立ち食いそば・うどん店

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立ち食いそば・うどん店(たちぐいそばてん・うどんてん)は、そばうどんなどを立ち食いさせる飲食店である。

概要

ファイル:Japanese Quick serving soba noodle stand Ikebukuro 2.JPG
立ち食いそば店「お馴染 田舎そば 池袋店」の食券販売機。suicaなど、ICカード乗車券による支払にも対応している。

簡単に食事をすませたい場合などに多く利用されているファーストフード店の一種でもある。簡便な食事場所としての立ち食い蕎麦の起源は、江戸時代江戸屋台である。

立ち食い蕎麦の店舗は日本各地で見られ、鉄道駅にあるものは「駅そば」とも呼ばれる。また、鉄道駅の他、大都市圏を中心に駅周辺やビジネス街などの市街地商業地域で営業する店、あるいは遊園地野球場競馬場などの遊興施設で営業をする店も多々ある。店によっては立ち食いではなく、カウンターに簡易椅子を設けて腰掛けられるようになっている場合や、テーブル席を置いている場合もある。

高速道路サービスエリアパーキングエリア一般道路道の駅などにある立ち食いもしくはカフェテリアスタイルの軽食コーナーにも、そば・うどんのメニューがあるので、広義にはこれらを含むこともある。また、1960年代1970年代の一時期には、国鉄急行列車の一部にあったビュフェでも立ち食い形式のそば・うどんを提供していたこともあった。

そば・うどんや地域によるメニューの違いを良く理解していない日本国外の人をも考慮して、メニューや看板に料理の写真を掲載している店もある。

そば・うどん

全国一般的には「そば・うどん」などと表記されており、「そば」と「うどん」が扱われている。富山県のJR高岡駅の「今庄」には、丼に「そば」と「うどん」が一緒に入った「ちゃんぽん」というメニューがある。首都圏では、そばが7-8割を占めているが関西では4-5割とされ、また、同じ関西でも「阪急そば」は6割を占めており、売り上げが伸びないうどん専門店をそば店に転換して軌道に乗った店もあり、「駅の立ち食いはそば」という概念が確立している[1]

営業形態

ファイル:Himeji ekisoba stand.jpg
姫路駅山陽本線ホームの立ち食いそば店。左側内部が厨房とカウンターで、入り口すぐに自動券売機がこちらから見て裏向きに立っている。右側内部が立食場所だが、ホームに出て食べている人もいる。

基本的に客は店内のカウンター越しに厨房内にいる従業員へ料理を注文し、カウンター越しに出来上がった料理を受け取る。

かつては、出来上がった料理と引き換えに、従業員へ代金の現金を手渡しするスタイルが標準的だったが、立ち食いそばチェーンの普及による金銭管理の徹底化、および保健所からの衛生上の観点による指導により、食券販売機を使用する店舗が増えている。また、SuicaPASMOICOCASUGOCAなどの電子マネーが利用できる店舗もある。ただし、トッピングの追加のみ現金可の場合も多いほか、今でも手渡しで全商品の代金収受を行っている店も少なくない。

商品形態

立ち食い店では商品を短時間に提供することが売り物のひとつであるため、市中のそば・うどん店とは異なり、主流は「ゆで麺」であり、あらかじめ製麺所でゆで上げられた麺を注文後再度短時間湯通しし、かつ熱めのつゆをかけて提供される場合が多い。これは、生麺からゆでていては客の「短時間で食事を済ませたい」要求に対応できないことから生まれたものである。また、この方法では調理が短時間かつ簡単なため、店員数が少なくて済み、コスト削減の効果もある。ただし、後述の生麺・冷凍麺より質感が劣る場合や、消費期限が製造から3日程度で毎日納品する必要性が生じるなどの欠点もある。

味への要求から、質感が向上した「生麺」や「冷凍麺」を採用する店も増えてきている。冷凍麺は賞味期限が1年と長持ちするため、週1回程度での納品で済む利点から、それらの手間を軽減したい店でも採用されることもある。逆に冷凍庫を設置しなければならないことや、ゆで麺に対して2分程度のゆで時間がかかるという欠点がある。そのため生麺を使用している店の中には、生麺使用のため多少時間がかかるという旨の注意書きを壁に貼っている店もある。生麺は市街地に立地する店を中心に採用され、注文後生麺からゆで上げ、その後冷たい水で麺のヌメリを取り締めるため、本来の味を楽しむことが出来る。生麺や冷凍麺を採用する店でも、ゆで上げる手間を減らし提供の早さを維持するため、一定量の麺を一度にゆで上げておく店では麺が伸びてしまっている場合もある。

立ち食い店で初めて生麺を導入したのは、1987年、富士そばとされる[2]。「小諸そば」を生麺導入の先駆け的存在とした記事[3]もあるが詳細は不明。

つゆ

めんつゆは一般のそば・うどんと同様である。

江戸ではつけ蕎麦のツユを掛けて食べてかけそばが出来たように、濃口醤油砂糖味醂を材料とする「かえし」と削り節を使用し旨味と香りが強く濃い色のつゆ[4]であり、これはつけそば、かけそば、またうどんでも同様である。

一方、関西風では、薄口醤油を使用し昆布の風味を生かした薄い色のつゆが主流である。とはいえ、例外的に関東でも関西風のつゆを出す店はある。関東の駅で主流の日本レストランエンタプライズ(NRE)の店の一部では、そば・うどんともにつゆを関東風・関西風から選択可能であり、ネギは根深ネギを使用している。逆に関西以西(西日本)の店舗で「関東風」のつゆが出される地域はかなり限定的であり、鳥取県米子周辺、島根県出雲地方のみとなっている。ただ、それらの地域でも用いられるネギは他の西日本同様にすべて青ネギである。

金沢駅では味付けが京阪神のものとは微妙に異なるものの汁が関西風になることや、富山県内にある高速道路のサービスエリアパーキングエリアでは西進するにつれ徐々に味が関西風に近づいている[5]ことなどにかんがみると、日本海側では富山県内が境界である可能性が高い。

太平洋側では、静岡県が全県で関東風、三重県は名古屋の影響の強い北部でも薄口醤油による関西風のつゆが主流のため、愛知県を境界とする説が有力である。同じ愛知でも、豊橋など東三河地方では、静岡県と同様の「かつお出汁に濃口醤油」の関東風そのものだが、名古屋岡崎など尾張地方西三河地方では味醂等の甘味が効いた独特な「名古屋風」のつゆである。濃口醤油・白醤油が混在するが、かつおだしベースのため、広義では関東風に含めることが多い。また紀勢線では駅によってばらつきがある。

内陸部の米原駅の立ち食い店は、薄口醤油と昆布の風味を生かした、明らかに関西風のつゆの立ち食い店である。東海道本線沿線で米原の東隣に位置する立ち食い店設置駅はかつては大垣駅、2006年時点では岐阜駅で、いずれも濃口醤油ベースの名古屋風つゆの店である。この事から立ち食いそば・うどん店のつゆもまた、「関ヶ原」が東西の境目になっていると言える。

飛び地などもあり一概に言えないが、北から富山県、関ヶ原、愛知県・三重県境を基準として境界線を引くことができるとする意見もある[6]

2000年12月22日に放送された『タモリ倶楽部 さよなら20世紀SPECIAL』(テレビ朝日、90分拡大SP)の企画で、東海道新幹線各駅のうどんだしの濃さを調査した。関東〜東海にかけては関東風で、特に小田原駅から豊橋駅までが最も濃く、また西に進むにつれむしろ濃くなっていった。豊橋駅の次の三河安城駅でやや薄くなる変化が現れ始め、名古屋駅は三河安城駅とほぼ同じ、その隣の岐阜羽島駅ではそれより更に薄くなり、次の米原駅からは完全な関西風の薄いだしになるという結果だった[7]。また、2001年10月28日放送『所さんの目がテン!』でも同様の調査が行われ、やはり米原駅で関西風に切り替わるという結論に至った[8]

なお、九州地方ではそもそも醤油が他地域に比べ甘いため、立ち食いうどんやそばのだしの見た目そのものは関西風に似た澄んだものではあるものの、甘味があり、醤油で味付けされている鶏肉などの具の味についても同様である。また、九州ではだしにトビウオを使うため、同じ薄口のだしでも関西のものとは味が微妙に異なる。

種物・薬味

  • 立ち食い店での「天ぷら」は「かき揚げ」を使用する場合がある。かき揚げを使用する由来は立ち食いそば発祥の頃にまでさかのぼる。守貞漫稿に書かれている「蕎麦屋の天ぷら」は「芝海老」だったと書かれており、芝海老は小さいために「かき揚げ」となることから、そもそも最初の天ぷら蕎麦が芝海老のかき揚げである[9]。配送品や既製品を使用する店もあるが、店内で揚げるスタイルの店も増えている。天ぷらの素材は、チェーン店では業務用の冷凍製品が用いられるが、小規模の個人店舗ではオリジナルの材料や揚げ方などにより独自性を発揮している例も多い。天ぷらと玉子を一緒に載せた「天玉そば(うどん)」がある。
  • 種物のバラエティに富む店もある。箱根そばチェーンの2006年までの夏季限定メニュー「冷やし豆腐一丁」は、冷やし麺に絹ごし豆腐を一丁そのまま載せたもので、それまで一般の店には全く見られなかった種物である。その一方で、利用者が多くない店舗では、種物の種類を絞る店も多い。たとえば、種物としてとかき揚げしか用意せず、かけ・天ぷら・月見・天玉の4つしかメニューがない店もある。これらの種物は冷蔵庫で保管すれば複数日に渡って保存可能である。
  • コロッケそば・うどんは首都圏各地へと広まったとされる。立ち食い店で提供されるコロッケはそば・うどん用に衣が厚く硬く作られており、イモ部分も水分が少なく、じっくり汁に浸してからでないと箸を通せないようにできている。小田急電鉄の駅で提供される「箱根そば」のコロッケはカレー味の「カレーコロッケ」になっている。
  • 「肉うどん」は、豚肉牛肉馬肉を使用するなど、地域や店舗によって異なる(詳細は「そば・うどん」を参照)。
  • 東日本では根深ネギ(白ネギ)、西日本では葉ネギ(青ネギ)を薬味にする傾向がある。東海道本線の駅そば・うどんでは、小田原で白ネギ、三島で葉ネギの使用が見られる。また、北陸本線では、金沢で白ネギが使用されているが、福井では葉ネギが使用されている。
  • もりそば・ざるそば・冷やし・ぶっかけは、夏季限定としたり提供しない店が多い。茹でた麺を流水で冷やす手間が必要な事、また提供に時間がかかる事から、価格も高めに設定されている事が多い。

飯物

ご飯物も提供している店舗もある。ご・炊き込み類・とろろ飯などの茶碗に盛るだけのもの、カレーライス・かきあげ天丼などの麺類と具が共通のもの、または稲荷寿司おむすびなどの店舗内での調理が不要か簡単なメニューが多い。その一方で、通常の蕎麦屋のメニューのように親子丼カツ丼牛丼・夏季に鰻丼などの丼物を置く店もある。駅弁販売業者が運営する駅内にある店舗では駅弁を扱うところもあるが、あくまでも持ち帰り用である。

その他の麺類

定常メニューとしてラーメンがある店舗もある。そば・うどんと同じネタをトッピングすることが可能な場合が多い。きしめんなどの地域性に富むものや、季節限定で夏季に素麺冷麦を出すところもある。

また、そば・うどんを全く置かないため本項で語るべき範疇からは外れるが、ラーメン専門の立ち食い店も各地に存在する。かつては「ホームラーメン」という名称の立ち食いラーメンチェーン店が秋葉原駅浜松町駅などの構内にあったが、現在は存在しない。

各地の特徴

北海道

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札幌駅ホーム上の立ち食いそば店
ファイル:宗谷本線 (31).JPG
音威子府駅駅蕎麦。旅行雑誌やテレビなどのメディアに出る。
ファイル:Engaru station05.JPG
遠軽駅「スペシャルそば」。合鴨や天ぷらなど割増トッピング全部入り
  • 北海道の立ち食い店での天ぷらは、揚げ玉を円盤状に固め、表面に乾燥小海老がついたものが多い。ナルトは外側の波型の部分が赤色で中の渦巻きの絵柄が緑色をしたものが多い。
  • 音威子府駅の濃い黒色をした蕎麦はテレビ雑誌などでも取り上げられている。
  • 遠軽駅では、きつねそば・うどんが無く、合鴨そばが中心となっている。
  • 札幌駅では、通勤電車の発着ホームも含めて全てのホームの店で車内持ち込み用の容器が売られている。また、店の作りも屋内にあるのは厨房のみで、カウンターは屋外にある。かつて構内飲食店が他にほとんどなかった頃は、冬場は発車まで時間があっても、寒風に晒されるホームを避けて車内で食すために利用する客も少なくなかった。
  • 留萌駅では、地元の名産であるにしんを使ったにしんそばが名物となっている。
  • 北海道の立ち食いそば店のダシは色が非常に濃く、真っ黒い色のダシが多い。しかし味は見た目とは裏腹に、昆布ダシを加えた甘めなものが多く、塩辛さはそれほど強くはない。

東北

  • 東北地方は多くで伯養軒が「こけし亭」「OASIS」などとして営業していたが、日本レストランエンタプライズ(NRE)との合弁会社に譲渡されたのち、現在はNRE直営店となっている。
  • 仙台駅では、東北総合サービスが営業する「杜」の「鶏から揚げそば」があった。2014年6月現在、仙台駅改良工事に伴い、閉店。
  • 原ノ町駅で立ち食いそば店を運営しているのは、同駅でざるそばの駅弁などを製造・販売している業者であり、駅前の食堂から、およそバット1枚分ずつ、ゆで上げられたそばが運び込まれる。

関東

  • 東日本旅客鉄道(JR東日本)では以前は各駅毎に様々な業者が入り営業していたが、同社の連結子会社である日本レストランエンタプライズ(NRE)へとこれら業者を統合してきた。一方で、近年では独自なメニューを置いている、具の内容が異なる、などの店も増えてきている。店名の多くは「あじさい茶屋」だが、駅によっては違う名前で出店している例もある。
    • 具の内容が異なる店として、品川店のみの「しながわ」、西船橋店では他店と異なるかき揚げを使用、などがある。
    • 「あじさい茶屋」以外の名称で出店している駅としては錦糸町駅の「本所そば」、品川駅の「しながわそば」、吉祥寺駅の「そば処 井の頭」などがある。立川駅ホームの立ち食い店「奥多摩そば」もNRE(旧駅弁業者の中村亭を買収したNRE中村亭)の店舗で、甘辛く煮た薩摩揚げ・厚揚げ・煮卵2個の3種の種物から選ぶことができる「おでんそば・うどん」がある。
    • 全国的な讃岐うどんブームが起こった2002年(平成14年)より、NREが四国旅客鉄道(JR四国)系列の「めりけんや」と業務提携を行い、恵比寿駅上野駅新橋駅など一部の駅で讃岐うどんの専門店を営業している。
  • JR東日本系列のジェイアール東日本フードビジネス(JEFB)も独自に「あずみ」「生そば あずみ」を展開しており、同じ駅にNREの「あじさい茶屋」や前述の讃岐うどん店が共存することがある。その他、以前はJR東日本直営系として、旧各鉄道管理局直営店舗からの流れをくむ各支社子会社であるジェイアール東京企画開発・ジェイアール宇都宮企画開発が展開する「喜多そば」、ジェイアール神奈川企画開発・ジェイアールかいじ企画開発が展開する「小竹林(旧・そばたいむ小竹林)」があったが、2009年4月に関連会社の統廃合に伴い、これらの店舗はNREに事業譲渡された。小竹林の特徴は冷凍麺を使用している点である。
  • 茨城県内の主要駅では納豆そば(うどん)が食べられる。
  • 水戸駅では、冬季メニューにけんちんそば(うどん)がある。
  • 新前橋駅にある「麦和楽」(むぎわら)のうどん・そばは、自社麺房の手打麺を使用している。
  • 常磐線我孫子駅天王台駅は、唐揚げが乗った「唐揚げそば」がある。営んでいる弥生軒はかつては駅弁業者で、過去に画家山下清が働いていた。
  • 品川駅構内の立ち食いそばは、NREのほか、NRE非系列の常盤軒の店もある。また、ホームや場所ごとに業者により内容が全て異なる。
  • 東京都心に乗り入れるJR東日本の路線でも、常磐線の駅には山手線等と重複する上野駅日暮里駅を除けば、NRE・JEFBの立ち食いそば・うどん店は全く存在しない。JR系列ではキオスクが運営する店があるのみで、他は業者もまちまちで、比較的変化に富んでいる。
  • 私鉄の場合、その鉄道会社の系列の店が出店する傾向が強い。小田急電鉄系の「箱根そば」(小田急レストランシステム)などが代表格である。このほかに、東京急行電鉄系の「渋谷しぶそば」(東急グルメフロント)、京王電鉄系の「高幡そば」(レストラン京王)、西武鉄道系の「狭山そば」、東京地下鉄(東京メトロ)系の「ちかてつそば(めとろ庵)」(主に駅敷地内の地上で展開、運営はメトロフードサービス)などがある。鉄道会社とは直接関係のない業者が出店する場合も多々ある。京浜急行電鉄の「えきめんや」は店の屋号が統一されているだけで、実際は各駅様々な業者が運営している。東武鉄道では伊勢崎線北千住駅・新越谷駅に小諸そば、東武東上線大山駅には富士そばがそれぞれ出店している。
  • 京急久里浜線三崎口駅駅構外にある「えきめん茶屋」は、一度「えきめんや」として営業していた店舗が2011年に閉店し、2012年7月に再開店させた店舗である。立ち食いそばでなくなった代わりに従来のメニューに加えて、スイーツやドリンクバーがついた異色の店舗となっている。
  • 首都圏の主な駅周辺には「富士そば」チェーンや「梅もと」の店舗がよく見られる。また東京都心の商業地などでは集客力から駅に依存しないで立地しているケースも見られる。

甲信越

中部

  • 福井駅のうどん・そばは、鰹節を散らすのが特徴である。
  • 富山県・石川県のうどん・そば店では「赤巻」と呼ばれる北陸地方独特のかまぼこが添えられるのが一般的なため、立ち食いのかけそばやかけうどんでもネギと共にかまぼこが出されている。
  • 富山駅にある「立山そば」では「立山」などの文字が入ったかまぼこが供される。ホーム内店舗では、車内持ち込み用ポリ容器の導入が1990年代後半まで行われず、かつて主流だった車内持込の際に持ち込み料金を払って丼ごと購入する形式がとられていた。現在ではホーム店でのみ持ち帰りの容器が販売されている。
  • 高岡駅構内の店ではそばとうどんを一緒に盛り付けたメニューを「チャンポン」と称して供する。
  • 中央本線中津川駅の「根の上そば」は、細麺でしっかりとした歯ごたえがあり、信州蕎麦の特徴である濃い色のツユを使用し、やや甘みがあり円やかな味わいがある。
  • 静岡県では、鉄道駅以外にの市街地国道沿いにおける出店が多い。静岡がサクラエビシラスの産地であることから、サクラエビやシラスの掻き揚げ天ぷらを乗せたそば・うどんも存在する。なお、県内全域でつゆは関東風にいりこだしを加えた甘めのものが使われる。
  • 豊橋駅の「壷屋」ではすべてのメニューにきざんだ油揚げがのっている。これは豊川稲荷にちなんだものである。
  • 名古屋駅ホーム上には立ち食いきしめんがある。なお、駅構内すべての店できしめんを扱っている訳ではない。めんつゆは殆どの店が関東風に近い濃口であるが、1番線ホームの「かきつばた」は関西風に近い薄口のつゆである。

近畿

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姫路駅名物「えきそば」。かんすいを使用しているため、麺が黄色い

中国

  • ほぼ関西と同様の昆布鰹節出汁を取り、淡口醤油の風味を生かしたつゆの立ち食い店が多い。ただし鳥取県米子駅と島根県出雲地方の駅では、濃口醤油を使った、色が濃い目のつゆであるが、ネギに関しては西日本の他の地域と同様に葉ネギが使用されている。
  • 島根県にあるJR木次線亀嵩駅は簡易委託駅で、駅舎内の蕎麦店「扇屋そば」の店主が駅業務を兼業している。
  • 広島駅では、駅弁業者の広島駅弁当が1番ホーム、4・5番ホームで営業している。安芸高田市ねぎを使用している。在来線ホームの「天ぷらうどん」の天ぷらは、小エビが入ったわらじほどの大きめなかき揚げ風で、「かき揚げうどん(そば)」もこれとは別メニューである。
  • 福塩線備後矢野駅では、駅舎の中に民芸店、うどん・そばの店(「山小屋」)がある。餅2つ(ヨモギ・きび)入りの田舎そばといった変わったメニューがある他、ブランド牛の上下牛を使った肉そばがある。
  • 鳥取駅では、「砂丘そば」がかけそばに準ずる基本メニューであるがチクワが載せられる。他の標準的なメニューの他、寿司類が多い。

四国

  • 立ち食いそば・うどん店が少なく、うどんのみの店がほとんどである。そばがある場合でもうどんの金額に追加料金を求められる場合もある。
  • 高松駅の構内では、かつて宇高連絡船の甲板で営業していたうどんを再現したうどんを提供している。
  • 松山駅の構内では、愛媛県名物のじゃこ天うどん(そば)がある。

九州

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鳥栖駅のかしわうどん
  • うどん中心の地域であり、うどん麺は常にすぐ出せるように準備されているが、蕎麦はすぐ出せないという店が多い。そばの場合は四国同様に追加料金が加算される店もある。
  • 特徴的な種物としては「ごぼう天」(「ごぼ天」とも言う)と「丸天」が挙げられる。「ごぼう天」とは、主にゴボウ掻き揚げを指すが、斜め切りまたは拍子木切りにして個別に揚げたものを用いる地域もあり、シャキシャキとした食感が好まれる。「丸天」とは薩摩揚げに似た大判の蒲鉾天ぷらの事である。甘みは薩摩揚げほどではなく、また前述の立川駅で見られる「おでん」とは異なり、特に味付はなされていない。
  • 「天ぷらうどん」あるいは「天ぷらそば」を注文すると、上記の「丸天」が乗って出てくる場合がある。
  • 九州地方の立ち食い店では、大半の店でプラスチック製の丼で供され、わずかな容器代を追加すれば車内に持ち込む事も可能である。
  • 福岡県を中心とした北部九州地区では、柔らかい食感とやや平たい断面が特徴的の「博多うどん」が提供される。また、「かけ」を注文した場合でも、鶏肉の細切れを甘辛く煮た「かしわ」と呼ぶものが入っている場合が多い。かしわうどん博多駅以南が寿軒、以北が東筑軒小倉駅門司駅北九州駅弁当と分かれている。両者では麺・汁・かしわの味も風味も全く違う。

<!--* かつて博多駅では、葱を客が好きなだけトッピングするシステムだった。現在は葱は追加することができる。鶏肉と葱のトッピングは、ホームによって異なる。博多駅では替玉もある。-->

沖縄

  • 鉄道が存在しなかった時期が長く、またそば・うどんの消費量も非常に少ない[11]。そのため立ち食いそば・うどん店も少なく、市場繁華街、道路沿いのSAPAなどの立ち食い店では沖縄そばが主流である[12]

脚注

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関連項目

外部リンク

テンプレート:ファーストフードチェーン店
  1. <データ読解>駅の立ち食い、うどん優勢 日経ネット関西版 2008年3月10日配信
  2. 演歌に癒やされ、そばに真心 読売新聞ジョブサーチ 2007年3月28日
  3. いや本当に旨いんです。「立ち食いそば」インターネット・アーカイブdancyu 2001年12月号
  4. 東京のそばつゆと関西のうどんつゆ
  5. 新潟テレビ21「小野沢裕子のいきいきワイド」取材に基づく。
  6. 鈴木弘毅著「駅そば読本」(交通新聞社発行)160p
  7. 『タモリ倶楽部のへや』 番組レビュー2000年12月22日参照。なお、番組レビューページの日付は「1月22日」となっているが、このサイトのフレーム2000年のカレンダーやこの放送のサブタイトルなどから12月22日が正しい模様。
  8. 所さんの目がテン! 2001年10月28日放送 大阪うどん うす味の謎(第604回)より。
  9. てんぷらそば
  10. 駅そばの話(まねき食品株式会社)
  11. 総務省統計局>家計調査>都道府県庁所在市別ランキング>外食(注:エクセルファイル)「日本そば・うどん」より。
  12. gooタウンページ>沖縄県>沖縄そば店/立ち食いうどん店/立ち食いそば店より。