4世紀
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4世紀(よんせいき)とは、西暦301年から西暦400年までの100年間を指す。
目次
できごと
- 日本では古墳時代にあたる。
- 4世紀の初め頃から福岡県沖ノ島で盛んに祭祀が行われる(平安時代初期頃まで続いた)。
- 301年 - 9月3日にサンマリノが独立。
- 301年 - アルメニアが世界初のキリスト教国となる。
- 303年 - ディオクレティアヌスによる最後のキリスト教徒大迫害。
- 304年 - 匈奴の劉淵が大単于を自称。中国北部は五胡十六国時代の戦乱に入る。
- 305年 - ディオクレティアヌスが退位しサロナ近郊に引退する。
- 306年 - コンスタンティヌスがガリアでローマ帝国皇帝を称す。
- 310年 - クチャ出身の仏図澄が洛陽に来て仏教を布教。
- 311年 - 中国で永嘉の乱。西晋への異民族侵入が激化し洛陽が陥落。
- 312年 - ミルウィウス橋の戦いで、コンスタンティヌス1世がマクセンティウスに勝利し、帝国西部唯一の皇帝となる。
- 313年 - ローマ皇帝コンスタンティヌス1世とリキニウスがミラノ勅令でキリスト教を公認する。
- 316年 - 長安が陥落し西晋王朝滅亡。
- 317年 - 司馬睿(元帝)が東晋を建国(- 420年) 。
- 319年 - 前趙から自立した羯族の石勒が後趙を建国。
- 320年 - インドでチャンドラグプタ1世がグプタ朝を建国。
- 325年 - 5月20日、第1回ニカイア公会議。ニカイア信条を採択、復活祭の日付を制定。
- 330年 - ローマ皇帝コンスタンティヌス1世がビュザンティオンを新首都と定める(コンスタンティノポリス)。
- 330年 - 前趙を滅ぼし華北の大半を併せた後趙の石勒が皇帝となる(高祖明帝)。
- 346年 - 朝鮮半島でツングース系夫余=徐族が馬韓を統一して百済を建国する。
- 350年 - アクスム王国(現在のエチオピア)がキリスト教を国教とする。
- 350年 - 冉閔が後趙の石氏ら胡族を虐殺し、漢民族優位の冉魏を建国(冉閔の乱)。
- 353年 - 東晋の書家王羲之が曲水の宴を蘭亭で催し『蘭亭序』を書く。
- 356年 - 朝鮮半島で秦の始皇帝の労役から逃亡してきた秦人達を中心に辰韓が統一され、多民族を纏め新羅が建国される。
- 357年 - 前燕が中原に進出する。これにより高句麗が再起する。
- 360年 - コンスタンティウス2世がコンスタンティノポリスに聖ソフィア大聖堂を建立。
- 360年 - 「背教者」ユリアヌスがルテティア(現パリ)にてローマ皇帝に即位。
- 363年 - ユリアヌスがペルシア遠征中に死去。
- 363年 - 東晋で桓温による「庚戌土断」が行われる。
- 366年 - 前秦支配下の敦煌鳴沙山の断崖に僧楽僔が石窟を掘る(敦煌莫高窟の始まり)。
- 369年 - 倭国が朝鮮半島南部に任那を建国、倭国の北限とする。
- 369年 - 石上神宮に所蔵されている七支刀は銘文によるとこの年に作られたか。
- 369年 - 第287回オリンピック。記録に残る最後のオリンピック。
- 370年 - 前秦が前燕を滅ぼし華北を統一。
- 373年 - シリアのキリスト教修道僧エフレム死去。
- 375年 - フン族がゴート族を圧迫する。ゲルマン民族大移動の発端。
- 376年 - インドのグプタ朝でチャンドラグプタ2世が即位する。
- 376年 - 後の西ゴート人の前身となるゴート系難民集団、ローマ帝国領内に侵入を開始。
- 378年 - 皇帝ウァレンスがアドリアノープルの戦いで西ゴート人に敗れ戦死。
- 380年 - ローマ皇帝テオドシウス1世がキリスト教を国教と定める。
- 381年 - 第1コンスタンティノポリス公会議 - 三位一体論の定義、ニカイア・コンスタンティノポリス信条採択。
- 383年 - 中国で淝水の戦い。東晋が前秦に勝利する。前秦は求心力を失い、以後華北は分裂する。
- 384年 - 慕容垂が自立し、後燕を建国。
- 385年 - エジプトのアレクサンドリア市のセラピウム(セラピス神殿)が破壊される。
- 386年 - 鮮卑の拓跋珪(道武帝)が自立し、北魏を建国。
- 391年 - 倭軍、渡海して百済・新羅を破り、臣民とする(高句麗広開土王碑)。
- 392年 - ローマがキリスト教を国教とする。
- 393年 - 第293回オリンピック。古代オリンピック最後の年といわれるが、記録には残っていない。
- 394年 - エジプトのフィラエ島イシス神殿に現存する最後のヒエログリフが刻まれる。
- 395年 - テオドシウスが死去し、ローマ帝国が東西に分割相続される(東西分裂)。ローマ人がブリタンニアより撤退。
- 396年 - 高句麗の談徳(広開土境好太王)、百済を攻め、その北部を領土とし、城下の誓いをさせる(広開土王碑)。
- 399年 - 中国の法顕が仏典を求めてインドに赴く。
- 399年 - 百済、3年前の誓いに背き、倭と連合して新羅に侵入したため、新羅は高句麗に援助を求める(広開土王碑)。
空白の4世紀
中国の歴史文献において266年から413年にかけての倭国に関する記述がなく、ヤマト王権の成立過程などが把握できないため、日本において「空白の4世紀」とも呼ばれている。
文化
人物
地中海世界
- コンスタンティヌス1世(274年? - 337年) - ローマ帝国皇帝(在位306年 - 337年)・ミラノ勅令でキリスト教を公認する
- ユリアヌス(331年/332年 - 363年) - ローマ帝国皇帝(在位361年 - 363年)・異教を擁護し「背教者」と呼ばれる
- ウァレンス(328年 - 378年) - ローマ帝国皇帝(在位364年 - 378年)・ハドリアノポリスの戦いでゴート族に敗死
- テオドシウス1世(346年 - 395年) - ローマ帝国皇帝(在位379年 - 395年)・その死後にローマ帝国は東西に分裂
- アルカディウス(377年 - 408年) - 東ローマ帝国最初の皇帝(在位395年 - 408年)・皇帝テオドシウス1世の長男
- ホノリウス(384年 - 423年) - 西ローマ帝国最初の皇帝(在位395年 - 423年)・皇帝テオドシウス1世の次男
- アンミアヌス・マルケリヌス(325年/330年 - 391年以後) - ローマ帝国の軍人・歴史家として帝政後期をまとめた『歴史』を著す
- ラクタンティウス(240年頃 - 320年頃) - キリスト教神学者・『迫害者たちの死』『神の教程』の著作がある
- イアンブリコス(245年 - 325年) - 後期ネオプラトニズム(新プラトン主義)の代表とされる哲学者・ピタゴラス主義にも傾倒
- アレイオス(250年 - 336年) - キリスト教神学者でアレクサンドリアの司祭・アリウス派の祖
- 大アントニオス(251年頃 - 356年)- エジプトの隠修士で東方修道制の父・弟子にマカリオスらがいる
- コルドバのホシウス(257年頃 - 359年)- キリスト神学者・ニカイア公会議の進行役となりニカイア信条をまとめる
- 啓蒙者グレゴリオス(257年頃 - 331年頃)- キリスト教宣教者・アルメニアをキリスト教化する
- カイサリアのエウセビオス(263年頃 - 339年)- キリスト教神学者で歴史家・『教会史』などの著作がある
- ニコメディアのエウセビオス(? - 341年)- コンスタンティノープル主教で皇帝コンスタンティヌス1世の側近
- ミラのニコラオス(270年頃 - 345年/352年) - キリスト教神学者・サンタクロースの原型となる
- パコミオス(290年頃 - 346年) - エジプトの修道士・独居から発展した共住修道制の祖
- アタナシオス (298年 - 373年) - キリスト教神学者でアレクサンドリア主教・三位一体論を確立
- シリアのエフレム(306年頃 - 373年) - キリスト教神学者・反アリウス派の立場からシリアで活躍・聖歌(祈祷文)作家でもある
- アウソニウス(310年 - 393年頃) - ガリア出身の著述家・詩人として『モゼラ』を執筆・皇帝グラティアヌスの宮廷に伺候し顕職を歴任
- ウルフィラ(311年 - 382年) - キリスト教神学者(アリウス派)・聖書をゴート語に訳しゲルマン人に宣教
- サラミスのエピファニオス(315年 - 403年) - キリスト教神学者・著書『パナリオン(薬籠)』で異端諸派を論駁する
- ポワティエのヒラリウス(315年頃 - 368年頃) - キリスト教神学者・「西方のアタナシオス」と呼ばれアリウス派を論駁・教会博士
- トゥールのマルティヌス(316年頃 - 397年/400年) - ガリア(フランス)の修道士・西方修道制の祖
- アウレリウス・ウィクトル(320年頃 - 390年頃) - 政治家・属州総督・歴史家としては『皇帝たちについて』を残す
- アエリウス・ドナトゥス(生没年不詳) - 文法学者・ラテン教父ヒエロニムスの師・その著『大文法学』『小文法学』は後世の教科書となる
- ナジアンゾスのグレゴリオス(329年 - 389年) - キリスト教神学者・カッパドキア三教父の一人・三成聖者の一人
- カイサリアのバシレイオス(330年頃 - 379年) - キリスト教神学者・カッパドキア三教父の一人・三成聖者の一人
- ニュッサのグレゴリオス(335年頃 - 394年以降) - キリスト教神学者・カッパドキア三教父の一人
- アレクサンドリアのテオン(335年頃 - 405年頃) - 天文学者・数学者・哲学者・アレクサンドリア図書館の最後の所長・ヒュパティアの父
- シュンマクス(340年 - 402年) - ローマ元老院議員・勝利女神の祭壇設置問題でアンブロシウスと対立し異教を擁護
- アンブロシウス(340年? - 397年) - キリスト教神学者・ミラノの司教・四大ラテン教父の一人・シュンマクスとは論敵
- ウェゲティウス(4世紀後半) - 軍事学者・ローマ帝国の軍団(レギオン)の組織や編成・戦略や戦術をまとめた『軍事論』を執筆
アフリカ
ペルシア
インド
- チャンドラグプタ1世(生没年不詳) - インド・グプタ朝の建国者(在位320年頃 - 335年頃)・パータリプトラを都とする
- サムドラグプタ(生没年不詳) - インド・グプタ朝第2代の王(在位335年頃 - 376年頃)・南インドにまで勢力を拡大
- チャンドラグプタ2世(生没年不詳) - インド・グプタ朝第3代の王(在位376年 - 415年)・グプタ朝の最盛期
- カーリダーサ(生没年不詳) - インド・グプタ朝の詩人・劇作家・抒情詩『メーガ・ドゥータ』や戯曲『シャクンタラー』の作者
- ヴァーツヤーヤナ(生没年不詳) - インド・グプタ朝のニヤーヤ派の学者・宮廷詩人でもあり『カーマ・スートラ』を編纂したか
- アサンガ(無著)(310年頃 - 390年頃) - インドの大乗仏教の僧侶・唯識派の祖で『摂大乗論』を執筆・ヴァスバンドゥは実弟
- ヴァスバンドゥ(世親)(310年頃 - 390年頃) - インドの大乗仏教の僧侶・唯識派の祖で『唯識二十論』を執筆・アサンガは実兄
- スリー・メーガワンナ(? - 328年) - スリランカの王(在位301年 - 328年)・インドのカリンガから招来された仏歯をもとに仏歯寺を建立
東アジア
五胡十六国から北魏
- 仏図澄(232年 - 348年) - 五胡十六国時代の西域からの渡来僧・後趙の石勒・石虎に軍師として用いられる
- 劉淵(251年? - 310年) - 五胡十六国時代の前趙の初代皇帝(高祖)(在位304年 - 310年)・西晋から自立し平陽に都を置く
- 劉聡(? - 318年) - 五胡十六国時代の前趙の第3代皇帝(昭武帝)(在位310年 - 318年)・永嘉の乱に勝利し洛陽を占領
- 石勒(274年 - 333年)- 五胡十六国時代の後趙の皇帝(高祖)(在位319年 - 333年)・張賓の補佐により官制を整備し仏教を保護した
- 釈道安(314年 - 385年) - 五胡十六国時代の僧・仏図澄の弟子・格義仏教に反対し戒律を含む僧制を整備し中国仏教の基礎を築く
- 王猛(325年 - 375年) - 五胡十六国時代の前秦の宰相・苻堅に仕え華北統一に貢献したが東晋との全面戦争には反対した
- 苻堅(338年 - 385年) - 五胡十六国時代の前秦の第3代皇帝(世祖)(在位357年 - 385年)・華北を統一するが淝水の戦いで敗北
- 拓跋珪(371年 - 409年) - 北朝北魏の初代皇帝(道武帝)(在位398年 - 409年)・柔然や高車を征服して華北を平定
西晋・東晋
- 司馬越(? - 311年) - 西晋の皇族(東海王)・八王の乱を終結させ懐帝を擁し実権を握る・その死とともに永嘉の乱が始まる
- 郭象(252年 - 312年) - 西晋の官僚・思想家・清談に優れ何晏や王弼の玄学に続き『荘子』に注をつける
- 王衍(256年 - 311年) - 西晋の政治家・八王の乱後の西晋を東海王越とともに支えるが石勒に捕縛され殺害される
- 王敦(266年 - 324年) - 西晋から東晋の政治家・従弟の王導と共に東晋の建国に協力・後に王敦の乱を起こす
- 司馬睿(276年 - 322年) - 東晋の初代皇帝(元帝)(在位318年 - 322年)
- 王導(276年 - 339年) - 西晋から東晋の政治家・東晋の建国に協力し琅邪王氏の基礎を築く
- 蘇峻(? - 329年) - 西晋から東晋の武将・王敦の乱の鎮圧に功があったが不満を持ち蘇峻の乱を起こす
- 郭璞(276年 - 324年) - 西晋から東晋の文学者・卜者・王導に重用され『爾雅』『方言』『山海経』に注をつける
- 葛洪(283年 - 343年) - 西晋から東晋の道教思想家・著作に『神仙伝』『抱朴子』がある
- 干宝(? - 336年) - 東晋の史官・元帝に『晋紀』を上奏した・志怪小説集『捜神記』の著者でもある
- 王羲之(303年 - 361年) - 東晋の政治家・書家で「書聖」とも呼ばれる・代表作に「蘭亭序」がある
- 桓温(312年 - 373年) - 東晋の政治家・軍人・土断法の実施や軍事的成功により政権を掌握し禅譲を望むが失敗
- 支遁(314年 - 366年) - 東晋の僧侶・老荘思想の概念で仏教を解釈する格義仏教の中心人物・著作に『文翰集』がある
- 謝安(320年 - 385年) - 東晋の宰相・桓温の簒奪の阻止し淝水の戦いを勝利に導く
- 顧愷之(344年? - 405年?) - 東晋の画家で「画聖」とも呼ばれる・代表作に「女史箴図」がある
- 孫恩(? - 402年) - 東晋の宗教家(五斗米道)・江南の信徒を集め反乱を起こし建康に迫るが敗走し自殺
- 司馬道子(364年 - 402年) - 東晋の皇族・政治家・簡文帝の末子で孝武帝の末弟・政局を壟断するが桓玄の乱で殺害される
10年紀と各年
300年代 | 300 | 301 | 302 | 303 | 304 | 305 | 306 | 307 | 308 | 309 |
310年代 | 310 | 311 | 312 | 313 | 314 | 315 | 316 | 317 | 318 | 319 |
320年代 | 320 | 321 | 322 | 323 | 324 | 325 | 326 | 327 | 328 | 329 |
330年代 | 330 | 331 | 332 | 333 | 334 | 335 | 336 | 337 | 338 | 339 |
340年代 | 340 | 341 | 342 | 343 | 344 | 345 | 346 | 347 | 348 | 349 |
350年代 | 350 | 351 | 352 | 353 | 354 | 355 | 356 | 357 | 358 | 359 |
360年代 | 360 | 361 | 362 | 363 | 364 | 365 | 366 | 367 | 368 | 369 |
370年代 | 370 | 371 | 372 | 373 | 374 | 375 | 376 | 377 | 378 | 379 |
380年代 | 380 | 381 | 382 | 383 | 384 | 385 | 386 | 387 | 388 | 389 |
390年代 | 390 | 391 | 392 | 393 | 394 | 395 | 396 | 397 | 398 | 399 |
400年代 | 400 | 401 | 402 | 403 | 404 | 405 | 406 | 407 | 408 | 409 |