日本アルプス
日本アルプス(にほんアルプス)とは、本州の中部地方にある以下の3つの山脈の総称である。
概要
1881年に刊行された『日本案内』の中で、飛騨山脈を調査したイギリス人鉱山技師のウィリアム・ゴーランドが、ヨーロッパのアルプス山脈に因んで、そこから見える山脈、周辺含めて「日本アルプス」と紹介したのがこの名前の由来である。後に小島烏水が飛騨山脈を「北アルプス」、木曽山脈を「中央アルプス」、赤石山脈を「南アルプス」とした。
一般に「日本アルプスの父」とまで呼ばれるイギリス人宣教師のウォルター・ウェストンは、自身が盛んに日本アルプスに登り、また、ヨーロッパにも日本アルプスの名を紹介した。上高地にはウェストン碑があり、また毎年ウェストン祭が行われている。ウェストンは、南信州の天竜川周辺、南アルプスにも足跡を残している。
このように、アルプスと言う名前はイギリス人による命名であるが、南アルプス市の市名に見られるように、現在では日本固有の名前を押しのけるほどの影響力を持つようになっている。しかしながら南アルプス市という市名には反対意見も多かった。よってアルプスとの名前は、地名には良く市名には問題があるという矛盾した状態となっている。
アルプス山脈より緯度で南に位置し高度も低いため氷河の分布は非常に限定的であるが、森林相と高山植物は豊富である。これらの山の上部は森林限界で積雪期には、はっきりとした白い山容が見られる。
ちなみに、古代の日本について書かれた中国の正史『旧唐書』の日本伝には「日本の北と東の境には“大山”がある」と書かれているが、この“大山”は現在の日本アルプスであるとされる。
八ヶ岳から望む日本アルプス
関連画像
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手前から、南、中央、北アルプス(説明付画像)
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手前から、北、中央、南アルプス(説明付画像)
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- 0107 Tsurugidake south v name.jpg
剱岳山頂から望む
日本アルプスの山々 - Shiroumatake-tateyamarenpoh.JPG
白馬岳から望む
北アルプスの山々 - ChuoAlps from Senjyogatake 1996-12-31.jpg
仙丈ヶ岳から望む
中央アルプスの山々 - Mt.Kitadake and Mt.Senjogatake from Mt.Nakashirane.jpg
間ノ岳から望む
南アルプスの山々
参考文献
- 『日本アルプスの登山と探検』ウォルター・ウェストン(著)、青木枝朗(訳)、岩波文庫、ISBN 4003347412
- 『山と渓谷』田部重治(著)、岩波文庫、ISBN 4003114213
- 『日本アルプス総図 2010年版 (山と高原地図 33)』、昭文社、ISBN 978-4-398-75713-5
関連項目
- 日本の地理、山脈、日本の山一覧、日本百名山
- ウィリアム・ゴーランド、ウォルター・ウェストン
- アルプス山脈、アルピニズム
- 森林限界、高山植物
- 日本アルプスサラダ街道
- トランスジャパンアルプスレース - 日本海側の富山湾から日本アルプスを縦断して太平洋側の駿河湾までの約420kmを1週間以内に走るあるいは歩いて競う競技。テンプレート:Mountain-stub