医療事故

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医療従事者の労災「針刺し事故」による肝炎等感染の原因となる使用済み注射針

医療事故(いりょうじこ、テンプレート:Lang-en-short)は、一般に医療に関する事故をいう。

定義

厚生労働省による定義

厚生労働省リスクマネージメントスタンダードマニュアル作成委員会によると、次のように定義されている[1]。なお、医療過誤は医療事故の一類型とされている[1]*。

テンプレート:Quotation

医療事故の例

例1:患者が廊下を歩行中に転倒し怪我をした。
市中においては当人の自己責任とされる事でも病院内においては医療者が患者の安全を確保しなければならない[2]。それと引き換えに、患者は医療者の指示を厳守する義務を負う。
例2:看護師が自分の手に注射針を刺し、事故を生じた[3]
B型肝炎などのように、医療者にとって感染により命にかかわる場合も存在する(あるいはHIVを例に出したほうが分かりやすいかも知れない)。また、特に女性看護師はストーカー行為やセクハラ行為、患者による暴力行為の危険にも晒されており(→モンスターペイシェント)、このような事案のどこまでを医療事故とするかの線引きは難しい。

医療事故の大規模調査

米国

米国においては、これまで医療事故による死亡率が正しく議論されてこなかったという批判を受け、医療事故による死亡が(最も多く見積もれば)米国の死因の一位になってしまうという衝撃的な試算と共に、個人の断罪に終わることなく再発防止を主眼に置いたシステムを構築するよう提言が出されている。2006年の報告では、毎年150万人が医療ミスの影響を受け、40万人が薬害を受け、薬剤関連障害は8億8700万ドルの余剰医療費を必要としたと報告している。また、誤診の数トップ5は感染症、腫瘍、心筋梗塞、肺塞栓症、心血管疾患と報告されている。[4][5][6]

日本

テンプレート:See also こうした米国の動きおよび前記のような事案がマスコミを賑わした事を受け、日本でも2001年度より厚生労働省が全国の病院から医療事故の情報を収集している[7]。 そのため、医療法施行規則を一部改正し、特定の医療機関には事故情報の報告が義務づけられた[8]。 同規則において事故情報の提出義務があるのは 国立病院、大学付属病院、特定機能病院のみであるが、その他の医療機関においても、登録分析機関に参加登録申請をすることにより、義務機関と同様の報告をすることが可能である[8]。2013年12月31日現在では報告義務対象医療機関以外にも691の医療機関が参加登録申請をしている[9]

医療事故予防

医療事故を予防するための対策が各病院で行われている。ここでは、その一例を紹介する[10][11]

  • 安全管理体制の整備
バックアップフェイルセーフフールプルーフといったヒューマン・エラーが入ることがないシステム整備が必要とされる。
ヒヤリ・ハット事例になる段階ですでにヒューマン・エラーの入り込む余地があると考えられる。
  • 院内報告制度の確立
  • 職員研修の定期実施
  • 医療安全管理者の配置
  • 医療安全管理部門の配置
  • 患者からのアンケート収集
  • 患者相談窓口の設置
  • 病院同士の情報交換

救済制度

  • 「明らかに過失のない医療事故と判断される場合や、過失が含まれそうな事例ではあっても過失を立証することができず医療過誤と判断されなかった場合もあり、こうなった場合には被害者に対して十分な救済がなされていない」という被害者の訴えや意見もありテンプレート:誰、名古屋弁護士会の加藤良夫弁護士(南山大学法科大学院教授)などが中心になって、医療事故被害者を救済する制度(無過失補償制度)が提唱されている[12]。医療事故の無過失補償制度は、スウェーデンやフィンランド、ニュージーランドなどの国において、既に実施されている。
  • 日本においては2009年より産科医療補償制度が開始され、同制度に加入している分娩機関の場合には補償が受けられるようになった。
  • 医療事故のうち医薬品が関係する場合は、医薬品副作用被害救済制度によって救済が受けられる。医薬品は必ず副作用があるため、その中には重大な健康被害や死亡に至る医療事故のケースが起こりうる。適正に使用したにもかかわらず、その副作用により一定の健康被害を受けた場合に医療費等の給付を支給される制度である。

事故事例の一覧

人の命に重く関わる医療現場や医療製造において事故は絶対にあってはならない事ではあるが、過去には病院での機械の取り扱いミス、麻酔ミス、薬剤投与ミスなどのヒューマンエラーや食品会社、製薬会社の製造した食品や薬での薬害を原因とする事故など、様々な医療事故が起きてしまっている。しかし、テンプレート:要出典範囲

戦前

  • 1927年8月5日…神奈川県川崎市や大阪府のクロム加工工場で、クロムの強い毒性が原因の皮膚病が蔓延。当初は奇病や伝染病とされ、医師の誤診も重なって死者と重症者が100人以上になってしまった。テンプレート:要出典
  • 1936年3月5日…東京電灯付属病院(現・東京電力病院)。37歳主婦が歯の治療でレントゲン撮影中に感電して即死。技師看護師も重軽傷を負った。原因は不明だが、機械の高圧線の漏電の可能性が高いと当時の警察や新聞が伝えている。

戦後

  • 1948年12月…全国規模でジフテリアBCGの予防接種による中毒者が続出。児童を中心に重い後遺症に苦しむ患者が続出し、特に京都では68名もの死者が発生。戦後まもない状況でワクチンの無毒化が十分でなかった事が原因。テンプレート:Main
  • 1951年8月2日…福井県、国立鯖江病院(現・公立丹南病院)。女性看護師が2人の入院患者の治療としてブドウ糖注射をしようとしたところ、誤って麻酔用の劇薬(ヌペルカイン)を注射したため、2人とも昏睡状態になり、わずか数分間で即死。
  • 1955年…この年より突然の神経障害で視覚障害や歩行困難が起きる原因不明の奇病スモン病が発生する。その後1967年から1968年にかけて患者が大量に発生して社会問題に。1970年4月5日新潟大学医学部の椿忠雄教授がスモン病の原因が整腸剤成分の一つである「キノホルム」である事を突き止め、同年9月7日に「キノホルム」を含んだ整腸剤(武田薬品のエンテロ・ヴィオフォルム錠など)の製造と販売が中止された。ただし「キノホルム」はアルツハイマーの特効薬であるため、諸外国の医療現場では現在でも頻繁に使用されている。テンプレート:要出典
  • 1956年5月15日東京大学法学部長の尾高朝雄東京都立駒込病院で歯の治療の際、抗生物質ペニシリン注射の直後にショック症状を引き起こして死亡。ペニシリン注射によるショック死事故は年頭から発生が報告されていた(推定死者100人以上と言われている)が、この事故がきっかけで大きな社会問題となると共に医療事故が大きく報道されるようになった。テンプレート:Main
  • 1956年5月17日…大阪府の小学校で、校医が予防接種としてツベルクリン注射をする際、児童107人に誤ってBCGを接種してしまい、発熱者や入院者が続出して問題になった。
  • 1962年5月17日ドイツで開発された睡眠薬サリドマイド」において、副作用で両手足の欠損(アザラシ肢症)を中心とした奇形症候群の新生児出産を多発させている事から販売中止になる。サリドマイドは日本でも睡眠薬やつわり防止用の錠剤薬として「イソミン」と言う商品名で発売され、この薬を服用した女性や妊婦からアザラシ肢症を患った新生児が生まれる被害が相次ぎ、各地で訴訟が起きた。被害者は300名以上。しかし、「サリドマイド」は1990年代に入ってからは多発性骨髄腫などのガン治療に非常に有効である事が判明し、長年に渡って輸入を続けてきた。一時期はこれが問題になったこともあるが、2008年10月16日にはガン治療用の薬としての安全性が認められ、再び国内での製造販売許可を受けている。また、催奇性の解明の研究が積極的に進められていて、2010年に入ってからはそのメカニズムも判明されており、現在では副作用の無い新しいタイプの「サリドマイド」の研究と開発が進められている。だが、それでも当時の被害者やその家族たちの傷は深く、「サリドマイド」の復活を快く思われていないのも確かな現状である。テンプレート:要出典 テンプレート:Main
  • 1964年5月29日…国立東京第一病院(現・国立国際医療研究センター)。36歳男性が水虫放射線治療を受けた際、技師が放射線量を規定より多く当ててしまったため被曝して重度の皮膚ガンとなり、両足を切断する事故が発生。病院側がミスを認め、多額の賠償金を支払う事で和解した。この事故をきっかけに皮膚病の放射線治療を取りやめる病院が相次ぎ、代わって皮膚病や水虫用の治療薬(内服薬や軟膏などの外用薬となる抗真菌薬)が本格的に開発されることになっていった。
  • 1965年大正製薬エスエス製薬がこの年に製造、販売したアンプル入り液体風邪薬でアレルギーなどの中毒症状を訴える患者が多発し、社会的な大問題に発展した。市販の風邪薬・殊にアンプル入り風邪薬による中毒症状や健康被害は1950年頃より日本各地で報告されていたものの、厚生省は製薬会社側の利益を考慮して状況を見過ごしていたこともあってか実態をなかなか把握できず、1962年になってようやく商品の発売停止や回収命令を出している。しかし製薬会社側の影響の大きさから製造禁止命令にはしなかったため以後も在庫品が普通に販売され、これらを服用した患者がアミノピリンやスルピリンなどを原因とするアナフィラキシーショックによって6年間で38名が死亡し、その他にも失明難聴麻痺などの重い後遺症を残した患者も相次いでいた事が明らかになった。結局1965年2月20日に至って厚生省が全国販売禁止と一斉回収命令を出し、5月7日に全製薬会社に正式に製造禁止命令を通達した。この事件以降はアンプル入り液体風邪薬は姿を消し、各製薬会社はアレルギー症状の出ない非ピリン系の錠剤や顆粒薬、粉薬の製造や販売に切り替えるようになった。テンプレート:要出典テンプレート:Main
  • 1965年12月…東日本地域でインフルエンザ予防接種を受けた幼児や児童5名が重度のインフルエンザを発症し、相次いで死亡。ワクチンのウイルスを十分に弱めていなかったのが原因とされた。
  • 1966年4月2日千葉大学腸チフス事件が発覚。
  • 1966年4月21日…岩手県、岩手県立南光病院。てんかんの新薬を投与された患者42名のうち3名が副作用が原因で死亡。その後の調査でこの新薬がまだ実験段階だった事が明るみになり、当時「軽はずみな人体実験」と社会で激しく糾弾され、国会でも厳しく追及された。
  • 1967年8月…東京都、東京都立築地産院(1999年に廃院し、東京都立墨東病院と統合)。33歳女性が女児を出産後、出血多量で死亡。医師の輸血ミス。
  • 1969年4月4日東京大学医学部附属病院。治療用の高圧酸素タンクが機械の漏電によるスパークが原因で爆発炎上。機械を操作していた医師と看護師、タンク内で治療を受けていた患者2名の計4名が爆風に巻き込まれるなどして焼死。
  • 1969年4月27日千葉大学医学部附属病院。32歳男性患者の採血を行った際、看護師の機械の取り扱いミスで静脈に空気が逆流してしまう。男性は意識不明の重体となり、約1ヶ月後に死亡。裁判で病院側の敗訴が確定し、罰金刑を受ける。
  • 1971年11月20日鳥居薬品が製造した冠血管拡張剤(狭心症の薬)「コラルジル」を長期服用した患者が、薬の副作用で重い肝臓障害や血液の異常になるケースが多発し問題になる。コラルジル中毒症は外見からでは判断が出来ず、服用を中止しても治りにくい病気で、被害者は数百人とも数万人とも言われるが不明。厚生省の調べで11名の死者を出している事が判明するが、実際には数百人の死者を出したとも言われている。後に患者26名が国と鳥居薬品を相手取って訴訟を起こし、鳥居薬品は3億円と言う非常に多額の賠償金を支払っている。
  • 1972年9月19日関西医科大学付属病院(現・関西医科大学附属滝井病院)。血液型がO型の男児が誤ってAB型を輸血されて死亡。担当医師が書類送検される。
  • 1973年ごろ…乳幼児への筋肉注射の副作用として大腿四頭筋短縮症が多発し、社会問題となる。
  • 1973年2月28日…兵庫県、西宮市立中央病院。男性患者が十二指腸潰瘍の手術を受けた際、手術中に酸素を送るはずが笑気ガス(亜酸化窒素)を送ってしまう。執刀医と看護師がガス管を繋ぎ間違えたのが原因。患者は無酸素脳症に陥り、約1年間の昏睡状態の末、意識が戻らず翌年1月に肺水腫による肺炎心不全を併発して死亡。医師は1974年6月21日神戸地裁尼崎支部において禁錮6ヶ月、執行猶予1年の有罪判決を受けた。
  • 1973年4月5日…岩手県、岩手県立大船渡病院。院内で悪性の膿疱疹が蔓延。21名が感染し、4名死亡。病院の管理体制の不備が原因。
  • 1973年4月29日…東京都、町田市立中央病院(現・町田市民病院)。手術後に死亡した女性入院患者の火葬した遺体から手術用鉗子が発見され、手術中に置き忘れた物ではないかとして問題になる。
  • 1975年…埼玉県浦和市の病院で医師が盲腸手術の際、誤って患者の回腸を傷付けてしまい、腹膜炎を併発させて患者を死亡させる事故が発生。群馬県前橋市の病院でも医師が患者の盲腸手術の際に麻酔薬(ネオペルカミンS)を指示したところ、女性看護師が誤って静脈注射用止血剤(トランサミン)を持ち出し、医師が薬剤を確認せずに注射して患者を痙攣や呼吸困難で死亡させるミスが発生。この他にも盲腸手術での手術ミスが相次いだ。
  • 1975年3月22日…広島県呉市、産婦人科病院(開業医)。院内で新生児28人と母親17人がサルモネラ菌に集団感染。新生児4名が死亡、2名が脳性麻痺の後遺症を患う。病院の管理体制の甘さを指摘され、この病院はその後閉鎖された。また元院長は患者側に多額の賠償金を支払っている。
  • 1975年7月10日…広島県因島市、開業医。この病院で神経痛などで関節にステロイド注射を打ってもらった患者を中心に骨関節結核が蔓延。結果的に96名が感染する集団感染となり、うち14名が死亡。院内でも院長や担当医師、看護師が結核に感染し、このうち院長が死亡したため病院は閉鎖された。注射器の消毒が不十分だったとされている。広島県では3月にも病院内の集団感染があったばかりで、厚生省や広島県の保健所の管理体制の甘さに多くの批判が飛んだ。
  • 1975年7月31日…関東地方を中心に細菌感染症用の抗生物質「クロマイ」を大量に投与され、副作用で再生不良性貧血を発症する患者が多発し問題に。国や製薬会社を訴訟で訴えた家族もいた。
  • 1975年12月22日腎臓病の特効薬として使われた「クロロキン」を含んだ錠剤「キドラ」を服用し、副作用で重篤な視覚障害となるクロロキン網膜症を発症した患者が続出して大きな社会問題になる。クロロキン網膜症は視神経や眼球内の毛細血管が侵されて視力悪化を招く病気で、一度発症すると二度と治らずに病状が進行してしまう恐ろしい薬害病。被害者は失明者を含めて1300人以上におよび、1988年6月、クロロキン剤を発売した製薬会社6社が被害者に40億7600万円の賠償金を支払うことで和解が成立した。
  • 1976年7月26日…和歌山県、和歌山日赤病院(現・日本赤十字社和歌山医療センター)。10歳男児が扁桃腺扁桃炎)の手術後に吐血し、窒息して急死。病院側の手術ミスが指摘され、両親が病院と医師を相手取って訴訟を起こした。
  • 1976年9月29日…奈良県、奈良県立医科大学附属病院。女性患者が子宮外妊娠手術の際、医師の機器の取り扱いミスから酸素ではなく笑気ガスを患者に送ってしまう。女性は意識不明のまま、約2ヶ月後に死亡。
  • 1976年12月6日…新潟県、新潟鉄道病院(現・JR新潟鉄道健診センター)。38歳女性が子宮筋腫の手術後、女性看護師が投薬ミスで食欲を増進させる薬を大量に飲ませてしまう。女性は直後にショック症状を引き起こして昏睡状態となり死亡。
  • 1976年12月25日…京都府、石野外科病院(現・脳神経リハビリ北大路病院)。入院、手術後に急死した43歳男性の火葬遺体から手術用鉗子が発見される。
  • 1977年2月19日…宮城県、石巻赤十字病院。33歳男性患者が椎間板ヘルニアの手術を受けた際、執刀医が誤って腹部の動脈を傷付けた事に気付かないまま手術を終わらせる。男性は手術後、動脈が切れて腹部内出血多量で急死。執刀医は責任を痛感し、剃刀で引責自殺してしまった。
  • 1977年2月25日…広島県の病院で、糖尿病を患っていた男性患者に医師が誤って高血圧治療薬を投与してしまう。男性は遷延性意識障害に陥り、事実上の植物人間状態になってしまった。
  • 1977年3月…宮崎県、大迫外科病院(現在は存在せず)。12歳男児の盲腸手術の際、医師が麻酔前後の注意を怠った事が原因で男児を遷延性意識障害にしてしまう事故が発生。
  • 1977年7月8日…埼玉県、高木外科内科病院(現。高木クリニック)。男性糖尿病患者の糖検査の際、看護師がブドウ糖を投与するところを誤って結核の治療薬を投与して死亡させる事故が発生。
  • 1977年12月22日…福島県、磐城共立病院(現・いわき市立総合磐城共立病院)。手術後に急死した男性入院患者の体内から手術用の鉗子が発見される。
  • 1978年4月30日…国立東京第二病院(現・国立病院機構東京医療センター)。発熱のために入院していた3歳女児に医師が薬を投与した際、投薬効果の出ない抗生物質を投与したため、女児は容態が悪化して細菌性心膜炎を発症し、数日後に死亡した。
  • 1978年9月25日…結核治療薬として用いられていた抗生物質「ストレプトマイシン(通称ストマイ)」を服用した男性が副作用が原因で重度の難聴に陥り、男性は国と製薬会社を相手取って訴訟を起こし、約800万円の賠償金支払い判決が下された。
  • 1979年6月16日…大分県、九州大学温泉治療学研究所付属病院(現・九州大学病院別府先進医療センター)。当時の大分合同新聞の社長であった長野正(67歳)の胆嚢検査の際、医師が誤って内視鏡十二指腸を傷付けてしまう。長野社長は腹膜炎急性腎不全を併発してしまい、約2ヶ月後に死亡した。その後の裁判では病院側の検査ミスを全面的に認め、病院に3億1000万円の賠償判決を出している。
  • 1979年10月30日…宮崎県延岡市、開業医。54歳医師が11歳男児の単純な盲腸手術の際に誤って大腸を切り取り、男児を汎発性腹膜炎による出血多量で死亡させる事故が発生。担当医師は前年頃から医師不足による過労や労使トラブルからベテラン看護師に一斉退職されて新人看護師の育成をしながら深夜まで医療事務をしなければならないなどの極度の負担を強いられ、手の震えや不眠症を引き起こすなど精神が不安定になっており、誘眠のために精神安定剤や酒を頻繁に服用していた事が判明。医師の負担について大きな問題を露呈した事故となった。医師は1980年8月27日宮崎地裁延岡支部にて禁錮1年、執行猶予4年の有罪判決を受けている。
  • 1980年5月23日…東京都、三井記念病院。50歳代の女性心臓病患者にヤギでの生体実験で生存最長記録を作った人工心臓を取り付け、わずか2日間で急死させた事が5月30日に明るみになり、実験段階の機器を人体に使って死亡させた事が人体実験であると問題視され論議を呼んだ。
  • 1982年2月…北海道、札幌医科大学医学部付属病院(現・札幌医科大学附属病院)。高血圧症で通院治療中の73歳女性患者が、医師より糖尿病薬を投与されて意識不明の重体になり、その後遷延性意識障害になってしまった。この事故が1983年7月9日に明るみになり、問題になる。
  • 1982年4月6日…東京都、公立学校共済組合関東中央病院。5歳男児の手術の際、医師が誤って通常の2倍以上の麻酔薬を投与する事故が起きる。男児は遷延性意識障害となり、約2ヶ月後に死亡。
  • 1982年4月20日…東京都八王子市、歯科医院(開業医)。69歳の院長が3歳女児の歯の治療の際、歯に「フッ化ナトリウム」を塗るところを誤って劇薬の「フッ化水素フッ化水素酸)」を塗ってしまい、女児を急死させてしまった。院長の妻が材料業者に「フッ素を持ってきてほしい」と電話で注文し、業者が「フッ化水素酸」を配達。その後院長が十分に確認しないで使用したことが原因。院長のショックは大きく、女児の通夜の席で脳血栓を発症して倒れ入院。回復して退院した後の1983年2月24日東京地裁八王子支部において禁錮1年6ヶ月、執行猶予4年の有罪判決を受けた。その後この歯科医院は閉鎖されて廃業し、現在は普通の住宅が建っている。
  • 1982年6月…東京都、国立小児病院(現・国立成育医療研究センター)。1歳女児の心臓手術の際、執刀医が誤って大動脈を糸で縛って急死させる事故が発生。この手術ミスが発覚したのが翌年の1月3日だったために問題視され、当時の院長が厚生省より厳重注意処分を受けている。
  • 1982年11月…東京都、荻窪病院。37歳女性患者が胃がんの手術を受けた際、執刀医が体内に鉗子を置き忘れ、1983年6月に別の病院で発見される。女性は同年7月に死亡。その後1985年1月17日に遺族が荻窪病院を告訴に踏み切り、この事故が明るみになる。
  • 1983年6月13日…北海道士別市、産婦人科医院(開業医)。当時見習いだった19歳の女性看護師が石油ストーブの取り扱いを誤って病室の温度を40度以上にしてしまったため、入院中の新生児3名が脱水症状で死亡してしまう事故が起きた。この事故をきっかけとして室内温度が自動できめ細かく設定できるエアコンの導入が全国の病院で盛んに進められていった。なお、この病院は現在は存在しない。
  • 1983年10月27日…大阪府池田市、産婦人科・小児科医院(開業医)。出生直後の新生児が重症の新生児黄疸を発症していたのを、55歳女性医師が感染症と勘違いして治療ミス。適切な治療が遅れた結果、新生児は脳の神経細胞が破壊される核黄疸を発症して重い脳性麻痺の後遺症を負い、医師は裁判で約6500万円もの賠償金を両親に支払うことになった。
  • 1984年5月…愛知県、国立名古屋病院(現・国立病院機構名古屋医療センター)。同病院の58歳医長が膵臓の手術を受けた際、女性看護師がに流さなくてはならない栄養剤を誤って静脈に注入してしまう。医長は意識不明の重体となり2日後に死亡した。同年10月20日、当時の院長ら6名が厚生省より懲戒処分されている。
  • 1984年5月9日…富山県、高岡市民病院。5歳女児が脱腸の手術を受けた際、医師が麻酔後の酸素吸入装置のスイッチを誤って切った事に気付かず放置してしまう。女児は重度の低酸素性脳症による脳死状態となり、意識が戻ることは無くそのまま死亡した。
  • 1984年9月7日…兵庫県、兵庫県立こども病院。生後8ヶ月の女児の手術の際、酸素と笑気ガスを間違えて吸引させ、女児は遷延性意識障害になってしまった。
  • 1984年9月24日…岩手県、岩手県立中央病院。9月7日の事故と同じく、手術の際の酸素と笑気ガスのバルブ取り扱いミスで35歳主婦が遷延性意識障害になった事が判明。どちらも単純なバルブ取り付け時の確認ミスであり、相次ぐ麻酔の取り扱いミスに厚生省は異例の警告文を出している。
  • 1984年10月10日…熊本県、球磨郡公立多良木病院。盲腸の手術を行った男性患者が麻酔ミスで意識が戻らずに死亡する事故が発生。手術前に行った麻酔設備工事の際、業者の杜撰な手抜き工事で麻酔用の挿入パイプを付け間違えるミスを犯していたことが判明し、郡と病院が業者を告訴する事態に発展した。
  • 1987年7月26日…三重県、三重大学医学部附属病院。小児科に勤務する25歳の女性研修医、28歳男性医師、35歳女性看護師が重症のB型肝炎に感染し、研修医と男性医師が死亡、看護師が重症となった。広域感染には至らなかったものの、感染源は患者で部屋の消毒が十分でなかった事が原因で問題となる。この事故から9日後の8月4日にも福岡大学病院で同種の事故が起き、医師2名が感染して死亡している。
  • 1987年9月29日…福島県、市立総合磐城病院(現・いわき市立総合磐城共立病院)。28歳の妊婦妊娠中絶希望の女性と間違えられて中絶手術させられる。1988年2月にも香川県高松市の産婦人科(開業医)で同種の事故が起きている。
  • 1987年12月…佐賀県、国立嬉野病院(現・国立病院機構嬉野医療センター)。患者2名が手術中の麻酔ミスで死亡。治療棟の増設工事の際、業者が酸素と笑気ガスのパイプをつなぎ間違えていたのが原因。
  • 1988年10月25日…鹿児島県鹿屋市、国立ハンセン病療養所国立療養所星塚敬愛園。30歳男性医師が腰痛治療中の71歳男性と55歳女性の2名の患者に、本来は静脈に注入する血液造影剤を誤って脊髄に注入したため患者2名が痙攣を起こして急死する事故が起きる。
  • 1989年…大阪府、箕面市立病院。女性患者が肝臓の一部を切除する手術を受け、その後2009年6月肝機能障害吹田市の病院に入院したところ、「肝腫瘍がある」と診断された。このため、翌2010年10月に再び手術を受けたところ、スポンジが摘出された。このスポンジは、箕面市立病院で最初に手術を受けた際に、手術で使用した物を置き忘れ、そのまま放置されていたものであることが判明した[13]
  • 1999年2月10日東京都立広尾病院にて、58歳女性が左手指関節のリウマチ手術を受ける。手術は成功。翌日看護婦が静脈内に外用の消毒薬を注射。患者は死亡。2月12日病理解剖、遺族の説明は十分でなかった。2月14日通夜の時に遺族が異常血管を撮影。その後、遺族は被害届けと告訴状を出す。後青島都知事および石原都知事に誠意ある対応を要請。2004年病院長の事故隠し、個人責任を決定(最高裁判所)2005年 東京高等裁判所で全ての裁判が終了。厚生労働省医道審査会は元院長を医師法違反、虚偽有印公文書作成、同行使で医業停止1年を決定。[14]

2000年~

  • 2001年3月2日東京女子医大事件が発生。
  • 2005年4月佐賀県佐賀大学医学部附属病院。60歳代の男性患者に対し、心臓大動脈の手術を実施したが、この際、出血が多いためとして、700枚のガーゼを使用。その後2011年9月に、当該の患者は体のだるさを訴え、別の病院の診察によって、体内にガーゼを置き忘れていたことが判明した[15]。同病院はガーゼを取り除く手術を改めて実施したが、患者は重篤な状態としている[16]
  • 2006年4月京都府京都大学医学部附属病院。当時30歳代の女性患者に対し、脳死移植手術を実施したが、女性は手術ミスにより死亡。同病院は2008年6月まで、肺移植手術を自粛。
  • 2006年7月…大阪府、東大阪市立総合病院。消化器内科の20歳代の男性医師が、当時82歳の男性患者について、胃癌の可能性があることを見落とし、この男性はその後、2008年4月に癌性腹膜炎が見付かり、同年12月に死亡した。
  • 2007年5月…東京都中央区歯科医院。70歳代の女性に対し、人工歯根歯茎に埋め込んだ上で義歯を付ける「インプラント」治療を行ったが、ドリルで顎の骨を削る際に、誤って動脈を傷付け、女性は出血で窒息に見舞われ死亡した。警視庁は2011年8月に、担当した歯科医師を業務上過失致死罪書類送検した[17]
  • 2008年2月、香川県香川県立中央病院。手首の骨折で手術を受けることになった50代の女性について、X線画像を撮影したところ、に影が映っていたにもかかわらず見逃された。また同年8月に、この女性は別の治療の経過観察を受けていたが、この時も、CT検査を実施した放射線科の担当者が、肺に影が映っているとの所見を電子カルテに記載したが、産婦人科の男性医師は気付かぬまま放置。その後この女性は、別の病院で診察を受けたところ、肺癌の存在が判明。女性は中央病院に入院したが、病院側はその後も、ミスに気付いていながら、女性に伝えず治療を続け、女性は2010年10月に死亡した。同県側は女性の遺族に対し、5,000万円の損害賠償を支払う方針を決めた[18]
  • 2008年3月…愛知県名古屋大学医学部附属病院。県内の30歳代の男性患者が、掛かり付けの医師から同病院を紹介され受診したところ、の疑いがあると診断され、同病院は手術を行うことを決めたが、その後3年間に渡り患者に対して手術の連絡をしてこなかった。その後患者は症状が悪化し、同病院で再受診したが、入院の連絡が行われていなかったことがこの時点で判明。患者は手術を受けたが、癌がに転移したことによる呼吸不全で2012年4月に死亡した[19]
  • 2009年6月…大阪府、東大阪市立総合病院。急性心不全を発症し意識障害がある状態で救急外来に搬送されてきた当時59歳の男性に対し、約7分間に亘り酸素が供給されず、この男性は翌2010年4月に、意識が戻らないまま敗血症ショックで死亡した。
  • 2009年6月 - 2012年9月…福岡県、産業医科大学病院。同病院で関節リウマチの治療を行っていた患者のうち、メトトレキサートの投与を受けていた患者10人が、悪性リンパ腫を発症するなどして死亡した。医療行為としての問題は無いとされたものの、うち5人についてはカルテへの記載が不十分だったとして、診療責任者の医学部教授ら計8人が2013年8月28日付で、9月11日から3か月間の出勤停止処分となった[20]
  • 2009年11月…大阪府、大阪大学医学部附属病院。当時70歳の男性が悪性リンパ腫を発症し、同病院で抗癌剤の一種である「リツキシマブ」の投与を受けていたが、その後2011年9月に検査を受けたところB型肝炎と診断され、同年11月に死亡。患者の遺族は、この患者がB型肝炎の持続感染者と把握していながら、抗ウイルス薬投与などをすること無しにリツキシマブを投与し続けたことが死亡原因であるとして、2012年11月19日に同病院を相手取り大阪地裁に訴訟を起こした[21]
  • 2010年9月奈良県特定医療法人健生会土庫病院。当時53歳の男性は、胃を悪くして2月に別の病院で検査を受けた際、胃カメラ検査で胃潰瘍と診断された。しかし念のため土庫病院で診察を受け、担当医師は胃癌と診断したものの、別の男性医師が胃潰瘍だとして胃薬を処方した。その後、この男性は末期癌と判明し、2012年7月3日に死亡した[22]
  • 2010年12月、大阪府内の私立病院。この病院で生まれた新生児が、分娩室で、母親に直接抱かせる「カンガルーケア」を受けたが、授乳後に呼吸が停止し、低酸素脳症に陥り重度の後遺障害が残った。母親は大阪地裁に対し、カンガルーケアが原因であると訴えを起こした。2013年9月11日に同地裁は、低体温であることを「タオルに包まれていた」などとして否定した上で、「障害はカンガルーケアによるものとは認められない」として訴えを退けた。カンガルーケアを巡る訴訟として初の司法判断となった[23]
  • 2011年1月…大阪府、大阪市立大学医学部附属病院。大阪府内在住の50歳代の男性患者に対し、結腸静脈瘤からの出血源特定検査の救急の現場で薬剤を注入する措置を行っている最中に大量出血があったため、輸血を実施したが、その際、この患者の血液型がB型であったにもかかわらず、誤ってA型の血液を輸血してしまい、この患者は重体の常態が続いていたが、その後2月17日に死亡した[24][25]。2011年6月の医療事故調査報告書によると、救急の現場でのヒューマンエラーが複数回、重なった結果であると指摘され、改善策が提言されている[26]。。
  • 2011年5月…福岡県福岡大学病院。80歳代の女性患者に対し、同月下旬に心臓のを人工弁に交換する手術を実施したが、手術の際に石灰化した弁が心臓内部に入らないよう心臓入口に被せていたガーゼを、そのまま放置した。患者は手術の翌日に腹部に血栓が生じて両足に血行障害が起こるなどしたため、再手術を行なったが、患者は多臓器不全を起こし死亡した[27]
  • 2011年8月…宮城県石巻赤十字病院。50歳代の女性が、乳癌の手術を受けた後呼吸困難に陥り、同月13日に同病院に搬送された。この女性は、癌性心膜炎の影響で心嚢に水が溜まった状態だったことから、20歳代の男性医師が心嚢から水を抜き取るためビニール筒を刺したが、この際に筒の内側にある針を抜き忘れたため、女性はその翌朝に呼吸停止し死亡した[28]。宮城県警は2012年9月20日に元医師の男性(30)を業務上過失致死罪で、女性医師(28)を医師法違反それぞれ書類送検した。男性は2012年8月末、同病院を依願退職している[29]
  • 2011年10月…京都府、京都大学医学部附属病院。肺リンパ脈管筋腫症の女性に対し、脳死肺移植手術を実施したが、手術中に人工心肺装置が停止して気泡が入るなどし、再始動まで約4分かかった。手術後、女性は脳障害を起こし、意識不明の重体になり術後8か月経過した時点で、人工呼吸器管理中であり脳障害は改善していない[30][31]
  • 2011年11月…京都府、京都大学医学部附属病院。50歳代の男性患者が、5日に脳死移植手術を受け、手術そのものは成功したが、持病として抱えていて並行して受けていた腎不全透析治療に使用していた透析器具を交換する際、この患者に本来使用していた血液濾過器具ではなく、血漿分離器具を装着してしまい、患者は交換後約3時間後に血圧が低下し、11月13日午前10時50分頃に脱水症状を起こし死亡した。当時、医療器具を専門に扱う臨床工学士が不在で、当直医2名と看護師1名が対応しており、病院の安全対策が問題であると指摘された。この3名は業務上過失致死容疑で書類送検された[32][33]
  • 2011年12月…愛媛県愛媛県立中央病院。約10年前にあたる2001年に喉頭を摘出する手術を受け、喉に永久気管孔を開けていた70歳代の男性が、脳内出血で同病院に入院し緊急手術を受けたが、12月になって、20歳代の女性看護師が、異物混入防止のために気管孔に宛がうガーゼと間違え、粘着性フィルムシートで孔を塞いでしまい、患者はこれがもとで窒息死した[34]
  • 2012年4月、大阪府、大阪市立大学医学部附属病院。白血病患者の女性が、末梢血幹細胞の移植手術を受けたが、合併症によって呼吸困難になるなどしたため、同病院は肺に酸素を送り込むための蘇生用具を使用することになったが、この用具の組立方法を担当の看護師が誤ったため、肺に十分に酸素が送られなくなり、患者は意識不明の重体となり2週後に死亡した[35]
  • 2012年6月…徳島県徳島大学病院消化器官系ので入院していた60歳代の男性患者に対し腹腔鏡による手術を実施し、退院後もこの患者は外来で抗癌剤治療を継続して受けていたが、その後、抗癌剤の副作用による肝不全で死亡した。この男性については、血液検査で肝臓腎臓の機能に正常値の最大40倍の異常値が出ていたにもかかわらず、担当医が見落としたとされる[36]
  • 2012年8月…兵庫県宝塚市立病院甲状腺の病気が悪化し入院していた50歳代の女性患者に対し、看護士の一人が、肺と人工呼吸器とをつなぐ気管チューブのテープを切ったが、この際、誤ってチューブに付属する機器の一部も切断してしまった。女性は脈拍などが低下し、一旦は回復したが、13日に死亡した。病院側はミスを認めつつも、事故と死亡との因果関係は不明であるとしている[37]
  • 2012年9月 - 2014年2月…千葉県、千葉県がんセンター。同センターで、同じ男性医師が腹腔鏡手術を行った癌患者のうち、3人が術後しばらくして死亡していたことが明らかになった[38]
  • 2013年4月…神奈川県、横浜市立大学附属病院。同病院に前年の2012年8月から心不全腎不全で入院していた女性患者に対し、病院側はチューブを鼻から挿入することで患者の腸に栄養液を注入していたが、これが詰まったため、翌2013年4月7日になって、濃度25%の酢酸を注入した。ところが、患者はこの影響で壊死を伴う腸炎を併発し、24日になって死亡した[39]
  • 2013年6月…兵庫県、兵庫県立こども病院。心臓疾患で同病院に入院していた生後1か月の女児が、28日に発熱を起こしたため、抗生物質『パンコマイシン』の点滴による投与を行ったが、点滴開始から約1時間40分後に詰まって入らなくなり、その後、右足指3本が壊死していることが確認された。この女児は8月になって、壊死した指を切除した。規定より10倍近い濃度で投与したため、血管が詰まったことが原因とされる[40]
  • 2013年6月…熊本県、熊本大学医学部附属病院。同病院では、60歳代の女性と80歳代の男性が、肺癌の疑いがあるとしての組織の一部を採取し、男性の側に肺癌が発見された。ところがその後2人の検体が入れ替わってしまい、癌の発見されなかった女性の側が、8月に肺の下部の約3分の1を切除する手術を受けた。女性はその後退院したが、呼吸機能が低下しており、経過観察中である[41]
  • 2013年11月…兵庫県、兵庫県立淡路医療センター。同センターに心不全で入院していた当時77歳の男性患者について、容体が悪化し心電図に異常が生じたことを知らせるアラームが鳴動したが、看護師らはこれに約72分に亘り気付かず、患者はその後死亡した。病院側が、アラーム音を小さくしていたことも明らかになっている[42]
  • 2013年12月…東京都、国立成育医療研究センター病院。同病院に神経芽腫小児癌の一種)で入院中の1歳の男児に、同月18日に本人から採取した末梢血幹細胞を移植予定だったが、主治医が間違えて、男児の隣室に同じ病気で入院していた4歳の女児に移植していたことが明らかになった。2人には健康被害などは出ていないとしている[43]
  • 2014年2月…東京都、東京女子医科大学病院。18日に、顎の下に腫瘍ができた男児について、腫瘍の摘出手術を行ったが、この男児はその3日後の21日に死亡した[44]。同病院の調査で、この男児に対しては、小児への使用が禁止されている鎮静剤であるプロポフォールが大量に投与されており、また、プロポフォールが過去5年間で63人の小児に対し使われていたことも明らかになった[45]
  • 2014年4月…東京都、国立国際医療研究センター脊椎疾患で18日に検査入院していた当時78歳の女性に対し、整形外科の女性医師が造影検査を実施した際、脊髄への使用を禁止されている造影剤ウログラフイン」を誤って脊髄に注入。患者はこの時のショックで、多臓器不全にかかり死亡した[46]

脚注

  1. 1.0 1.1 *テンプレート:Cite report p.1
  2. Ganz DA, Bao Y, Shekelle PG, Rubenstein LZ. "Will my patient fall?" JAMA. 2007 Jan 3;297(1):77-86. PMID 17200478
  3. {{Cite report|title=医療従事者のための医療安全対策マニュアル |publisher=日本医師会 |date=2007-11 |url=http://www.med.or.jp/anzen/manual/menu.html |page=125]}
  4. 米国医療の質委員会 『人は誰でも間違える―より安全な医療システムを目指して』ISBN 4-535-98175-2
  5. Medication Errors Injure 1.5 Million People and Cost Billions of Dollars Annually". The National Academy of Science. 2006. Retrieved 2006.
  6. McDonald CL, Hernandez MB, Gofman Y, Suchecki S, Schreier W. (2009). "The five most common misdiagnoses: a meta-analysis of autopsy and malpractice data(2010年12月8日時点のアーカイブ)". The Internet Journal of Family Practice 7 (3).
  7. *テンプレート:Cite web
  8. 8.0 8.1 *テンプレート:Cite report
  9. * テンプレート:Cite report
  10. リスクマネージメントマニュアル作成指針 p4-5。
  11. 医療トラブル対策ハンドブック セルバ出版 p20・21 を参照
  12. 「医療被害防止・救済システムの実現をめざす会」
  13. テンプレート:Cite newsテンプレート:リンク切れ
  14. 「断罪された医療事故隠し」永井裕之 2007年 あけび書房ISBN 978-4-87154-074-2
  15. テンプレート:Cite news
  16. テンプレート:Cite news
  17. テンプレート:Cite news
  18. テンプレート:Cite news
  19. テンプレート:Cite news
  20. テンプレート:Cite news
  21. テンプレート:Cite newsテンプレート:リンク切れ
  22. テンプレート:Cite news
  23. テンプレート:Cite news
  24. テンプレート:Cite newsテンプレート:リンク切れ
  25. テンプレート:Cite newsテンプレート:リンク切れ
  26. テンプレート:PDFlinkテンプレート:リンク切れ
  27. テンプレート:Cite news
  28. テンプレート:Cite news
  29. テンプレート:Cite news
  30. テンプレート:Cite news
  31. 京都大学医学部付属病院 プレスリリース 2012年6月25日(2012年9月14日時点のアーカイブ
  32. テンプレート:Cite news
  33. テンプレート:Cite news
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  37. テンプレート:Cite news
  38. 千葉県がんセンター:同一医師の手術後3人死亡、検証へ 毎日新聞 2014年4月23日
  39. テンプレート:Cite news
  40. テンプレート:Cite news
  41. テンプレート:Cite news
  42. 医療ミス:心電図のアラーム気付かず男性死亡 兵庫 毎日新聞 2014年4月23日
  43. テンプレート:Cite news
  44. 東京女子医大病院:鎮静薬投与、2歳児死亡 あご手術後 毎日新聞 2014年3月5日
  45. 東京女子医大病院:小児に使用禁止鎮静剤 5年で63人に 毎日新聞 2014年6月6日
  46. 造影剤:担当医が違う種類を使用、78歳女性死亡 東京 毎日新聞 2014年4月19日

関連項目

外部リンク