関西医科大学
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テンプレート:Infobox 関西医科大学(かんさいいかだいがく、テンプレート:Lang-en)は、大阪府枚方市新町2-5-1に本部を置く日本の私立大学である。1947年に設置された。大学の略称は関医(かんい)。関医大。関西医大。6年間の学費は2,770万円程度。
目次
概要
1928年(昭和3年)大阪女子高等医学専門学校(大阪女子医専)として大阪府枚方市牧野地区に開設。当時西日本で唯一の女子医育機関であった。その後、1960年大阪府守口市に滝井病院(現在の附属滝井病院)が竣工し、専門課程と大学本部が守口市に移転。教養部の2年間は牧野キャンパスで学び、修了後は守口市の滝井キャンパスで学ぶ形を採用した。
しかし、2013年枚方市ですでに開業していた附属枚方病院の隣接地に新学舎が開設。これにより2つに分断されていたキャンパスは枚方に集約されることとなった。なお、かつて教養部が置かれていた牧野キャンパスは現在、附属看護専門学校の校舎として使用されている。
沿革
- 1928年 - 大阪府枚方市牧野地区に大阪女子高等医学専門学校を開設。
- 1935年 - 附属病院開設。
- 1947年 - 大阪女子医科大学予科を開設。
- 1949年 - 大阪女子医科大学学部を開設。
- 1952年 - 新制大阪女子医科大学となる。
- 1954年 - 関西医科大学と改称(男女共学制実施)。
- 1960年 - 学校法人事務所を大阪府枚方市牧野地区から守口市滝井地区に移す。枚方市牧野地区は、医学進学課程(教養部)設置認可を受け、教養課程となる。
- 1961年 - 大学院(医学研究科博士課程)設置認可。
- 1964年 - 綜合研究所設置。
- 1975年 - 附属男山病院(京都府八幡市)を開設。
- 1979年 - 附属病院第三次救命救急センター開設。
- 1982年 - 附属洛西ニュータウン病院(京都市西京区)開設。
- 1986年 - 附属肝臓研究所設置。
- 1992年 - 附属病院心臓血管病センター設置。
- 1993年 - 厚生省より附属病院第三次救命救急センターが国内2番目、西日本では初の高度救命救急センターに指定される。
- 2005年 - 附属香里病院閉院
- 2006年 - 附属洛西ニュータウン病院を清仁会シミズ病院グループに事業譲渡(現在の洛西ニュータウン病院)。
- 2006年 - 附属枚方病院(救命救急センター)開院。それに伴い附属病院を附属滝井病院に改称。附属肝臓研究所を改組し附属生命医学研究所を設置。
- 2007年 - 立命館大学と学術交流協定を締結。
- 2009年 - 附属男山病院を事業譲渡(現在の医療法人美杉会男山病院)。
- 2010年7月1日 - 香里病院を開院。
- 2012年4月1日 - OMMメディカルセンターと経営統合し、天満橋総合クリニックを開院。
- 2013年4月1日 - 枚方キャンパスに枚方新学舎を開設。
- 2013年8月26日 - 牧野キャンパスに附属看護専門学校が移転
基礎データ
所在地
- 大阪府枚方市新町2丁目5番地1号
建学の精神
慈仁心鏡、すなわち慈しみ、めぐみ、愛を心の規範として生きる医人を育成することを建学の精神とする。
教育の理念
建学の精神に則り、自由・自律・自学の学風のもと、学問的探究心を備え、幅広い教養と国際的視野をもつ人間性豊かな良医を育成することを教育の理念とする。
学校歌
- 学歌「のぞみ」(作詞宮前澄子 作曲石井五郎)
- 学生歌(作詞松村忠樹 作曲山本丈晴 編曲伊藤裕春)
- 逍遙歌(作詞竹本司郎 作曲山本丈晴 編曲伊藤裕春)
教育および研究
組織
学部
- 医学部
- 医学科
大学院
21世紀COEプログラム
- 2003年(平成15年)度、文部科学省選定の世界最高水準の研究教育拠点を目指す21世紀COEプログラムの医学系分野に1件のプロジェクトが採択されている。プログラム名は「難病の革新的治療法の開発研究-骨髄内骨髄移植を用いた難病モデルでの検討-」(事業推進担当者 池原進教授)。これに伴い基礎医学と臨床医学の融合とより一層の大学院教育の活性化を目指すため、従来の専攻系に加え本拠点形成の核となるトランスレーショナル・リサーチ志向型専攻系を設けることにした。
私立大学学術研究高度化推進事業
- 平成10年度ハイテク・リサーチ・センター整備事業
- 移植センター-新しい骨髄移植方法の開発など
- 平成15年度ハイテク・リサーチ・センター整備事業
- 癌治療センター-革新的な癌治療方法の開発
- 平成13年度学術フロンティア推進事業
- 再生医学難病治療センター-再生・分化機構の解明(基礎部門)など
- 平成18年度学術フロンティア推進事業
- Brain Medical Research Center-修復再生医学による神経系難治性疾患の治療に向けた横断的トランスレーショナル研究(大学院医学研究科 伊藤誠二教授)
他大学との学術協力協定
- 立命館大学
- 大阪工業大学・摂南大学
学生生活
- 臨床医学教育、基礎医学教育各論については臓器別系統別チュートリアル教育を採用しており学生自らが積極的に問題解決する能力を養う。その後、共用試験 (CBT、OSCE) に臨み合格すると、参加型の臨床実習すなわちクリニカルクラークシップが開始され附属病院各科をローテーションすることになる。なお、医学英語教育は第一学年から第三学年まで継続的に行っている。第六学年一学期の参加型臨床実習では関西医科大学附属病院だけでなく、学外の一般病院や国外(ドイツ、マレーシア)の病院、大阪医科大学附属病院・近畿大学医学部附属病院・兵庫医科大学病院との相互選択臨床実習も行っており多様な施設、病院での実習が可能である。
部活動
- 部活動は盛んであり、多くの学生がいずれかの部活に所属している。枚方キャンパスには講堂兼用の体育館、テニスコート、クラブハウス等が、また牧野キャンパスにはグラウンドの他、体育館、講堂、クラブハウス等の施設が整備されている。放課後枚方キャンパスと牧野キャンパスとの間にシャトルバスが運行され活用されている。
学園祭
- 学園祭は「霜月祭」と呼ばれ、毎年11月初旬の3日間、牧野キャンパスにておこなわれていたが、2013年4月枚方学舎が開設され、2013年は枚方キャンパスで行われた。
特色
- 心療内科は1986年(昭和61年)、第一内科の一部門として誕生し、その後1996年(平成8年)に診療部門として、2000年(平成12年)には講座として独立を果たした。なお、日本国内で心療内科を講座として有している医学部は、現在のところ本学と東京大学、東邦大学、九州大学、鹿児島大学の5大学のみである。そのため、患者は近畿圏はもとより西日本全域から訪れている。
- 小児科は大阪女子高等医専時代にいち早く開講された。新生児部門では、昭和39年から未熟児センター、同53年から新生児特定集中治療室(NICU)が設置され、我が国における新生児医療の草分け的な存在の一つである。大阪新生児診療相互援助システム(NMCS)の基幹施設としても機能しており、新生児搬送治療用のドクターズカー導入は西日本では関西医大が初である。また、小児に対する在宅人工換気療法も積極的に施行しており、関西地区における小児医療に多大な役割を果たしている。
- 大学コンソーシアム大阪の加盟校である。
- かつては本院を含む4付属病院[滝井病院(旧関西医科大学付属病院)、男山病院、洛西ニュータウン病院、香里病院]を運営していたが、医師不足や枚方病院の新設などに伴い、男山病院、洛西病院は事業譲渡された。香里病院も敷地面積の不足や建物の老朽化により閉鎖予定であったが、地域のニーズもあり、新築維持されることになった。滝井病院も同様に老朽化が進んでいるが段階的に新築工事が行われている。
関連施設
- 関西医科大学附属枚方病院
- 関西医科大学附属滝井病院(旧関西医科大学附属病院)
- 関西医科大学香里病院(大阪府寝屋川市) - 2005年12月31日に一旦閉院したが、京阪香里園駅東地区再開発事業により建て替えが行われ、2010年8月に再開。
- 関西医科大学天満橋総合クリニック(旧OMMメディカルセンター(大阪府大阪市中央区))
- 附属生命医学研究所(旧肝臓研究所)
- 関西医科大学附属看護専門学校
大学関係者と組織
大学関係者組織
- 関西医科大学の同窓会は、関西医科大学卒業生全員によって構成され、全国に32の支部がありそれぞれ特色ある活動を行っている。
大学関係者一覧
- 理事長 - 山下敏夫
- 学長 - 山下敏夫
- 関西医科大学の人物一覧