宇宙戦艦ヤマトIII
『宇宙戦艦ヤマトIII』(うちゅうせんかんヤマトスリー)は讀賣テレビ放送・日本テレビ系列で1980年10月11日 - 1981年4月4日、土曜日の午後7時 - 7時30分、全25話で放送されたテレビアニメーション。
通称「III」「ヤマトIII」。「宇宙戦艦ヤマトシリーズ」のテレビアニメ版としては第3作にあたる。宇宙戦艦ヤマトシリーズの中で讀賣テレビ放送が製作に携わったテレビアニメとしてはこれが最後の作品である(シリーズのテレビアニメ版の第4作『宇宙戦艦ヤマト2199』はMBS製作・TBS系列放送の為)。
目次
概要
西崎義展が前作『宇宙空母ブルーノア』の次に製作した、西崎作品としての『宇宙戦艦ヤマト』シリーズとしては最後のテレビアニメ。全52話で放送予定されていたが、視聴率が15.4%程度と低迷したため[1] 、放送期間が半年2クールに短縮される。
『宇宙戦艦ヤマト3』との表記も見られるが、ローマ数字での表記が正式である。なお、テレビシリーズ2作目は、『宇宙戦艦ヤマト2』が正式表記であり、元々のタイトルの表記方法が異なっている。ただし、パチンコ版の表記はアラビア数字での『宇宙戦艦ヤマト3』である。
本編の放送開始前に、2時間スペシャルの事前番組が制作され、西崎も出演。上述のように今作は1年(52話)に渡り展開する旨の内容を話していた。なお、広島テレビでは、広島ローカルのプロ野球中継(広島東洋カープ主催ゲーム)のため放送されなかった。
最終話のラストシーンでは西崎のメッセージが表示され、1982年夏に本作の続編でもある『宇宙戦艦ヤマト 完結編』を公開予定だったが、制作作業の遅れの影響で1983年3月に延期されることになった。
シリーズの設定における本作の年代は、劇中では「23世紀初頭」とナレーションで説明されるのみで、年数は明示されていない。放送当時には西暦2205年と設定されていたが、『完結編』は西暦2203年と設定される(詳細は宇宙戦艦ヤマト 完結編#時代設定を参照)。この変更により『宇宙戦艦ヤマトIII』は資料により西暦2202年や2205年など複数の記述が存在することになる。なお前作『ヤマトよ永遠に』は2202年である。
なお、松本零士は、本作終了後のインタビューで「私は、ヤマトという作品に大変愛着を感じているので、この辺でそっと自分の胸の中にしまっておきたいというのが本心」「でも、もし次を作る事になるなら、私の自由にやらせてくれるということでなければ、参加したくない」「そうでなければヤマトは、私の作品ではなくなってしまうと思うから」と述べており、後年の、宇宙戦艦ヤマト裁判の火種はこの時点で既に覗える[2]。
ストーリー
23世紀初頭、星間国家ボラー連邦と新興帝国ガルマン・ガミラス帝国との間で、銀河の覇権を争う銀河系大戦が勃発。ボラー連邦の属領バース星をめぐる戦闘で、ガルマン・ガミラス帝国軍の使用した惑星破壊プロトンミサイルが流れ弾となり太陽に命中する。
地球連邦大学のサイモン教授は、太陽で起きている核融合の異常増進に気づく。このまま進行すれば、1年以内に地球は灼熱地獄となり人類は滅亡し、3年後には、超新星爆発を起こして太陽系自体が消滅する。観測データと導きだされた結論を地球の危機として警告を発するが、地球連邦政府は事態の深刻さを理解するどころか、サイモン教授を大学から解雇する。
ただ、地球防衛軍司令長官藤堂平九郎は、サイモン教授の警告を重く受け止めていた。最悪の事態に備え、ヤマトを第2の地球探しの特務艦として、銀河系中心方向に派遣することを決定。長く艦長代理を務めてきた古代進を正式に新艦長として任命。補佐役として島大介及び真田志郎を副長に任命。また、土門竜介、揚羽武ら新人乗組員を乗船させ出航準備を進めさせる。暁の日本アルプスの雪原から、ヤマトは人類が移住可能な惑星探索に旅立つ。
ヤマトの航路
ヤマトはおおよそ、以下のような航路をたどった[3]。
- 地球(日本アルプスのドック) → 海王星 → 11番惑星 → アルファ・ケンタウリ第4惑星 → バーナード第1惑星 → 白鳥座三連星 → バース星 → ガルマン・ガミラス本星 → 惑星ファンタム → スカラゲック海峡星団 → シャルバート星 → 地球
総集編
テンプレート:節スタブ 1983年12月28日には、読売テレビ系『水曜ロードショー』枠でTVスペシャルとしてオリジナル総集編『宇宙戦艦ヤマトIII 太陽系の破滅』が放送された。
ダゴンとの戦闘やフラウスキーの太陽制御作戦、スカラゲック海峡星団の戦闘などのエピソードはカットされ、主に次元潜航艇との戦闘からのガルマン・ガミラス訪問や惑星ファンタム、シャルバートのエピソードが主流となっている。
また、ヤマトがバース星に立ち寄るエピソードもカットされているため、ヤマトとボラー連邦の関わりは全くと言っていい程なくなっており、終盤でようやく直接戦闘することになっている。
『宇宙戦艦ヤマトII ヤマトよ永遠なれ!』とは異なり、セリフやBGMなどの音声の差し替え等はなく、TV放送版の映像をそのまま継ぎ接ぎしたような内容になっている。
登場人物
本作から登場する人物について記述する。
地球防衛軍及びヤマト乗組員
第二の地球探しという長期の航海であることから、艦内生活や人間模様を描くために、土門竜介、揚羽武、坂巻浪夫、仁科春夫、雷電五郎、板東平次、赤城大六、幕之内勉、平田一、京塚ミヤコ以下の看護士・看護婦や、多数のロボットやアンドロイドなど、各部門に新しいキャラクターが多数加えられた。しかし、土門、揚羽以外のほとんどの人物は、名前と台詞こそあったものの、早々に退場するか、その他大勢程度の活躍のままで終わる。
地球防衛軍司令長官が、第3話の劇中で初めて藤堂平九郎と名乗っている。
登場勢力
- 地球連邦
- 太陽核融合異常増進により、再び危機に陥る。
- 他のシリーズ作品と異なり、他の星間国家から直接侵略は受けていない。
- ガルマン・ガミラス帝国
- 銀河系中心部・核恒星系に建国された新興星間連合国家。ボラー連邦と激しい戦争状態にある。
- ボラー連邦
- 銀河系の一翼を支配する巨大な連邦国家。元は銀河系の半分以上の版図を持っていたが、ガルマン・ガミラスによって銀河系中心部の領土を奪われ、現在も戦争状態にある。
- 惑星国家バース
- ボラー連邦の保護国である惑星国家。他の国家群からの侵略の危機に幾度となく見舞われ、劇中の10年ほど前にボラー連邦の傘下に入った。
- シャルバート
- 幾千年の昔、銀河系を統一した巨大国家。現在では伝説上の存在となっており、多数の信奉者も存在する。
登場兵器
演出
テンプレート:出典の明記 「太陽に核融合異常増進が起こり、このままだと1年以内に地球は灼熱地獄となって人類が滅亡」というあらすじは、高校生のファングループの投稿が元になっている[4]。ただし、地球壊滅に際し第二の地球を探すというプロット自体は「さらば」の企画時点に既に存在している。また、この設定は第1作で用いられた、「イスカンダルへの1年というタイムリミットを切られてのカウントダウン」の緊迫感を再度活用したものであり、シリーズ内オマージュでもある。
地球に直接侵略を企てる異星人が登場しない。銀河系はガルマン・ガミラスとボラー連邦の二つの超大国の全面戦争の真っ最中であり、地球はその巻き添えを食らったに過ぎない点で異色である。
作中で、ヤマトはガルマン・ガミラス帝国のガイデル提督率いる東部方面軍と交戦し、敗北のあげくにガイデルに捕獲されてしまう。戦闘でヤマトが完敗を喫したことは、宇宙戦艦ヤマトシリーズとしては非常に稀な出来事であった。
ボラー連邦とガルマン・ガミラス、そして地球の関係は当時の冷戦構造が基になっていると推測される。ボラーをソ連、ガルマン・ガミラスをアメリカ、地球を日本と置き換える事もできるが、本来、ガルマン・ガミラス、ボラーに次ぐ第三勢力として登場が予定された「ゼニー合衆国」(国家元首はゴーマン大統領)が、アメリカ合衆国をモデルとした存在である。ただし、ゼニー合衆国の登場は放送期間の短縮のため、結局見送られている。
ICBMを思わせる戦略兵器・惑星破壊プロトンミサイルも登場した。 なお、ガミラスは元々ナチス・ドイツをモデルとしている関係から独ソ戦のイメージも一部織り込まれている。機甲艦隊等といった名称が登場するが、これは独ソ戦で主戦力だった戦車機甲師団をイメージしたものである。
スタッフ
- 企画・製作・総指揮 - 西崎義展
- 監督・総設定 - 松本零士
- 監督 - 山本暎一
- アニメーション・ディレクター - 棚橋一徳
- 総作画監督 - 小泉謙三
- SF設定協力 - 豊田有恒、星敬、出渕裕
- メカデザイン - 板橋克己、サブマリン
- 美術監督 - 伊藤主計、勝又激
- 撮影監督 - 菅谷信行
- 音響監督 - 鳥海俊材
- 音楽 - 宮川泰
- 原画 - 金田伊功、グリーン・ボックス、村田四郎他
- 担当プロデューサー - 福尾元夫、山根治、野崎欣宏、山田哲久、横山和夫
- 制作 - よみうりテレビ、東京動画
主題歌
テレビ版第1・2作と同じく、「宇宙戦艦ヤマト」がオープニングテーマだが、後期レコードバージョンの前半部分と、第一作TVシリーズで使用したオープニングの後半部分とを編集で繋げて1コーラスにしている。この2曲はテンポが微妙に異なるため、繋いだ部分("銀河を離れイスカンダルへ~")からテンポアップして聴こえる。後半部の音源が元々モノラルだったため、全体としてもモノラルでダビングされている。
一方、エンディングテーマは3曲ある。
「銀河伝説」は、もともと劇場版『ヤマトよ永遠に』のために作られた歌で、オリジナルの岩崎宏美歌唱版が本作でも使用された。初出音盤は「ヤマトよ永遠に」と題されたシングル・レコード(SV-7030、1980年8月にビクターより発売)。
「別離」と「ヤマトよ永遠に」の詞は、『ヤマトよ永遠に』の劇場公開記念に一般公募されたものから選ばれた。この2曲の初出音盤は「宇宙戦艦ヤマトIII」と題されたシングル・レコード(CK-571、1980年12月に日本コロムビアより発売)。[5]
なお、1980年12月には『宇宙戦艦ヤマト 主題歌・ヒット曲集』というLPレコード(CQ-7058[6])も日本コロムビアから発売されているが、それには「銀河伝説」の堀江美都子カヴァー版は収録されたものの、「別離」と「ヤマトよ永遠に」は収録されなかった。
- オープニングテーマ「宇宙戦艦ヤマト」
- 作詞 - 阿久悠 / 作曲・編曲 - 宮川泰 / 歌 - ささきいさお、ロイヤル・ナイツ
- エンディングテーマ1「銀河伝説」
- 作詞 - 阿久悠 / 作曲 - 宮川泰 / 編曲 - 川口真 / 歌 - 岩崎宏美
- 第1・2話のEDで使用。
- エンディングテーマ2「別離」
- 作詞 - 和田順子、山口洋子 / 作曲・編曲 - 宮川泰 / 歌 - 堀江美都子
- 第3・4・5および6話以降の偶数回で使用。
- エンディングテーマ3「ヤマトよ永遠に」
- 作詞 - 安藤ありさ / 作曲・編曲 - 宮川泰 / 歌 - ささきいさお
- 第7話以降の奇数回で使用。
各話リスト
話数 | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 作画監督 | 演出 | 人類絶滅まであと |
---|---|---|---|---|---|---|---|
第1話 | 1980年 10月11日 |
太陽系の破滅 | 山本暎一 | 白土武 | 高橋信也 | 棚橋一徳 | 343日 |
第2話 | 10月18日 | 銀河系大戦 | 小泉謙三 | 337日(推定) | |||
第3話 | 10月25日 | ヤマト暁の発進 | 芦田豊雄 | 329日 | |||
第4話 | 11月1日 | あの火星を撃て | 藤川桂介 | 遠藤政治 | 小泉謙三 | 328日 | |
第5話 | 11月8日 | SOS! ラジェンドラ号 | 白土武 | 宇田川一彦 | 326日 | ||
第6話 | 11月15日 | 激闘! 11番惑星空域 | 山本暎一 | 小泉謙三 | 川喜多繁 | 325日 | |
第7話 | 11月22日 | アルファ星波高し | 松野達也 | 芦田豊雄 | 311日 | ||
第8話 | 11月29日 | 最後の開拓者 | 山本英明 | 白土武 | 白土武 | 308日 | |
第9話 | 12月6日 | バーナード星の決闘 | 小泉謙三 | 棚橋一徳 | 306日 | ||
第10話 | 12月13日 | ダゴン新鋭艦隊の反撃 | 笹川ひろし | 宇田川一彦 | 285日 | ||
第11話 | 12月20日 | ヤマト危し! 魔の白鳥座星域 | 宇田川一彦 | 笹川ひろし | 283日 | ||
第12話 | 12月27日 | 宇宙の流刑地 | 白土武 | - | 川喜多繁 | 228日 | |
第13話 | 1981年 1月10日 |
恐るべし! ボラー連邦 | 白土武 | 227日 | |||
第14話 | 1月17日 | 次元潜航艇ガルマンウルフ | 山本暎一 山本英 |
芦田豊雄 | 207日 | ||
第15話 | 1月24日 | ヤマト捕わる!! | 宇田川一彦 | 207日 | |||
第16話 | 1月31日 | デスラーの祝日 | 山本英明 | 笹川ひろし | 小泉謙三 | 棚橋一徳 | 183日 |
第17話 | 2月7日 | デスラー帝国危機一髪 | 高橋信也 | 182日 | |||
第18話 | 2月14日 | 怒る太陽 | 白土武 | 小泉謙三 | 川喜多繁 | 153日 | |
第19話 | 2月21日 | 惑星ファンタムへの道 | 根本祥二 | 白土武 | 139日 | ||
第20話 | 2月28日 | 幻の惑星 | 遠藤政治 | 宇田川一彦 | 118日 | ||
第21話 | 3月7日 | 打ち砕かれた希望 | 笹川ひろし | 小泉謙三 | 棚橋一徳 | 113日 | |
第22話 | 3月14日 | さらば 夢の星よ | 高橋信也 | 笹川ひろし | 111日 | ||
第23話 | 3月21日 | 激戦! スカラゲック海峡星団 | 白土武 | 宇田川一彦 | 51日 | ||
第24話 | 3月28日 | シャルバート星の秘密 | 笹川ひろし | 46日 | |||
第25話 | 4月4日 | ヤマト あの太陽を撃て! | 山本英明 | 白土武 | 小泉謙三 | 棚橋一徳 | (30日) |
1981年1月3日は第3回全日本仮装大賞(1900-2054)のため休止
放送局
※放送時間は1981年3月下旬 - 4月終了時点[7]、系列は放送当時のものとする。
放送地域 | 放送局 | 放送時間 | 系列 | 備考 |
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近畿広域圏 | 読売テレビ | 土曜 19:00 - 19:30 | 日本テレビ系列 | 制作局 |
北海道 | 札幌テレビ | |||
青森県 | 青森放送 | 日本テレビ系列 テレビ朝日系列 |
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岩手県 | テレビ岩手 | 日本テレビ系列 | ||
宮城県 | 宮城テレビ | |||
秋田県 | 秋田放送 | |||
山形県 | 山形放送 | 月曜 17:30 - 18:00 | 日本テレビ系列 テレビ朝日系列 |
|
福島県 | 福島中央テレビ | 月曜 18:00 - 18:30 | ||
関東広域圏 | 日本テレビ | 土曜 19:00 - 19:30 | 日本テレビ系列 | |
山梨県 | 山梨放送 | |||
新潟県 | 新潟総合テレビ | 火曜 18:30 - 19:00 | フジテレビ系列 日本テレビ系列 テレビ朝日系列 |
24話まで放映。 1981年4月にテレビ新潟に伴い、日本テレビ系列を脱退。 |
テレビ新潟 | 土曜 19:00 - 19:30 | 日本テレビ系列 | 25話のみ放映。 | |
長野県 | テレビ信州 | 日本テレビ系列 テレビ朝日系列 |
||
静岡県 | 静岡第一テレビ | 日本テレビ系列 | ||
富山県 | 北日本放送 | |||
福井県 | 福井放送 | |||
中京広域圏 | 中京テレビ | |||
島根県・鳥取県 | 日本海テレビ | 日本テレビ系列 テレビ朝日系列 |
||
広島県 | 広島テレビ | 日本テレビ系列 | ||
山口県 | 山口放送 | 日本テレビ系列 テレビ朝日系列 |
||
徳島県 | 四国放送 | 日本テレビ系列 | ||
香川県 | 西日本放送 | 当時の放送エリアは香川県のみ。 | ||
愛媛県 | 南海放送 | |||
高知県 | 高知放送 | |||
福岡県 | 福岡放送 | |||
長崎県 | 長崎放送 | 日曜 18:00 - 18:30 | TBS系列 | |
熊本県 | 熊本放送 | 木曜 19:00 - 19:30 | ||
大分県 | テレビ大分 | 土曜 19:00 - 19:30 | フジテレビ系列 日本テレビ系列 テレビ朝日系列 |
|
宮崎県 | 宮崎放送 | 火曜 19:30 - 20:00 | TBS系列 | |
鹿児島県 | 南日本放送 | 火曜 19:30 - 20:00 | ||
沖縄県 | 琉球放送 | 木曜 19:00 - 19:30 |
関連作品
漫画(コミカライズ)
- 『宇宙戦艦ヤマトIII』増尾隆之。
小説
- 『宇宙戦艦ヤマトIII 1、2』文:若桜木虔、監修:西崎義展(集英社文庫コバルトシリーズ、1981年5月15日)
- 『宇宙戦艦ヤマトIII』文:三浦清史、監修:西崎義展(集英社モンキー文庫、1981年6月)
- 『宇宙戦艦ヤマトIII 1、2、3』(ヤマト大全集10、11、12)構成:西崎義展(朝日ソノラマ)
関連商品
- 『宇宙戦艦ヤマトIII DVDメモリアルボックス』販売元:バンダイビジュアル。発売日:2001年5月25日。
その他
本作から新しい技術として、アルゴンレーザーを用いた透過光が使われている。気体の特性から透過光マスクから回折、散光するので光の粗密部分が生じ、立体感のある光学合成となっている。これは通常の透過光よりさらに非常な手間と費用がかさむ演出で、次作『宇宙戦艦ヤマト 完結編』以降はヤマト以外のアニメ作品を含めてもほとんど使われていない手法である。デジタルアニメにおいては同様の効果を持つエフェクトも存在していないのが現状である。
本作のヤマトは、前作劇場版『ヤマトよ永遠に』から引き続き、艦首と艦体後部に錨マーク、主砲に参戦章が付いたデザインとなる(次作『完結編』では錨マークが消える)。
本作では宮川泰の実子である宮川彬良がBGMの一部を担当している。「第18機甲師団」と「バーナード星の戦闘 」がそれである。「第18機甲師団」はタイトルにあった18が自分のラッキーナンバーだったことで気分が高揚し、敵側の音楽とは気付かずに書いてしまい、ヒロイックな曲調になっている[8]。
脚注・出典
- ↑ 普通のアニメなら十分な視聴率であるが、「ヤマト」というビッグネームに期待されたハードルはさらに高かったのである。さらに春以降に放送を継続した場合に放送枠が競合するプロ野球巨人戦に比べれば低視聴率である。
- ↑ 『ロマンアルバム・デラックス43 宇宙戦艦ヤマトIII』1981年 徳間書店、p.113
- ↑ 白鳥座~バース星の間や、ファンタム~スカラゲックの間には、他の恒星系にも立ち寄っており、スカラゲックを含めて計133個の恒星系を調査している。
- ↑ ラジオ番組『セイ!ヤング』の特番で西崎義展が紹介している。
- ↑ 2曲共に、放映で使われたテイクはシングルレコード版とは異なるTVバージョンである。
- ↑ 同LPは1995年に『宇宙戦艦ヤマト SONG COLLECTION』としてCD化されている(COCC-12875)。
- ↑ 『アニメージュ 1981年4月号』 1981年、徳間書店、全国放映リスト(114 - 115頁)。
- ↑ 2012年10月23日、新宿ピカデリーのヤマト2199「ヤマトーク」にて。この日に指摘を受け、30年以上経って「え?敵側の音楽だったの!?」と気付き、会場の笑いを取っていた。