分を否定した
- パクダ・カッチャーヤナ(ジャカと同時代) - インドの七要素論者・仏典では六師外道の一人・チャールヴァーカ派の四要素論を発展させたものか
- ビンビサーラ(シャカと同時代) - インドのマガダ国の王・アジャータシャトルは息子・深く仏教に帰依し釈迦に対し竹林精舎を寄進
- アジャータシャトル(シャカと同時代) - インドのマガダ国の王・仏典ではデーヴァダッタの教唆で父王ビンビサーラを殺害し王となる
- プラセーナジット(シャカと同時代) - インドのコーサラ国の王・第一夫人マッリカーは勝鬘経でジェータ太子は祇園精舎寄進で有名
- ヴィドゥーダバ(シャカと同時代) - インドのコーサラ国の王・プラセーナジットの子でジェータ太子の兄弟・シャカ族を滅ぼす
- マハーカッサパ(生没年不詳) - 仏教第2祖・釈迦十大弟子の一人で頭陀第一と言われる・第1回仏典結集を指導・漢訳では摩訶迦葉
- アーナンダ(生没年不詳) - 仏教第3祖・釈迦十大弟子の一人で多聞第一と言われ第1回仏典結集でも活躍・漢訳では阿難陀